日原 小川谷 カロー川谷

1999年8月22日
瀧島、関、畠中(記)

その日は暑かった。

絶好の沢日和だった。

そして、それは突然だった。

私はゆっくりと沢タビを履いた。

ハーネスを手に取りはこうとしたその瞬間、体に電気が流れたような感じがした。

キジだった。

草むらで朝日を浴びながらのんびりとキジを楽しんだ。

生きていて良かった。

さらば我がキジよ。

余韻に浸りながら満足気に車に戻ると、頭を抱えている一人の30歳目前の大人がいた。

S:「あー」

H:「どうしたんですか?」

T:「こいつよー、もー、どうしようもねえんだよ。」

H:「だからどうしたんですか?」

S:「沢靴がない。」

H:「へっ?」

S:「沢靴忘れちゃったよー。ごめーん。」

H:「また?またっスか?」

T:「太郎、おまえ帰りにソバおごれよ。」

S:「はい。」

H:「天ぷらも付けてね。」

というわけで、奥多摩まで戻り、わらじ(700円。売ってるんですねー。)を買って、ルートも小常木谷からカロー川谷と変更になった。

9時50分に取り付き、14時に長沢背稜の縦走路に抜けた。

小ぢんまりとしていてなかなか良い沢だった。

ロープは使わず。

その後、一杯水避難小屋経由ヨコスズ尾根下山。

関君、次は頼むよ。