剱岳 八ツ峰Ⅵ峰、チンネ

2001年8月13日から5日間
櫻井、高橋、大滝(記)


8月13日

内蔵ノ助平経由で真砂沢へ。

テント場は混んでいたが、平らな所に張ることが出来た。

テント場の端がすぐ雪渓だ。

悪い事に、櫻井さんが真砂沢のすぐ手前で足を挫いてしまった。

8月14日

5時起床6時出発かな。

他のテントは3時、4時に起きている。

なんて偉いのだろう。

櫻井さんも「行ってみる。」というので3人でⅥ峰CフェースRCCルートに向かい長次郎雪渓を登る。

テント場からずっと雪だ。

途中で6本爪アイゼンを着ける。

櫻井、高橋は12本爪を着ける。

剱沢から歩いてきたクラックスの本郷パーテイに会う。

岩場に着くと混んでいた。

A、B、C各フェースとも順番待ち。

特にCフェース剣稜会ルートは数珠繋ぎだ。

目当てのRCCルートには誰も居なかったが、到着直前にワンパーテイに入られてしまった。

遅い先行で嫌だったが、お盆だから仕方ない。

明るく快適な岩を楽しんだ。

(全ピッチ大滝リード)2本目も登りたかったが、時間的に駄目だった。

まあ、いいや、降りてビール飲もう。

8月15日

櫻井さんは、足が腫れたので休養。

この日はDフェースなので4時起床5時発

Dフェースは、A、B、C、とは格が違う。

怖い。

取付きも雪が阻んでいる。

雪渓を左から回り込み、苦労して到達する。

取付きは暗く、じめじめしている。

思った通り誰も居ない。

以前、富山大ルートを登ったので、久留米大ルートを選んだ。

(全ピッチ大滝リード)

1P目 直上は怖いので、左から巻いて行く。

明るいフェースに出ると楽しくなる。

小川山物語を簡単にしたような、わくわくするピッチだ。

2P目 右に行くのか、左に行くのか迷ったが、左に進んだ。

それで良かったみたいだ。

3P目 出だしの4-5mのスラブはフリークライミングの様で楽しい。

ハング下からアブミトラバースし、ハングの切れ目をA0でぐいぐい登っていく。

残置はしっかりしている。

アルパイン的興奮に満ちてくる。

核心部が終わっても、頭までロープは着けたままだ。

取付き9:20Dフェースの頭12:30 2本目は、やはり無しにして真砂に降りた。

8月16日

櫻井さんは下山。

この日はチンネ左稜線なので、3時起床4時発。

何と真面目な。

長次郎右俣は上部雪が繋がっていない部分があった。

左稜線の取付きに、ほいほいと向かった。

壁には誰もいない。

15日、16日で結構下山したようだ。

ところがここで大失敗。

取付きを通り越し、その先のルンゼを、変だ。変だ。と思いながら登った。

でも難しくて、2P目が登れない。

散々悩んでいると三ノ窓側に人が来た。

大声で、「すいませーん。左稜線の取付きはそっちですか。」

とても恥ずかしかった。

いそいそと戻り、正しい取付きに着いた。

本来8:30には取り付けたのに、11:00になってしまった。

随分昔に来ただけなのに、慢心でしっかりと取り付きを確認しなかった。

大いに反省しました。

先行は4人で2パーテイ。

待たされることなくさっさか登る。

ガイドされているが如くだ。

ただ、ハング越えのピッチでは待たされた。

ここは右のフレークがぐいぐい掴めるので右寄りに登ると楽だ。

先行のトップが登っている時、ガスが出て幻想的でとても格好良かった。

寒くなったので長袖を着た。

上部のナイフエッジから下の雪渓を見下ろすと眩暈を覚える。

時間がとても気に掛かったが15:20に終了。

ほっとした。

(全ピッチ大滝リード)

真砂沢17:30着。

8月17日

良く晴れたなか下山した。

 

 

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