四阿山 大谷不動 本流二ノ滝

2017年2月19日
薄田、河合(記)

当初は雲竜渓谷、あわよくば雲竜瀑をと思っていましたが、17日の春一番で薄くなってそうな気がしたので、大谷不動本流に行くことにしました。二ノ滝のリードは今シーズンの目標(河合)だったので気合入りました。

2月18日
薄田さんは金・土と伊豆修善寺で大宴会だったそうです。当初は、「城山まで来い」との指令でしたが、残り少ないアイスシーズンなので拒否。
上信越道が吹雪いていたり、小諸着いても風が吹き荒れていたりで、転戦も検討しましたが、とりあえず行ってみることにしました。

2月19日
河合は大谷不動初めてでアプローチよくわかりません。薄田さんは2回目で、今回の予定ルートとは途中から別のルートで行ったとのこと。朝6:40。某スキー場を出発、初心者コースを詰めて峠に出ました。ここから右トラバースのハイキング道があるらしいのですが、前夜の風雪でトレース皆無。安全策で、ワカンつけて逆方向に下る林道をラッセルすることにしました。ラッセルはワカンで膝から膝上、そんなに大変じゃないですが、やはり中々前に進みません。傾斜緩い所で林道を外れ適当にショートカット。

斜面を適当にラッセル

下の林道に降り立ち、今度は緩やかな登り。ハイキング道と林道の合流点まで、峠から40分もかかってしまいました。
合流点で振り返ると薄田さんがいない。あれ?ワカン忘れたとのことですが…20分位待つと、フラフラ歩いてくる薄田さん。2日酔いで全くペース出ない模様。こんなペースじゃ大谷不動つかないぞ~しかし、ハイキング道との合流点からは、明瞭なトレース(埋まり気味)で突然高速道路状態となり、大谷不動までは結局2時間くらいで着きました。
大谷不動からは岩壁横の急斜面をトラバース。途中、左岩壁各ルートが壮観でした。
左岩壁中央ルート2ピッチ目の氷柱(多分)

一ノ滝は薄いし滝つぼありなので、右岸を高巻き(一部フィックスロープあり)、二ノ滝へ。
一ノ滝

取り付き9:30到着。
先行パーティが登っていたのでしばし待ち、10:30登攀開始。念願の1ピッチ目(Ⅴ+)は河合がやらせてもらいました。
出だしはスカスカの雪が10m位。その後、15m位、80°強の垂直近い氷が続きます。氷の表面はヌメっとしていて、アックスもアイゼンも刺さり良く快適。しかし、スクリュー2本入れた辺りで、気持ちよく打ち込んだアックスが抜けなくなり、2分間位格闘することとなってしまいました。どうも私は怖がってアックスを余分に打ち込んでしまうようです。
二ノ滝1ピッチ目をリード中の河合

その後じわじわ高度を上げていったところ、トレーニング不足のふくらはぎが悲鳴。ツりました。スクリューは足元。落ち着いて左手アックスを完璧に決め、左手と右足で立って宙ブラの左足を振ってみる。痛みが落ち着いたらスクリュー入れて一安心。3分位がっつりレスト。さらに抜け口越えたら太ももまでツりかけ、自分の弱さに悲しくなりました。
そんなこんなで40分位かかりましたが1ピッチ目を何とかノーテンションで通過。さて左の灌木でビレイ、と思ったら、後4mで下から「ロープないぞ!」の声。仕方ないので、周囲の柔氷を削って固い面出してスクリュービレイ。後で聞けば、先行パーティーの落氷がヤバくて、氷の直下に行けなかったとのこと。薄田さんは「手が冷たい」とボヤきながらも、30分位で登ってきました。
二ノ滝1ピッチ目上部雪壁をフォローする薄田さん

2ピッチ目は薄田さんリード。上部の核心は今回、段々ができておりⅣ+程度の簡単さでした。薄田さんはさくっと20分弱で抜けました。河合も快適にフォローし、無事完登。三ノ滝は省略。
二ノ滝2ピッチ目

下りは、50mロープでは2回に分けないと降りられないので、とりあえず灌木まで斜懸垂。ここで河合がポカミス。手を放すとロープが手の届かないところに行ってしまうのに、うっかりロープ引き上げて末端処理をほどく前に引かない側のロープを開放してしまった。仕方ないので、ロープをある程度引いたところで、余りのロープでビレイして薄田さんロープ回収。すみません。本チャンでやったらヤバいと大反省。
なお、懸垂に使った小灌木(残置いっぱいあり)は、懸垂時かなりきしんでいて、ヤバげでした。降りる時は、位置悪いですがさらに5m位左にある太い灌木まで行って捨て縄して懸垂した方がいいです。同様に2ピッチ目のリードビレイ時も、小灌木は大墜落あったら耐えられるかわかりません。氷の落下ラインを避けて、スクリューで支点自作した方が無難かと思います。
二ノ滝1ピッチ目終了点のヤバい灌木

降りたら13:00とまだ時間があったので、隣の右側壁登ろうと思うも、右ルートは登れる2ラインともにトップロープ状態で空く気配全くなし。残念ですが仕方ないので、もう一度二ノ滝1ピッチ目を登ることにしました。
右側壁。2ライン取れそう。(朝撮影)

今度は薄田さんリード。酔いも冷めて絶好調。20分強でささっと登っていました。河合もフォローで行ってびっくり。アックスもアイゼンも気持ちいい位決まる。大分氷が緩んだようです。あっさり1時間位でリード&フォロー+懸垂で取付に戻りました。毎回この位スピーディーに登れればロングルートも楽勝なんだろうけどなぁ。
帰りは二ノ滝15:30出発、17:00前には駐車場に戻れました。帰りはちゃんとショートカットのハイキング道を使用。峠で迷ったときは、消火栓の赤い標識の奥に行って、堰堤下をトラバースしてから下降で正解。迷ったら下ればいつか林道に当たります。
この消火栓看板が目印