瑞牆山 小ヤスリ岩 山灯花

河合(記)

小ヤスリ岩正面壁の中央、垂直の広大なフェースを登るこのルート、瑞牆林道への右折ポイントからでも、容易にそのラインを追うことができる。見た目の迫力は、かのエクセレントパワーと遜色ないと思う。しかし、人気はないようだ。過去に他パーティと被ったことはなく、トライ中のクライマーも2パーティしか見たことがない。年間で片手程度のパーティしかトライしていないのではと思う。
不人気の理由は色々ありそうだ。アプローチが80分強、標高差500mと遠い。グレードも発表時5.13a、瑞牆本で5.12dと、気軽に取り付くには中々ハードルが高い。そしてランナウト。25mのフェースにボルトは7本、特に一連の核心は強烈で、並のトラッドより緊張する。

ここ!

ショートピッチなのにビレイ地点から足元スースーで高度感満載の本ルートに惚れ込み、今年、集中的にトライした。今年の初夏と秋に小ヤスリ岩で黄色か赤色の奴が絶叫していたら多分私です、お騒がせしました。

核心に入る。Thanks to S木さん

(1日目)
2020年夏、川上さんの蒼天攀路3p目5.12bのトライに付き合いがてら、上から懸垂下降して、1便トップロープで触った。ムーブは全て起こせたけど、繋がるイメージ湧かず。

6ボルト目から下を見下ろす。ヨセミテっぽい景色。ボルト間隔が…

(2日目)
2021年初夏、トライ開始。この日は、以前このルートを登ってみたいと話していたS田さんに付き合ってもらった。今回はちゃんとリードするも、何度もバンジージャンプ、怖ぇぇ…。最終クリップ手前でバランスを崩し、剥がれるように頭を下に落ちてしまったのは、怪我しなかったけど大失態。1便目でアップどころか指と腕が終わりかけ、メンタル終了。以降トップロープでトライを継続、計4便出した。毎回リードしていたらヌンチャク回収できなかったと思う。S田さんは蒼天攀路3p目5.12bを2撃しているのに核心がこなせず「5.13aは少なくともある、封印。」と一言。パートナーを1名失った瞬間であった。

お手上げポーズ?のS田さん

(3日目)
今度は川上さんに「微笑街道5.12cやりなよ~かっこいいよ~、その間俺は隣の山灯花やるからさ~」と甘い声をかけて誘い出すことに成功。以降、パートナーは川上さん。今回も初便はリード、やはり指と腕が終了しかけた。残りはトップロープで計4便。新たにレストポイントを発見、できそうな気がしてきた。川上さんは微笑街道5.12cのムーブを順調に解決していた。ボルト8本+5番カムで、山灯花ほどランナウトしないそうだが、核心はそれでも相当ランナウトしているように見えた。小ヤスリ岩正面壁の3ルートは、どれも容赦のないランナウトが漏れなく付いてくるようだ。

(4日目)
今回からトップロープを封印、全トライリードで臨む。3便目に覚醒、核心ムーブが繋がり、最終クリップ手前まで行くも、クラックを保持れず宙を舞った。ワンテンとなった。この日は微笑街道に川上さんと、それ以外に1パーティ、蒼天攀路3p目に1パーティで小ヤスリ岩正面壁満員御礼という珍事。両パーティとも知り合いなのが、この世界の狭さを物語る。3人並んで登っている写真撮っていたらぜひ下さい。午後は突然の夕立で微笑街道パーティがヌンチャク回収不能に。タイミングよく山灯花のヌンチャク回収を終えた直後だったので、ロープをゴボウして上から回りこんで回収。

(5日目)
先週微笑街道5.12cをトライしたS木さんはRPトライを夕立でロスト、リベンジで秀峰パーティに合流。暑くなってきたので早く登攀を開始すべく、植樹祭駐車場5:30集合の朝活。S木さん、川上さんはあっさり微笑街道を片付けるも、私は山灯花核心ムーブに苦戦、一度も突破できず。S木さん、川上さんも山灯花に参戦。山灯花の核心ムーブは微笑街道より厳しいそうで、2人とも核心で敗退。

核心まで一撃、さすがのS木さん

(6日目)
5日目の翌日に朝活トライ。前日の疲労を引きずり、繋げると核心がどうしてもこなせずワンテン地獄。川上さんは全てのムーブを解決した模様。

前半のランナウトを堪能する川上さん

(7日目)
10/2。新型コロナウイルス肺炎と後遺症地獄で3ヶ月近くブランクが空き、すっかり秋になってしまった。2週間の入院と2ヶ月近くの自宅療養で体はボロボロになり、振り出しに戻った感じだ。アプローチが既に辛い。こんな状態でインドア含めクライミング復帰初戦が山灯花のヌンチャク掛けなんて、アホと言われても仕方ないが、溜まりに溜まった狂気に近い情熱の捌け口は、ここしかない。
1便目で奇跡的にトップアウトできた。自宅療養中のbeastmaker効果か。しかし、へとへとに疲れてしまった。2便目で核心一手目まで辛うじて到達するも、全く繋げて登れる気がしなかった。不甲斐なさに落ち込む。友人クライマーの言葉を借りれば「まだまだ楽しませてくれる」。ポジティブに行こう。
寒くなるまで絶対諦めないという固い決意表明でヌンチャクを残置。今の体力だとヌンチャクがけでその日が終わってしまう。

(8日目)
10/9。この時期にしては暑い。甲府は30℃、取付も14℃近くだ。先週より調子は劇的に良くなり、2便目で核心が止まりかけた。その後も繋がり1テンになった。核心の手順を変更し、3便目ではヨレヨレの中、遂に4日目以来核心を突破したが余力なく、次のクリップ後足を滑らして落ちてしまった。叫んだ。体力なくて土日の2連登は無理だけど、体が岩を思い出してきた気がする。

(9日目)
10/16、今週もこの時期にしては暑い。甲府は28℃だ。1便目から繋げて頑張り、手のかじかみに耐えながら最終クリップを越えるも、余力なく後6手でフォール。最後までデッドポイントの応酬で、きついことこの上ない。1便目で寒いのに頑張り過ぎたためパンプ、以降も引きずり、2便目は更に高度を上げるも後4手でフォール。最終便はヌメって、核心を越えたところでスリップしてしまった。RPが視野に入ってきたが、現状の弱った持久力で、苦しい最後をこなせるかどうか。リップを掴むまで全く気が抜けない。

(10日目)
10/31。前の週は風邪でダウン、いつの間にか季節は進んでいて植樹祭駐車場の日陰は真っ白。取付は最高気温6.2℃。寒い。1便目は寒過ぎて各駅でムーブの確認、2便目は14時前の、日が当たって暫く経って温まるのを待ってトライ、核心後と最後の2箇所危なかったけど、何とか押し切ってRP。大絶叫。末端壁まで普通に聞こえてしまったらしく、大変お騒がせしました。コロナ療養地獄の日々と、全然思い通りに動かない体、色々こみ上げてきて潤っときた。まだボロボロだけど、これでクライマーとして少しは復活できたかな。

(ルートの構成)
【オンサイト狙う方は以下を読まないでください】
・4ボルト目クリップ後に大レストでき、実質ここで上下に分かれる。4ボルト目まではムーブのわかりにくい5.11c程度の小コーナーからのガバフェースで、このルートのランナウトっぷりを出だしから堪能できる。マスターで登る場合、2ボルト目が遠いので、小柄な人は手前のフレーククラックに0.5か0.75カムをセットすると安心。ヌンチャクがかかっていれば問題なくクリップ可能。
・4ボルト目からが第1核心。カチとポケットに誘われるままムーブを起こしていく。4~5ボルト目は唯一ボルト間隔が少し近く、エイドでチョンボ可。
・5ボルト目にクリップしてから始まる一連のムーブが核心。最初のガツンと来るムーブから6ボルト目まで小悪いムーブがランナウトで続く、このルートのハイライト。慣れるまでは結構怖い。
・6~7ボルト目は性質が変わり、わかり辛いホールドを探しつつバランシーなムーブをこなす。目を皿にして使えるホールドを探そう。
・最終7ボルト目からは持久力勝負。クラックと言うには浅い溝を活用しつつ、散らばるホールドへのデッドポイントを連続してこなし、最後はパンプした腕でマントルを返す。私で実質スタートの1ボルト目クリップしてから計74手。
・このルートには他にも重要な核心がある。付き合ってくれるパートナーの確保だ。私は幸い川上さんやS田さん、S木さんといった優しい人々に恵まれた。特に川上さんには9日間も付き合ってもらい、深く感謝。

(感想)
典型的な花崗岩垂壁フェースで、右に左に弱点を突いて絶妙にラインが繋がっており、多彩なムーブを要求されとても面白かった。使えるホールドは色々あり、リーチもあまり関係なさそうだ。花崗岩フェースにありがちな極端に悪いムーブはなく、部分的に切り出しても難しいセクションで2級程度だろう。その代わり内容はストレニュアス、傾斜がド垂直で細かいホールドも多く、結構なカチ持久力が必要だ。見栄えとシチュエーションは最高級、岩も固く、チョーク跡もほとんどない(最近は我々の残滓があるかも)、順番待ちとは無縁、夏でも涼しい、雨後の乾きが良くコンディションも割と安定、素晴らしいルートだった。個人的には4つ星、とってもお勧め!
グレードは、高グレードの花崗岩フェースの経験が少ないので正確にはわからないけれど、太陽の登3p目5.12cと2グレード以上の差を感じ、労力的に過去に登った何本かの5.13aと全く遜色なく、(例えば、タイプは違うけどルート構成の似ている虎の穴5.13aより少し難しく感じた)、初登時の5.13aで良いのではと感じた。一緒にトライした川上さんも、微笑街道5.12c+1.5グレード位あり、同等グレードのルートだと、任侠道より大分難しいとのこと。
コロナで死にかけどん底に落ちたこの夏、ただひたすらこの灯を目指した結果、再び戻ってくることができた。私を導いてくれた、特別な灯だ。

以下、諸々の写真

アプローチのフィックスは足スースー。フィックスの安全は必ず確認を!
シャクナゲ満開のアプローチ
雨に遭う日も…

皆さんそれぞれの課題で頑張ってました。かっこよかったです。

仲秋(泉5p目)5.12d PDをRPするI田くん
千日の瑠璃4p目5.13d R/Xを探るM井さん
千日の瑠璃3p目5.14a Rを探るO西さん
蒼天攀路3p目5.12bを登るI島さん
蒼天攀路3p目5.12bを登るK野さん
微笑街道5.12cを登る川上さん。Thanks to 齊藤さん
微笑街道5.12cを登るS木さん

いや~、小ヤスリ岩ってほんといいところだな~

取付からの大絶景
山灯花5.13aで富士山をバックにレストする河合。Thanks to I田くん

瑞牆山 小ヤスリ岩 蒼天攀路

河合(記)

十一面岩の奥にひっそり聳える小ヤスリ岩。この岩を意識したのは、今年、ベルジュエールを登った時だった。明瞭な左右2つのカンテ、真ん中の美しいフェース、それぞれに合計3本の難ルートが拓かれているらしい。その中でも特に目を引くのは右のカンテ、蒼天攀路3p目。グレードは発表時5.12bで、最新のトポでは5.12aとされているようだ。アプローチが結構遠く、他にルートもほとんどないため、パートナー核心っぽい。少ない便数で登らないと厳しそうなので、来年トライしようと思ったけど、今年付き合ってくれるパートナーが見つかったので、行ってみることにしました。

8/17 day 1

玉置さんに付き合ってもらって初トライ。8時40分植樹祭駐車場出発。取付まで特に迷わず10時到着、10時40分出発。

1p目(5.10b、35m位):河合リード
最初は出だしにぺツルのある汚い泥ルンゼ。靴についた泥をぬぐいつつ、次は浅いコーナークラックを最初はボルト頼り、途中から大きなカムが頼りに登る。バランス悪い感じ。睡眠不足、かつ季節外れのノロウィルス食中毒からの病み上がりで体調は悪い。2回位足がつりかけたので、不意落ちしないよう慎重に登る。最後はびしょ濡れのコーナーを避けつつ終了点へ。終了点はぺツル、RCC、リングが混在。

出だし
コーナー。ぺツル2つ位あったはず

2p目(5.10a:20m位):河合リード
最初は少し被り気味のチムニー、途中から何とも不思議な三角形に変貌。チムニー内でグルンと1回転。後半三角形になってからは背中で体をスタックさせてイモムシ登りができるようになり、簡単になった。大き目のカムは1セットで十分。あまりオフウィズス登りにはならなかった。上から登っているクライマーを覗き込むと面白い。

チムニー下から
人間が挟まってる

3p目(5.12b:30m位):河合リード
さて、楽しい前菜は終了でメインディッシュだ。大分時間経ってしまって、13時45分スタート。出だしはクラックをレイバックで直上~左トラバースで最初から悪く、凄まじい高度感。調子も出ないし怖くて、1ボルト目はエイドでプレクリしてからスタートしてしまった。2ボルト目まではバランスが悪いけど何とか大丈夫、でも3ピン目がめちゃ遠そう、と言うより、そもそも見えない。カンテの反対側の大分上みたいだ…手前に発見したクラックに半開き♯0.5キャメを突っ込みテンション。あぁ、弱い…その後、恐怖しながら突破。どうやらここが最初の核心みたいだ。なお、♯5キャメは、残しておくとロープ流れ悪くなるので、結局外した。

ビレイ点を見下ろす
カンテを越えると美しいフェース

その後はしばらくマイルドで、美しいフェースをエンジョイ、と言いたいけど、ボルト間隔は遠いし、風強くて寒い。6ボルト目まで各駅で到着するも、7ボルト目が遠くて怖くてムーブが起こせない。核心直前の左フレークに伸び上がって片っ端からカムを突っ込むも全部外れ、その度にパンプしてフォール。玉置さんに持ってきてもらったアブミで核心ムーブ手前までのムーブを省略するも、核心ムーブできなきゃ進めないので結局ダメ。カムの選択肢が尽き、意を決して右足に乗り込んで突っ込んだら何とかムーブがこなせた。最初から恐れず突っ込めばよかった。
8ボルト目までのムーブも引き続き悪く、やはり足がポイントだった。久々にカンテも使った。かなり精魂絞り出す。
8ボルト目~9ボルト目間も結構遠い。ボルト少し上に♯0.3キャメが決めたけど、なくてもほとんど変わらない。意を決して右カンテのガバへランジしたら、取り損ねた!ぶっ飛びたくない一心で気合で耐えて、今度は左ガバへデッドしたら、何とか取れた。このシチュエーションでこのムーブか!

点々とボルト

最後はマントル返してから、傾斜の落ちた簡単なカンテ状を登って終了。トップアウトに1時間半もかかってしまったけれど、抜けられてよかった。

花唄小径(5.8:30m位):河合リード
蒼天攀路3p目は河合のみのトライ。玉置さんにも小ヤスリ岩のてっぺんに立ってもらうべく、蒼天攀路2p目終了点から右にトラバースし(ロープ付けないと危ない)、もう1本リード。でも、このルート、結構悪い。上のテラスから6キャメを決めるまでの緊張感が中々。蒼天攀路の1,2ピッチ目よりしんどい。足元は抜けかけたリングボルト1個で、微妙なムーブ。その後はマイルドになったけどランナウト気味で落ちられない系。

最後はノープロのフェース

再び小ヤスリ岩のてっぺんに着いたら、もう夕方になっていた。頂上も素晴らしい!景色を堪能してさっさと下山。下降は何とかオンサイトできたが、ヘッドライト下山になった。

てっぺんにて

8/26 day 2
一度は封印しようと思ったけど、時が経つほど悔しさは募り、1便目でおおよそのムーブはこなせていた(気がした)ので、今度は、Sさん(会員外)を誘って出撃。今度は1,2p目を省略して3p目までショートカット。植樹祭駐車場から85分かかった。小ヤスリのコルまで標高差550mを登る。

1便目
各駅ヌンチャクがけに徹する。やっぱり♯0.5キャメは使ってしまったが、今度は各核心セクション2回以内で、ばちっとムーブが決まる。これは行けるかも??

2便目
気合入れてトライしたら、最初のトラバースがこなせてしまった。レストポイントで呼吸を整えつつ6ボルト目以降の第2核心へ、と言いたいところだけど既にヨレヨレ。無我夢中で吠えて7ボルト目に到達し、必至でレストするもパンプが取れない。8ボルト目までの最後の核心ムーブがテンションムーブだったため再現できず、その場のアドリブで頑張るも後1足1手で無念のドカ落ち。その後のムーブも一発でこなせたので悔しい。さっさとトップアウト。

3便目。
Sさんは2撃であっさり登ってしまった。まずいっ、蒼天パートナー消失の危機!腕は2便目で頑張り過ぎて終わりかけていたけど、ビレイ含めて1時間空けて、気合で3トライ目。トラバースは危ういところで抜けるも、出だしからガタガタ。腕も回復せず、第2核心手前でヨレきってフォール。カチ筋が残っておらず、ムーブを確認して終了。時間切れでSさんの1,2p目トライもまた今度になり、辛うじてパートナー消失危機を脱する。

登れてないけど、あまりの爽快さにガッツポーズ!

9/9 day 3
前日に行こうとしたら、秋雨前線にやられて雨だったのでカサメリ沢モツランド。翌日に望みをかけて控えめに登ろうと決意してオリーブ5.11cをまったり流すも、たらこ5.11dが面白くてついムキになってカチ筋パンプ。
当日朝は駐車場びしょ濡れ、それでも風当たり強いので乾くと信じてSさんHさんと突撃。アプローチも荒れてて、うっかりシロクマのコルまで登り過ぎてしまった。
取付についたら意外と乾いていたので、まず濡れた花唄小径5.8をエイドで登る。核心はろくにエイド効かない上。落ちられないので緊張。5.10台あると思うのだけど。
頂上は猛烈な風。頂上から懸垂下降しながらヌンチャクがけと掃除。核心は濡れていた。

1便目
トラバースは自動化でスムーズにできたけど、その後保持できず3ボルト目クリップした直後、落ちてしまった。トップアウトせず戻る。

2便目
明らかに前日の腕パンプが残っているが、足は元気だ。ホールドは生暖かくてちょっとヌメる。これは足で耐えるしかないということで頑張ったら何とか登れた。

終了点にて。この時点で登れてないですけど

初トライの翌日、最新のトポで5.12aとされている、カサメリ沢のギャラクシアンにトライしてみたら、フラッシュ寸前まで行けた(ヌンチャクかかってたし、最後落ちたけど)。蒼天攀路3p目と1グレードは差を感じた。ムーブを固めて登り終えた今、初便の印象よりはよくなったけど、それでも易し目のは5.12bあるのではと感じた。トラバースの怖さ、ボルトの遠さ、高度感が体を固くしていることが影響しているかもしれない。

5.12のマルチという敷居の高さや遠いアプローチからか、あまり登られていないルートのようですが(おかげで順番待ちなくて助かった。2パーティいたらちょっとしんどい)、ロケーションは日本離れしていて、ムーブも面白いです。岩も固くて美しいし、てっぺんは快適で眺めは素晴らしいし、これでアプローチが近ければ人気ルートになりそう。遠いと言われるボルト間隔は、クリップホールドやロープ流れの関係で仕方ない気がします。3ボルト目以降はぶつかる出っ張りもないし、思いっきりぶっ飛べば良いかと。アブミやらカムやら動員した私が言っても説得力ないですが、チョンボ棒なんて使わず、トップアウトできるかドキドキしながら登った方が楽しめると思います。開拓はほんと楽しかっただろうな~と羨ましく思いました。
道連れになっていただいた玉置さん、Sさん、Hさんありがとうございました。