谷川岳 天神尾根(雪上訓練)

2016年12月4日(日)
赤井(L)、川端、河合、小渕、川上、山口、向畑(途中参加)、福原(途中参加)、上林(記)

2016年は新人がたくさん入会したという事で 赤井さんが雪訓を企画していただき、谷川岳で実施しました。
前夜 赤井さん、山口さん、川上さん、上林は練馬高野台駅で合流して赤井さんの車で土合駅に向かう。水上駅手前のコンビニで 河又でクライミングをしてきた川端さん、河合さん、小渕さんと 偶然合流し、土合駅の奥にテントを張って宴会。22時頃到着したため飲む時間はたっぷりあり、酒も多めに買ってきたので楽しく飲めた。

日曜日 朝一番の谷川岳ロープーウェイで天神平に上がるが、雪が非常に少ないため雪を求めて天神尾根を登る。
目指す谷川岳も黒い岩肌が出ており、雪は非常に少ない。
20161204谷川岳雪訓_1

赤井さん先頭で凄いスピードで登っていく。快晴無風で気温も高く、アンダー一枚で汗をかきながら登った。熊穴の避難小屋のあたりもほとんど雪が無く結局 肩の小屋の少し手前まで登り、右手の広い斜面に雪が少し多めに積もっているように見えたので ここで実施する事にする。ここまで天神平から1時間30分。かなりのハイペースだ。
展望は素晴らしく、遠くまでずっと山並みが見える。富士山と浅間山以外は ほとんど雪を確認できなかった。
20161204谷川岳雪訓_2

最初はピッケルによる滑落停止の訓練。赤井さんから、滑落停止も大事だが ともかく滑落しない事が一番大事で、滑った場合は直ぐにピッケルを雪面に刺して滑落しないようにとの指示。
その後 各自滑落停止の訓練を行う。雪面の斜度があまりないため自ら思い切って飛び込んだり転がったりしないと体が滑り落ちず訓練にならない。何度か繰り返すうちにコツをつかんで感覚をつかめた。雪が柔らかいため簡単に止まるが、凍った斜面だと こうはいかないだろう。
次に、肩がらみと腰がらみの確保の訓練。まずはピッケルやバイルを2本打ち込んでセルフビレイをセットし、雪を少し掘って固めて足場を作る。ロープで確保されたフォロアーを肩がらみで確保してフォロアーが滑落する想定で訓練開始。訓練なのでフォロアーが思い切って下に飛び込むと、衝撃で足場の雪が崩れて自分も引きずられてセルフビレイで何とか止まった。セルフビレイの重要性を再確認し、雪面では足場をしっかり固めることも大事だと感じた。腰がらみは、肩がらみと比較すると上半身への衝撃が少なく楽であった。
20161204谷川岳雪訓_3

次にピッケルやバイルを足元に埋め込む スタンディング・アックス・ビレイの訓練。埋めた支点から出すカラビナまでの長さや踏み方が 多少いろいろあるようだが、カラビナが自由に動くように踏むのが一般的なようだ。
肩がらみや腰がらみと同様にフォローアーが下に飛び込むが、体に対する衝撃がかなり少なく これなら止められるかなと感じた。
20161204谷川岳雪訓_4

途中から参加した向畑さんと福原さんも訓練に加わり、昼食のために一旦 登山道に戻ったが少し風がでており、少し雲も出て日が遮られたため寒くなった。
次に、雪を詰めた土嚢袋にシュリンゲを巻いて埋めて支点を作る訓練。雪を詰めた土嚢袋は しっかり埋めると非常に強力な支点になり、シュリンゲにロープをかけて懸垂下降したり 意図的に滑ったりしてもびくともしなかった。土嚢袋は安くて軽いため持ち運びにも良い。ただし、しっかり穴を掘って埋める必要があるのでスコップの携帯が必要。
20161204谷川岳雪訓_5

次に、短い竹を十字状にしてシュリンゲを巻いて埋めて支点を作る訓練。1回目は雪の掘り方が浅く また竹を水平に埋めたため、懸垂下降しながら意図的に力を加えたら、上に人が乗って体重をかけていたにも関わらず見事にすっぽ抜けてしまった。2回目は深い穴を掘り、力が加わる方向に対して垂直に竹を埋めたら しっかりした支点になった。赤井さんも山行中に竹で作った支点が抜けた事があるそうで、竹を使う場合は注意が必要だ。
14時半には予定の訓練を終えて下山開始。下りは向畑さん先頭にハイペースで歩き、1時間ほどで天神平に到着して訓練を終えた。20161204谷川岳雪訓_6

以前から練習してみたかった 滑落停止やスタンディング・アックスビレーなどが練習でき、土嚢による支点の作成など とても有意義な訓練でした。企画していただいた赤井さんに感謝です。