日光月山西面夫婦滝

2019年2月3日(日)
薄田、野澤、山崎(記)

アプローチ
今市インター~栗山ダム 約1時間
県道23号線日陰集落内のお寺脇から栗山ダムへの林道(舗装路)に入るが、当日は先日の降雪が残っていてアイスバーン化していた。結構急こう配の箇所もあるので、降雪後などは運転に注意が必要で四駆、スタッドレスもしくはチェーンがないと危ない。
栗山ダム駐車場からは来た道を少し戻り、トンネル付近から南西?方面への急な小尾根を下降する。なお、栗山ダム駐車場付近からも谷に向かって斜面を下降していく明瞭な踏み跡があるがこれは違うようです。栗山ダム駐車場から夫婦滝エリアまで約30分。一部フィックスが張ってある急尾根だが踏み後あり。

滝の概要
主に夫婦滝(雄滝、雌滝)、無名滝などがあるようだ。
雄滝…このエリアを代表する滝。落差約100mはあろうかという滝で3段に分かれていたが、当日の状態は、中段がやっとつながったという感じの細いつららの集合体で、とても難しそうと言うか無理。中間部分は日も当たり融けだしていた。今後の冷え込みに期待か。
雌滝…雄滝から歩いて5分ほどのところにある滝。雄滝のような直瀑ではなく、上部は左に曲がっており、傾斜は厳しくない。こちらも上まで長さは100m以上ありそう。当日の状態は、登攀可能だが薄くて幅も未発達な感じ。本日は我々を含め3パーティが入っていたが、みんなこの滝を登っていた。
無名滝…雄滝の手前にある滝で、少し谷を分け入ったところにある。こちらも約50メートルはあろうかという滝で、下部はスカート状で、上部10mくらいがバーチカルだが、ここは日当たりが良いためか当日はザーザー水が流れており登攀不可。どうやらこの滝の上にも氷瀑があるらしい。
本日は、登れそうな雌滝を登った。3人だったため野澤さんリードで3人同時登攀。
1ピッチ目
30m位か。傾斜は強くないが、氷が薄くてしょほい。アックスやスクリューを、氷をよく見て打ち込まないとガリっといやな音がする。スクリューが入りきらない。抜け口上がって少し歩いた2段目の氷段の前の氷柱にスリング巻いてビレー。2ピッチ目
出だし1段上がった後、5mほどの垂直の滝。やはりここも氷は薄くて壊れやすい状態で、野沢さん丁寧に登る。その上は傾斜が落ち、本来の2ピッチ目終了点(と言っても何もない)の1段下の氷段手前で切る。60mロープならそこを乗り越えて核心部である3ピッチ目の氷瀑の前まで行ける。3ピッチ目
10mくらい?
3メートルほどの氷段をこえて本来の2ピッチ目の終了点、3ピッチ目の核心氷瀑の前まで。氷結しているが、やはり一部薄くて脆そうな感じ。雌滝最上部の終了点から1回目の懸垂でここまで降りることになる。2回目の懸垂支点は無いのでV字スレッドを作ることになるが、ちょうど出来上がっていたV字スレッドにスリングが掛かっていたので、それにスリングを足して懸垂支点とした。4ピッチ目
40mくらい。上の写真で奥に写っている滝。
核心の氷瀑で、薄くて脆いところあり。野沢さん左側のラインを慎重に登って行った。垂直部を登りきると滝は左方向に緩くカーブしていく。傾斜は緩くなるので困難ではない。細くなった氷を登って行くと左側の木に残置スリング、カラビナ22枚ありそこで切る。その先もう10mほど行くとてっぺん。
下降
懸垂3回で取り付きに戻った。2回目の懸垂支点はない。V字スレッドでの懸垂となる。最後の懸垂支点(1ピッチ目の終了点のあたり)は、よく周りを見ると青いスリングのかかった木があるのでそれを使って降りた。最後は懸垂せず右岸側を歩いて降りられるらしいが、どこに下りていくのか分からなかったので行かなかった。

日光雲竜渓谷雲竜瀑

2018年2月25日(日)
薄田、野澤、川上、山崎(記)

今日の目的地は、時期的に氷結状態が心配されましたが、日光雲竜渓谷雲竜瀑です。東北道、日光宇都宮道路を通り、日光インターで降り、国道119号神橋の信号を右折。すぐの稲荷川に掛かる橋の手前を左折して川沿いに奥へと入っていくとゲートが現れ、そこに駐車するのだが、すでに満車状態。少し下った路肩に駐車。午前8時30分頃に行動開始。道は直進と左手の二手に分かれており、どちらにもゲートが降りているが直進する。しばらく道なりに進み、途中堰堤上を渡河、左岸を上流へと向かう。大きな堰を巻くと広々とした河原に出て右岸に向け歩き、林道に合流し雲竜渓谷へと向かう。林道は、九十九折れに標高を上げていくので随分余計に歩かされる。

午前10時20分頃、雲竜渓谷に到着。河岸両側に見事な氷柱が立ち並んでいた。

その中を奥へと進むと、ついに雲竜瀑が現れた。遠目に見るとなんだかほっそりしている。

雲竜瀑に至る入り口のF1からは、巻道を上がっていくが、凍っていて悪いのでアイゼン装着。雲竜瀑直下には午前10時40分頃に到着する。
天候は晴れ。無風。寒くなく、先行1パーティーが登攀中であった。近くで見る滝の状況は、立派に氷結しているが、本などで見るのと比べると、少し迫力に欠ける感じでした。下部は発達していました。正面、右側は出だしが、氷のせり出しでハングしていた。先行パーティは左側から登っている。時々落ちてくる落氷もさることながら、右岸側の脆そうな絶壁からも小さな落石があった。
我々は、野沢、川上組と薄田、山崎組に分かれて登攀開始、登路は左側から登る。氷のせり出しの陰になっているため、やや硬くて脆い。氷のチムニーみたいなところ抜け、左上し、少し進んだところ、下から26~7メートル進んだところの氷のテラス状のところでピッチを切る。ここからはほぼ垂直部分を直上していくが、足もあるし、このあたりになると日が当たるため、氷も柔らかくアックスも刺さりがよくて登りやすい。

ところが、垂直部を抜け、傾斜が緩くなったあたりに差し掛かると、これまでも氷の中からしていた水流の音がより大きくザーザーと。一部氷がとても薄く水が流れているのが透けて見える。踏み抜かないように場所を選んでそーっと進む。左岸岩壁がすぐ横だが残置支点などない。その代わり残置スクリューとアバラコフに掛かった残置スリングがあり、そこで野沢、川上組がピッチを切る。ここまで25メートルくらいか。滝自体はさらに上に続いているが、氷結状態が良くなく、穴も空いているとのことで、ここでして残置物を利用して降下することになった。ここから一番下まで50メートルぎりぎりで届いて降下終了。
雲竜瀑登攀後、渓谷右岸に掛かる氷柱を登る。

名前もグレードも不明だが、約25mくらいあるバーチカル。野沢、川上組は左側を、薄田さんは中央をリード。その薄田さん曰く、6級はるとのこと。私もフォローで登りましたが、雲竜瀑より面白かった。
そこで楽しんだ後、現場を午後5時過ぎに後にして、車に戻ったのが暗くなった午後6時半頃でした。路面が凍結しているところがあるので、明るいうちの下山がいいです。
結局、本日クライマーは、1組しか見ませんでした、朝、満車状態だったのは、滝見物のハイカーだったのかもしれません。渓谷の両岸に掛かる氷柱は、もう少し楽しめそうですが、日がよく当たる雲竜瀑は、まもなく終了かなと感じました。