瑞牆山 十一面岩正面壁 ベルジュエール

1997年9月28日
中嶋(記)、板橋

瀧島、石原も行く可能性があったが、次々にキャンセル。当初の予定通り板橋、中嶋でパーティを組む。金曜の夜まで雨が降っていたので土曜は昼からパンプ、その足で黒森に直行。関係ないがパンプ近くのそば屋のスープは天かす入りでくどい。

28日 晴れ

朝はかなりの気合いを入れ5時前に起きる。この頃はけっこうな寒さなので車の中でお湯を沸かしラーメンを食い、5時30分に出発。ちなみに今回は道の一番奥からアプローチした。沢沿いより早くて楽。慣れた道を行き取り付きが7時30分。

1ピッチ目、40m 板橋さんから。木が近くにある間は4級ぐらい、そこからA1になる。フリーだと11bとなっているが、貧弱なリングボルトではとても行く気になれない。でもフリーでいけたら素晴らしいラインだと感じた。このピッチが終わったところでアブミを捨てる、といけばかっこいいのだが、しっかり持ってあがる。

2ピッチ目、15m スラブのビミョーなフリー、かなり恐い。もしかしたら一番恐かった。一度明瞭なバンドになり木もあるので切ってしまったが、もうすこしのばしたほうがよかったかも。

3ピッチ目、45m トポには4級なんて書いてあるがとんでもない、コーナーからフェースにでないとかなりつらそう(リードの板さんはずっとコーナー)。泥臭くてちょっと嫌なピッチ。

4ピッチ目、15m 5.9 ここから上は泥なんかほとんどなくて素晴らしい。このピッチがまた素晴らしいクラックで、自分の限界に近いグレード。慎重にジャムを決めてカムでプロテクションをとっていく。出口がいきなり難しくて焦ってしまった。

5ピッチ目、20m 10a 写真にも載っている大フレーク、とにかくかっこいい。若干しめっているようだが板橋さんが果敢に挑戦。下の方は結構休めるのでプロテクションも取り易そう。中間からはかぶり気味のフレークにレイバックの体勢で入っていかなければならないので、最後のところでプロテクションをばっちり決めて突っ込んでいった。フレークの掛かりが良いこともあって無難に抜けていった。フォローしたが、いずれまたリードしたいようなピッチだった。

6ピッチ目40m5.8チムニー はじめのうちは快適なチムニー登りだが徐々に狭くなりオフィズス気味になる。フォローはザックをうまく処理しないと不可能だろう。抜けるとブッシュにはいるのでできるだけロープを伸ばす。

7ピッチ目 40m チムニーからコーナー、くの字型フレーク はじめのチムニーも難しいがやはりくの字型は難しかった。リードは板さんだったが途中まで頑張ってから人工。フォローなのでフリーで挑戦してみたが、2手ほどがリードではどうしてもつながりそうになかった。アンダーフレークを使ったレイバックだからプロテクションがとれない。かなりくやしいが相当練習してからでないとリードはできないだろう。ここからはロープいっぱいで頂上。途中5.9のクラックがあるがジャムがうまく決まって華麗に登ることができた。フィストで引きつけてハンドを決めるというムーブが決まったときは感動ものだった。

全8ピッチ、5時間 微笑み返しよりも速かった。下降はいつもの通り。末端壁には沢山人がいた。帰りは黒森でなく増富から帰った。増富の温泉はなんと1000円!もう二度とこないだろう。ただしさすがに内容は良かった。宿のほうとう定食(1000円)は素晴らしかった。渋滞もさほどではなく、雨上りの週末にしては大成功に終わった。