八ヶ岳 裏同心ルンゼ・南沢大滝アイスクライミング

2018年12月15、16日
中和、玉置 (記)

前週末の広河原沢は雪も氷もなく撤退、結局伊豆の城山でフリークライミングという残念すぎる結果に終わったので、今度こそということで氷結が良好だという情報があった裏同心ルンゼと南沢大滝へ行ってきました。

12月15日 裏同心ルンゼ
前夜に出発し、美濃戸口で車中泊して暗いうちに出発した。雪が薄く積もった林道を進んでいくが、ギアとテントの重さで足が前に進まない。中和さんにどんどん引き離されるが、仕方ないので黙々と歩き続けた。赤岳鉱泉についた頃にはだいぶ疲れてしまった。しかもザックを下ろした時に太ももが攣ってしまいしばらく足を引きずる羽目になった。中和さん、心配かけてすみません。足をかばいながらテントを設営し、アタック用の荷造りを済ませた頃には足の調子も回復してきたので、予定通り裏同心ルンゼへ向かった。

しばらく進んでF1に到着すると、すでに先行パーティーが取り付いていた。氷結は良好そうだ。我々もギアを準備し、腹ごしらえをして滝に取り付く。10mくらいの短く傾斜もそれほどない滝だったが、シーズン初&足の調子が万全ではなかったので少し緊張した。滝の抜け口にペツルボルトの支点があったのでそこで中和さんをビレイした。中和さんは人生初のアイスクライミングだが、ゆっくりながら落ちることもなく順調に登ってきた。F1の上部は60mほどの河原歩きとなりF2へ向かった。F2は3段に分かれており、下部と上部が70度から80度程度の傾斜だった。3段合わせて45mくらいだろうか。まとめて1ピッチで登ることにしたが3段目で疲れてしまいだいぶ時間がかかってしまった。残置支点が他のパーティーに使われているのでF3の氷にスクリューで支点を作り中和さんをビレイ。後続パーティーも続々登ってくるので先に進んでもらってから、F1と同じような長さ、難易度のF3をこなしさらに上へ進んだ。F4?は傾斜の緩い河原歩きの途中の40度程度のナメ滝だったのでフリーソロで突破。最後のF5に取り付く。ここは水が流れており少し鬱陶しかった。F5を抜けると前方には大同心が迫ってきた。右側に45度程度のルンゼがあり氷結も良さそうなので、ここで中和さんが初リードにトライ。難なく突破し、大同心の基部へ上がった。時間があれば大同心南稜を登りたかったが、午後2時を過ぎていたので取り付きだけ覗いて大同心稜を下山し、赤岳鉱泉で宿泊した。

12月16日 南沢大滝
テントを畳んで南沢大滝へ向かった。大滝は自分が見たことのある写真よりもまだ細かったが登ることは出来そうだった。小滝の方も十分氷結しているように見えたが、他のパーティーが取り付いていたので最初から大滝を登ることにした。大滝は全体的に湿っており、スクリューの刺さりが悪かった。特に上部の垂直部分は脆い氷の上を水が流れている状態だった。アックステンションをかけつつ1mおきにスクリューをセットしていたら弾切れになってしまったので一旦ロワーダウンで下部のスクリューを回収して再トライ。必死になってなんとかトップアウトして支点をセットした。服についた氷を払いながら、中和さんをビレイする。中和さんも結構苦労したようだ。さらに奥に別の滝があるという話を聞いたので、氷結した河床を歩いて進んだ。すると確かに50度程度のナメ滝が現れたが、あまりそそられなかったので懸垂下降で大滝下まで戻った。結構時間も押していたので、その後は二人ともトップロープで1トライずつ登って下山することにした。しかし、中和さんが支点を回収する際に凍結したロープがスタックしてしまい懸垂下降はできず、結局本来とは別の残置支点でロワーダウンすることになった。このトラブルでかなり時間をロスしてしまった。ロープの凍結を甘く見ていたことは反省。美濃戸口についた頃には辺りはすっかり暗くなっていた。

シーズン初のアイスということで感覚を取り戻すのがメインだったが楽しめた。自分はアイスのリードはまだまだ修行中なのでもっと経験を積んで行きたい。中和さん、どうもありがとうございました。