2004年4月28日から5日間
長門、深沢
槍ヶ岳北鎌尾根 深沢(記)
4月28日(水)
朝、7:45に高尾駅に集合して、各駅の電車で信濃大町まで行き、トラブルだらけのタクシーに乗って、2:00に高瀬ダムに到着。
タクシーを降りたら、風が強く、まっすぐ歩けない。
トンネルで、雨具を着て出発。
林道を黙々と歩き、4:00に名無小屋に到着。小屋の中に畳があり、びっくりする。
5:20に湯俣に到着。湯俣温泉に足だけ入ってその日は寝た。
4月29日(木)
朝、5:00に湯俣を出発。
斜めに傾いた吊り橋を渡って歩いていくと、丸太の橋が架かっているが、手摺りが壊れていたり、氷が張っていたりで、渡るのが怖かったので渡らず、そのまま行くことにする。
その後に、一枚岩のトラバースでは、岩に氷が張っていて、フィックスロープが下に落ちていたので、少し戻って渡渉することにする。
これが悪夢の始まりだった・・・。
はじめに長門君(水は腰くらい)。
次に深沢が行くが、途中で流れに負けて、10mくらい流された。
流されているとき、マジで死ぬかと思った。生きていてよかった。
長門君は流されている深沢を見て、「遭難」という文字が頭を過ぎったそうです。
なんとか、対岸に着いて、すぐにザックの中身を見ると意外と濡れていなっかたのでよかった。
もしインナーブーツが濡れていたら、帰っていたかも。
すぐに着替えたが、なかなか体の震えが止まらなかった。
それから、中東沢を渡渉してすぐにもう一度、水俣川を渡渉(水は腰くらい)するが、また深沢は流された。
今度は念のためロープを着けていたので大丈夫だったが、本当に冷たかった。
そして、少し歩いてまた渡渉したが、少し行くと行き詰ってしまったので、また戻る。
結局5回渡渉した。
深沢は5回中2回渡渉失敗。
「もうあんなところを帰りたくない」という思いだけで、歩いていた。
千天出会に12:40に到着。
P2の取り付きへはスノーブリッジを渡り、P2の肩に2:30到着。
P2に3:30、P4手前にテントを張る(5:15到着)。
今日はいろいろあり過ぎて、疲れた。
4月30日(金)
朝、5:30に出発。
7:30にP5コル到着。
ここから、ロープを出し天上沢側をトラバース(3ピッチ)してP6。
11:00にP9に到着。
独標を3ピッチで登る(1:10到着)。
独標を越えたらやっと槍が見えた。
ここまで頑張ってきてよかった。
北鎌平の手前で一回懸垂して、北鎌平に4:00到着。
ここまで来ると槍の頂上にいる人が見える。
2人ともヒョロヒョロになりながら登っていると、ハーケンが何本も出てきたので、ロープを出す。
4ピッチで山頂(6:00到着)。
「やっと終わった!」
という感じだった。
時間も時間だったので、山頂には一人しかいない。
6:30槍岳山荘に到着。
今日も長い一日だった。
「北鎌尾根の核心はアプローチだ」と聞いていたが、実際に行ってみてその意味がよく解った。
北鎌尾根、なかなか侮れない!!
前穂北尾根 長門(記)
5月1日(土)、快晴
コースタイム
槍ヶ岳小屋8:00~中岳8:50~南岳小屋10:00~北穂小屋13:50~涸沢15:00
前日までの疲労が残り、今日は遅くに出発。ただの縦走なので、のんびり景色を楽しみながら涸沢へ向けて縦走。
途中、北穂手前のキレットは以外に高度感があり、ピッケルを握る手に力が入る。
登りではなく下降するのなら、結構な怖さがありそう。
北穂山頂で深沢君と大休止。日差しが痛い。
その後、涸沢へ向けてシリセードで下降。
流石にGW、どこかのベースキャンプさながらの人とテントの数。
今日は人の賑わいの中、眠りにつく。
5月2日(日)、薄曇り~快晴
コースタイム
涸沢4:00~Ⅴ・Ⅵのコル5:20~Ⅲ・Ⅳのコル7:00~前穂山頂11:18~岳沢ヒュッテ12:20~上高地14:00
いよいよ最終日、今回の最後を飾るのは前穂北尾根。
どうもこの尾根は超のつく人気ルートとあるので、早朝に出たほうが良いだろう。
Ⅴ・Ⅵのコルに着き涸沢側を振り返ると、長蛇の列。
休む間も惜しんで出発。
Ⅳ峰で1Pロープを出し、Ⅲ・Ⅳのコルへ下降。
ここで次のⅢ峰の核心部を見ながら休憩。
間髪入れずに後続パーティーが登場で、そそくさと登攀を開始。
Ⅲ峰~山頂までロープを付けっぱなしで行く。
残置ハーケンもしっかりしていて登りやすい。
前穂山頂、これ以上の登りがないことに二人とも肩の荷を下ろす。
北鎌からず~っと天気に恵まれ快適な山行でなによりだった。
晴天の山頂を背に、上高地に向けて軽快な足取りが続く。