足尾 ウメコバ沢中央岩峰

1997年6月21日~6月22日
瀧島(記2)、板橋(記1)、水柿

【記1】

ウメコバ沢の出合までは、車止めのゲートからジャンダルムや黒沢を見ながら1時間ほどの歩き。ウメコバ沢出合にテントを張って、中央岩峰へ。松木沢の徒渉は、要サンダル、F1.F2は固定ロープあり。踏跡をたどり中央岩峰に基部まで出合より45分。

中央岩峰左岩壁右岩稜チコちゃんルート 9P Ⅳ+

1P目は、右岩稜上の枯木をめざしロープを伸ばす。2P-4Pは岩稜上を適当に登る。5P目の御大の岩場といわれる核心部は、左の松島クラックⅣ+は、キャメロットをかまして登る。あとは頭まで適当に登る。

御大の岩場以外はⅢ級程度(あえて登るならいくらでも難しくできます)ですが、残置の類はほとんどないので(ビレイ用も)ご用心。各種ハーケン・ナッツ・キャメロット等は、感動するぐらいよく利きます。ナチプロの練習にはよろしいかと。

中央岩峰正面壁凹角ルートダイレクト 6P Ⅴ+

4時間以上かかった

1P・2PともにⅤ級程あり、残置ハーケンは腐り切っていてドキドキグレードが高い。エイリアン、キャメロットでランニングをとる。3P目のダイレクトの核心はスベリ台状の細かいフェースで、残置は沢山あるが、ギアが重く、チンドン屋状態の私にはかなり辛い。Ⅴ+になっているが10a以上に感じた。

4PもⅣ+程をエイリアンをセットしながら登り、砕石帯へ。(落石要注意)あとは頭に向かって適当に登る。Ⅲ程度

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中央岩峰の下降は、頭から10メートルほど左岩稜方面に歩き、コルに突き上げるルンゼ目指して右斜めへブッシュの中をクライムダウン、さらにルンゼを下降し、懸垂下降40メートル。(支点あり)あとは歩いて降りれます。

中央岩峰に関しては、岩は硬いが、残置ハーケンは、鉱毒の影響なのか、ほとんど腐っているので、ナッツ・フレンズ類は1セット、ハーケン5枚程度あるといいと思います。よく利きます。飲料水はどこでもとれます。

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【記2】

89年の秋に日帰りで2回松木に入った。宇都宮の水口の案内で、中央岩峰の凹角ルートをトレースした。近くて気に入った岩場なので3週間後にもう1度同じルートを登ってしまった。殺伐としてはいるが、静かで岩も想いのほか固く楽しめる。その後8年間も無雪期の松木に向かわなかったのはなぜだか自分でもよく分からない。

8年ぶりの無雪期の松木沢は草木がずいぶんと茂って前回に受けた荒涼、殺伐とした地獄の世界といった印象はない。岩と緑がうまく調和していて気持ちの休まる山に変わっていた。

6月21日 快晴

ゲートから1時間ほどでウメコバ沢の対岸につき、テントを張る。昨日までの台風で水量は多くアプローチには苦労しそうだ。ウメコバ沢に入り中央岩峰までの滝はどれも左岸から簡単に超えられる。正面に凹角ルートは、はっきりと分かる。昼近くになったのでやさしいと思われる右岩稜ルートに取り付いた。トップはすべて板橋。ゲレンデの右端を1ピッチ(Ⅳ)で稜上に出る。稜上を3ピッチ(Ⅱ~Ⅴ)で垂壁のクラックのしたについた。クラックは25m Ⅴ 級、その後稜上を2ピッチ(Ⅱ~Ⅳ)で肩に出た。対岸のチャンピオン岩稜もすごい迫力だ。ビレー点を15m程移動してヘッドウオールの快適な2ピッチ(Ⅲ+)登ると頂上だった。中央岩峰の入門ルートで楽しいクライミングができた。頂上からの下降路は裏側のルンゼを30mほどクライムダウンした所に懸垂支点があるが、ここまでの下りは慎重に。40mの懸垂下降で歩けるルンゼに降りられる。

テントに戻るとすぐに暗くなり、後は貸し切りの広い河原で酒もたっぷりある楽しい夜を過ごした。

6月22日 晴れ

今日は凹角ルートに向かう。水量はかなり減った。3回目のトレースになるわけだ。かって知ったルートのはずが、1ピッチ目からやたらと悪い。自分の実力が落ちたのか、それともルートが変わったのか、残置もかなり減ったように思えた。前ピッチ中、すべてにⅤ級以上を感じてしまった。自分のからだが完全になまってしまって、やたらと難しく感じたのだろう。

少し早いが、1本で上がることにした。ほかのルートの偵察をして明るいうちに、ゲートの車に戻った。次回はみんなを連れてきて、合宿でもしようと思う。

 

 

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