前穂高岳 屏風岩 雲稜ルート、東稜(フリー)

1999年5月1日~4日
富安、増子

増子(記)

5/1

朝、出発し、上高地にpm1:00着、横尾3:30着。

以下、横尾ベース。

5/2

雲稜ルート:朝4:00出発、7:00取り付き、11:30頃に上部凹角部につくが拳だいの落石、落氷が定期的に発生していたためここから懸垂下降とした。

12:30T4到着。

終了。

核心部のグレードは11なのでオンサイトだろうと思い取り付くが、冨安テンション、増子に交代するがやはりテンションする。

どうしても指先を酷使する1ムーブが出来ずA0で上がり、上部(10c~)をクリアーする。

5/3

東稜ルート:朝3:00出発、6:00取り付き、12:30終了。

懸垂下降として14:30T2到着。

終了。

2ピッチ目の核心部(12ー????)は、力量がとんでもなく及ばずクラシックルートに変更して突破。

このほかピッチは、10b~11bだったのでオンサイト又は1テンション程度で登ることが出来た。

5/4

雨のため下山。

松本駅近くの信州会館で風呂にはいる。

屏風山行終了。

最後に、東稜ルートにチャレンジして思ったことは、ルートには当然チョークの跡がなく、1ピッチのゲレンデに比べ時間及び視野の制限があり、難しくなる様に思う。

特に、ついつい早く登らなくてはと思い、モチベーションを高めるまもなくトライしてしまい、テンションしてしまった様に思う。

また、1ピッチのゲレンデで登れたといって有頂天になっている私であるが、ルートを読む眼力は実際には育っていなかった様に思う。

今後、東稜ルートのようなマルチピッチのデシマルグレードのルートが増えるといいなあと思う。

楽しい山行でした。

追伸
連休後半戦は有笠山(5/7)、嵩山(5/8)に、冨安、増子でフリーに行って来ました。

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富安(記)

5/2

雲稜ルート 4:00に横尾出発。

ちらほらと雪が降っており、フリーができる状態なのか心配。

が、ガンガン進む。

岩屋を超えたあたりはまだ雪があり、ジョギングシューズではつらい。

7:00に取り付くころには晴れ上がっており、岩も暖かい。

釣瓶式に上る。

扇岩の核心は11。

冬に見た時、カチの連続するフェースとイメージしていた。

結構やる気で、増子さんとのジャンケンに勝利し、取り付く。

が、一手も進まずテンション。

実際に取り付いてみると、微妙な足が必要なスラブの感じで、ここしばらく人工壁しか相手にしてなかった自分には不可能。

すぐ増子さんに交代。

さすがに巧くこなすが、二本目のクリップを超えたあたりでフォール。

苦手なタイプらしく、再トライもなく諦めが早かった。

トップロープになった状態で再度試みるが、二本目のクリップで、行き詰まり、結局、人工。

フリーをやりにきて、唯一のデシマルグレードのピッチをできないのは間抜けだった。

それから2ピッチ上り凹角部に入る手前で、氷、石が落ちてくるため、ここで終了、11:30。

同ルート懸垂下降、12:30T4着。

5/3

東稜 3:00に横尾出発。

6:00取付。

取付手前の雪渓はロープを出す。

ここは気温が上がると氷、石が「ブーン」

と跳んでくる為、結構危ない。

取付で30分程モチべ-ションを高め、6:30より登攀開始。

出だしは5.10+。

出だしから悪く、増子さん1テンションで抜ける。

私はさっぱりホールドが解らず、下部2手をA0。

開始早々、すでにリードする気をなくす。

核心の2ピッチ目は12-。

すっと立った壁で、上部は青空に隠れており、美しい。

増子さんは下部を巧くこなしたが、上部で行き詰まり、左に脱出。

私は下部からフォールの連続で、足がさっぱりあがらない。

あぶみにお世話になる。

3ピッチ目10b。

トラバースがよく解らず、A0。

4ピッチ目11b。

ザックデポ。

増子さんは核心のスラブを越え、ガバをとってからフォール。

惜しかった。

私はもちろん最初からフォール。

核心部は非常に微妙なムーブで、指一本動かせなかった。

このピッチは岩がもろく、ちょっと恐い。

私は顔面大の岩をはがしてしまった。

5ピッチ目10c、6ピッチ目10+。

増子さんはオンサイト。

私は何度トライしてもできなかった。

終了点12:30。

同ルート下降 T4 14:30着。

力及ばなかったが、東稜のフリーは歯ごたえのある楽しめるルートだった。

大きな壁、人工壁のみでは対応できない細かいホールド、微妙なムーブのプレッシャーは満足できるものだった。

こういう歯ごたえのあるデシマルグレードの続くマルチピッチの壁をもっと楽しんでみたい。

今回の山行で、特に懸垂下降の最中、支点取り、セルフビレイ等で大事故一歩手前のへまなことをやってしまった。

増子さんのおかげで事故にはいたらずにすんだ。

全般的に増子さんに頼りっきりの山行だった。

次は、お互いの技術を信頼してない仲間と、持っている知識で十分対応できるクラスの山行をしてみよう。