南ア 鋸岳 第二尾根

1996年12月21日~12月22日
滝島、森広、中嶋(記)

戸台で車中泊。ここらに雪は全くない。

12月21日

数年前に来たときと比べ谷の様子が全く違っている。谷が埋まってしまったようだが、かえって歩きやすくなった気がする。途中8mくらいのボルダーにボルトが打ってある。他にもあちこちに岩がある。一ヶ所、やたらきれいな石灰岩の壁があり「我々の岩場」と呼んで夏に来ようという話になった。

角兵衛沢出合いまではさくさく歩いて2時間くらい。出合いから2時間ほど夏道をたどると角兵衛大岩の基部に着く。ここの岩小屋が超快適でなんと水まで出ている。ここに着いたのがPM2:30か3:00位だったが、ひよってテントを張ることにした。本当は行けるところまで行くはずだったのだが。習志野の山岳会の人が来ていた。すぐに酒を出してのんびりした。

12月22日

角兵衛大岩の頭に出るまでがルートが判りづらい。しかし随所に赤テープがあるので助けられた(つまらなかったが)。ロープはかろうじて必要ない。ラッセルもほとんどない。尾根上をしばらく行くと60m岩壁に突き当たる。1ピッチ目、3級くらい、良いテラスがある。2ピッチ目結構難しい。3手くらい人工が入るが抜け口がかなり難しい。どちらも瀧島さんのリードでなかなかうまかった。この壁を越えればロープはこれっきり、程なく稜線に出る。下りの沢は尻セードが出来ないくらい雪が少なかった。車に戻ったのは5:00近く、高遠城見学は次の課題となった。伊奈で銭湯に入ったり飯くったりしていたので千葉には終電で帰った。

 

錫杖岳 左カンテ、中央稜左、1ルンゼ

1996年8月21日~8月25日
荒井、大滝、宮島

8月20日

車で東京発→8/21AM3:00 槍見温泉(所要5時間)

8月21日

7:00槍見温泉~8:40錫杖沢出合(テント設営)~10:30左方カンテ開始~15:00終了 同ルート下降~17:00取付帰着~17:45テント場

8月22日

8:15出発~9:301ルンゼ左ルート偵察で2P登り下降~12:001ルンゼ開始~17:00終了 同ルート下降~18:40取付帰着~19:40テント場

8月23日

9:00出発~10:00中央稜左ルート開始~12:00終了 同ルート下降

8月24日

雨のため槍見温泉へ下山

8月25日

6:00東京へ出発~11:00東京着

**************************************************

浮き石あり、ぐらぐら古いハーケンあり、A0、A1ありの古典的な感じ。

ハーケン、ボルトは打たなかったが、1ルンゼ6P目の細クラック状のところはハーケンがぐらぐらしていたので、ボトル2本ぐらい打ってやりたいと思った。    フリクションはいい。

左カンテ最後の2P目の下降は支点の木が根元をけずられて、ゆさゆさしている。岩壁側からシュリンゲでサポートしているが不安。いずれ木は無くなるかもしれない。 そうなったらボルトは2本なので打ちたした方がいいと思う。

テントばは川沿いなので水があって焚き火もできて快適。

 

苗場山

1996年8月23日~25日
櫻井(記)、板橋

雨に濡れながら長い林道をトボトボと行く。

(本当は沢を登っている筈なのに)

小広い尾根に広がる湿原は雨に煙って先が見えない。

モウセンゴケの小さな触手、それぞれに水滴が留まってにぶく光る。

(本当は青空を映す水面に乾いた風が吹くはずだった)

ひとまたぎできるようになってしまった釜川の源頭を渡るとひょっこりと小屋の前。

赤い三角屋根の「小松原小屋」

(これでとりあえずもう雨に濡れることはない)

天気を呪いながら早い夕飯をすませ寝につく。

ネズミに起こされた夜半、外に出るとようやくとぎれた雲の間から上弦の月が強い光で木の葉や草についたままの万の滴を「小さな水晶玉」に変えていった。

風の音すらしない。

この時代に奇跡のような場所、

小松原。

 

奥武蔵 浦山川冠岩沢

1996年6月16日
櫻井(記)、大橋、宮島

冠岩部落は一軒だけになっていた。生活臭はあるものの、人影は無かった。冠岩まで浅い地形に植林、ボサで楽しくない。ゴルジュは滝を3つ持ち、やっと沢らしく楽しい。最初の10mはロープ使用で3級。興味が続いて大滝。これはほんとうに大きかった。左のルンゼ状から上がり中間で左の木と岩の斜面に入りピッチを切る。

さらに落ち口の左に回り込んで終了。4級。その次の10mは見た目、厳しそうだったが右から落ち口に向かって3級+。ロープは使わなかった。

これで昨年からの一級の沢3部作(釜の沢、大黒茂、冠岩沢)が完成した。釜の沢、大黒茂は秋にまたいきたいが、冠岩沢は、.....もういい。

 

北アルプス 赤沢岳西尾根

1996年5月3日~5月5日
櫻井、大滝

5月3日

7:30 扇沢トロリーバス乗車。晴れ。 8:30 黒四ダム出発

9:00 大きく回り込んだ地点の広く浅いルンゼをつめる。途中右方のブッシュが濃い尾根へ右上。ルートに不安を抱いたまま急なブッシュ登りを、ザイルを使用しないで登る。

10:00 1920M地点。展望よく剱岳見える。晴れ。これより尾根らしくなり、問題にはならないがキノコ雪などでてくる。

12:00 2100m地点

13:15 2300m地点。薄曇り。これより三峰西峰のドーム状岩壁のトラバースになる。安定した雪壁をザイルなしでトラバース。支稜についたら雪のない急なブッシュを直上。一ヶ所露岩あり、緊張する。最後は右上気味に行くと雪面に出られた。2400m地点。

14:30 安定しているのでツエルト設営。

5月4日

7:30出発。薄曇り。 露岩帯を行く。巻くときはいつも右側。少し怖い。

8:40 猫の耳 三峰。風少々。9時の交信。  三峰の下降は45mザイル1本で2回半。残置シュリンゲ有り。その後、稜線通しはブッシュがうるさそうなため雪の斜面を右上気味にトラバースしながら高度を稼ぐ。 二峰も巻いたためピークには立たず。

10:38 赤沢岳山頂  空の高いところにどんよりと雲広がる。

13:15スバリ岳

14:40 針ノ木岳

15:45 針ノ木峠 峠からスタートした尻セードで下降。

16:30 大沢小屋付近でツエルトを設営  夜から雪となる。

5月5日

下山。雪の多い年だったので楽が出来たと思う。取り付きの急なブッシュ帯はザイルを使用しなかったが、2p程か。ザイルを使用したのは三峰の下降の時だけ。ハーケンも打たず。  グレードとしては中級だと思う。立山、剱岳、黒部別山、丸山等々展望が素晴らしく登っていて楽しいルートだった。