2000年9月10日
本郷、関、一ノ瀬(記)
9月8日
夜、本郷号で出発。
あやしい天気とは思っていたがまさか水上が土砂崩れ&道路が川になっているとは。
初めての本チャンも水に流れてしまうのだろうか・・・。
9月9日
凹状を予定していたが、相変わらず雨模様の為、今日の本番はおあずけ。
午前中は前夜合流した柴田さん、赤井さん組と水上道の駅で室内壁を登る。
私だけ汗びっしょり。
午後は谷川岳入口で私は懸垂下降の特訓、その他メンバーはにわかレスキュー講習会となる。
9月10日
ちょっと寝坊ぎみで今日は南稜へ。
初めての本番、初めてのアルパインである。
緊張と興奮でほとんど取り付きまでは覚えていない。
ただ、本郷さんの「落ちるな」
「ここ落ちたら死ぬぞ」
とか「ここで落ちて死んだ奴はたくさんいる」
などの脅し文句が耳に残っている。
必死で本郷さん、関さんの後をついて南稜テラスへ。
取り付きまでがこんなに大変だとは思わなかった。
テラスで一服して取り付くがまたここからあまり記憶にない。
最初の数ピッチを本郷さんがリード、あとは関さんがリードする、あとは場面がフラッシュバックするのみだ。
それと最後の馬の背リッジ、終了点手前のフェースがちょこっと覚えてるかな程度。
終了点で「物足りないだろ」と言われたが答えようがなかった。
終了点到着時間は13:30、ここから同じルートを懸垂下降で降りる。
最終フェースを降りてザイルを引くと終了点の岩にザイルがひっかかってしまった。
私の懸垂の仕方が悪かったのだろう。
難儀をして関さんが登り返し直してくれた。
そこらへんから天候が崩れてきて雷雨模様。
ガスも谷川を包み込み始めた。
雷こわーい、などと言っている状態じゃあない、必死の懸垂下降は続く。
そういえば後続パーティーがいたような気がしたが、天候不良で引き返したのだろうか?
人気のあるというこのルートは結局私達だけだったようだ。
神経集中眉間にしわをよせながら懸垂し南稜テラスに到着。
問題はここから。
実は一番恐かったのがこのアプローチの下りだった。
雨に濡れたスラブは恐く、びびり腰で歩く。
「落ちる時は声出してから落ちろ」
「・・・。」
ここでも脅される。
なんとか無事に一ノ倉沢出合へ着いた。
登ってしまった喜びと満足感でにたーっと笑みがこぼれる。
以上が私のアルパインクライミング初体験の記録とはいえない感想です。
とにもかくにも今回私を完全バックアップしてくださった本郷さん、関さん、ありがとうございました