1997年2月8日~2月10日
細田、中嶋(記)
2月7日
新座19:00集合 上信越経由 葛温泉着23:00
関越回りで豊科まで5250円、かなり早く着いた。
2月8日
晴れ
葛温泉に車を止めて寝ていたが、タクシーが何台か通ったので七倉までタクシーに乗った(1000円)。アプローチは程良く雪が着いていてトレースもあったため、夏と大差なく着く。B沢出合い、10:00頃、カモシカバックにいろいろデポしてS字の取り付きを目指す。基部で出来る限り偵察したが、ラインは判りづらい。どうやら氷の発達は良くないようだ。トポどうりに雪の斜面をノーザイルで右上して行く。ラッセルが深く疲れる。垂壁下部の洞穴でロープを結んでトラヴァースを開始。トポにある氷バクは登れるほど発達していなかったので、夏のラインをたどることにした。トラヴァース2ピッチで夏ライン上の氷バクにでて直上1ピッチ。今度は左にトラヴァースしなければならないが、スラヴ上には利用できるような氷雪はまったくない。スラヴに前爪を立て、グルーヴにわずかに詰まった氷を拾って、ピンも乏しい中気合いで進んで行く。2ピッチ弱で大テラス。トポではここから右の氷壁の出ているが、登れそうもない薄いベルグラが張っているので、ここもやはり夏のラインをたどる。似たような状況の中2ピッチ伸ばした所で日が落ちたので腰掛けビヴァーク。そんなに寒くなかったので助かった。
2月9日
晴れ
1ピッチ分FIXしてあったのでユマーリングから。次の1ピッチでハングに突き当たるので、左から卷いて雪壁に出る。後はラッセル1ピッチで登攀終了。右稜の頭までのラッセルはきつかったが思ったほど時間はかからなかった。12:00デポ地点。
大町の宿は満杯でB沢の脇を整地してツェルトを張る。その後左ルンゼの偵察。丁度先行パーティが登っていて、氷の発達もかなり良いようだった。明日の朝一で登ることにしてテントに戻る。この日豪快に食料を食べた。2人で6食分。
2月10日
晴れ
意外にも天気はまだ良い。早起きして6:30テント出発、登攀開始7:30頃。F2下でロープを出す。トポの写真よりも明らかに発達している。トポでは5級とあるが、氷の発達が良いので垂直部分は3手ほどのトラヴァースでごまかせてしまう。ここから上も思ったほどは雪がなく氷が楽しめる。実質6ピッチ、2時間半で登攀終了。トレースに助けられ下降は容易だったが、注意しないとB沢右股の1本手前の沢に入ってしまいそうだった。テントに戻ったのが11:30、状態さえよければ入、下山日の1本として最適だ。
この後葛温泉まで2時間で下れたので、薬師の湯に寄って、蔓で焼き肉を食べ放題するというリゾートをした後でも、余裕で東京まで帰ることが出来た。