城山南壁 エキスカーション、他

2017年1月4日
河合(記)、他1名

超久々にフリーのマルチ行ったのに、記録つけてなかったの思い出しました(明星フリスピがフリーのマルチと言われればその通りなのだけど、あれは「本チャン」)。前回は確か薄田さんと3月に行ったエキスカーション以来だから、9ヶ月ぶり。
今回は、スイスから一時帰国中の大学先輩Tさんがパートナー。正月休みを1日延長して、平日にゆっくりまったり登る計画。ルートはTさんの希望で再びエキスカーション。河合は南壁上側のチューブロックにも用があるので、トップアウトする欲張り計画。

8:40
1p目(5.8)リード:河合
ライン取りが直線的になるので、今回も1pはホームボーイを選択。Tさんもするする登ってきました。

2p目(5.10b)リード:Tさん→河合
1p目終了点から右側の段々っぽいところを登ります。「核心の2p、3pはリード任せますんで、存分に楽しんで下さい」とか言ってフォローでまったり登るつもりだったのですが、2ピン目が結構遠いので、Tさん指示でリードチェンジ。このピッチ、5.10bにしてはシビレます。うっかり左隣のライン入ると5.11aだし。

3p目(5.10c)リード:Tさん→河合
のっぺり細かめフェースでワンポイント悪い3p目。どこが核心かなんて当然すっかり忘れてました。「今度こそ頼みますよ」ということで、再度Tさんリード。

Tさんとハヤブサ

粘りのクライミングでジリジリと核心3ピン手前まで来ましたが、力尽きて6m位のロングフォール。マルチはやっぱりボルト間隔が遠目な感じがします。以降は河合のリード。

3ピッチ目を見下ろす
Tさん格闘中

4p目(5.10a)リード:河合
易しいフェースの後、小ハング越えです。トポ通りピッチを切るとこのピッチがダントツに長いです。上部は若干ザラザラ感あり、スリップ注意。とても快適です。でもホールドにマーキングしたらちゃんと消しておいてほしい。

5p目(5.8?5.9?)リード:河合
最終ピッチ。1ピン目が5m位上にあるので落ちると悲惨。今回は終了点を通り過ぎ、木の明瞭なトンネルを抜けて二間バンドまでロープを伸ばしました。ここは落石厳禁。登りは慎重に浮石避けていけば大丈夫ですが、懸垂下降したらロープ引く時ほぼ間違いなく落石起きると思うので、トップアウトの場合同ルート下降はお勧めできません。

結局全ピッチリードでした。荷物背負ったまま何とか落ちずにすみましたが、チューブロックのアップにしてはちょっと疲れました。終了12:20。前回の倍の時間かかりましたが、後続パーティもいなかったので存分に楽しめました。Tさんにはエキスカーションの名のとおり、楽しい小旅行になったのなら嬉しいなぁ。

さて、二間バンドに付くと、上から見慣れた人が下りてきます。「あれ~福原さんじゃないすか。何やってんすか。」フリーの岩場で誘い合わせてないのに秀峰の人と会うのはそんなに珍しくないのですが、まさか平日こんなピンポイントな場所で会うとは・・・なんでも、我らが会長向畑さんが「ケレンジ5.13a」とかいうかっこいいルートやってるとか。福原さんは「ジゴロ5.11b/c」と格闘中だとか。そりゃこの人たちは上の岩場の住人だよな~。

会長と「ケレンジ」、「カサブタ」

私も負けじと、目星つけてきた本日のメインディッシュ「生と死の分岐点5.12b」初おさわりです。

「生と死の分岐点」

(以下、ムーブを若干記載しているので、オンサイト狙う人は見ないことをお勧めします)
やはり人気ルートのようで、平日にも関わらずヌンチャクがかかっていたのでお借りしてトライ。ホールド明瞭、切り返し多用。序盤、終盤2つの核心。ボルト間隔近くてジムっぽい。1便目でムーブをバラせた(気がした)ので、継続決定。Tさんのトップロープ用にオンリーイエスタデイ5.10dの力任せオンサイトを挟んで(1ピン目高かった)、魂こめてもう1便出してみました。下部核心の左手ガストンは止まりませんでした。でも、このルート、面白い!ということで、また3日後!?

城山南壁 ダイレクトルート

2016年11月13日
薄田、川上(記)

新入会の川上です、まだ、フリーの経験しかない未熟者ではありますが、よろしくお願いします。今回、初めてのマルチピッチに行ってきたので報告させていただきます。
20161113_城山_1

11月6日、河又フリーの帰りの車中で、薄田さんに「城山にマルチピッチでも行くか」と提案があり、「やったー、初めてのマルチだ」と1週間、ワクワクして夢を膨らませながら当日を迎えました。河合さんと小渕さんも一緒に城山に行きましたが、二人はシングルピッチで楽しんでいました。
20161113_城山_2

この日の南壁は大盛況で、どこもかしこもロープが垂れている感じ。天気もよくて暖かく、マルチピッチでは、上の方はかなり暑くなりそうでした。ただ、シングルピッチのパーティーが多く、マルチをやっているのは、数パーティーくらいだったと思います。まずは、アップもかねて簡単なルートを登り、懸垂下降のやり方や支点の作り方などを薄田さんから教えてもらいました。一度ではなかなか覚えきれず、頭の中で何度も反芻。
その後、いよいよ中央壁ダイレクトルートに取り付きました。核心は2ピッチ目ですが、薄田さんから「核心リードしたい?」とありがたい提案があったので、「はい、ぜひ」と意気込んで登り始めました。

(1p目、5.9)
薄田さんがリードし、さっと完登(やっぱりスラブうまい)。ところが、僕にとっては意外に難しい。最近、ガバが豊富な石灰岩の岩場ばかり行っていたためか(そうであることを祈りたい)、スラブ特有の細かいフットホールドにてこずり、5.9なのに、だいぶ腕の力を使ってしまった。上から「足で登るんだよ、足で」と檄が飛ぶ。登りきると、「この調子じゃ2ピッチ目のリードは難しいな」と薄田さん。少しだけ「ホッ」としている自分もいて、なんだかとても複雑な気持ちです。その後、5メートル程度の簡単な部分だけ私がリードしてピッチを切りました。初めての支点構築とセルフビレイに少し手間取ります。
20161113_城山_3

(2p目、5.10c?)
一部は、かぶっているように見え、迫ってくるような感じを受けました。地上で見れば大したことはないのかもしれませんが、地上数十メートルで壁を見ると、迫力が増すような気がします。出だしの辺りが難しそうで、薄田さんは、2ピン目あたりで一度ロープにぶら下がりましたが、その後は安定感のあるムーブで完登。私がビレイしている所からは途中から薄田さんの姿が見えず、声も少しくぐもって聞こえるようです。合図が聞こえなかったらどうしようと、どきどきしながら耳を澄ましました。「登っていいよ」と合図があり、恐々と登り始めました。薄田さんのムーブを熟視していたこともあり、また、セカンドなので緊張感もリードと違うものの、何とか落ちずに完登。「よく落ちなかったね」と言われ、少しだけ名誉挽回しました。
(3p目、5.10b)
「じゃあ、このピッチはリードしてみるか」と言われ、思わず「えっ」と声にしてしまいました。見るからに難しそうだし。でも、薄田さんは「いや、どう見ても、さっきより簡単でしょ」と言います。気合を入れて取り付きました。やっぱりフットホールドが細かい。足が滑ったらどうなるかな、と想像して冷や冷やしながら、少しずつ、つま先に体重を乗せると、大丈夫じゃなさそうで意外と大丈夫だったり。そんな時、ハイキングで山に来たのであろう子供たちが、「ヤッホー」とか「がんばれー」とかこちらに向かって叫んでいる声が聞こえてきましたが、こっちはそれに反応する余裕なんてゼロ、全力で壁に張り付いてます。でも「誰に向かって叫んでいるのかな、僕かな、それとも隣のバトルランナーを登っている人かな、あ、隣で登っている人のヘルメット、僕のと同じだ」とか全くどうでもいいことを考えていたら、気づくと登りきっていました。「あー、怖かった」と独りごちていると、鼻歌交じりで「このピッチ最高に気持ちいいじゃん」とか言いながら余裕で登ってくる薄田さん。「あー僕も早くこんな境地になりたい」と感じました。
(4p目、5.8)
薄田さんがリード。簡単なピッチで気持ちよく登れました。その後、懸垂下降を2回して下に到着。
下に戻ると、もうヘロヘロになっていて、力なく座り込む情けなさ。シングルピッチのルートを4本登るよりも、疲れました。これがマルチかと改めて実感。自分のトポを見ると、2ピッチ目は5.10dとなってます。トポによって、10cと10dが混在しているようで、「そうだよな、10dでもいいよな、あれは」と薄田さんと納得し合ってました。

聞けば、シングルピッチで楽しんでいた河合さんは、6本のルートを登って、いずれも一撃だとか。少し休んで元気になった(気がした)僕は、「河合さんにあやかって、僕も一撃狙いますよ」とか言いながら「ブラウンシュガー 5.11a」に意気揚々と取り付きましたが、数分後にはロープ上の人になっていました。薄田さんも隣の「ハートルート 5.11a」で、苦労していました。きっとよれているんだ(と思いたい)。
20161113_城山_4

最高に楽しく、そして、もっと登れるようになりたい、と強く決意したマルチピッチデビューになりました。

■まとめ
とにかく、マルチのシステムがまだ、よくわかっておらず、手際も悪く時間がかかりました。「ロープワークはスピードが大事。数秒、数分が積もり積もって、もたもたしているとすぐ日が暮れてしまう」という薄田さんの言葉を胸に刻みます。本チャンを目指すならなおさらだと感じました、今後は自宅で、何度もマルチのシステムの練習をして、すばやく登れるようにしたいと思います。薄田さん、ありがとうございました、今後ともよろしくお願いします!!それから河合さん、写真ありがとうございました。