南アルプス 鋸岳縦走

2003年11月13日から2日間
大滝(記)、森広、菅野


11月13日 曇り

戸台8:00出発 林道終点の、最後の堰堤を越えた所の沢の水量が多く、冷たそうなので躊躇した。渡らずに右岸通しに行けないものかと試してみることにした。途中に鹿の頭骸骨があった。

1ヶ所少し恐い高巻きがあったが、無事に角兵衛沢出合に10:47到着。

戸台川の水量は多く通常の渡渉点では流されてしまいそうに見える。今回は右岸どうしに来て正解だったようだ。

山葡萄があったので少し摘んで食べてから進んだ。雪がちらついてきた。道は余りはっきりしていないので慎重に歩く。横岳峠との分岐には看板があった。

所々、少しだけ迷うところがあるが、すぐに道に戻るので問題なく歩ける。大岩に来ると基部に右への道がある。30m程トラバースすると大ハングの下に着く。13:25。

雪。

8℃。

ハングの基部から水が湧いていて泊まるのに素晴らしい所だ。2人用2張、3人用1張位張れそうだ。焚火の跡もある。ハングなのでフライシートは不要だ。とっても泊まりたい所だが、翌日の行程は長いのでコルまで行く事にした。いつか、ここに泊まることを目的に来ても良い位だ。コルには水が無いのでここで汲んでいく。

上部に行くに連れて、うっすらと積雪が出てきた。15:15角兵衛沢のコル。

コル少し手前の右側の岩を背にして2人用1張、左側にぴったり3人用1張分のスペースだ。

夜は星空で街灯りが綺麗だった。

11月14日 快晴

4:45起床。

テント内、-5℃。

6:40出発。

-2℃。

潅木の急斜面を辿って7:07鋸岳(第一高点)2685m。

頂より5分下った所にテント1張分のスペースが有った。小ギャップ目指して8mの懸垂をする。その後に小尾根を越すが、恐い所だ。初め道に沿って左へ行ったがどうにも危ない。右よりに登って降りようとするが、すっぱりと切れている。

ルートを見極め慎重に降りた。鹿窓は穴を潜るので面白い。潜った後はルンゼを下るが雪の着き方が中途半端で難しい。

トラバース道に出て水平移動する。途中、大ギャップに寄ってみる。9:00。

第二高点側の壁に昔打ったと思われるボルトが幾つか見えた。こんな所にまでルートを作ろうとした先輩達に敬服する。

雪の斜面を登って第二高点着9:45。

ここからは岩場は無くなり歩くだけになる。中ノ川乗越10:27。

ここにはテント1人用1張、2人用2張、3人用1張程度張れそうだ。水は無い。冬の泊まり場としていいだろう。

三つ頭では右に行くべきところを少し左に行ってしまい戻った。

ここは要注意だ。

12:13七丈ノ滝尾根下降点。

急な傾斜で道も分かり難い。テープをしっかり確認しながら行く。固定ロープや、針金なども沢山出てくる。

14:50戸台川本谷。

晩秋の夕方なので岩の表面が凍っていて滑って危ない。

16:00丹渓山荘。

途中で暗くなり、行きに渡らなかった沢を冷たい思いをして渡渉した。18:20戸台到着。

 

鋸岳 第2高点中央稜右岩稜

1999年2月20日~21日
瀧島、中嶋(記)

雪山は本当に久しぶりだった(2年ぶり?)ので時間が少ないこともあって準備が大変だった。

三鷹に集合して、高遠の「道の駅」で車中泊。

道の駅の便所はなんと暖房が夜中もはいっていてとても快適だ。

熊穴沢の出合いまでのアプローチは1時間半くらい、運動靴で行ったせいか楽に感じた。

角兵衛の出合いに運動靴はデポしておいて、熊穴沢を登山道を探しつつ登っていった。

熊穴沢は非常に幅が広く、雪に埋まった夏道は登りではほとんどトレースすることができなかった。

これを忠実にたどれるかどうかでアプローチの時間が大幅に変わってくる。

それでもテン場の予定地がそれほど遠くなかったので4時にはテントを張ってしまった。

取り付きは尾根を末端から右に回りこんで、2本目のわりと大きなルンゼを詰めると簡単に尾根上にでる。

ルート中特筆すべきことはなし。

状態が良ければロープはいらない。

壁は右から回り込めばだいたい上手く巻ける。

左には以前に登った第2尾根が見えるが、こちらはとてもかっこ良い。

稜線上にはけっこうな数の登山者がいて、これを避けるために熊穴沢を下ることにしたが、とてもいやらしい雪の量といやらしいクラスト具合で本当に不快な下りだった。

高遠では町営のさくらの湯にはいって、ついでにビールとおでん、夕飯の高遠そばも食べて、杖突峠経由で夜景を満喫しながら帰った。

たまにはこんな旅行も良いものだ。

南ア 鋸岳 第二尾根

1996年12月21日~12月22日
滝島、森広、中嶋(記)

戸台で車中泊。ここらに雪は全くない。

12月21日

数年前に来たときと比べ谷の様子が全く違っている。谷が埋まってしまったようだが、かえって歩きやすくなった気がする。途中8mくらいのボルダーにボルトが打ってある。他にもあちこちに岩がある。一ヶ所、やたらきれいな石灰岩の壁があり「我々の岩場」と呼んで夏に来ようという話になった。

角兵衛沢出合いまではさくさく歩いて2時間くらい。出合いから2時間ほど夏道をたどると角兵衛大岩の基部に着く。ここの岩小屋が超快適でなんと水まで出ている。ここに着いたのがPM2:30か3:00位だったが、ひよってテントを張ることにした。本当は行けるところまで行くはずだったのだが。習志野の山岳会の人が来ていた。すぐに酒を出してのんびりした。

12月22日

角兵衛大岩の頭に出るまでがルートが判りづらい。しかし随所に赤テープがあるので助けられた(つまらなかったが)。ロープはかろうじて必要ない。ラッセルもほとんどない。尾根上をしばらく行くと60m岩壁に突き当たる。1ピッチ目、3級くらい、良いテラスがある。2ピッチ目結構難しい。3手くらい人工が入るが抜け口がかなり難しい。どちらも瀧島さんのリードでなかなかうまかった。この壁を越えればロープはこれっきり、程なく稜線に出る。下りの沢は尻セードが出来ないくらい雪が少なかった。車に戻ったのは5:00近く、高遠城見学は次の課題となった。伊奈で銭湯に入ったり飯くったりしていたので千葉には終電で帰った。