2025年4月30日~5月5日
赤井、右田(記)
ずっと気になっていた硫黄尾根に行くことができた。知らない人が多い硫黄尾根はみんな知っている槍ヶ岳の西鎌尾根から東に延びる魅力的な山稜です。
春の硫黄尾根は脆いのがネックだが寒さや体力面ではそこまで厳しくない。地熱のせいか標高を上げても藪が濃いことが想定外だった。
捨て縄は長いものを多めにあったほうがいいし懸垂の時のロープスタックを避けるには捨てビナも多いほうがいい。あと、長期縦走ではテントは重くてもダブルウォールで行くべきだと思った。藪、岩、雪、長い、どれも楽しめる硫黄尾根、面白かった!
赤井さんありがとうございました!
4月30日
朝5時に七倉ゲートからタクシーで高瀬ダムまで。そこからは歩きで湯俣まで3時間ほど。壊れかけた橋を渡ると硫黄尾根の末端となる。登山体系では水俣川側から取り付くとありピンクテープを意識して進むがどれもそれっぽくない。うろうろしたあと諦めて突っ込み笹藪をこいで尾根上に立つ。尾根に出れば藪こぎしなくて済む!と根拠のない期待ははずれ。標高2000m弱から斜度がきつくなってきたのでアイゼンを装着。雪が出てくると藪が隠れて楽~!とか思う時もあれば踏み抜くこともあり雪は雪で厄介だな・・・春山だししょうがないか・・とか思ったりして進む。標高2100m辺りで整地された居抜き物件を見つけたので1日目の行動終了。
このあと硫黄岳前衛峰群となりしばらくテント適地がなかったので正解だった。前々夜に降雪がありトレースは消えていたのでここにテントを張った方はもう西鎌へ抜けた頃だろうか。硫黄尾根で人と交わることはなかった。
5月1日
天気は晴れていて風もない。
アイゼン履いて歩き始めるとすぐにリッジ上になって岩稜中心になってくる。硫黄岳前衛峰はP1~P6とあるがそれ以上に小さいピークがあって、どれがどれだかはっきりしない。尾根が南から西に方向を変えるところでP6にいることがわかる。P6は広くて360°眺望良好。大休憩しながら硫黄尾根を歩くのが面白くなってきているのをしみじみと感じる。P6から小次郎のコルへの下りでいいところがなくまたうろつく、結局はごっそりと崩れた斜面を懸垂で下降した。全体的に脆いので以前はいい斜面だったのが崩れたのかもしれない。小次郎のコルから硫黄岳への登り返しは藪が濃い!標高2500mでも立派なツガが密生している。私より背が高くて体が硬い赤井さんは大変でしたね。硫黄岳山頂付近はハイマツと雪原となる。山頂は台地上で広くて緊張が一気に緩む。槍ヶ岳が見えるハイマツの影にテントを張った。
5月2日
朝から雪と強風
天気が回復するのを待ち風が弱まったので昼近くになって出発。ガスが濃くなり行く先の尾根が見えなくなる。そんな中、「あ、どーも。」カモシカと目が合った。雷鳥ルンゼの懸垂は2ピッチあり2ピッチ目では雪で濡れたロープが動かなくなり登り返す。この後から藪があっても薄くて気にならなくなる。硫黄岳南峰のコルで3日目終了。赤井さんのアルコールも終了。
5月3日
天気は晴れて風無し
赤岳前衛峰P1~P8とあるが正直判然としない。また本と地形図で中山沢のコルの位置が違っていて、実際は赤岳超えてから中山沢のコルがある。とにかくピークが沢山あって、脆い。また、ルートファインディングが面白いところ。懸垂も何度かありP7辺りの懸垂で下には硫黄沢が見える。そこでもロープを回収できずに登り返した。中山沢のコル(赤岳超えたコル)でテントを張っていると赤岳斜面から時折、大きな落石があった。
5月4日
夜中から土砂降りと強風
シングルウォールのテント内は浸水しシュラフも濡れた。しばらく雨が止むまで待機し昼前に出発。赤岳P2~P5もルートファインディングが面白い。そのあとの白樺台地は滑らかに白く広い台地で走り回りたいくらい素敵なところだが数歩ごとに踏み抜くのでしない。台地からもう一つピークを越えると西鎌尾根に合流した。その日はシュラフやテントもびっしょり濡れていたので槍平の冬季小屋を利用させてもらった。槍平小屋周辺には春スキーヤーでテント村が出来ていた。
5月5日
晴れ
新穂高温泉まで下山。ここからバス、電車、タクシーで七倉へ移動し車の回収に半日使う。移動の間にやっと完登の乾杯が出来た!そのあとは七倉温泉で汗を流して帰路についた。


