2003年2月23日
浅野、柴田(記)
昨年4ピッチ目で敗退した中央稜のリターンマッチ。
いつもの通り上里で運転を交代し、天神平スキー場の立体駐車場まで。
身支度を整え3時頃出発。
やけに暖かく雪も昨年に比べると少な目。
1時間ほどで一ノ倉沢出合いに着きそのまま本谷から衝立スラブを途中まで登りテールリッジに移り中央稜取り付きの安定したビレーポイントまで。
天候は小雪だが風はたいしたことなくまずまずの日和。
午前6時頃準備を整え昨年同様浅野さんリードで登攀開始。
1P(浅野)取り付きの雪の段差を越すのに少々苦労する。
その上は傾斜も寝た感じで昨年より登り易い。
ビレーポイント手前の左にトラバースするところも無難にクリア。
2P(柴田)カンテを左に回りこんで緩いルンゼを登るがビレーポイント手前の一手は結構緊張。
トレーニングを積んでいないと何でもないところが恐く感じる。
3P(浅野)カンテを右に戻り第2フェースを登る。
昨年はアブミまで出したがことしはA0で何とか登れた。
4P(柴田)第2フェース上部。
毛の手袋を脱ぎ素手にミトンで登ったこともあり割と快調にすぐ上のビレーポイントまで。
その上部を登りかけた所で昨年苦労した記憶が蘇り、浅野さんにリードとしてもらうべくピッチを切る。
後続パーティが近くまで迫ってきた。
5P(浅野)フェース上部をA1で進み、途中から右のルンゼに入りダブルアックスで登り、最後は凍ったチムニーを突っ張りで持たせてダブルアックスで抜ける。
リードする浅野さんからは何度か「頼むねー」のコールが入る。
フォローでも緊張消耗するピッチだった。
リードした浅野さんを尊敬する。
ここで既に12時を回っていた。
隣の烏帽子奥壁には南稜フランケあたりに女性のコールがこだましている。
6P(浅野)最初は柴田がリードしたが、5mくらい登ったところにあるピトンで暫く休んでいるうちにピトンが抜けて墜落して浅野さんに体当たり。
幸いルンゼ状だったのですぐに停止し宙吊りになることもなかったが垂壁だったら危なかった。
これでモチベーションが急低下した柴田は選手交代でフォローに回る。
7P(浅野)ルンゼ状を詰めてピナクル状のアンカーポイントに這い上がりその上のすっきりとしたフェースを登る。
ピナクル状を登り切った所で午後2時15分だったので浅野さんにここまでとしないか話し、下ることにする。
懸垂50mダブルで3ピッチ。
安全環付ビナにロープを通すのが大儀なほど手指が疲れていた。
隣の烏帽子奥壁の大氷柱は中間部がバラバラになっている。
やはり昨年よりもだいぶ氷雪は少ない様だ。
ロープを仕舞い気がつけば腹ペコ。
中央稜取り付きでレーションを一気に食し、テールリッジを慎重に下り、何度も振り返りながら出合いに戻る。
何はともあれ無事に帰れてよかった。
まあピナクル状まで抜ければほぼ完登と思いたいが、トレーニング不足により随分浅野さんに迷惑をかけ申し訳なかった。
タイム
駐車場(3:00) → 一ノ倉沢出会い(4:07) → 中央稜取り付き(6:00) → ピナクル状テラス(2:15)→ 一ノ倉沢出合(16:35) → 駐車場(19:00)