日程:2020.9/20-22
参加者…山崎(記)、船戸
今回の主な登攀装備
60mダブルロープ×2、#01~5×2、#6、ヌンチャク。スリング、確保器、他
9月19日(土)
20時、都内某所集合。新穂高温泉駐車場。
9月20日(日) 曇り / 晴れ
7時15分 駐車場発 ~ 10時15分 四ノ沢出会い。
蒲田川左俣林道を行き、穴毛谷をやり過ごし、2本目の左に分かれる道に入る。直進すると弓折・双六方面。しばらく行くと穴毛谷に入り、堰堤を右岸に渡り、後は沢を左右に渡りながら穴毛谷を遡る。踏み跡などは全くなし。四ノ沢出会いには10時15分着。
林道分かれ道
穴毛谷
四ノ沢出会。遠くに目指すピナクル。
出会 10時40分 ~ 二俣 11時10分 ~ テン場 13時30分
出会から四ノ沢を左俣と右俣に分ける二俣までは順調。二俣から左俣に入るが、その辺りから悪くなる。当日は雪渓あるも部分的に薄いようで、時々音を立てて崩壊していた。雪渓左端を進み、左俣に少し入ったとこで左岸に渡るが、この辺りは全体的にガレ場で、ほぼみんな浮石で動く。中には冷蔵庫大の岩も普通に動くので、極めて慎重に行動しなければならない。触れて動き出した岩が、轟音を立てて沢に落ちていく。
慎重に左俣を詰め、左岸側3本目の沢筋に入っていく。この辺で水を補給。支沢の急登を20分位で右側にトラバースしていくと、わずかなスペースのテン場に到着する。テン場は2人用1張り分しかなく少し斜めっている。二俣からテン場までが非常に悪く、神経をすり減らすので、大した行動時間でないのにとても疲れた。
二俣付近。雪渓が現れる。岩はみんな浮いている。
二俣付近。左俣に入ったところ。
前方にそそられる第1岩峰が。
テン場。眺めは最高。遠くに穂高が。
9月21日(月) 高曇りのち晴れ
基部ルンゼまでは、テン場からすぐそこ。そこからクライミング開始。
ピナクル全景。赤線が登攀ライン。
1P目
7時30分開始 ~ ピナクル頭 13時50分
1P目 Ⅲ級 50メートル 船戸
テン場から登ってきてルンゼ状をそのまま登って行っても基部大テラスに出られるが、途中ロープを出し、右側のカンテ状を登る。簡単だがプロテクションを取るところがあまりない。カムを2つだったか決めて基部大テラスへ。正面をさらに一段上がったところの小灌木の根っこに新しい捨て縄があり、そこで切る。
2P目 Ⅳ ほぼ60m 船戸
1P目終了点すぐ上の草の生えた少し悪い凹角状を上がり、あとは右上方向にみえる3P目のダブルクラック下の木を目指して緩斜面を右上していく。古いハーケンが1つあったが、リードは無視し、岩やところどころにある節理にプロテクションを取りながら右上していく。滑る草付きやスラブ、脆い箇所もあるので慎重に行く。
2P目 ダブルクラック下の立木目指して緩やかに右上。
3P目 10a 35m 山崎
出だし滑りやすい草付きに注意しながら直上し小ハングを越え、ダブルクラックは左側のクラックを登る。垂直に立っており、遠くからだとわからなかったが、左側のクラックは、これまたダブルになっており、左側はワイド、右側は快適なハンドサイズ。ワイドクラック内は湿っており、足を滑らせ少々苦戦したが、右側はハンドバチ効きで快適。抜け口が草付きで滑り易く、少し悪いが慎重に上がる。終了点の太い立木でビレイ。残置スリングが巻き付けてある。体感10aか。
3P目出だし。右上の小木にも残置スリングあり。帰りはそこを懸垂支点とした。
4P目 5.7 40m 船戸
太い木から草付きを少し右上すると短いワイドクラック。ここで6番カムを使用。アームバーと膝を使ったりヒール&トゥで体を上げるが、すぐにガバがある。ワイドを抜けたところに大きな動く岩があるので注意する。この辺岩が不安定な状態。さらに気の抜けないいやらしい草付き岩稜帯をほぼ直上していくと木がありそこでビレイ。2本の捨て縄あり。
4P目。ここからは見えないが、右の木が生い茂っているところにワイドクラックがある。
5P目 10b 30m 山崎
最終ピッチ。少し左にいくと3つの割れ目が。トポでは真ん中を行くことになっているので、最初右から入り、真ん中のクラックに移ろうとするも乗り移れず。そのまま右のワイドクラックを直上する。右クラックはガバもあり容易。スタート点から少し下ったクラックの一番下からも取り付こうとしたがうまくいかず、結果こうなった。
脆い岩に注意しながら登ると、大岩に2本のスリング。すぐその先がピナクルてっぺんだが、ハイマツで足場が悪そうなので降りてきて2本スリングのところでビレイ。
5P目の3本のクラック。五月晴れルートは真ん中を行く。一段降りて下から取り付こうとしたが、草が生えてて手を入れられず怖いので、サッサと右から抜けた。右は簡単。
5P目ビレイ点から下。下に見える木が4P目の終了点。
登ってきた壁。
帰りは各終了点にあった立木を使って、登ってきたルート沿いに降下した。色々あったが生きて取り付きに戻ってきた。
翌日は、二俣までのあの最悪な沢筋をゆっくり丁寧に慎重に下り、11時頃に新穂高温泉郷に到着。ほかの方の記録でもありましたが、帰ってきたというよりは生還したといった感じ。
壁は、人気ルートとは大違いで、連休にも関わらずだれもおらず、とてもワイルドな感じであったが静かなクライミングを楽しめました。
それよりもとにかくアプローチが悪い。アプローチ核心でした。