2020年1月4日(土)
薄田、山崎(記)
今回の主な登攀装備:
50mダブルロープ×2、ドラゴンカム№00~5×2セット(=キャメ#01~4)(5も持って行ったが無くてもよかった)、ナッツ(使わなかった)。Aヌンチャク8本。スリング180cm、確保器 他
1月4日(土)
晴れ、弱風
雲見オートキャンプ場駐車場発 7時45分頃。
岩場までのアプローチは、車で登って来た坂道を少し戻った電柱のある個所(写真1)を入っていきます。一段上がると平坦地に出るので、さらに向かって左側を一段登り、奥へと続く踏み跡に従って進んでいきます。所々赤や青のテープがあり、踏み跡も明瞭。途中笹やらガレ場などがあり歩き難いところもあります。木の表面にトゲトゲのついた謎の南国の樹木?を、知らずにガバっと握ってとても痛い思いをしました。要注意です。
踏み跡は少しずつ海の方に高度を落としていき、40分くらい歩くと断崖の上に出ます。そこには懸垂支点とフィックスロープがあり、それを使っても降りられますが、脆い崖のためロープを出して懸垂で降りました。海辺なので支点は要チェックです。
懸垂で海辺に降りたら、左を見るとスーパートリトンなどがある左岸壁、正面には尾根状(中央稜)が見え、それに上がり、壁に向かって右の方へと続く踏み跡に従い歩いていくとスーパーレインの取り付きに到着する。スリングが巻き付けてある木が目印となる。ここまでゆっくり歩いて大体1時間くらいか。取り付きには、1パーティーおり、今にもスタートするところでした。取り付きで、しばし休憩。
3P目 薄田 10a 30mくらいか
ここからがスーパーレインの核心部。10aピッチが続く。ここで先行パーティーに先を譲っていただくことに。ありがとうございました。さて、出だしは5.7のフィンガークラックから。ジャミングの効きは悪くない。登って行くと左に小木が現れ、その上あたりからこんどは右上していく狭いクラック沿いに小さいカムをきめ、バランスに注意しながら進み、最後に直上するクラックをのぼれば、ハンガーボルト2個の終了点へ。このあたりから視界が開け、大変気持ちがいい。前を見ればこれから登る正面壁、後ろを見れば駿河湾がドーンと眼下に。
4P目 山崎 10a 30mくらいか
スーパーレインルートの核心ピッチ。出だしはゆるやかなフェース。そのうち右上していくクラック沿いに進む。最初は足もあり、クラックに緑だか紫だかのカムをきめ、ジャミングをおくりながら進むが、そのうち右側フェース面のフットホールドがなくなるので、右足スメアー気味に、左足はクラックに足を突っ込みながら、手を送り丁寧に高度を上げれば、そのうちいいホールドが出てくる。次に直上する5.8OWで、下はハンドがよく効くが、上に行くにつれだんだんクラック幅が広くなる。最後に青をセットしたら、あとはレイバック気味に一気に突破し、ハンガーボルト2個の終了点へ。左を見ると遠くに富士山、手前に下降用のハンガーボルト2個に残置ビナが見える。
5P目 薄田 10a 40mくらいか
「先人クラック」と言われているところ。最初は階段状のフェースをクラック沿いにハング下まで進み、ハング部でしっかりカムをセットしたらハングを乗り越す。ここはジャミングがよく効き、ハングの上にもホールドがあり、被っているとはいえ足も棚状にあるので、それほど困難ではない。体が硬いとハングを乗り越すときの足上げがきついかな。ほどなくしてハンガーボルト2個の終了点に到着。そこは大岩がガレガレしている広いテラス。ここで少し休憩。遠くに富士山も見え、最高に眺めがよく気持ちがいい。
6P目 山崎 5.8 40mくらいか
トポでは5.8になっているが、それ以上に感じたピッチ。出だしからよろしくなく、赤だったかカムをセットして体を上げるが、右側に手足がなく、右の上の方のちょっとしたホールドを手掛かりに足を上げる。一段上がると頭をハングに押さえつけられる。ハング下にカムをセットして、ハングを左から出ていくようにバランスに気を付けながら上がっていく。ちなみにハング右側に出ていくルートもある。ハング部を左回りで突破し、フェースを上がると、ボルト2個の終了点があったが、ロープがまだ半分あったので、次のピッチ直前までロープを伸ばし、ピナクルに長いスリングを巻き付けてビレイ点とした。
7P目 薄田 5.8 20mくらいか
最終ピッチの出だしは、短い幅広のクラックから。左面は手足なし。右手ハンド、右足足ジャムで、青、黄で固めて右、左、右の3手で上のガバホールドを取れば終わり。体を引き上げるのにパワーが必要。あとはフェースを登るだけだが、そんなに簡単ではない。途中に錆びたハーケンが1つあった。海辺の金属物なのでサビサビで信頼性は疑問。ほどなくして到着した終了点は、スリングの巻き付いたハンガーボルト2個。到着時間は大体13時頃だったろうか。2人ともノーテンで無事終了した。眺めは最高。
終了点からの眺めはとても素晴らしくポカポカ暖かいので、お茶でも飲みながらいつまでも居たいところだが、風が出てきたのでサッサと同ルート下降の懸垂に移る。
懸垂は全部で5回でした。岩や枝への結び目引っ掛かりに注意しながら慎重に降りる。50mロープなら4回でも降りられそうだが、風が出てきたので、引っ掛かりを警戒して5回で降りた。
取り付きには、大体13時40分頃。片付けをして14時には取り付きを後にした。行きに懸垂した断崖は、フィックスロープを頼りに慎重に登り返す。無事駐車場に着き、キャンプ場の管理人さんに下山報告して今年最初のクライミングを終了しました。