1999年3月20~3月27日
畠中[21才]、小谷(記)[38才]
3月20日 土曜日 入山
大谷原7:40(雨)-赤岩尾根8:07(雪)-高千穂平10:55(吹雪)稜線2:54(吹雪)-冷小屋3:20
大谷原は車で賑わい、赤岩尾根は、14+2+3+2+3+5=29人と我々で31人が取り付く。
高千穂平までは先行者のラッセルがあり、しかも5月のような雪質で楽々入山。
快調に高千穂平まで進むが、ここらへんから吹雪模様。
我々以外全員幕営。
ここから二人でわかんを付けすね位のラッセル。
途中でアイゼンに履き替える。
視界はまあまあだが、風が強く時折目をふさぐ。
雪質はクラストした雪面に新雪が10~20cm載っている感じ。
雪がさらに降ると稜線に上がるのが難しくなるので頑張って登る。
稜線直下のトラバースポイントは雪崩れの跡があり、また視界が悪くそのままトラバースせず直登する。
稜線直下(雪尻ではないが2m位の雪壁)が怖かった。
稜線上は樹林帯のラッセルが結構きつく、新雪が30cm位積もっていた。
雪の状態は年末っぽく、歩くたんびに表面の積雪が雪崩れ落ちるという感じ。
畠中はこの雪質に非常に不安を感じたようで、黒部へ下るなどもってのほかと、不安いっぱいであった。
が、とにかく鹿島槍まで行かないと状態がわからないとなだめる。
冷小屋泊。
他には爺が岳から来た単独行が二人。
やはり吹雪で爺が岳に2度も登り返した と嘆いていた。
夕方は雪・風もやみ、剱がよく見えた。
3月21日 日曜日
5:40出発(曇り)-鹿島槍8:22(曇り・ブリザード強くさ寒い)-16:00牛首支稜1470m
単独行の人が結構早く登っていき、頂上往復後、すれ違う。
頂上は風が強く、天気は曇りだが、ブリザードがひどい。
剱がよく見える。
早々に牛首尾根へ下る。
心配していた雪質はまったく問題なくクラストしている。
新雪はとっくに吹き飛ばされいた。
黒部別山がすばらしい。
牛首尾根は、ほとんど時々クラストしていたが時々膝下のラッセル。
ラッセルする所では風で雪が舞い上がり閉口した。
鹿島槍の稜線には、赤岩尾根からの大部隊が歩いているのが見えた。
稜線は風で雪が舞い上がっている。
11:20支稜分岐2060m。
このころより雪が降り始める。
黒部別山見えず。
15時頃1470mピークからの下降を間違え登り返す。
風強く雪がひどくなってきた
ので、1470mピークに戻り幕営する。
3月22日 月曜日
風がやたら強く、雪も降っている。
雪も30~40cm位積もり、稜の形が変わっている。
何とか十字峡までは下れるだろうと撤収し、昨日間違えた下降点へ。
出だしが急なので懸垂ザイルをセットしたが、風が強く時々視界が無くなる。
空はそれほど暗くもなく、むしろ吹雪いているのはここだけですぐ上に青空が有るのではないかと思わせる。
吹き止むと行けてるやないか と思うがすぐに凄まじく吹雪く。
どうしても下降する気になれず15分位 下を睨んでいたが、諦めもとの幕営地にテントを張り直す。
風向きは昨日とは全く反対方向に変わっていた。
1470mピークは四方木に囲まれしっかりテントを張れたので安心してシュラフに入る。
午後遅くには風も吹き止む時間が長くなり、これなら行けてかな?と畠中に話したら「寝ていたからわからないでしょうけれど、ついさっきまで凄まじい風でした」とのこと。
夕方には完全に風も弱まっていた。
3月23日 火曜日
6:30出発-十字峡2:45-北尾根末端大地17:15
終始快晴。
風もなく晴れ渡っている。
雪がいやらしく積もり、下降に時間がかかる。
途中ヘリが何回か上空を飛ぶ。
十字峡下流屈曲部にスノーブリッジがあり片道50分かけて雪壁をへつり横断。
後立上空でやけにヘリ飛んでいる。
いやな感じで、何かあったかな と話していた。
以後、24日(曇り)北尾根泊
25日(朝雪で後晴)別山コル手前泊
26日(晴午後雨)黒部別山-はしご谷乗越し経由で黒部ダム泊
27日(雨)大町へ下山。