2002年9月7日から2日間
堀田、櫻井(記)
今年は5月から山に行くと雨に遭うことが多くて、さわやかな夏山をほとんど楽しめてない。
そのうち「xxさんと行くと雨が降る」
などという話が出てくるからこわい。
この日も天気予報では勝算がないと知りつつも、家のなかでグチっているよりましだろうと、出発する。
9月7日
久渡沢の出会いには道の駅ができていた。
秩父と通じた雁坂トンネルの工事と抱き合わせのものらしい。
笛吹川上流の山深い感じがすっかりうすっぺらくなってしまった。
天気も悪く、時々雷が鳴る大雨だ。
その道の駅で小一時間ほど暗い空を見上げていたが、小降りになったのを機に車を登山道の入り口に置いて歩き始める。
久渡沢はこのトンネル工事のために激しく変えられてしまっていた。
料金所、トンネルの入り口と駐車場など、沢筋に作られた施設を横目に舗装された道を進む。
この舗装道は唐松尾沢まで続いており、おかげでナメラ沢のアプローチは随分
とわかりやすくなってしまった。
この日は林道の終わる唐松尾沢でテントを張った。
なんでトンネルとは関係もなさそうなこんな奥まで舗装の林道を延ばしたのだろう?
9月8日
晴れた。
昨日、憂鬱な気分で何もせずに帰ることまで考えていたが、粘ってよかった。
山が自分の計画を祝福してくれたのはほんとうに久しぶりだ。
唐松尾沢を下る。
久渡沢に降り立つ手前の巻きがあまりよくない。
雨上がりで地盤がゆるんでいるためか結構怖い。
久渡沢からは特に迷うところもなく、日差しにきらきらとはじける平ナメを喜びながらどんどん登る。
源頭では鹿の道に誘われるままけっこう深いやぶに入ってしまったがそれでも午前11時ごろには西破風山に出る。
下りは誰もいない雁坂峠から久渡沢に戻る。
結局この日はほとんど晴れていた。
雨ばかりだったこの夏の不運を少しだけ、やり返せた気分だった。