越後駒ヶ岳 佐梨川雪山沢

1997年10月10日~11日
瀧島(記)、水柿、平松

正月に行く予定の家ノ串尾根と近い将来是非行きたい正面尾根の偵察を兼ねて雪山沢に入る事にした。前から気になっていたこの山域を積極的に考えるきっかけになったのは、佐梨川にダムの建設計画がある事を知ったからだ。日本が世界に恥じる、数々の必要の全くないダムがこの場所にも造られようとしている。自然な姿の佐梨川の最奥部に今一度触れておきたかった。

10月10日 晴れ

あまりの眠さに関越トンネルの手前のパーキングで夜を明かしてしまった。長距離ドライブには本当に弱い。急いで佐梨川の林道に入り、8時半に車発。

桑ノ木沢出会いから桑ノ木沢を眺めると奥に登攀意欲をそそられるリッジを発見。いつの日か登る事を誓いフィルムに収める。

ここで林道から離れて川床に降りる。いきなり小川谷ゴルジュのような井戸の底でへつったり、腰まで漬かりながら進む。それでも金山沢出合いまでは1時間程で着いた。金山沢を分けてからすぐの垂直の40メートルの三階の滝は左岸から滝で落ちているルンゼから巻く。

1ピッチ目は滝の途中にヘビがいて超ビビった。ヘビが近寄らない事を祈りつつ登るが、ワンポイント悪く、ハーケンを叩き込んで超えた。後はトラバースぎみに滑りそうで恐い草付きを登り5ピッチと懸垂2回で川床に戻った。この三階の滝の高巻きに3時間ほどかかってしまった。

小滝をいくつか越えると左岸から緩傾斜の沢が入る。エスケープに使えると思った。2段の滝を左岸から2ピッチと懸垂1回で巻くと沢は少しだけ穏やかになった。このあたりから上は紅葉が始っている。正面にはロータリーピナクルという岩峰がそそり立つ。河原を整地してビバーク。

タイム: 8:00頃車発 夕方16:00頃着

10月11日 雨

出発と同時にぽつりと雨粒を感じた。何とか本降りにならないでくれと山の神に祈りつつ、初めの滝を越える。次の緩い傾斜のナメ滝は直登できず右岸のロタリーピナクルの正面の草交じりの壁を強引に登る。しかし1ピッチ登った所で無情にも土砂降りとなり、先の長さとメンバーを考えて退却する事にした。濡れたロープは重く、すぐにキンクしてしまい、頭を使う懸垂を繰り返す。

昨日エスケープに使えると思った沢は、少し登るとすぐに悪い滝が出て結局、沢通しに、忠実に下る。三階の滝は懸垂のロープが届いているか心配だったが、何とかクリアーした。後は増水したゴルジュを震えながら下った。かなりの雨の割にはゴルジュを無事に通過できて車に戻った時には放心状態だった。

タイム不詳。

敗退はしたけれども、正面尾根と家ノ串尾根の取り付きは確認した。地味な沢だけれども、内容はすばらしい。近い将来もう一度訪れようと思う。

 

 

愛鷹山 鋸ルンゼ

1997年9月28日
桜井、瀧島(記)

晴れのち曇り

変わった所へ行こうという事で、愛鷹へ向かう。行きは桜井さんのレックスで中央経由で、須走まで。そこから少しで登山口の愛鷹神社に着いた。海と富士山の眺めを期待していたが、天気予報に反して富士も太平洋もほんの少し見えただけだった。最高峰の越前岳まで縦走し、峠からがらがらのルンゼを下り取り付く。あまりにもろいのに嫌気がさし、1ルンゼと2ルンゼもトレースする予定だったが、上級向けの3ルンゼのみ登った。核心は黒い大滝でもろい。その上のナメ滝ももろく悪い。ハーケンを3本ほど打ったが利いていない。稜線に抜けて、位牌岳に登ってからもどった。とにかくもろかった。

 

 

瑞牆山 十一面岩正面壁 ベルジュエール

1997年9月28日
中嶋(記)、板橋

瀧島、石原も行く可能性があったが、次々にキャンセル。当初の予定通り板橋、中嶋でパーティを組む。金曜の夜まで雨が降っていたので土曜は昼からパンプ、その足で黒森に直行。関係ないがパンプ近くのそば屋のスープは天かす入りでくどい。

28日 晴れ

朝はかなりの気合いを入れ5時前に起きる。この頃はけっこうな寒さなので車の中でお湯を沸かしラーメンを食い、5時30分に出発。ちなみに今回は道の一番奥からアプローチした。沢沿いより早くて楽。慣れた道を行き取り付きが7時30分。

1ピッチ目、40m 板橋さんから。木が近くにある間は4級ぐらい、そこからA1になる。フリーだと11bとなっているが、貧弱なリングボルトではとても行く気になれない。でもフリーでいけたら素晴らしいラインだと感じた。このピッチが終わったところでアブミを捨てる、といけばかっこいいのだが、しっかり持ってあがる。

2ピッチ目、15m スラブのビミョーなフリー、かなり恐い。もしかしたら一番恐かった。一度明瞭なバンドになり木もあるので切ってしまったが、もうすこしのばしたほうがよかったかも。

3ピッチ目、45m トポには4級なんて書いてあるがとんでもない、コーナーからフェースにでないとかなりつらそう(リードの板さんはずっとコーナー)。泥臭くてちょっと嫌なピッチ。

4ピッチ目、15m 5.9 ここから上は泥なんかほとんどなくて素晴らしい。このピッチがまた素晴らしいクラックで、自分の限界に近いグレード。慎重にジャムを決めてカムでプロテクションをとっていく。出口がいきなり難しくて焦ってしまった。

5ピッチ目、20m 10a 写真にも載っている大フレーク、とにかくかっこいい。若干しめっているようだが板橋さんが果敢に挑戦。下の方は結構休めるのでプロテクションも取り易そう。中間からはかぶり気味のフレークにレイバックの体勢で入っていかなければならないので、最後のところでプロテクションをばっちり決めて突っ込んでいった。フレークの掛かりが良いこともあって無難に抜けていった。フォローしたが、いずれまたリードしたいようなピッチだった。

6ピッチ目40m5.8チムニー はじめのうちは快適なチムニー登りだが徐々に狭くなりオフィズス気味になる。フォローはザックをうまく処理しないと不可能だろう。抜けるとブッシュにはいるのでできるだけロープを伸ばす。

7ピッチ目 40m チムニーからコーナー、くの字型フレーク はじめのチムニーも難しいがやはりくの字型は難しかった。リードは板さんだったが途中まで頑張ってから人工。フォローなのでフリーで挑戦してみたが、2手ほどがリードではどうしてもつながりそうになかった。アンダーフレークを使ったレイバックだからプロテクションがとれない。かなりくやしいが相当練習してからでないとリードはできないだろう。ここからはロープいっぱいで頂上。途中5.9のクラックがあるがジャムがうまく決まって華麗に登ることができた。フィストで引きつけてハンドを決めるというムーブが決まったときは感動ものだった。

全8ピッチ、5時間 微笑み返しよりも速かった。下降はいつもの通り。末端壁には沢山人がいた。帰りは黒森でなく増富から帰った。増富の温泉はなんと1000円!もう二度とこないだろう。ただしさすがに内容は良かった。宿のほうとう定食(1000円)は素晴らしかった。渋滞もさほどではなく、雨上りの週末にしては大成功に終わった。

 

 

瑞牆山 十一面岩末端壁・調和の幻想、カサメリ

1997年9月20日~9月21日
中嶋(記)、石原

前の週が3連休にもかかわらず雨で中止になったため、wingの加藤さんからの情報を元に「調和の幻想」を急遽登りに行くことにする。八王子集合、黒森の部落はやたら工事していてあせった。

20日 はれ

起きたら10時だった。末端壁でアプローチが近いということもあって完全になめている。でもルートそのものは恐そうなのでびびっていた。取り付きまで来てみると、クラック沿いに濡れていてひどい状態。とりあえずはということで石原から登りはじめる。

1ピッチ目、5.9、20m
途中のハンドが濡れていて悪い。

2ピッチ目、5.9、20m
これは傾斜が落ちたところのクラックが流水溝になっていて悪かった。

3ピッチ目、5.8、10m
中盤のフェースでクラックにしか目が行かないとはまる。

4ピッチ目、スラブ10a?
オフィズス?ハンド?一番恐いピッチだった。特に出だしからクラックにはいるまでのスラヴが最高に恐い。オフィズスはレイバック気味に行ったが、その姿勢ではプロテクションが取りづらく恐かった。ハングした岩に行く手を阻まれたところで左にトラヴァース。

5ピッチ目、ワイドフレーク5.8、40m
出だしでフレンズ#2をきめてから8m程ランナウトしつつレイバック。リングボルトで取ってからまた8mのランナウト。ワイドフレークが終わってほっとしていると、けっこう悪いオフィズスがでてくる。ヒール・トゥと肘・ハンドを駆使して越えると終了点。短いが中だるみがまったくなく、とても充実したルートだった。ギアはフレンズ、エイリアンが1セットずつで足らせた。5ピッチ目のワイドはキャメ#5がきけばそんなにランナウトしないかも。

黒森でビールを買って宴会。

21日 曇り時々雨

どこに行っても濡れていて登れそうにないので、カサメリのモツランド上に行くことにする。途中で細田さんと、アニキさんがテントで寝ていた。ミルクミルクでウォーミングアップ。念願のプラチナムに取り付いてみた。オンサイトは当然無理で、けっこうな無理をして5mほどフォール、石原さんを焦らせた。もしかしたら行けるかもと思っていたのだ。下半分くらいは傾斜を完全に殺せるので、実質途中から上の10手ほど。カチを使ってのきわどいムーブが続く。完全にムーブを覚えてから、石原さんのビレーなどして回復を待つ。Tシャツまで脱いでのトライ。ばっちりチョークアップして深呼吸して取り付く。核心に突入してから頭は真白、よどみなくムーブがつながり気が付くとマントル返していた。思わず叫んでしまった。こんなに気もちのいいのは本当に久しぶり(はじめて?)だった。此のあとカサメリの他のエリアを偵察に行ったがどこも濡れていた。奥のアプローチは結構悪い。いいルートは3本ほど、いずれは行きたい。

 

 

足尾 集中合宿

1997年9月6日~7日
瀧島、板橋、水柿、桜井、石原、細田、中嶋(記)、平松

よくよく思えばクライミングは大人数ではできないので、二人か三人で出かける事が多い。特に最近は各々の趣向の多様化でみんなでお出かけする機会がほとんどなっかった。という事で静かな松木での合宿を思い付いた。直前の集会で参加者を募り、8人で楽しめた。人がいない静かな岩場、楽しい登攀内容、広々とした河原、近いアプローチなどみんなで合宿するには最適に思えた。

初日は瀧島、板橋、水柿パーティーでチャンピオン岩稜を目指すがルートを間違え隣の隣の稜を登ってしまった。桜井、石原パーティー細田、中島、平松パーティーの二組で大凹角を登った。夜の宴会も楽しかった。翌日は夜からの雨で岩が乾いていなかったので、古賀志にトラバース。久々のフリーを楽しんだ。(瀧島(記))

6日 晴れ 夜雨

車止めからベースまで1時間の林道歩き。ビールやら食い物が沢山あったので重い。凹角ルートパーティ(チャンピオン以外)と、チャンピオン岩稜パーティ(瀧、板、水)とに別れて登る。

凹角ルートは板さんとかにさんざん恐いと聞かされていたので、心構えはばっちりだった。うちのパーティは私がずっとリードで、細田さんと平松氏がつづいた。1ピッチ目、20m、ラストで左にトラヴァースするところが少し悪い。2ピッチ目、15m程、出だしが濡れていて悪かった。ノーマルとダイレクトの分かれるところできる。3ピッチ目核心、40m、コーナーを使ったり左のカンテに出たりしながら登る。コーナーはすっきりしていて、露出感もあり興奮した。次のビレー点はハンギングビレー。4ピッチ目、40m、出だしが難しいがそれをのっこすと易しいのがずっとつづく。5ピッチ目、ほとんどルートは終わって、ガレガレのところに出る。6ピッチ目、20m,チムニーを登ってすぐに頂上直下に出る。全体的によい残置ピンは少なく、ナチプロ、特にナッツが役にたった。ハーケンはほとんど必要ない。ビレー点は全て整備してあり、そこをはずすと恐い思いをしそう。

ベースに戻ったら即ビールを飲んでのんびりした。 チャンピオン岩稜チームはどうやらルートを間違えたらしく、R7右稜を登ったみたい。チャンポン岩稜と命名された。此のチームが下山してきたのは暗くなる直前だった。夜はもちろん宴会となったが、その途中から雨が降りだした。

7日 曇りのち晴れ

明け方まで雨が降っていたので、松木沢は諦め、古賀志の岩場に転身する。しかし現地も雨が上がったばかり、あれこれ手を尽くし1時間ほど悩んだが、とりあえず基部までいく。下の岩場は濡れていたがなんとか登れそうなので私は2本登った。上のマラ岩は乾いていて快適だった。11-と11ノーマルをフラッシング、グレードの判らないのをフラッシングした。

帰りは2チームに分かれて、うちらは温泉、地ビール、ラーメン屋コースをたどった。宇都宮インター近くにはすごいの(クラインガルデン)ができていた。

 

 

谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁ダイレクトルート

1997年8月31日
向畑、板橋、瀧島(記)

晴れ時々曇り

無雪期の一ノ倉は何年ぶりだろうか。94年9月に幽ノ沢の滝沢大滝、一ノ倉に至っては93年6月の変形チムニー以来4年以上通っていなかったのだ。今回は暑くもなく、寒くもなく快適に登ることができた。

取り付きは鎌形ハングの右端。細かいフェースを40M,2ピッチ目は草付きの凹角を左上から右に出て南稜からくる右下がりの帯状ハングの右端のビレー点まで。3ピッチ目はハング下を右に出て困難なフェースを直上して大テラスへ。ここまで向畑のリード、ここでトップを板橋に代わる。凹角を試みるが登れず、戻って右から回る。(正規ルートと凹角の間)25M。5ピッチ目はボルトラダーをフリーで登る。(俺だけ荷を背負っていたので人工。ああ、情けねえ。)後はチムニー、フェース、草付きルンゼと3ピッチ伸ばす。ここから草付きを40Mトラバースして南稜に出て終了。内容は今まで烏帽子で登ったルートの中で最高だった。特に下部3ピッチはすばらしい。ぜひ南稜フランケを登りたいと思う。時間はゆっくり登って約6時間。下りは南稜を下降。

 

瑞牆山 十一面岩正面壁 微笑み返し

1997年8月23日~24日
中嶋(記)、板橋

金曜の夜三鷹をでて北沢の出合いまで車で入って寝る。

23日 雨のち晴れ

一応6時に起きてみたが雨が降っていたので、また寝てしまった。次に目がさめたときは12時近かった。板さんも言っていたがこんなのは初めてだった。気を取りなをしてカサメリでフリーをやることにする。とりあえず、昼飯のうどんを気もちのいい渓流の脇でだらだら食べた。

ミルクミルク 10a オンサイト
出だしを右の方からハンドトラヴァースした。10aにしてはかなり難しいと思う。10の後半くらいに感じた。おもしろい。

キンタの大冒険 10c
コケっぽくて難しい。結局上部のスラヴはおっかなくてトライしなかった。スラヴに抜けるまではけっこう面白い。

漁師の娘 11a
かなり難しい。左の方からカンテからせめて、とりあえずムーブはつながったが、失格かもしれない。

レーザーズエッヂ 10c RP
前にオンサイトしたルート。クールダウンにはちょうどいい?この日はまたも北沢出合いで泊まる。

24日 晴れ

とても良い天気だったので、カサメリを先にして良かった。この日は頑張って薄暗いうちにアプローチをはじめる。取り付きは小ヤスリの時さんざん確かめたので間違えようがない。

1ピッチ目、中嶋、ツバメ返しの大ハングは思っていた以上に大きい。また、取り付いてから数手は水をかぶらねばならない。一人1時間ずつかかってしまった。このところ人工は修行してなかったから。2ピッチ目は迷ってしまいそうなスラヴ。次のピッチでトポにある3ピッチ分をまとめて登ってしまった。出だしのチムニーはノーピンで恐い。続く人工は易しいが、そのあとテラスにでてからの人工が完全にAAで、エイリアンとナッツの掛け替えになってしまった。はたして合っていたのだろうか?それでも4ピッチ目は板さんがトポの6、7ピッチ目のA1を登っていたのであっているのだろう。5ピッチ目でルートが良く判らなくなり、ベルジュエールに入ってしまった。多分ノーピンのスラヴを登るのが正規ルートだがかなり悪そうだった。途中、何らかの鳥の巣があって、ひながぴーぴー鳴いていたが、私が近寄ったら騒いでおっこちていった。かわいそうだった。此のベルジュエールのピッチはフリーだと10a だが、完全にエイドになってしまった。かなり美しいフレークなので、近いうちにフリーで登ってみたいと強く思った。ラスト板さんが1ピッチ伸ばしたら、気もちのいい岩頭の頂上。頂上直下の9のフリーはフォローだったのでかろうじて行けた。実質6ピッチ、所用時間6時間ちょっと。

下降は頂上から2回続けて懸垂すれば歩いて下れる。ルンゼの下降はごぼう下りなども入るのでわりと恐い。車までの道は右のルートを通って、岩峰群を眺めながらお花畑の中を歩いていった方がだんぜんすてきだ。 瑞牆ランドにギリギリで温泉に入れてもらい(6時まで)、水車のそば屋でとろろそばの大盛りを食べて大満足で帰った。水車のお姉さんはいつもかわいいし。でも中央の渋滞60キロにはまいった。

 

 

北アルプス 池ノ谷ゴルジュ、剱尾根、チンネ

1997年8月9日~13日
瀧島、中嶋(記)、森広、石原

当初の計画では池の谷ゴルジュから剣尾根、チンネを登るというもの。

8月8日

秋津駅に集合、関越回りで魚津インターまで。R8沿いのコンビニで最後の買い出しをし馬場島を目指す。滑川から行こうとしたが「通行止め」の表示があったので上市経由に変更。しかし途中ではまる。2時頃にあきらめてテントを張る。

8月9日 曇り(台風が日本海にいた)

明るくなればこっちのもので馬場島まではスムーズに着いた。白萩にかかる橋の手前に車を止める。さて、池の谷の入り口までばか丁寧に水通しに行って結構時間がかかる。入り口から最初の滝までは10分ほど。昔の記録で最初にザイルを出しているところはうまくクリアできる。入り口の滝は50mまるまる、岩がぼろぼろなのでノーピンになってしまう。ハーケンを2枚打ってビレー点にし、下降用のボルトまで打つ。ここから懸垂30mでゴルジュを見通せるところに降りられる。どう見ても絶望的というか、行く気のおきないゴルジュが展開していて、満場一致で記念写真をとって小窓経由で上部に行くことに決定した。この日は池の谷に入ってすぐの岩小屋で泊まる。

ちなみに池の谷に入るのに足をぬらさずに済む道が、取水堰のところからばっちりついている。

8月10日 曇りのち雨

雪渓登りから始まる。私だけアイゼンがなかったが登りはなんとかなった(下りは相当苦労したが)。R10とおぼしきところから登りはじめるが、道が安定していず結構悪い。夏はあまりトレースされていないようだ。尾根の上にでた頃から雨が降り始める。雨宿りを兼ねて山用語限定しりとりをし、これに負けた森広さんを先頭に進む。ここからの薮こぎもかなり大変、トポではコルCまでロープを出すところはないが、2ピッチ分真面目にロープを出した。何度もコルCだと思っていた場所があったが、この日は結局コルCには着いていなかった。不意にナイスなテン場が現れたので、天気が悪かったこともあり迷わず行動中止。

8月11日 雨のち晴れ

朝からけっこうな雨。10時頃までたっぷりと眠る。小やみになってから意を決して出発。結構登ってからようやくコルCにでて快適なクライミングを開始した。岩は濡れていたが堅いのでそれなりに快適であった。フリーではあと一歩で行けなかった。このあとほどなく門が見えてくる。写真で何回も見ていたが思った以上に大きくかっこいい。

思い出すだけで震えるくらい。此のピッチもリードさせてもらう。かぶり気味をクラックを使ってのっこし、左上するフレークに掴まっていく。極めて面白い。次の1ピッチで門は終わり、脆くて思ったより悪い。このあと剣尾根の頭まで何回かロープを出した。トポではやたら易しそうだがそんなことはなかった。でも天気も良くなってきていたし、馬場島を見下ろすロケーションは最高だった。三の窓に着く頃は真っ暗だったが水が取れたので一安心。水汲みはかなり恐かった。

8月12日 晴れ・にわか雨

寝たのが遅かったので、朝はけっこうのんびり。ガスがかかっていたのであわてる気もしなかった。ガスがあがって左稜線の取り付きが見えたので出発、先行パーティが1組。ピナクルまで、最初の2ピッチほどは4級とかにしては少し悪く感じた。浅い縦クラックが多い。ピナクルから1ピッチ快適なフェースを登ると歩きが3ピッチくらい続く。T5から先はかなりかっこいい岩稜が迫ってくる。5級というので気合いを入れていくが、岩が堅くホールドも良いので4級上くらいに感じる。もちろんかなり楽しいピッチではあった。あとは適当にリッジを行けばおしまい。所用時間4時間。

一度テントに戻ってお茶を飲んで一服してからお代わりをしにいく。私と石原パーティが北=新から上を適当に、瀧島、森広パーティが魚津高ルートから適当に。北=新は下手な先行パーティがいたため相当待った。難しいのは3ピッチ目の途中10m程で、5級とはいいながら岩が相当脆く、フリーではとても行けなかった。あまりいいルートではない。

魚津高のほうが岩の弱点を縫っていて面白そうだ。上部を登っているときににわか雨が来て、一時はどうなることかと思った。

8月13日 曇り

池の谷を下る。私だけアイゼンをしていなかったので下りには時間をかけさせてしまった。所用時間5~6時間ほど。

下山後のメニュー
魚津で寿司、温泉(何故か古本屋)ikenotan2ikenotan3

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瑞牆山 小ヤスリ岩 ファーストワークス

1997年7月19日~7月20日
細田、中嶋(記)、畠中

18日夜、柳瀬川集合、関越周りで瑞牆に向かう。アプローチの沢の出合いにテントを張る。

19日 晴れ

宴会が長引いたのでかなり遅くまで寝ていた。もっともこの日は上でビヴァークの予定だったので焦らなかった。十一面のアプローチのガレ沢に入らず北沢をひたすら詰め、取り付きを探す。岩雪169号の初登の記録では岩のどの面にルートが引いてあるのか解らないので、周りを偵察しまくった。北面は薮が多そうなので西面と南面を重点的に探したが、記録にある「いちばん右端にある左上クラック」が見つからなかった。西面の中央に走る直上するクラックがもっともきれいで登り易そうに見えたので、意を決してエイドアップをはじめた。

1P目、AA1 40m
キャメロットの#2?3ではじまり、#5が使えるところもあった。一部フリーもまじえ、最後に”広いテラス”に乗りあがったときはなかなかの感動。うまい人ならこれくらいのクラックはフリーで登ってしまうのだろう。

2P目、4級 10m
初登時の記録にある”広いテラス”から、3ピッチ目の凹角までのトラヴァース。広いテラスというのは本当に広くて、途中に岩の衝立を挟んで六畳二間くらいに感じた。

3P目、4級 AA1 15m
脆いクラックをエイドアップしていく。岩がしっかりしていればフリーで行けそうに見える。リードした細田によれば、脆いが技術的にはAA1位とのこと。狭いトンネルをくぐって4ピッチ目取り付きのテラスへ。この時点で17時近かったのでここまでとしロープをフィックス。六畳二間のうちの一間にシュラカバに潜って雑魚寝、酒をあげてあったので非常に気もちの良いビヴァークとなった。

4P目、オフィズス? ボルトラダー 25m
オフィズスは初登記録では10aだが、こういうのは初めてだったのでどのくらい難しいのかさっぱり解らなかった。とてもおっかなかったのは確かで、キャメの#5が役に立った。もちろんテンションかけまくりでした。続くボルトラダーはらくちん、とにかく初登者の方に感謝です。

頂上は思ったより広く、十畳位に感じた。岩茸がいっぱい。下降中、広いテラスから北面に懸垂支点があって、初登時の1ピッチ目が北面にあることが解った。初登時のものの方が、クラックが浅く、泥やコケが付いていて難しそうに見えた。

このルートは全4ピッチと短いが、その分私のようなエイド初心者の練習にはもってこいだと思う。そうでなくても、雄々しく突っ立っている岩塔小ヤスリの上に立てるのだから、かなりお買得なルートだ。

 

 

丹沢 玄倉川女郎小屋沢~小川谷廊下下降

1997年7月6日
瀧島、中嶋(記)、水柿、他

前の晩に谷峨の駅で浅野夫妻と待ち合わせ、谷峨の駅前にはまったく店がない。

6日 快晴

ザンザ洞の予定だったが、ユーシン方面の林道にゲートができてしまったためルート変更。天気も最高にいいので積極的に水に入れる女郎小屋と小川谷にした。車を小川谷の林道の途中に止めて、女郎小屋出合いはしょぼめで解りづらい。堰堤を2つほど越えるとそれらしくなってくる。ほとんどの滝は激しいシャワークライムで直登できる。シャワーのせいでホールドを探すのが大変、程々に難しい。浅野かみさんが、落石が顔に当たってしまいかわいそうだった。野猿柵はなんだか解らないうちに終わってしまった。詰めはまったく薮をこがなくて良い。

コルにでたらそのまま東沢の支流に当たる沢を下りはじめる。かなり急で岩も出ていて悪かったが、みんなそつなく降りてきていた。東沢本流までは10分もないくらい、そして小川谷の本流までも数十分。小川谷の終了点には遡行を終えた人がたくさん、そのなかをはしゃいで下っていくのは愉快だった。後はいつもの通り、奇声ををあげて滝壷に飛び込んだり、デンジャーなウォータースライダーを楽しんだ。懸垂は2回。残念だったのは5mの美瀑の滝壷がしょぼくなっていたこと、あそこに飛び込むのが一番迫力があったのに。町では異常に暑い日だったようだが、私達には関係なかった。なんだかプールで遊びすぎた後の疲労感に似たものがあった。中川の方でそば屋に入ってとろろそばを食べた。無茶苦茶うまかった。浅野夫妻には今度鳳来を案内してもらおう。インスタント煮込みうどんが楽しみだ。