2000年3月18日(土)~19日(日)
倉田、森広、中嶋(記)
<思い入れ>
例年だとこの3連休は快適な雪山に行くことが多い。
でもこのところはめっきり乾いた岩ばかりになってしまっていて、いきなり雪を踏むのは面倒くさく、またちょっと怖い気もするので、かねてから行きたいと思っていた海金剛に行くことにした。
1月に倉田さんが向畑さんと登っているのでアプローチや取り付き情報は心配ない。
天気は連休真ん中の日曜に雨の予報だったので、土曜に一本登り切るつもりで気合いを入れる。
海金剛は92年頃にクライミングの対象となった比較的新しい岩場で、開拓当初から最近までは「冬でも登れるエイドルート」として利用されてきたようだ。
エイドにやたら憧れていたときはそういった意味でとっても行きたい岩場のひとつだった。
でも、自分も含め冬にこういう所に行こうという人は少なくて、ようやく今回行けることになって内心かなりうれしかった。
そしてフリーが前よりもちょっぴり上手になった今、オールフリーでトライできるということがなにより嬉しかった。
<雲見まで>
土曜の21:30に京王片倉に集合し東名経由で沼津をめざすが、こともあろうに御殿場から沼津まで事故による大渋滞。
文句も言わず運転してくれた倉田さんはけっこうえらい。
けっこう見慣れた大仁町をすぎると伊豆の深南部、土肥で海岸沿いにでると海がきれいで気分はリゾート。
それにしても雲見は遠い。
オートキャンプ場についたのは1:30頃だったかな。
朝は何と8:00起き。
でも体調が悪くてクライミングが楽しめるわけがないからこれでいいのだ。
カップラーメンを食べたらガチャをそろえて即出発。
倉田さんのおかげで判りづらいといわれるアプローチもスムーズにこなして取り付きまで。
<登攀開始>
・1p目
取り付きはジャングルの中で判りづらいが、薮が比較的薄いルンゼ状があたり。
倉田さんにリードしてもらい様子を見るが、不快そうな所もなんだか頑張って登っている。
終了直前の右トラバースが悪いがテンションしなかったのはえらい。
・2p目
ビレーしないで薮テラスの右端まで歩く。1p目のおまけ。
・3p目
唯一ラインをはずしたピッチ。
出だしは面白めの3手くらいのフィンガークラック。
あとはいまだによく判らない。
・4p目
右上するアンダーフレークをレイバックぎみに。
面白いのだが出だしの浮いたフレークに全身を預けなければならないのが本当に嫌だった。
これを抜けると直上クラックでハンドからフィスト、最後はもちょっと広くなる。
フォローの二人も多分一番苦労していた。
・5p目
古ーいボルトラダーがあって先人クラックという名前がついてる。
フィンガークラックの素晴らしいピッチ。
もろい所も比較的少ない。
・6p目
唯一ノベンバーレインからはずれるピッチ。
右端のクラックに果敢に手を入れていって、バッチリ決まるのはいいが岩が浮いていて気持ち悪かった。ドキドキ。
・7p、8p目
倉田さんに最後のピッチをやっつけてもらうことにする。
出だしのクラックがなかなか登れなくて泣きそうな顔をしていたが、どうにかして登っていった。
全ピッチノーテンション、オンサイトorフラッシング。
小川山のクラックグレードにすれば確かに5.9位かもしれない。
でももろいからもっと「怖いグレード」は高い。
頂上は気持ちの良いところで、ずいぶん長い時間のんびりした。
懸垂下降4回(60mロープ)で取り付きだが、薮が多くて大変だった。
夕焼けで赤い海を見ながらの帰り道がよかったな。
・かかった時間は10時から15時くらいまで(あやふや)。3人の割には早かった。
・持っていったのはフレンズ1セット、キャメ2セット、エイリアン2セット強、その他色々、ちょっと多すぎたみたいで重かった。エイリアンがあればナッツはいらなくて、カム類は大きめサイズは1セットで十分。中間以下は2セットあったほうが良さそう。ハーケン類は使わなかった。
<その後のレジャー>
雲見のオートキャンプ場の露天風呂は良い。
石鹸をつかってはならないため、やることがないから夕暮れどきの海を見ながらぼけっとしているほかない。また行きたいくらいだ。
雲見には食い物屋が無い。
「仲嶋食堂」なるものがあったが6時ですでに閉まっている。
松崎まで戻って、完登祝いに刺し身定食をたべた。
至福のひととき。
食後は松崎の町をうろうろした。
酒屋で酒を買うついでに変な手作りアイスを買って食べた。
あれはおもしろいから食べたほうがいい。
<幕営地について>
泊まる場所をさがしつつ夜道を下田に向かう。
波勝崎が第一候補だったが、気味が悪いからやめた。
もうちょっと先に、「海の見えるパーキング公園」ふうの所があったのでそこにした。
怖い話をしてたら本当に怖くなってしまって(あの辺は人気もなく雰囲気が不気味なのだ)、その上テントにいきなりネコが入ってきたりしてびびった。
<レジャー>
翌日は南伊豆の海岸沿いのドライブからはじまった。
ひなびていてとても感じの良い地域だ。
伊豆七島のいくつかがよく見えた。
平地が一面、菜の花畑の地域があってしばし見とれてしまった¥。
下田の町をうろついてのち、寝姿山でクライミングを志すも、ケーブルカーの高値のまえになすすべなく城ケ崎へ向かう。
八幡野港のそば屋のそばはうまい。
シーサイドには知り合いがいて、難しいルートこそ登らなかったが数年ぶりだったこともありけっこう楽しめた。
八幡野港の風呂は景色がまあ良い。
帰りは湯河原で降ろしてもらった。
おもえば伊豆半島を一周したことになる。
おわり