北ア 錫杖岳 前衛フェース北沢側フランケ 這松山岳会ルート

2000年6月15(木)~16(金)
大滝(記)、森広

(注文の多い料理店)を目指したが力量不定で登れなかった。

14日の夜、大滝車で出発。

遠いのでふらふらになって、朝4:30に槍見温泉着。

仮眠するが眠気が取れず、10:30まで快晴で心地好い空の下眠り続けた。

栃尾温泉の無料露天風呂にゆっくり浸かり、11:40登山道を歩き始めた。

途中、クリヤ谷を渡る所では永量が多くて、森広さんは石を飛べず靴を脱いでするはめになった。

錫杖沢に入ると所々雪渓が出てきた。

僕はずっと沢の中を行ったが、森広さんは途中から左岸の踏跡を辿っていた。

14:00錫杖岩舎着。

ツェルトを張り、(注文の多い料理店)の下見に行く。

前衛フェース手前から雪渓が現れる。

北沢側フランケの草付をシェルンドに落ちないように進んで行く。

取り付きがはっきりしないが、巨大ハングの右のコンタクトラインがルートだろうと目星をつけて引き上げた。

壁全体が強い傾斜があって威圧感がある。

以前登った1ルンゼの取り持きまで行ってみる。

左方カンテの下に蕾ばかりのこぶしの木があった。

署舎に戻り酉穂、麓岳め景軌を堪能しながら、焚き火をし、満月を愛でながら酒を味わった。

夜は夏用シュラフで寒くなかった。

6月16日(金)

6:40 岩舎出発 快晴

7:40登り出す。

昨日見当を付けていた所を少し登ると、こ広いテラスがあり登挙用具を身に着ける。

一旦左にトラパースし、右上すると1P目終了点の大テラスに着く。

帯状にはなっているが大テラスとは言い憎い。

ルート図に書いてある(ピトン連打)は真上ではなく、左上の浅いリスに打ってある。

2P目 森廣リード
Ⅴの草付きクラックが難しく二人ともA0になる。

桔れ木テラスヘのトラパースも恐い。

3P目 大滝リード
右にトラパースし、人工のピッチをフリーで行こうとするが、上を仰いでいきなりアブミを用意する。

三本目のボルトにランニングを採り左にトラパースしようとするが、難しい。

トラパースも難しければ、その後クラックにどう乗り移るのか自分の動きが想定出来ない。

クラックの下はすっぱりと切れていて、右足左足を何処に置くのか、広いクラックなので手をどめように保持すべきか分からない。

落ちても振り子で右に振られるだけなので怪我はしないと思うが踏ん切りがつかない。

森廣さんも交代する気は無い様なので、A1を直上する。A1と言えどもボルトの間隔が遠かったり、右にトラパースするためのピトンはぐらぐらしていた。

ワイドクラックに着く手前でもA0になってしまった。

4P目 森廣リード
(注文の多い料理店)は左のワイドクラック。

仰ぐとA1が直上している。

クラックを登る為には一々右めボルトにランニングを採りに行かなければならない。

それにクラックには所々泥が詰まっていて余り快適とは言い難い。

という言い訳のもとアブミで進んで行く。

セカンドの大滝はクラックをフリーで行くが最後のトラパースでアブミの御世話になる。

こめルートは恐いトラパースが多い。

5P目 大滝リード
左上するとバンドに着く。

右に10m行けば左方カンテめ終了点から2P下の広いテラスだ。

(注文の多い料理店)は真っ直ぐに伸びたフィンガークラック。

なかなかに難しそうだが、所々草が生えている。

という逃げ口上のもと、右のオフウィズスを登る。

エイリアンの1番ぐらいを噛ませる。

クラックではあったがオフウィズスと言う感じではない。

そめ後傾斜の緩い藪になり、ロープの流れを考えてピッチを切り、クラックにフレンズ1番辺りを2ヶ噛ませてビレー。

最後は森広さんに行ってもらって左方カンテの最終ピッチに合流し登攀お開きとする。

11:50下降は同ルートは下に雪渓が口を開いて持っているので、左方カンテを懸垂下降。

最後の方で二回もロープがひっかかったので、皆さんも気を付けて下さい。

取り付きに着くと昨日蕾だったこぶしの花が真っ白く咲いて我々の帰還を祝ってくれた。

13:20岩舎に戻り森広さんが見つけたうどを分けて貰い、左岸め踏み後を下った。

槍見温泉着15:20 只の岩呂に入り、家に帰ってうどを酢味噌和えと天麩羅にして食べたら、うどめ苦みと(注文の多い料理店)を登れなかった梅しさが口中に広がって、何とも言えない味になった。