2002年10月13日
赤井、中嶋(記)
10月13日(日)
晴れ
全体的に岩は堅く、フリクションもまあまあでクラックも多い。
開拓から時間がたっていて、また海から近いせいもあるのだろうか、残置ピンが錆びだらけであまり当てにならない。
積極的にカム類を使うある意味今日的なフリークライミングが出来た。
岩の種類は火山の根っこなんかに多いヒン岩だと思うのだけど、花崗岩をもっとパキパキにしたような感じ。
クラックがきれいにパラレルで、中のフリクショも花崗岩ほどではないため、チョック類はすわりがわるそうでほとんど使わなかった。とうぜんカムも花崗岩ほどは安定感が無いので、ランナウトと相まってなかなか緊張感が味わえる
緑友ルートは東壁の真ん中あたりを「オールフリーで登るラインで人気がある」ということで登りたいと思った。
前日西稜を登っているので、東壁のルートにしても少しはルートが見つけやすいだろうと思っていたが、近づいてみてもなかなか判然としない。
朝日を浴びた東壁をアプローチ途中から眺めると左に開いた大きなジェードルが陰影の関係で目立つので目が行ってしまうが、後でわかったが同じ岩の右の方に右に開いたジェードルがあってそこがラインになっている。
上部はもっとラインがわかりづらい。
どこが取り付きかも判らないまま藪を漕いで基部に出たところ、いかにも弘前ルートの取り付きらしいちょっとした広場があり、そこから左にトラバースすれば緑友とおぼしきラインに入れそうだったので行ってみることにした。
古いトポでは6ピッチになっているが途中のスケールなどあまり一致していなくて、計5ピッチで頂上まで抜けた。
以下ピッチごとの概略
1P 5級位 45m中嶋
残置ピンはあまり当てにならないが、ラインを確認できる程度にはある。
快適なジェードルをフリーで登ると30m位で安定したテラスに出るが、次のピッチの見通しが立たないのでもうちょっと伸ばす。
2P 3級+? 40m 赤井
ブッシュが多くラインが判りづらいが、さすがは赤井さん、見事に藪の弱点を突いて次のピッチのチムニー下のテラスへ。
3P 5級位 45m 中嶋
トポと現在位置を確認できた数少ないポイントで、開いたチムニーというか、右向きの狭めのジェードルを登ると中央バンドの右端に出る。
全体に大きな構造がなくなって判りづらくなるけど、思いきって直上すると素晴らしいフリーのラインになっている。
ただしビレーポイントがよくわからず、残置ピンにカム2つ追加でアンカーを作る。
4P 5.10a? 45m 中嶋
ここまで引っ張ってしまったので責任を取ってこの先もリードさせてもらう。
相変わらずラインは判りづらく、左に逃げればすぐブッシュだし、右に行くともうちょっと傾斜があって明瞭な弱点は無い。
結局直上気味に浅い凹角を登るが、ピンは少ないし何よりこの手のルートにしては非常にムーブが厳しかった。
ぎりぎり楽しみながらリードできたという感じ。
ここいら辺はクラックやリスも乏しくて、ランナウトに耐えながらなんとか頂上直下のブッシュに入って終了。
このピッチに関してはラインをはずしていたような気もするが、当たりのラインがどの辺だったかはいまだに判らない。
5P 3級-? 25m 赤井
頂上まであと少し。
見た目よりは難しくてうかつにロープは解けない感じ。
程なく海の見える気持ちの良い頂上へ。
東南稜を登っている瀧島・三好パーティを待って頂上で優雅にお昼寝をした。
頂上直下でビレー中に、昔ここで登っていたという年配の方が声をかけてくれたが、「地元のクライマーたちは今でも一応岩茸のために登りたくても登らないようにしている」
と言っていた。
現にこうしてそこまで登ってきてしまっていたのでなんと返事をしてよいものか困ってしまった。
おわり