谷川岳 一ノ倉沢 衝立岩中央稜

2017年2月26日
薄田(記)、野澤

楽しい(?)冬壁でした。
過去に何度もアプローチして(土合敗退含む)やっと取り付けました。天気は今一でしたが(水上は晴れ)条件はほぼベスト。壁には充分過ぎる程の雪と氷。これぞ冬壁。
2P目以外はルートの特性上風当たりもそれなりで冬期クライミング感バッチリです。

1P目野澤君リードスタート。厳しいのかなかなか終わらない。私はやせ我慢の鼻歌を歌いながら足踏みをして寒さを紛らす。1時間でビレーOFF。薄田は15分くらい。

1P目の野澤

2P目薄田リード、Ⅱ級なので15分くらいで終了。但し、1P目もそうだが充分過ぎる程雪と氷なのでホールドのお掃除に時間が掛かる。
2P目終了直前

3P目野澤リード、ここは2P目のルンゼからリッジに出るところは雪が少なく楽勝。但し、その後は雪&氷のお掃除作業が必要なので時間が掛かる。薄田は野澤君の落とす落下物を体(時折メット)に受けながらビレーするもメットは「カツン、カツン」で済むが肩に1発大きめの氷がヒット。ちょっと痛かった。ここもリード1時間、フォロー30分。

4P目薄田リード、Ⅳ級A0なるも写真でわかるとおり冬壁感充分でハーケン類が埋まっていて見つけるのに手間取る。シュリンゲが付いているとわかり易いがそこも氷化してるので叩き割らないと使えない。微妙なバランスで立っての作業は困難でテンションか下のハーケンにセルフを取っての作業になる。ホールドが細かいので右手はアックスのピックを引っ掛け左手はホールドを取ってのクライミング。と、クラックにアックスをねじ込んだ時に挟まっている氷が脱落。1+1m程墜落。怪我は無かった。アックスをねじ込むときは手を抜かず雪&氷を取り除かなければいけない(硬ければ別)と大反省。4P目の目の前4mほど上に見えるけどそこからも簡単では無くあの手この手でずり上がり(格好良く言うと微妙なクライミング)、最後は終了点の残置シュリンゲにアックスを引っ掛けて終了。ここは1時間まで掛からなかったと思うが時計を見ると11:40、結構時間が押してきた。
4P目終了3m手前

ロープを固定し野澤君に登って貰う。私が出だしを左に回り込んだせいで野澤君に手間を掛けさせた。しかし、フォローでも難しいのかテンションを掛けつつ登ってくる。最後はゴボウ混じりとなりようやく到着。野澤君の顔色を伺い相談すると降りたいとのこと。残すところⅢ級+30mが2Pだが怪我するといけないので本日は是にてお終い。2回のアップで夏の横断バンド(急な雪壁)まで降り立つ。取り付きまで戻って腹に少し入れて下山開始。

過去の記録を見ると壁の雪は少なめが多いが今回は本格的な冬壁コンディション(ルートは易しい部類)であり正直手強かったです。南稜組も2P目のチムニーは苦労しているように見えたし、結局時間切れか(?)3P目終了時でお終いにしたようである。
「大氷柱」組はおそらく完登してアップに入っていた。
写真だと解りにくいが近くで見る『大氷柱』は大きく格好良い!いつかは登りたい!
烏帽子大氷柱

写真のとおり滝沢下部は露出していて氷で繋がっているが二の沢&衝立スラブは雪が大きく脱落していて今後の気温等にも依るがテールリッジの雪も落ちるのに多くの時間を取られないと感じました。(夏のⅢ級トラバース脇は既に亀裂が入っていた。)
滝沢下部

二ノ沢