剱岳 小窓尾根

2016年5月1日~3日
赤井、薄田、野澤、河合(記)

5月1日(曇り)
新人の河合です。
まだまだヨチヨチ歩きのクライマーですが、小窓尾根登ってきましたので記録しておきます。
前日は深夜まで友人の結婚式で出発が遅くなりました。メンバーには日程・時間合わせて頂き感謝。
午前0時に東京某所に集合後、馬場島へ。
確か5時頃着。
仮眠の後、9:30に出発。
堰堤手前で川の左岸に渡り(飛び石で渡渉せずに済みました)、堰堤を越えたところで、今度は右岸に渡渉。
小窓20160501_写真1
渡渉は膝程度で問題ありませんでしたが、冷たいを通り越して痛い・・・
その後、沢を少し下ってガレ沢を詰め、明瞭な踏み跡に合流、登って降りて池ノ谷出合へ。
左俣を高巻きながら少し詰めて、雷岩へ。
小窓20160501_写真3
雪が少なく迷わず左の尾根に取付きました。明瞭な踏み跡あり。
尾根に着いてからはひたすら急登。
雪が少なく藪漕ぎも多く、体力が吸い取られるし、ペース出ない・・
1600m台地付近からは雪も多少出てきました。
小窓20160501_写真5
1990mピークでいい時間になったので幕営しました。

 

9:30馬場島→11:40/50雷岩→15:15 1990mピーク

 

5月2日(晴れ)
まずは2,120mピークを目指します。
ニードルが見えてきました。
小窓20160501_写真6
藪漕ぎは昨日で終了と思いきや笹藪は健在、さらに今度は針葉樹林帯(コメツガ)のジャングルジムで、これまた荷物が引っかかって面倒。
途中雪壁の乗越があり、ロープを出しました。
対面の早月尾根では、ヘリが2台旋回、その後尾根上部でホバリング。どうやら救助活動中だったようです(下の写真の黒い点)。
小窓20160501_写真8
帰宅したら無事救助されたというニュースが出てて、ほっとしました。
前日も池ノ谷方面にヘリが飛んでおり、心配していました。
道も痩せてきて、やっとクライミングっぽくなってきました。
一箇所、2回に分けて懸垂下降してから、ドームに向けて登り返します。
小窓20160501_写真9
ここからが小窓尾根のハイライトではないでしょうか?
マッチ箱目指して登ります。手前のピークは雪がついている所の辺り、右から回り込んで裏側を登ると楽でした。
小窓20160501_写真10
取付はワンポイントで少し悪い所がありました。
手前のピーク頂上付近で、直登してきた3人パーティーを追い抜き、核心部へ。
小窓20160501_写真12
心地良い高度感の中、岩にまたがったりしながらの登攀です。
一箇所、ロープを出しました。急な雪壁もあり、ダブルアックスで通過。
小窓20160501_写真13
マッチ箱から先は雪稜の部分が多くなってきました。
気温は上昇しグサグサの腐れ雪で、小窓ノ頭過ぎた辺りからは部分的に膝上のきついラッセル。
早月尾根の池ノ谷側では、先ほどからどっかんどっかんと、雪崩が頻発。
小窓ノ王が見えてきました。
小窓20160501_写真15
剱岳本峰方面もよく見えます。
小窓20160501_写真16
小窓ノ王は基部を右に回り込み、懸垂下降2回と雪面トラバース1回で三ノ窓でした。
1回目懸垂の終了点は気温上昇のため大雨状態でずぶ濡れ。落石も頻発。
小窓20160501_写真17

 

小窓20160501_写真18三ノ窓は快適なテン場でした。

 

5:35 1990mピーク→6:20 2120mピーク→ 8:20/9:10 2340m地点(懸垂下降)→9:30/50 ドーム→ 12:20 小窓ノ頭→13:55小窓ノ王基部→ 15:10 三ノ窓

 

5月3日(晴れ)
早起きしてさっさと池ノ谷ガリーを通過。雪がしまっていて昨日と比べ大分歩きやすく快適でした。
その後は北方稜線を一路剱岳本峰へ。これまでの苦労のご褒美か、素晴らしい雪稜です。
小窓20160501_写真22

 

小窓20160501_写真23
ところどころ悪いトラバースや下降もあり、長次郎のコルからはダブルアックスの急な雪壁登りありで気は抜けませんが、噛みしめながら進みます。
山頂に着きました。祠はほぼ埋まっていました。剱沢方面は少し霞んで見えました。
小窓20160501_写真26
後は早月尾根を、早月小屋目指して下降です。
山頂直下と途中に2箇所、氷結しかかったガリーと急な雪壁があり、懸垂下降した痕跡がありましたが、ロープは出しませんでした。
振り返ると剱岳がドーン。
小窓20160501_写真27
早月小屋からは各自のペースで馬場島へ。私はペースが遅くて(みんな速い!)、木の根本の残雪穴にでもはまったかと心配されてしまいました。
尾根下部は春まっさかり。
新緑の中、林床にはイワウチワの花畑、カタクリやショウジョウバカマ、タムシバやマンサクなどが咲きほこる中ギフチョウが舞い、癒しのハイキングでした。
小窓20160501_写真29
あっさりと昼に下山できたので、まったりと温泉に浸かってから帰りました。

 

予想されたことではありましたが残雪が少なく、下部は藪漕ぎに苦労しましたが、上部は素晴らしい岩稜、雪稜でした。

 

4:15三ノ窓→4:55/5:10 池ノ谷乗越→5:55 長次郎のコル→6:25/6:40 剱岳山頂→ 8:50/9:10 早月小屋 → 12:00馬場島(河合。速いメンバーは11:00過ぎには馬場島に着いていた模様)

 

八ヶ岳 阿弥陀岳北稜

2016年3月17日(木)
牧野(単独、記)

終日快晴、無風。気温が高かった。
朝、美濃戸まで車で入れた。
6時前に歩き出す。
行者小屋に到着すると、平日としては珍しく3パーティーほどいた。
各パーティーとも、文三郎道から赤岳を目指すようだ。
9:15、北稜の取り付き着。
(HP)北稜取り付き
トレースがあったので、単独の自分には助かる。
10時頃、ジャンクションピーク 。
雪が柔らかく、足元から崩れ歩きにくい。結構時間がかかった。
その先の岩峰は正面左の岩溝から取り付く。
(HP)岩峰取り付き
11:30、阿弥陀岳の頂上に。
3日前の降雪で、山頂はかなりの積雪。歩くと腿までもぐる。
山頂へのトレースは中岳側のみ。
30分くらい山頂に居てから下山開始。
(HP)中岳から阿弥陀を望む
気温がかなり高いので中岳沢は避ける。
14:00には行者小屋に降りた。
コースタイム:
美濃戸 5:50 – 行者小屋 8:00着、8:30発 – 北稜取り付き 9:15 – ジャンクションピーク 10:00 – 岩峰 10:50 – 阿弥陀岳 11:30着、12:00発 – 中岳 12:30 – 文三郎道分岐 13:00 – 行者小屋 14:00着、14:30発 – 美濃戸 16:00

谷川岳 東尾根

2016年3月13日(日)
薄田(単独、記)

コースタイム(アバウト):
ロ-プウェイ駐車場 4:00 - 一ノ倉沢出合 5:30 - 左方ルンゼ 6:00 - 第二岩峰 7:00 - 第一岩峰 9:00 - 稜線 9:50
天気今一だったし、パートナーいないので一人でした。
(HP)一人で東尾根
雪は昨年より遙かに少なく、第二岩峰は左に回り込んでリングボルトの上のルンゼ状(15m3級程度)を登る。
(HP)岩峰
ビレーヤーいないので勿論フリー(落ちればマチガ沢で雪だるま)。
先行がホールドの「雪のけ」をやってくれたけど、使うホールドが違うので再度「雪のけ」。
その後先行(若い男女)を抜いたので、稜線までずっとプチラッセル。
オキの耳で可愛い山ガールがタイミング良く登ってきたので写真を撮って貰った。
(HP)山頂にて
勿論、先に撮ってあげました。
おしまい。

甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根

2016年1月10日(日)~11日(月)
薄田(単独、記)

行程:
1月10日(日) 竹宇駒ケ岳神社 5:30 – 七丈天場 12:30
1月11日(月) 七丈天場 5:30 – 八丈下降点 7:00 – 中央稜取付 7:30 –
竹宇駒ケ岳神社 14:00
いろいろ有って(30有余年?)初めて奥壁中央稜の取付に行きました。
1月9日
夜、越谷を出発し0:00過ぎに白州道の駅(名称は正しくない)到着。一人なので車で寝る。
1月10日
周りの車の中にも寝てる人がいるので静かに出発。竹宇駒ヶ岳神社まで移動する。
3連休なので駐車場は満車状態。
準備して出発する。当然雪は全くなし。
何回登っても黒戸尾根はキツい。ロング&急登のコンビネーション。
「ガチャ&ロープ」が無いのに十分キツい。
雪は五丈くらいから顔を出す程度。やはり少ない。
七丈について小屋を覗くと管理人不在である。
軟弱にも小屋の素泊まりにしようと思ったが、しようが無いのでテントを張ることにする。
流石に雪が有り、水の心配が無くなった。
何もすることが無いので、焼酎を少し飲んで18:00に寝る。
20:00頃、人の声に起こされる。
話の内容では、黄蓮の右俣でも登ってきたらしい。
男2、女1で遅くまで喋っているので、よっぽど文句を言おうと思ったが、女性(若そう?)がいるので我慢した。
1月11日
テントは張りっぱなしで出発。
何かお腹に違和感を覚える。
キジ場が下の小屋なので、下ってくるまで我慢することにした。
これがいけなかった。
30分も経つと下痢止め「ストッパ」が必要な状態になる。
八丈直前で岩陰も無く、周りはバッチリ明るくなり、悪いことに小屋泊まりの山ガ-ルを含む登山者がヘッデンを点灯して登ってきた。
「ヤバイ」「やばい」「もう我慢の限界です」
20m先に小さな岩陰を発見!そこまで気合いで我慢する。
「間に合った」
八丈下降点分岐点は写真のでかい岩場手前で左に下るバンドを下降する。
小さな尾根を2つ越えると奥壁が登場。
後は慎重に取付迄下る。やはり雪が少ない。
中央稜は写真の中心。
中央稜取付
ルートは直線的ではないみたい。
取付はクラックかな?残置ハーケンがある。
30分くらいウロウロして下山する。
周辺ウロウロ