錫杖岳 前衛フェース 左方カンテ

2016年6月4日~5日
赤井、河合(記)

最近、隔週で本チャン行っては報告書いている気がします。今回も週始めに、日程の合った赤井さんと相談。今回は錫杖岳に行くことになりました。河合の狙いは左方カンテ、赤井さんの狙いは3ルンゼということで、混みそうな左方カンテを土曜、3ルンゼを日曜に登ることにしました。

6/3
都内某所22:00集合。一路新穂高温泉へ。駐車場には似たような人達が次々と来ました。

6/4 晴れのち曇り
6:00に起きたら、周りのパーティーはほとんど出発した後でした。寝過ぎたかな。左方カンテは人気ルートだし、ひとしきり皆さんが取付いた後行けばいいでしょということで、まったり出発。
1時間位で錫杖沢出合のテン場に着いてびっくり。テントが一張しかない!みんな別の所で泊まってるのかな。ここから歩いて30分ちょっとで左方カンテ取付に到着。さすがに先行パーティあり。話では上にもう1パーティいるとのことで、今日は3パーティのようです。

1P目:Ⅲ(リード:河合)
このルートは残置がほとんどない、ということで、初っ端から残置ゼロ。でも立木あるし、Ⅲ級なので気にはなりません。ルンゼを直上、先行Pの使っていた支点の下の立木でピッチを切りました。初っ端からビレイはハンギング気味(ちゃんとテラスにビレイ点ありますが混んでると使えないです)。
終了点からは黄道光1P目5.11aのペツルボルトがよく見えました。
錫杖_20160604 写真2
2P目:Ⅳ(リード:赤井)
引き続きルンゼを登ります。傾斜が立ってきました。このピッチも残置なかったと思いますが、クラックが随所にあるのでプロテクション取るには充分。
錫杖_20160604 写真3
3P目:Ⅴ(リード:河合)
ピナクル登ってスラブ右上→小ハング→右上という感じでした。ピナクル登ってから小ハングまでに細いクラックが走っていてカム使えました。小ハングはカム使えないような細いクラックに、ハーケンが2つくらい埋まっていましたが使える代物ではなく無視。スタンスは豊富でホールドもガバ、岩も硬いので思い切って行けます。スラブを左に行くクラックが走っていてそちらも登れそうでしたが、多分外れ。
錫杖_20160604 写真4
4P目:Ⅱ(リード:赤井)
チムニー入口までの歩きピッチ。15m位。一瞬で終了。黄道光サンシャインクラック5.11cが見えていて、超かっこいいです。これは惚れる!
錫杖_20160604 写真5
5P目:Ⅳ(リード:河合)
易しいチムニー。チムニー内にクラックが結構走っていて支点は取りやすいです。一個、古そうな残置カムがありました。このピッチ、フォローはザックを股下に吊るして登ったそうです。
錫杖_20160604 写真6
6P目:Ⅳ+(リード:赤井)
左フェースを登ってそのままテラスまで。出だしは珍しく残置ハーケン(今日初めて?)ありました。最初のレッジまでまともなプロテクションがほぼ取れませんが、基本はガバでスタンスも豊富なので手順間違えなければ大丈夫。
錫杖_20160604 写真7
7P目:Ⅴ+(リード:河合)
左方カンテの核心ピッチみたいです。出だしのチムニー突破はワンムーブが結構悪いですが、出だし1ピン目にペツル打ってあるので多少気休めになります。(落ちればグラウンドの可能性高いですが・・・)行けそうだったのでフリーで登りました。最初のチョックストーン越えてからはチムニー→左壁乗越→カンテ。チムニーはクラック結構ありキャメ#0.5が残置されていたほか、ハーケンも打ってありました。ここもフォローは股下ザック登攀となり、大変だったようです。
錫杖_20160604 写真8

錫杖_20160604 写真9
8P目:Ⅳ+(リード:赤井)
注文の多い料理店と共通パートで、結構順番待ちがありました。人気ルートが2つ重なっているので、仕方ありません。フェースですがちゃんとプロテクションきめられる場所があります。上部は灌木帯の間のフェースを登りますが、懸垂下降時ロープが引っかかりやすいので要注意です。
錫杖_20160604 写真10
9P目(Ⅲ)は藪歩きっぽいので省略、というのは建前で、赤井さんも河合も錫杖沢に残置したビール回収の誘惑に負けたという説が濃厚。一応オールフリーで登れました。
下降は注文側を4ピッチ懸垂下降。油断していたら8P目の灌木帯でロープが引っかかり、後ろの懸垂パーティに取って頂きました。危うくもう一回8ピッチ目登るところでした。先行パーティが同じ目に遭っていたのを助けたばかりなのに、自分達もやっちまって反省。
足早に下山してビールにありつきました。何で登った後のビールはこんなに旨いんだろうか。雲行き怪しく、明日も登れるのかな?

6/5 小雨→曇り
夜中に雨音がしたような気がしていましたが、「気のせいのはず・・・」と知らんぷり。ささっと3ルンゼ登って午前中の下山を目論んでいましたが、4:00起きしてテントの入口を開けて、「あっ、ダメだ。」雨は降っていないものの結構濡れていて、登る気起きず撤退。朝から温泉浸かっていたら日が差してきたので転戦を画策しましたが、頼みの太刀岡山目指して山梨県入ったら本降りに…諦めてまっすぐ帰宅となりました。赤井さん、3ルンゼ登れずごめんなさい。

左方カンテは人気ルートなので順番待ちがそこそこありましたが、岩が硬くとても快適でした。ここに慣れてしまうと一ノ倉沢行けなくなってしまいそう・・・残置は噂のとおりほとんどなく(見落としもあると思いますが、ほんと少ないです)、確実にプロテクションを取れる技術ないと危ないかと。錫杖、もっと近ければいいんだけどなぁ。

コースタイム:
6:50登山口→7:55/8:20錫杖沢出合→8:55/9:30左方カンテ取付→14:05 8P目フォロー終了→15:05/15注文取付→15:25/45左方カンテ取付→16:10錫杖沢出合

持っていったナチュプロ
キャメロッ#ト0.3~2、エイリアン青と緑、BDストッパー#4~8