2000年9月16日
櫻井(記)、高橋
台風と秋雨前線でパッとしない天気。
朝からパラパラと雨が落ちてくる。
キャンプ場のすぐ上にゲートがあるので車はキャンプ場に置く。
このキャンプ場はボーイスカウトの管理らしくカマドや水場がきちんと自然のなかに配置されていてなつかしい。
林道を登ると1時間しないで通行止めとなり迂回路へ入ることになる。
発破を使った林道工事で本来の右岸の道は土砂崩れ状態になっている。
「入って死んでもしらないよ」という趣旨の看板が立っている。
迂回路は左岸にけっこう無理やりつけられている。
トポによれば林道終点から数分で正股沢に出合うことになっているが、それらしい沢はなかなか現われない。
2万5千図で見当をつけて3本目に横切った沢に入る。
すぐに古い堰堤が出て、変だなと思っていると30分もしないうちにチョックストーンを持った10mの滝が出てきた。
これで決定的に沢を間違えている事がわかって引き返す。
良く見れば2万5千図に堰堤記号があるではないか。
青い線の水流は書かれてないが沢地形の中にポツンと書いてある。
めざす正股沢はまだ先だ。
今度は間違えないようにと、迂回路が小野川沿いの本来の登山道に合流するところまで行ってから考えることにする。
古い登山道に合流しトポの記述と照合するためにその登山道を登ったり、下ったりして地形図との関係を確かめて見た。
トポによると小野川本流を渡り次に出てくる小橋が正股沢というので、その沢に入ってみる。
しかし10分も行くと水流があまりに情けなく湿地状になってくる。
これもまた違うだろうと、もとの登山道に戻る。
何が何だか混乱してきたので、気をとりなおし登山道をそのまま、奇世美の滝を見に行くことにする。
この滝は下から見上げると滝本体だけでなくその下の小台地の高さも含めてのスケールを感じるので高差100mを超える迫力がある。
滝の本流を取り囲んで半円筒形に側壁がありその表面を水流が伝っている。
こいつは評判通り凍ったらすごい!その滝の迫力を堪能して(夏はまったく登る対象に思えない)また正股沢探しに戻る。
迂回路は6本の沢を横切るのだが、こんどは登山道に合流する手前の沢に入ってみる。
この沢は本来の登山道とは交差しないのでトポとはまったく違うアプローチとなるのだが、入ってみるとゴーロが続き、それらしい谷の広さもある。
地形図の青い水流の線とも一致しているようだ。
しかし40分ほどゴーロを登るとパラパラと降っていた雨が本格的なザーザー降りになってきた。
雲の動きも早く台風の影響を感じてきた。
結局ここまでで引き返すことにする。
急いで迂回路に戻ると沢はかなり増水してきた。
高橋君には悪いが氷のためのアプローチを調べるという意味では満足できたので、山行はここまでとして帰ることにした。
しかし「登山大系」と「アイスクライミング」にあるアプローチの解説はなんだったろうか?堰堤や道、橋などといった人工物を目印にしているとこんな目にも遭うのだなと実感した。
また、長雨の中では、普通、沢と思わない涸れ沢も一人前に見えてしまったため、余計に頭がこんがらかってしまったとも思う。
あまり人の入らない沢などではアプローチを軽く見ると失敗するというよい教訓でした。
温泉情報:木曽福島近くの国道から木曽駒高原へ分岐する道(信号のある立派な交差点)を500mほど木曽駒方向に入ると右手に国民宿舎がある。
ここの温泉が渋い。
500円。
アヒル、鯉、やぎ、チャボが遊ぶ庭と檜作りの湯船、FRPのバブル露天風呂など興味が尽きない。