鳥海山北面 (中島台~新山~稲倉岳~中島台)

2018年12月21日~23日
中和(単独、記)

正月前に体を冬山に慣らしておきたいので、気候の厳しさに定評のある鳥海山に行くことにした。登山大系によると、鳥海北面には幾筋かルートが拓かれており、気象条件も手伝って充実した山行ができるそうな。今年は暖冬寡雪だけど、鳥海は山麓の矢島(標高46m)のアメダスは積雪30cm。雪の心配はいらなそうだ・・・

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概要:
2018/12/21~12/23
鳥海山北面 (中島台~新山~稲倉岳~中島台)

コースタイム:
12/21 : 中島台浄水場(9:50) – 林道終点(12:20) – 台地状地形(14:40) – Ω1(15:50)
12/22 : Ω1(06:09) – 新山(10:40) – 扇子森(14:26) – Ω2(15:40)
12/23 : Ω2(06:01) – 稲倉岳(06:36) – 唐吹長峰(08:35) – 中島台浄水場(10:47)

行動記録:

12/21(金) 晴れ
夜行バスとレンタカーで中島台に移動。除雪は横岡第一発電所手前の浄水場で終わるため、レッカーされないと信じて路駐。
第二発電所までトレースがあったが、その先は膝ラッセルになるためスノーシューを履く。林道終点からは鳥越川に沿って上がって行くが、頻繁に倒木や飛び石で渡渉を繰り返すので、意外と骨が折れる。途中、倒木に雪が乗っているかと思って無造作に歩いたらスノーブリッジ。思いっきり踏み抜いて沢に落ちそうになるが、引っかかって助かった…。
次第に右岸が安定した尾根っぽくなるので、これで楽に標高を稼ぐと標高1000mあたりで台地状を呈してくる。台地の中には無数の沢と窪地があり複雑な地形。けどまあ、天気が良く新山が見えるので、新山基部を目指して歩いて、適当な場所で半イグルー(壁だけブロック、屋根ツェルト)建設。

台地状地形

12/22(土) 昼前後は吹雪
朝は新山も見えて「冬の鳥海はいい天気だなー」と皮肉を吐いていたが、標高1600mあたりから猛吹雪。風はそれほどでも無いけど、視界が極めて悪く、直登ルンゼを登っているのかわからない。というか5m先の斜面が水平なのか登りなのかも不明。数分おきにコンパスを切って、遮二無二ピックを刺して登っていたら稜線に出た。
稜線も引き続き吹雪。新山と思われるピークを踏んで下降するが、ほぼホワイトアウトしており、外輪山に上がる方法が全くわからない。時折、火口壁が霞んで見えるので、壁基部をトラバース気味に千蛇谷を下降。火口壁上部からの雪崩にビビりながら、せかせかとラッセルし、標高1800m辺りで登山道の杭を見つけて外輪山に上がる。
外輪山に上がると傾斜も緩むのでシューに変えて歩いていると、扇子森あたりで唐突にガスが晴れ、酒田の街まで見えた。地形さえわかれば、こっちのターン。蟻の戸渡り周辺の雪庇尾根を越え、多少の風雪にも耐えられるように全イグルー建設。ゴミとかいらない地図を燃やして焚き火しつつ、酒を飲んでダラダラと過ごす。屋内でも焚き火ができるのがイグルー山行の醍醐味だ。

マイホーム

12/23(日) 晴れ
今日も晴れ。落ちる可能性がある所は全て通過しているので、今日はハイキング。稲倉岳からの下りは素晴らしい雪面で、スキーだったら最高だろうけど、自分が履いているのはスノーシュー。尻セードしようかと思ったけど、カッパが破れたら惨めなので普通に歩いた。唐吹長峰の北東尾根を降りて自分のトレースを拾えば、後は来た道。車はドナドナされずに残っていた。