瑞牆山 小ヤスリ岩 ファーストワークス

1997年7月19日~7月20日
細田、中嶋(記)、畠中

18日夜、柳瀬川集合、関越周りで瑞牆に向かう。アプローチの沢の出合いにテントを張る。

19日 晴れ

宴会が長引いたのでかなり遅くまで寝ていた。もっともこの日は上でビヴァークの予定だったので焦らなかった。十一面のアプローチのガレ沢に入らず北沢をひたすら詰め、取り付きを探す。岩雪169号の初登の記録では岩のどの面にルートが引いてあるのか解らないので、周りを偵察しまくった。北面は薮が多そうなので西面と南面を重点的に探したが、記録にある「いちばん右端にある左上クラック」が見つからなかった。西面の中央に走る直上するクラックがもっともきれいで登り易そうに見えたので、意を決してエイドアップをはじめた。

1P目、AA1 40m
キャメロットの#2?3ではじまり、#5が使えるところもあった。一部フリーもまじえ、最後に”広いテラス”に乗りあがったときはなかなかの感動。うまい人ならこれくらいのクラックはフリーで登ってしまうのだろう。

2P目、4級 10m
初登時の記録にある”広いテラス”から、3ピッチ目の凹角までのトラヴァース。広いテラスというのは本当に広くて、途中に岩の衝立を挟んで六畳二間くらいに感じた。

3P目、4級 AA1 15m
脆いクラックをエイドアップしていく。岩がしっかりしていればフリーで行けそうに見える。リードした細田によれば、脆いが技術的にはAA1位とのこと。狭いトンネルをくぐって4ピッチ目取り付きのテラスへ。この時点で17時近かったのでここまでとしロープをフィックス。六畳二間のうちの一間にシュラカバに潜って雑魚寝、酒をあげてあったので非常に気もちの良いビヴァークとなった。

4P目、オフィズス? ボルトラダー 25m
オフィズスは初登記録では10aだが、こういうのは初めてだったのでどのくらい難しいのかさっぱり解らなかった。とてもおっかなかったのは確かで、キャメの#5が役に立った。もちろんテンションかけまくりでした。続くボルトラダーはらくちん、とにかく初登者の方に感謝です。

頂上は思ったより広く、十畳位に感じた。岩茸がいっぱい。下降中、広いテラスから北面に懸垂支点があって、初登時の1ピッチ目が北面にあることが解った。初登時のものの方が、クラックが浅く、泥やコケが付いていて難しそうに見えた。

このルートは全4ピッチと短いが、その分私のようなエイド初心者の練習にはもってこいだと思う。そうでなくても、雄々しく突っ立っている岩塔小ヤスリの上に立てるのだから、かなりお買得なルートだ。