八ヶ岳 小同心クラック

2017年3月11日(土)
加茂谷、薄田、川端(記)

最高の天気の中、小同心クラックに行ってきました。
急遽、薄田さん参戦で大先輩2名とご一緒できました。

赤岳山荘の駐車場から赤岳鉱泉に着いたのが9時少し前。


大同心稜はトレースばっちり。雪もそこそこ締まっていて歩きやすい方だった。


大同心南稜を登るという2人パーティーに先を行かせていただき大同心基部へ。
トレースを見る限り、それほど多く入ってなさそう。


大同心基部から小同心へトラバース。トレースがありません。
ココから少し下りたあたりに2人組の先行パーティーが・・・友達でした。


友達たちに追いつき先に行かせてもらう。一部、ラッセルで取付へ。

先輩2人

雪は乗っていますが掃えば簡単にホールドが出てきます。最高のコンディション。
友人たちは「お先にどうぞ」とのことで私たちが先行となりました。
小同心全景

「行くかい?」のお言葉でトップを任せてもらいました。「アイゼン引っかけてつまずかないように」のアドバイスを肝に銘じスタート。
取り付きにて

1P目(35m)
写真のあたりまでランナーが取れませんがホールド状態が良かったので怖さを感じることなく登れました。ハンガーがあったのでピッチを切りましたがもう少し先に足場のいいビレイポイントがありました。もう少し伸ばせばよかったかな。

2P目(40m)
1P目より傾斜はきつかった印象ですがガバホールド豊富で安心。
出っ張った岩を乗っ越すところが核心。夏に一度登っているので落ち着いて越えられました。途中は残置のハーケンなど幾つかありましたが全部とっていたらロープが流れそうにないので2、3ピンとばしました。
2P目

3P目(15m)
このピッチは簡単。15mほど登れば終了です。Ⅲくらいかな。
3P目

ビレイポイントから少し登れば小同心の頭。ここからロープをまとめコンテで横岳頂上直下まで歩きます。


横岳直下最終ピッチ(25m)
ここも難しいところはありませんでした。25mくらい登れば横岳頂上。この日は稜線に出ても風がなくポカポカでした。
横岳へのラストピッチ

大先輩のレアなツーショット。この二人が後ろから来たら私でも「お先にどうぞ」というと思う。


帰りは大同心ルンゼから大同心基部に戻り大同心稜を下山。


今回は晴天に恵まれ、しかもトップをいかせていただき大満足の一日でした。
大先輩方(歳はさほど変わりませんが)には物足りなかったでしょうし、慣れないフォローにまわっていただきましたが「いや~ フォローって楽だな」なんて言いながら鼻歌まじりで「楽しかった」と言っていただき安心しました。

コースタイム(写真の時間は1時間ほどずれているようです)
赤岳山荘7:30→赤岳鉱泉8:50/9:00→大同心基部10:40→小同心クラック取付11:00/11/30→横岳13:10/13:40→赤岳山荘16:00

八ヶ岳 小同心クラック

2016年7月10日
川端(記)、太田(無所属)

前日の天気が悪く太刀岡山のフリーが中止になりましたが、日曜日は天気が良さそうなので急遽、友人と小同心クラックに行ってきました。

7月9日(土)
22:30 美濃口駐車場に到着し、八ヶ岳山荘で晩酌。誰もいないのでビールと焼酎を飲み夜更かししてしまいました。

7月10日(日)
4:00 起床し赤岳山荘駐車場まで車で移動。身支度をして発。快晴過ぎて赤岳鉱泉につく頃には汗だくに。
ギア類を整え大同心稜を登り大同心基部を小同心に向かいトラバース。踏み跡明瞭で迷うことはありません。
赤岳鉱泉から2時間弱で小同心クラック取付。

1P目(太田リード)
ガバホールド豊富で快適に登れます。
2P目(川端リード)
このルートの核心とのことですが、こちらもホールド豊富で安心して快適に登れました。
小同心クラックというけど、チムニーです。これに足を突っ込みすぎると体勢がきつくなるので足を開いて登ります。
出っ張った岩を乗越すのにコツが必要かもしれません。岩はガバなので思い切って体を上げ、出っ張った岩に左のお尻をのせ座るムーブで乗り越えました。
後から登ってきた相棒に聞いたら、やはり同じムーブを使ったとのことです。
そこを超えるとすぐにボルトがありましたが、それをスルーし先のボルトでピッチを切りました。
3P目(太田リード)
2P目を伸ばしたのでアっという間に終わってしましました。

小同心の頭から歩き、横岳頂上直下の岩を登ります。
ロープを結び横岳頂上へ出ます。
休憩後、大同心ルンゼを下り大同心稜から下山しました。

登攀時間は小同心クラック取付から横岳頂上まで約2時間と短かったのですが、露出感があり気持ちいいクライミングでした。

大同心から小同心へのトラバース
大同心から小同心へのトラバース
1P目、1ヵ所岩角にスリングをかけ支点を取りましたがハーケンがいい間隔であるので使いました。
1P目、1ヵ所岩角にスリングをかけ支点を取りましたがハーケンがいい間隔であるので使いました。
大同心ルンゼの下りで念のためロープを出し50m懸垂しましたが斜度がなく摩擦でロープを回収できず、結局、登り返してクライムダウンしました。
大同心ルンゼの下りで念のためロープを出し50m懸垂しましたが斜度がなく摩擦でロープを回収できず、結局、登り返してクライムダウンしました。

川端20160710_小同心クラック5

八ヶ岳 小同心クラック、無名峰北稜

1999年12月11~12日
水柿、三好(記)

以前の会で岩に行く人が居なくなってしまったので、大学の山岳部に顔を出した時期があった。

でも、合宿以外ほとんど岩も山も行かないし、誘ったとしても様々な理由で断られてしまうのだ。

今回(直前ではあったけど)、たまにはと山岳部の人々を誘ってはみたが、状況は変わっていないらしく、自分のモチまで下がってしまいそうで怖くなった。

そんなこんなで、秀峰横浜支部の水柿さんが行けることになったので、ほっとする。

さてさて、どこに行こう。

人の居ないルートがいいなぁ。

順番待ちは嫌いだし。

そういえば、S太郎さんが、人の居ないルートだと自分の実力やスピードがばれないからいいんだよねぇてなことを言っていた。

私は実力もないし、トロいのでそれも当ってる。

でも、たまにはよく知られたルートにするかと小同心クラックに行くことにする。

プラス、無名峰北稜で渋く行こう。

12月11日(土)

曇りのち晴れ

美濃戸口に到着したのは0:00くらいだったろうか。

焼酎がかなりあるので、少し飲んでから眠るかということになったのだが、いつのまにか4:30。

もう歩き始めている人もいるのに、私達はそれから仮眠を取る。

「飲んべぇだと立派なクライマーにはなれないなぁ」と言ったら、「4:00過ぎてからさらに〝注げー〟と言ったのは三好さんですからね」とのこと。

もちろん都合よく覚えていない。

バスで到着した人の声で起きたのか、やばいやばいと歩き始めたのは8:50。

赤岳鉱泉には10:30に到着し、テントを張ってから取付きへ向かう。

八ヶ岳もよく知らない二人だったので、小同心クラックには小同心右稜から取付けばいいかということになっていた。

しかし、小同心ルンゼの一本手前の沢に入ってしまい、小同心左稜を登ることになった。

倒木を避けながら尾根にのり上げ、ぜぃぜぃしながら進んで、小同心クラックに取付いたのは15:00。

もう、下りようかとも思ったのだが、小同心はほとんど2ピッチだけだし、1ピッチくらい行ってみるかぁとなったのだ。

1ピッチ目、三好リード。

ホールドたくさん。

ぐいぐい登れる。

水柿さんが上がってきたのは15:25.まだ、暗くならないね。

2ピッチ目はそのまま水柿さんリードに。

こっちの方が体が外に出る箇所があって少し緊張した。

さぁ、さっさと下りるぞ。

しかし、当たり前のようにロープがひっかかりまくり、1回めの懸垂でもう暗くなってきた。

2回目の懸垂、最後の方になって、またロープが引っかかる。

もがいていると、あっ、ヘッドランプが落ちた。

途中で止まったのが見え、ほっとしたのもつかの間、ランプの明かりが見えなくなった。

とりあえず、取付き地点まで下れたので、ヘッデンを探す。

あった!しかし、今回デビューのヘッデンなのに割れてしまい、明かりもつかない。

水柿さんのヘッデンも接触不良で、ついたり消えたりする。

そんなぁ、と言っているうちになんとか私のヘッデンにも明かりがついた。

よかったー。

さて、大同心稜ってどこだ?行ったことないし、暗いし、ついでにガスもかかってしまった。

あっち?もっと先でしょう。

うろうろ。

あっ、踏み跡だ!!ばっちり付いた踏み跡を見て、生きて帰れる喜びをかみ締めながら、テントに急ぐ。

テント着、19:00。

初めて、赤岳鉱泉でビールを買って飲む。

なんて社会人っぽいんだ。

その後、座りながら眠る私に、水柿さんは「はいっ」と焼酎を渡し続けた。

飲む、眠る、飲むを繰り返し、どれくらい飲んだのか全然わからない。

12月12日(日)

晴れ時々曇り

今日は間違えないぞと小同心ルンゼに入る。

北稜に登り上げる付近まで来ると、小同心右稜から下っている新しい踏み跡があった。

取付きには二人組。

他にも北稜に行く人がいるんだねと話していたら、「ここ無名峰南稜だと思ってるんですけど」と言う。

違うっす。

とりあえず、先行が行くのを待ち、10:00頃取り付く。

ロープを出したのは3ピッチほど。

途中、中山尾根からみよしさーんと叫ぶ倉田さんの声が聞こえたが、続けて叫んだらしい○ブーは聞こえなかった。

岩というよりは、木につかまり、草付きにアックスを効かせて登って行く。

水柿さんが、岩よりこっちが好きだなぁと生き生きしてきて、少しでも気を抜くとさっさか離れてゆく。

高度な下ネタといい、あの妙な落ち着き(?)といい、20前半じゃない、きっと年齢を偽っているんだと信じていたが、なんのかんの言って元気なのを見ると水柿さんはやっぱり若いのかもしれんと年寄りみたいなことを考えながら登る。

あと、ロープを出したのは1ポイントだけ。

最後の岩場はちょっとやだなと思いつつもロープを出さずに右を巻いてしまった。

14:30に稜線にたどりつき、久しぶりに硫黄岳まわりで下山した。

赤岳鉱泉に16:30着。

途中ヘッデンが消えたりしてスッテン転んでばかりいたら、車についたのは18:30だった。

あっち?、いや、こっちだよと考え、歩き、登るのはとても楽しかった。

今までの八ヶ岳の中で一番かもしれない。

もうヘッデンは落とさないように注意しますので、水柿さん、また一緒に行きましょうね(嫌がっているらしい!?)。