巻機山 米子沢

2016年8月20日(土)
河合、川端(記)

19日(金)夜、東京出発。
桜坂駐車場で晩酌をしてテント泊。

20日(土)の東京は朝から雨とのことでしたが新潟は晴れ→曇り→雨でした。
朝起きて空を見上げると晴天。
予定では6時出発で12時避難小屋、15時には下山し駐車場に戻るはずが、早く目が覚め5:35に出発。2人ということもあり4時間弱で遡行を終了し避難小屋でお茶をしました。
予定より早く遡行が終わってしまったので巻機山の山頂を踏んで帰ろうということになったのですが、雨が降り出し諦めて下山することにしました。
初めての沢登りだったのですが、遡行中は晴れ時々曇りで天候にもめぐまれ、予想していたより遥かにに楽しく、気持ちよく、快適で最高でした。
沢ド素人の私を連れて行ってくれたパートナーに感謝です。

コースタイム:
5:35 桜坂駐車場出発
5:47 堰堤
9:30-10:15 避難小屋
11:50 駐車場

予定より早く目が覚め準備をして30分ほど早く出発。少しお酒が残っている。
予定より早く目が覚め準備をして30分ほど早く出発。少しお酒が残っている。
米子沢まで迷うことはありません。
米子沢まで迷うことはありません。
堰堤を過ぎてしばらく河原歩きで汗だく。
堰堤を過ぎてしばらく河原歩きで汗だく。
台風が3つ近づいているけど朝のうちは天気最高。
台風が3つ近づいているけど朝のうちは天気最高。
大滝の巻道は踏み跡明瞭。途中にある間違った踏み跡(?)をたどると沢から離れてしまうので注意。
大滝の巻道は踏み跡明瞭。途中にある間違った踏み跡(?)をたどると沢から離れてしまうので注意。
パートナーのルーファイで私はついて行くだけ。助かりました。
パートナーのルーファイで私はついて行くだけ。助かりました。
滝登りは最高に気持ちよかった。
滝登りは最高に気持ちよかった。
こんなところにハーケンが・・・。
こんなところにハーケンが・・・。
お助け紐がありましたが信用できず使わずにいけました。
お助け紐がありましたが信用できず使わずにいけました。

米子沢_写真10

どこを登るか、ルーファイが重要。
どこを登るか、ルーファイが重要。
唯一、ロープを出してもらった滝。
唯一、ロープを出してもらった滝。
滝の途中の左壁にハーケン2つありました。
滝の途中の左壁にハーケン2つありました。
大ナメを振り返る。
大ナメを振り返る。
大ナメが終わっても滝があります。
大ナメが終わっても滝があります。
右に行くと巻機山。左を行き避難小屋を目指します。
右に行くと巻機山。左を行き避難小屋を目指します。
雨が降りだし雨宿りに登山客が集まりました。宴会をやりたくなる避難小屋という噂どおりきれいで快適。
雨が降りだし雨宿りに登山客が集まりました。宴会をやりたくなる避難小屋という噂どおりきれいで快適。
巻機山山頂へ行くつもりでしたが雨が降り出しました。
巻機山山頂へ行くつもりでしたが雨が降り出しました。
カフェオレを飲みながら雨の様子をみていましたが止みそうにないので下山することにしました。
カフェオレを飲みながら雨の様子をみていましたが止みそうにないので下山することにしました。
遡行してきた米子沢を振り返る。
遡行してきた米子沢を振り返る。
駒子の湯(500円)で汗を流し東京へ。
駒子の湯(500円)で汗を流し東京へ。

ギリシャ カリムノス島

2016年8月13日~20日
平岩あ(記)、平岩く

今年の夏休みは北海道にフリークライミングに行く予定だったが、台風やら何やらで天気が悪そうなのでキャンセルになってしまった。
中々取れない一週間丸々の休みなので、どっかイイトコロないかなあ~と探していたら、アテネ行きの航空券がそこそこの値段で買えることを発見。
という事で行ってきました、2度目のギリシャ、カリムノス島(前回の報告はこちら)。

8月13日~14日
成田→関空→イスタンブール→アテネ→コス島→カリムノス島→マスーリ(泊)

プロペラ機でコス島へ
プロペラ機でコス島へ

家を出てから33時間、ようやく辿り着いた。
買ったのが安いチケットなので、色々と大変な訳で。
更にアンラッキーも重なった。
この日、コス島からカリムノス島に向かうフェリーが強風で欠航になっていて、違法操業している小型船でカリムノスに渡ることになったのだ。

強風で海は激荒れ
強風で海は激荒れ

当然ながらそんな船があることは知らず、最初に来た違法船に乗り損なってしまい、結局次の違法船を捉まえるまでコス島の港で3時間以上待ってしまった。
まあ、違法船でも何でもカリムノス島に渡れたのは良かった。
運賃は、足元をガン見されて、えらい高かったけど(20E/1人)。
当初の予定では、島に渡った当日の午後からクライミングをすることにしていたのだが、そんなこんなで結局宿に到着したのは17時過ぎ。
もう移動で疲れ果ててしまい、この日は大人しく買い物と夕食だけ済ませて、寝てしまった。

8月15日
クライミング1日目:

今回泊まった宿は、前回のようなスタジオではなく、Masouri Blueという一応ホテル。

ホテルの部屋。2ベッドルームでもう一部屋にはダブルベッドが置いてある。
ホテルの部屋。2ベッドルームでもう一部屋にはダブルベッドが置いてある。

予約が直前だったので、ホテルに較べて安いスタジオは全て埋まってしまっていて、予約できなかったのだ。
朝食付き、5泊で540Eとか。日本円で6万円ちょっとかな。
まあ、それでも他のリゾート地に較べると格段に安い。
朝食はビュッフェ形式なのだが、スタートが7:30amから。

朝食は外に並べられたテーブルで。滞在中1回しか食べてないけど。。。
朝食は外に並べられたテーブルで。滞在中1回しか食べてないけど。。。

朝早く出たいクライマーには微妙に使えない時間で、結局初日に一度食べたっきり、2日目以降は出発前に食堂に立ち寄って、パンとかゆで卵をもらって岩場に持っていく感じだった。
パンったって、フランスパンを切ってそのままくれるだけなので、モサモサしてて岩場で食べ辛いことこの上ない。
結局、毎日自分達でヨーグルトを買って、それを食べてから出かけていた。
我々には朝食付きはあまり意味がなかった。

さて岩場。
今回もスクーターを借りる予定はなく、Masouriから歩いて行ける範囲のエリアで済ませるつもり。
Kalymnos_5

最初は様子見で簡単なエリアということで、Afternoonからスタート。

Jonas Kitchen (6b)
Jonas Kitchen (6b)

アップで2本登った後は、Grande Grottaを跨いでPanoramaへ。
そこから今度はGrande Grottaへ・・・と初日はGrande Grottaとその近くの岩場をうろうろしながら登った感じだった。
Kalymnos_7

グレード的には、前回、2年前に来た時は6c(5.11a)までしか触れなかった。
今回は7a(5.11d)のルートが目標だ。

本日登ったルート
(Afternoon)
– Nonno Ringo (5c)  OS。一応トポでは星3つ。アップにどうぞ。
– Jonas Kitchen (6b)  OS。あまり記憶にないが、面白かったような気がする。
– Panakia (6b+)  1X。クールダウンで取り付くも登れず。カチ。核心ムズイ。クリップ出来なかった。今ツアーで唯一宿題にしてしまったルート。最新トポでは6cになってた。
(Panorama)
– Joggel&Toggel (6c+)  OS。出だしの数メートルが被ってて、見た目どおりここがポイント。面白い。お買い得という噂が。
(Grande Grotta)
– DNA (7a)  2RP。今ツアーの目標ルート。傾斜はキツイけど、ガバばっかなので登り易い。回収は登り返すか、途中にビナ捨てた方が良いです。

Joggel&Toggel (6c+) 出だしが被ってる
Joggel&Toggel (6c+) 出だしが被ってる
DNA (7a) ガバどっ被り
DNA (7a) ガバどっ被り

8月16日
クライミング2日目:

コス島でカリムノス行きの船を待っている間、ポーランド人のクライマーと知り合いになった。
昨日、岩場からの帰り道、マスーリの街中で偶然そいつに会って、「ビレイヤーがいないので明日一緒に登ってくれないか」と頼まれた。
という事で、今日はそのポーランド人、Kacと3人で岩場に向かった。
アップをGrande Grottaの右の方にあるルートで済ませてから、Kacの希望でSpartacusに移動。
このエリアは夕方までずーっと日陰らしいので、特に夏場に長時間登りたい人には良さそうだ。
日本と違って空気が乾燥しているので、日陰に入るとかなり涼しく、夏でも普通にクライミングが出来る。
流石に登ると暑いけど、降りてしばらくぼーっとしてれば、汗は普通にひいていく。
正直、暑くてもっと登れないかと思ってたけど、エリア(って言うか日陰)を選べばかなり快適だな、こりゃ。
Kacは7c+ (5.13a)まで登ったことがあるらしいのだが、仕事やら彼女やらでしばらくまともにクライミングをしていなかったらしく、「リハビリじゃ」と言いながら登っていた。
確かに上裸になった上半身はちょっとユルかったし、身体のキレはイマイチっぽかった。
Kalymnos_10

この日は1時くらいまで登って下山。

本日登ったルート
(Grande Grotta)
– Monahiki Elia (6a+)  2年越し2RP。上部のダブルコルネが楽しい。
(Spartacus)
– Harakiri (6b+)  OS。核心は一手。自分的には名前が余計な感じだが、ルートはかなり面白かった。
– Les Amazones (6c)  2年越し2RP。これも中間部のダブルコルネがポイント。所々ホールドがスローパーチックで悪い。良いルートです。
– Kerveros (7a)  OS。これはムーブ、スケールともに良かった。お買い得。人気があるのも納得。

Les Amazones (6c) ダブルコルネを登る
Les Amazones (6c) ダブルコルネを登る

一旦部屋に戻ったら水着に着替えてビーチへ直行。
泊まっているホテルの前の階段を降りると、すぐ目の前がビーチで、沢山の人が海水浴に来ている。
カリムノスは、クライミングだけでなく、ビーチリゾートとしても有名なので、この時期はクライマーと同じくらいかそれ以上に海水浴のお客さんがいるのだ。
自分はもう何年も海に行ってないので、本当に久々に生の水着のネーチャンを見て力いっぱい目の保養。
中にはトップレスの人も居たりして・・・GoPro頭に付けとけば良かった。

トップレスのギャルは写ってません
トップレスのギャルは写ってません

海の水はかなり冷たいので、長時間浸かっていられない。
あと、日差しがハンパなく強いので、パラソルの下でないと寝てられない。
パラソルとビーチで寝るベッドみたいなのは、ホテルに泊まっているお客は専用のものが置いてあってタダで使える。
(実際、今回ホテルに泊まった利点というと、ほぼコレだけだったような気がする。)
その他、近くの飲食店が出しているパラソルとかがあるので、飲み物(値段設定が高い)を頼むとそれを使わせてもらえたりするらしい。
クライマーらしき連中は、普通にタオルを砂の上に敷いて、直射日光の下でガン寝して全身真っ赤になってた。
Kalymnos_13

しばし海辺でのんびり昼寝をしてから、夕食を食べに出かける。
以降、帰るまで毎日このルーティーン。起きる、登る、海、夕飯、寝る。
いやー、素晴らしきリゾート・クライミング哉。社会復帰出来なくなりそうです。

8月17日
クライミング3日目:

カミさんが、そろそろ同じエリアは飽きたと言い出した。
登るルートはまだまだ沢山あるというのに。
ということで、この日の前日、スクーターを借りれないかと思い、レンタルバイク屋に行って話を聞いてきた。
今回ギリシャに行くことが決まったのが出発の2日前だったので、国際免許を取りに行ってる暇がなかった(某奥様は水着を買いに行く暇はあったらしいのだが)。
ので、日本の免許でスクーターを借りれないかという、結構ハードルの高い交渉をしてきたのだ。
結果、借りれる事にはなったのだが、事故ったりしても全て「自己責任になる」と言われ(当たり前)、何かあってもマズいので今回はやっぱり諦めることにした。
代わりに自転車を借りて、今日はこれまで歩いて行ってたエリアから少しだけ足を伸ばしてみることにした。
向かった先は、メジャーエリアのOdyssey。
レスト日を挟まず、ぶっ続けで4日と半日登る予定なので、中日の今日は一応ユルクラモード。
到着してみると、このエリアもまたデカい。

Odysseyエリア全景・・・いや、2/3景くらいか
Odysseyエリア全景・・・いや、2/3景くらいか

朝、壁の向かって左の方に歩いて行く人が結構見えたので、自分達は右側へ行ったのだが、右は右で結構人が居た。
人を避けるように一番右のエリアの左隣のエリアで登ったのだが、ここの壁は結構ショボかった。
我々が登っていたエリアの右隣と左隣は人気があるようで人がいた。後で見学に行ったら確かに壁もカッコいい。
よりによって、一番大した事のないところで登っていたようだ。
Odysseyも日陰を選べば2時過ぎまで登れる。という事で2時くらいまで登ってこの日は退散。
Kalymnos_15

本日登ったルート
(Odyssey)
– Poly Retsina No Good (6a)  OS。星3つだけど、かなりどうでもいいルートだな・・・って、ここに来て数日登ってかなり贅沢になってるかも?日本にあったら普通の快適な10aです。
– Penelope (6a+)  FL。中間部の一手もの。この核心は結構悪い。これもイマイチなルートだ。
– Imia (6c)  2RP。これはスケールがあって面白かった。中間部で細かくなる辺りが核心で、ルーファイ迷ってOS失敗。
– Why Not (6b+)  OS。ケイブの右端のラインで、短いけどこれは面白かった。

Penelope (6a+) 核心の箇所で悩む奥様
Penelope (6a+) 核心の箇所で悩む奥様
Imia (6c)
Imia (6c)

前回の報告でも書いたが、この島の水道の水は塩水なので、飲む用の真水は街中でタダで汲めるようになっている。
そんな訳で、先日Nalgenを持って、水場に行ったのだが、2ヶ所ある水場は両方とも枯れてしまっていて水が出ない。
あれ?そうなの??今回は買わないとダメか?と思いながら歩いていると、自販機みたいなものがあり、おじさんがそこから水を汲んでいた。
やっぱり買うのか、と思い幾らか聞いてみると、「タダだよ」と教えてくれた。
なるほど。この時期だけなのか、ずーっとこの状態なのか聞かなかったけど、町の水場で水が出ないときは、この自販機が目印のようだ。

泥棒にしか見えないが、水はタダです。
泥棒にしか見えないが、水はタダです。

8月18日
クライミング4日目:

奥様がやっぱり7aにチャレンジしたい!という事で、以前鳴海さんから聞いた、Grande Grottaのお買い得7aをやってみたいと言い出した。
そんな訳で4日目の今日もまたGrande Grottaへ。
Kalymnos_19

朝一は隣のPanoramaでいつも人が取り付いている人気ルートでアップ。
そこから件のお買い得課題へ向かう。
7a、トポにはロープスケールで40mと書いてあるのだが、うちの70mロープでそもそも登れるのかが心配になる。
が、結果的に70mロープで問題なかった。
奥様はこの課題に頑張って2便出したが登れず。。。さらにクールダウンでやったHappy Girlfriendとかいう5c+(5.9)も登れず、正に踏んだり蹴ったり。
すっかりUnhappy Wife状態。
でも、この島の良いところは、登れなくても海がある!ことだ。
海で泳いで、のんびり昼寝をして、島で一番お気に入りのレストランでご飯を食べたら、ようやくご機嫌が直ったようだ。

カミさんのお気に入り、Aegean Tavern。マスーリで多分一番おいしい。夏は予約した方が確実です。
カミさんのお気に入り、Aegean Tavern。マスーリで多分一番おいしい。夏は予約した方が確実です。
Tavernから見える夕日
Tavernから見える夕日

本日登ったルート
(Panorama)
– Carpe Diem (6b)  OS。グレードが手頃だからか、いつも人が取り付いている人気ルート。1本コルネの処理が面白い。
– Aeolia (6c+)  OS。このルートは面白かった。見た目どおり、左のコルネを取るまでが悪い。
(Grande Grotta)
– Trela (7a)  OS。何しろ長い。回収は途中でビナ一本捨てました。確かにお買い得かも。
– Happy Girlfriend (5c+)  OS。Grande Grottaの最奥・ど真ん中にある記念受験的ルート。でも核心はちゃんと悪いです。

Trela (7a) トポにはロープスケール40mって書いてあるけど、多分そこまでない。でも長い。
Trela (7a) トポにはロープスケール40mって書いてあるけど、多分そこまでない。でも長い。

8月19日~20日
クライミング5日目~カリムノス島→コス島→アテネ→イスタンブール→関空→成田

最終日、ホテルのチェックアウトが12時のところ、カミさんが交渉して1時まで延ばしてもらった。
11時くらいまでクライミング出来そうだ。
ということで、いつもよりも30分早く7時に出て、岩場に向かう。
Kalymnos_23

マスーリから一番近いPoetsにしようかと思ったのだが、カミさんが行ったことのないエリアが良いと言うので、その隣のIannisというところに行って来た。
結論から言うと、これが大当たり。
このエリア、こじんまりしてるけど、登ったルートは面白かったし、他にも幾つか面白そうなルートがあった。
次回また来たいな。

Iannisエリア全景。写真中央の洞窟がエリアの中心で、他のエリアと比べると小さい。
Iannisエリア全景。写真中央の洞窟がエリアの中心で、他のエリアと比べると小さい。

本日登ったルート
(Iannis)
– Kalotina (6a)  OS。このエリアで一番簡単なルート。見た目あまりパッとしないのだが、登ると更にパッとしない。。。
– Kalyne (6b)  OS。見た目イマイチだが、このルートはスケールもムーブもあってかなり楽しい。アップは是非これで。
– Adolf in the Bay (6c+)  2RP。あまり長さがないが、このルートは面白かった。ライン取りとホールドの甘さが絶妙。ラストもシビれます。

Kalyne (6b) アップはこれを是非
Kalyne (6b) アップはこれを是非

という事で、4.5日はあっと言う間に過ぎてしまい、これにて終了。
ここから現実の世界へと戻る25時間+の旅が待っている。
今回、夏のカリムノスってどうなのよ??的な疑問を持ちつつ、勢いで取り敢えず来てしまったが、いやー、想像を遥かに上回る楽しさだった。
朝一から登って、2時くらいに下山して、海に直行。もうキラールーティーン。
雨はほぼ100%降らないし、岩のコンディションも良いし、何よりクライミングオフシーズンなので、基本的に岩場が空いている。
次回も絶対夏に来たいなあ。
Kalymnos_26

おしまい。

北ア 錫杖岳 前衛フェース 注文の多い料理店、1ルンゼ

2016年8月10日~12日
薄田、河合、山口(バーバリアン)

この夏休み、前半戦で赤蜘蛛登ったので後半どこ行こう?屏風?滝谷?剱?北岳?夢は膨らみましたが赤蜘蛛でヨレた体は完全回復せず。
ということでアプローチの短い錫杖岳に行くことにしました。今度は連休開始で元気モリモリの山口さんも合流。

8月11日(木)
河合(記)

注文1

10日、また前夜発。中央道は渋滞で5時間かかってしまい、槍見温泉駐車場26:00到着。

11日、登攀意欲バリバリの山口さんと、ヨレヨレ組の薄田、河合の間で起床時間を巡るかけ引きがありましたが、結局5:00起床となりました。
眠い…ゆっくり歩いて汗をかきかきテン場へ。
テン場にて(河)「あー、~もうビール飲みたい」(山)「そんなんで大丈夫?」(河)「大丈夫!取付いたらスイッチ入るから」(山)「(ホントかよ・・・)」
この後も弱気発言を繰り返す主に河合、時々薄田の両名は山口さんの叱咤激励を受けながら取付へ。
注文-2

さて、今日のお題は「注文の多い料理店」。錫杖岳を代表するオールナチュラルプロテクションの好ルートとの噂。目も覚めたし、それじゃあ行ってみよう!

1p目:Ⅳ(リード:薄田)
階段上を草付テラスまで。プロテクションはあまり取れなかったような。準備運動のピッチ。草が結構生えてました。

注文3

2p目:5.8(リード:河合)
テラスを左に少しトラバースしてからクラックを左上~フェースを右上して枯れ木テラスまで。快適なピッチでした。う~ん、いい感じ!薄田さんも思わず「このピッチ、俺がリードすれば良かった…」。でも写真は撮るの忘れました。

3p目前半:5.8(リード:山口)
前夜の車の中でのやりとり(河)「どのピッチリードしたい?」(山)「3ピッチ目で。」(河)「んじゃ任せた!」(薄)「(まぁ頑張れ)」ということで、ハイライトの3ピッチ目は山口さんリードです。キャメ#4×2、#5その他を装備してハング越え~広めのクラック。プロテクションはクラックにとりますが、クラックの幅が広すぎてクラック登りというよりは凹角登り、レイバック主体になり、結構力を使いました。いや~楽しい!弾数の尽きた山口さんは途中のハング下の支点でピッチを切ってました。
注文4

3p目後半:5.8(リード:河合)
あまりに快適で「次は俺にもやらせてくれ~」、ということでリード交代。引き続き快適なクラック(でも割とフェース登り)が続き、思わずにやけてしまいます。最後は少し右にトラバースして水平テラスへ。
注文5

4p目前半:5.8(リード:山口)
当初は河合リードの予定でしたが、(河)「まだ物足りないでしょ?」(山)「そうだね。」ということで、再び山口さんにスイッチ。大き目のクラック→左ハンド、右幅広のダブルクラックでした。少し草が増えてきましたが、まだまだ快適です。最上部は左の草付から回り込めば良いのですが、フォローだったので右壁に行ってみたらボロくてフットホールドが欠けた(落石してすみません)ので諦めて戻りました。最後山口さんは左方カンテの中間支点とかを使ってピッチを切っていました。終了点はもうちょい上だよ~。

注文6

4p目後半:Ⅲくらい(リード:薄田)
最後の10mは薄田さんに締めてもらい、左方カンテとの合流点のテラスに到着。

注文7

この日、注文は後ろにもう1パーティーのみでした。
対岸の「見張り塔からずっと」には3人パーティーが取付いていましたが、ルートが違うような…大丈夫かな。

注文8

懸垂時、水平テラスは後行パーティーが食事中だったため使えず、左方カンテ核心手前の大テラス経由で3回懸垂下降して取付まで。大テラスからロープ引いたら、ロープの流れ悪く最初は引いて動かなかった(セカンド以降に直してもらった)ので要注意でした。

(河、薄)「さて、ビールだ飯だ~♪」(山)「何言ってるんすか。まだこんな時間(14:10)だし、登るに決まってるじゃないすか」(河、薄)「まじ?」(山)「まじ。」(河)「ん~今から左方カンテやったら日暮れそうだしな~、よし、黄道光1p目やってみるか!」
ということで、その場の思いつきで、黄道光へ行ってみることにしました。
左方カンテ取付に行くと、黄道光から降りてくるパーティがいたので、しばし待ち。曰く、3p目のボルトが抜けているらしいとのことでしたが、この時間から登っても3p目には行けないので問題ないかな。

左方カンテ1p目:Ⅲ(リード:河合)
アプローチ。本来の左方カンテ1p目終了点少し下の立木でピッチを切ります。

黄道光1p目:5.11a(リード:河合)
やって参りました黄道光。甲斐駒+注文のダブルパンチでヨレヨレの体で登れるようなルートではないのですが、とりあえず河合がリード。これが中々にキツい!ボルトはペツルですがところどころ間隔が遠く、油断して小さ目のカムを持っていかなかったこともあり、フラフラな体に結構ランナウト、しかも傾斜はハング気味で腕が吸われる…「うぉ~!」とかシャウトし、振り絞りながら核心のクラックを通過。後で写真見るとロープと壁に足が挟まってました。もっと余裕もって登らないと。
注文9

下から「さっさと諦めて降りて来いよ~」オーラ全開の薄田さんを尻目にテンション混じりで何とかトップアウト。5.11aよりは随分辛めに感じました(ヨレてるせいだと思いたい)が、ムーブは大体解決。このレベルをマスターでオンサイトするにはまだ実力不足なことを感じました。次は万全な調子の時にやってみたい!フォローの2名は、また魂飛び出かかった私を尻目に、楽しそうに登ってきました。「わ、私もフォローが良かった、かな?」

当然のごとく1p目で時間切れ、ハイライトの3p目をしっかり目に焼き付け、下降しました。また戻ってくるぞ~!

注文10

この日は結局18:30頃にテン場に戻りました。当然残置し冷やしたビールに潤沢なツマミがお待ちかねです。いや~たまらん!

コースタイム
6:40登山口→7:50/8:30錫杖沢出合テン場→9:00/9:30注文取付→13:00注文4p目終了→13:10懸垂下降開始→14:10/30注文取付→14:40/15:25 左方カンテ取付→15:45黄道光取付き→17:10黄道光1p目フォロー終了→17:50/18:00左方カンテ取付→18:30錫杖沢出合テン場

8月12日(金)
薄田(記)

今回は他会の山口君を加えての錫杖になりました。
8月6日~8日で河合君と甲斐駒・Aフランケ「赤蜘蛛ルート」行って間もない(中2日)ハ-ドスケジュ-ル。
正直赤蜘蛛はアプローチが核心で体力勝負です。昔のクライマーは強かった!!!
お前も片足突っ込んでるでしょうと聞こえてきそうですが(*^ー゜)。
只、天候に恵まれ素晴らしい1週間になりました。
以下、記録
薄田は今回で3回目なので若い(自分も若いつもり)二人にリードを譲りスタ-トです。
写真1_若い2人

新版日本の岩場参照のピッチで1~3P:河合、4~6P:山口、7・8P:薄田が担当。
写真2_河合リード

前回(2、3年前)に登ったときには存在した中間ピンが殆ど抜かれており「カム等」が無いと登れない状況でした。(キャメロット2番以下1セット程度必要。)
その分ピンが無いとルートファインディング能力が問われ、場数慣れしたベテラン諸氏には楽しめるルートに変貌を遂げています。
但し、冬登るには真の実力を問われる厳しいものになるのでは無いでしょうか?
以前あった大量のビレーポイント(リングボルトメイン)は消滅し新たにペッツルのボルトが確保地点に存在します。
写真3_山口リード

ルート中楽しい、これぞ「フリークライミング」言いたいピッチは6p目のバリエーション(リトルウィングライン10b)でここはお勧めです。但しピンは有りません。
写真4_6p目ダイレクトルート

写真5_6p目ダイレクトルート2

現在のクライミング技術からすると容易いのですが高度感も含むあのロケーションの中では雄叫びを上げたいくらい(ちょとオーバー)。
写真6_高度感の中クライミング

コースタイム:
7:50 テント場スタート
8:25/50 取り付き
9:40 2p目終了
10:30 5p目中間
10:45 山口にリードチェンジ
12:40 6p目終了(薄田にリード交代)
13:40 8p目終了
14:00 懸垂下降開始
15:40 取付
16:50 天場
17:40 駐車場

以上

南ア 甲斐駒ヶ岳 赤石沢奥壁Aフランケ 赤蜘蛛ルート

うおーーー!!イキってる河合

2016年8月6日~8日
薄田、河合(記)

何年か前、立ち読みしてたら目に留まった、Aフランケ赤蜘蛛6p目を登るクライマーの写真。目が奪われました。以来、赤蜘蛛を登ることが目標でした。
赤蜘蛛ルート、強い人はスーパーな感じのラインをフリーで登るようですが、私の力じゃ無理。ということでAA1含め人工の練習をしつつ、機会をうかがいました。今回、薄田さんが付き合ってくださるということで、登ってきました赤蜘蛛。

5p目終了点近くからスーパークラックを見上げる

8月5日
薄田さんは職場の納涼会とやらで、集合したら23時を過ぎていました。一路夜叉神峠へ。朝っぱらから外が賑やかでろくに寝られなかった・・・
途中のバス車内では、添乗員さんが「ここがシレイ沢でございま~す♪運が良いと滝を登るクライマーの姿が見られま~す♪」カモシカと扱いが同列なんですけど…我々クライマーは珍獣扱い…?

8月6日
今回は暑くてきつそうな黒戸尾根を避け、北沢峠から甲斐駒8合目岩小屋を目指しました。
7:15 北沢峠発。快晴。仙水小屋で水6リットルを汲んだら荷物が26kgに…重い…
13:35 8合目岩小屋着。バテバテ。日頃のトレーニングをサボっていたツケか…今日はここからが本番。私も薄田さんもAフランケは初めて。取付どこ~?ということで下見です。
岩小屋から真下~左に続いている踏み跡を辿る→八丈沢横の尾根に乗る→巨岩帯をFIX等使って通過→枯れ木に打ち込まれたハーケンを足場にFIXを降りる→T字路に当たったら左折→八丈沢に近付いて草付に降りたら右にターンし岩壁に沿って進む→踏み跡とFIXに導かれてがしがし降りる→左方向の八丈沢に降り立ち沢の中を下る→どう考えても行き止まりの断崖手前で右岸のバンドを岩壁沿いにトラバース→さらに八丈沢の岩壁を左手に見ながらFIX便りにがしがし下る→最後は右にトラバース→黄色い太いFIXを頼りにトラバース→Aフランケ右フェース到着→基部付近の薄い踏み跡を辿り、基部奥のブッシュ内にあるルンゼ状をFIXを伝って下る→さらに草付トラバース→赤蜘蛛取付
でした。
FIXを頼りに下る

右フェース基部からルンゼ状を下る

誤った踏み跡に入っては修正しながら1時間15分で取付に到着し、ガチャをデポ。赤テープや白テーピング、FIXなどは結構ありますが、判りにくい箇所も時々あり、初見で暗い中行くのは難しそう。踏まれていた植物も大分前のようで、最近は人が入っていなさそうでした。
空身で登り返して岩小屋に戻りました。ヘロヘロです。岩小屋の標高が2690m位、取付が2330m位だったので、標高差360m下ったことになります。こんなに下るのか…
この日から最終日まで、岩小屋は貸切でした♪

8月7日
アタック当日です。快晴。明るくなってから出発。
鳳凰岳方面の絶景

今度は1時間で取付着。前日通ったにも関わらず1箇所道を間違えました。この日、Aフランケはまさかの貸切!
Aフランケ

6:35 ちょっと遅くなってしまいましたが、登攀開始。以下、書いてあるピッチ数とグレードは、新版日本の岩場(上)と合わせています。

1p目:A1 or 5.11b(リード:薄田)
初っ端からハング越えの人工。噂のとおり2ピン目がやたら遠い。人工なのにこんなにピンを遠くする意味があるんだろうか、と愚痴りながら、朝一で動かない体に鞭打ってA1。時間短縮のため、今回唯一チョンボ棒を使用。最後の2手位はフリーですが簡単。ロープは25mも出ず。
取付から1p目を見上げる

2p目(前半):5.8(リード:河合)
快適なハンドサイズのクラックが真っ直ぐ続いていて、来て良かった!と思える快適なピッチ。もちろんフリー突破。欠点は意外と草ボーボーなこと。ロープが25m出ないうちに明瞭なテラスに支点を発見。次の支点が見えなかったので、念のためピッチを切りました。ここまで1時間。キャメ#1、#2を使用。
2p目前半をフォローする薄田さん

2p目(後半):(リード:薄田)
傾斜が少し立ってきたコーナークラック。引き続き草ボーボー。20m位登ったら支点があり、ここが2p目核心だったようです。薄田さんすんません。フォローだったし、問題なくフリーで通過。
2p目後半の核心を見上げる

3p目(前半):Ⅳ、A1 or 5.10b(リード:河合)
左のフィンガーな感じの草ボーボークラックにハーケンがチラっと見えます。こんなのフリーで行けねぇよぉ~ということで迷わずA1。草の中のハーケンを探します。ハング下のリングボルトトラバース手前でピッチを切りました。ロープまた25m出ず。それにしてもAフランケすごい~
3p目前半をフォローする薄田さん

Aフランケの綺麗な岩壁

3p目(後半):(リード:薄田)
私がピッチを切った支点、過去にピッチを切ったパーティが多かったようですが、薄田さんは「その先で切らないと次のピッチでロープの流れ悪くなるから、もっと登っておけよ~」と指摘。そのとおりで、さらに10m位A1で登ってV字ハングを少し回り込んだところ(下からは見えない)に支点があり、薄田さんにそこで切ってもらいました。さらに左側のラインにもボルトがあり、そちらからも行けたようです。また短く切ってしまった…薄田さんすんません。七丈小屋へのビール調達係が確定。
V字ハング下のトラバース

4p目5.8:(リード:河合)
V字ハングを横から乗越します。リングボルト3つのラダーがあり、A1できそうですが、支点だけ使ってフリーでトライ。見えない所にガバホールドがあり、通過したと思ったら、突如出現した谷川テイストなジャパニーズボロ壁。浮石そこそこ、見つけたハーケンは1つのみ。灌木にショボい気休めランナーを取りながら20m位登り、大テラスへ。ロープは25m位だったような。ここで大休憩。
大テラスから4p目を見下ろす

5p目5.7:(リード:薄田)
灌木の生えたジェードルを登り、左のスラブ状を登ってからカンテ状。フリーで登っても特に難しくないピッチでした。スーパーなクラックが見えてきてテンションが上がります。右にアブミが落ちてました。多分6p目登っていて落としたものと思われます。ロープはまた25m位だったような。
5p目のスラブ状をフォロー

6p目AA1 or 5.11c:(リード:河合)
時間は10:30。ついに来てしまった大核心の6p目。リード頂きます!ガチャ大集結。始めはリングボルトのラダーですが、クラックに来るとピンが部分的に消失。ナッツやカムをきめ、乗り込んでは最上段~2段目に立ち、クラックにジャミングしてバランスとりながらまた次をセット、を繰り返していきます。上部まで同様のクラックが続いているので、弾数が均等に減るようセット。終了点が視界に入り、手前にハーケン連打が見えてひと安心。終了点はリングボルト3つ。ロープ40m位の長いピッチで、リードに45分かかりました。ガスがかかったり晴れたり。
カムはフィンガー~ハンド1セット、ナッツ#7,#12の2つ、ヌンチャク10位(途中間引いた)使用。このピッチ、ガチャの使用数は人によると思われるので、行かれる方はくれぐれも自己責任でガチャ持っていってください。
長い6p目

6p目をフォローする薄田さん

7p目Ⅳ、A1:(リード:薄田)
6p目のフォロービレイから7p目のリードビレイは今回の核心。ハンギングビレイで腰まじで千切れそう。人工の速い薄田さんのビレーでこんなきついんだから、遅い人のビレイだったら、7p目も継続リードじゃないと耐えられなそう。アブミかけて乗ってみたり、体勢入れ替えたり色々試しましたが、もっと根本的な対策をすべきだったかも。7p目は恐竜カンテ乗越の単調なA1で、ピン間隔も普通でした。腰千切れかけてボロボロ状態でのフォローは魂飛び出そうでしたが。
7p目をフォロー

8p目Ⅳ、A1 or 5.10b/c:(リード:河合)
左上→右回り込みつつ太いダケカンバにランナーを取る→右手にあるフェース→針葉樹の生えた大テラスへ。最後のフェースはリングボルトですが、フリーでも行けそうな感じ。でも、さっき魂が口から出かかったばかりなので、慎重を期してA1で通過。
8p目核心フェースをフォローする薄田さん

9p目Ⅱ~Ⅲ:(リード:薄田)
木登り+ルートファインディングのピッチ。意外と傾斜は立ってます。薄田さんは40m位ロープが出たところでピッチを切ってました。
9p目の木登り

10p目Ⅱ:(リード:河合)
ほぼ踏み跡の明瞭な歩き。20m位ロープを出た所で岩小屋に到着!14:15。登攀時間7時間40分でした。つ、疲れた…10pのところ12pで登ったりして時間食ったのが反省点だけど、初見同士だし、こんなもんかなぁ。
岩小屋で口から魂飛び出た河合

これで1日が終わりだと思ったら大間違い。まずはガチャとロープを全部岩小屋まで担ぎ上げ、次は七丈小屋まで水汲み+ビール調達です。8合目岩小屋から七丈小屋まで標高差300m位あるので、ヘロヘロの体には中々に堪えます。戦利品を背負って岩小屋に戻ったら17時過ぎてました。ビ、ビール、旨すぎる…っ!昨日はワラワラいたブユもおらず、快適でした。

8月8日
この日も快晴。甲斐駒山頂経由で稜線散歩しつつ、北沢峠まで4時間半くらいかけて降りました。荷物が5kg軽いだけでこんなにも楽になるものなのか…
黒戸尾根からの絶景

憧れのAフランケ赤蜘蛛ルート。噂に違わぬ素晴らしいルートでした。こんなルートを40年以上前に初登した方の優れた眼力、実力には敬服するばかりです。

備忘録とか(河合の私見ですのでアテにしないでください)
・要体力。フリーで鈍った足に、重い荷物の登山はしんどかったです。
・岩小屋からのアプローチは要ルートファインディング。初見でヘッデンだと多分迷うので下見がおすすめ。
・ルートは、フリーのピッチもあるけど(通常のクライマーには)人工が主体。A1をスピーディーにこなせないと時間食います。
・ルートは概ね明瞭。4p目後半、8p目、9~10p目で若干注意が必要。
・岩は4p目後半以外とても硬く快適。4p目後半の落石は2p~3p目のジェードルに落ちていくので厳禁。先行パーティがいる場合2~3p目は上方に要注意。
・中間支点の間隔は4p目後半、AA1の6p目を除き概ね適当かつ潤沢。でもビレイ支点含め古いリングボルトが多い。1p目の2ピン目がやたら遠く、背の小さな人や時間と体力節約したい人はチョンボ棒あった方がいいかも。
・ガチャはフィンガー~ハンドのカム2セット、ナッツ2セット、ヌンチャク20弱持っていきましたが、明らかに過剰でした。私はフィンガー~ハンド1.5セット(キャメ#0.4、0.5、2のみ2セット)、ナッツ1セット、ヌンチャク15で充分と思いました。でも上にも書いたとおり、人によって使うナチュプロはかなり変わると思われます。6p目のクラックはガタガタしていてナッツの効きが良いです。2p目はハンドサイズが複数個欲しい。

コースタイム
8/6:7:15北沢峠→13:35/14:10 8号目岩小屋→15:25/45赤蜘蛛取付→17:00 8号目岩小屋

8/7:5:10 8号目岩小屋→6:10/35赤蜘蛛取付→7:35 2p目(途中)フォロー終了→10:30 6p目リード開始→11:15 6p目リード終了→11:55 6p目フォロー終了→12:20 7p目リード終了→12:40 7p目フォロー終了→14:15 /45 Aフランケ岩小屋(登攀終了)15:20/30 8合目岩小屋→(七丈小屋往復)→17:10 8号目岩小屋着。

8/8:5:55 8号目岩小屋→10:20 北沢峠(いつもどおり薄田さんはもっと早かった)

笛吹川水系東沢 ホラの貝ゴルジュ

2016年7月30日
鳴海(記)、他会員外4名

記念撮影が終われば多くのひとは高巻いてしまうホラの貝ゴルジュ。
T-WALLで浅井さんと週末の予定を話していたら、13クライマーを3人引き連れてホラノの貝ゴルジュへ行くとのこと。
聞けばおもしろそうな面子と好天予報。またとないチャンスと、即決で便乗させてもらった。
当日は、各人思い思いの装備で集合。
岩だけでなく水に対しても高い突破をもつメンバーに恵まれて、無事ホラの貝ゴルジュを完登することができた。

■遡行と下降
最後まで沢を詰める場合は、山の神までは左岸のトレースを歩くのが一般的だが、今回は鶏冠谷出会より入渓し遡行した。
下降は、同ルートをワイワイ楽しくウォータースライダーで下ったが、ウェアへのダメージが激しく私もズボンが破けてました。

コースタイム
8:30 鶏冠谷出合あたりから入渓
10:30 ホラの貝ゴルジュ入口
13:40 山の神付近到着
14:30 下降開始
16:30 西沢渓谷駐車場着

ホラの貝_写真1

■CRUX
ホラノ貝ゴルジュの核心とされているF1は、砂崎夫がトップで登り見事オンサイトした。
岩は濡れていたが、ソールがステルスの靴はしっかりフリクションがよく効き、
アキレスをチョイスした濱川さん以外は、みな落ちることなくフリーで登ることができた。

ホラの貝_写真2

■装備
ギア
ロープ(8mm×40m、8mm×30)・カム類・ナッツ・ハーケン・スリング・カラビナ
個人装備(靴とウェア)
浅井さん 靴:ウォーターテニー ウェア:ファイントラック ライジャケ有
濱川さん 靴:アキレスのスニーカー(改造品)ウエア:アンダーアーマー ライジャケ無→ とにかく寒そう
砂崎夫  靴:キャンプ4  ウェア:ウェットスーツ ライジャケ無
砂崎妻  靴:モンベルのフェルト靴とアナサジモカシム  ウェア:ウェットスーツ ラオジャケ有
鳴海   靴:カモシカの沢足袋とアナサジベルクロ ウェア:ファイトラック ライジャケ有

攻めのスタイルの濱川さん。GO-proも搭載。
攻めのスタイルの濱川さん。GO-proも搭載。


■まとめ
今回は思いがけず貴重な山行になった。実際登ってみると、私個人の力だけでは到底及ばないもので、運命的に集まったメンバーが、
それぞれの持つ力(とキャラ)を発揮し、無事登り切ることができた。仲間に感謝したい。
また装備についても、当たり前だが薄着は寒い、服はボロを着ていくこと。さらに、ライジャケ・ウェットスーツの有効性、改めて考えさせられた。