明星山P6南壁 フリースピリッツ

2016年9月25日
薄田(記)、河合

当初「マニュフェスト」を目指していましたが結果半分予想通りに壁が乾かず取り付き敗退。
薄田は新潟時代も含め3回目になりますがフェイバリットルートで有るので私はそれなりに楽しめました。
24日の朝、松原団地駅集合スタートで初日はだらだら予定でしたが薄田車のタイヤサイドに切り傷発見。晩飯の買い出しの前にカーショップにてタイヤ交換。ちょっと痛かった。
明星といえば「吉川鮮魚店」で有るが、残念ながら既に閉店していてあのガッツリ刺身とビールは今は過去の伝説(?)。
前段が長すぎるとお叱りを貰いそうなので本題に突入。
日曜は壁が乾いていると信じて3:30起床と気合いを入れたが「マニュフェスト」は「クイーンズウェイ」との分岐地点がガッツリ濡れており、間違いなく人工になるので早々に敗退を決める。薄田は途中敗退も含め今回で敗退3回目。
当日駐車場で薄田のジム知人と出会い聞くと前日「左岩稜」今日は「フリースピリッツ」とのことでしたので我々は迷惑ながら後追いの形で転進。
1P 5:40(薄田)Ⅲ級40m 草付き混じりのバンドですがノ-ピンなので落ちたらお仕舞い(ここは本ちゃん)。
明星フリースピリット_1

2P 8:00(河合)1P終了点から更に左上成るも河合君2P目のビレーポイントを通過し「恐怖の雨男ルート」のビレー点まで伸ばしバックする羽目に。薄田2回目から10年も経っているのですっかりルートを忘れていて恥ずかしい。
3p(薄田)5.7
明星フリースピリット_2

4P(河合)5.7 このピッチ位からお日様ぎらぎら状態で気温が上がり始めた。
5P(薄田)5.9 このピッチは快適そのもの。ホールドは細かいが現代の技術からすれば楽ちんです。先行パーティーは5・6Pをつなげていた。
明星フリースピリット_3

6P(河合)5.9 梅干し岩からの右下降は上がりすぎると頭を押さえられて苦しくなる。
7P(薄田)5.8 薄田が初めての時はA0が1回が入ったがここも現代の技術からすれば楽勝快適。このあたりから河合君のペースががた落ちとなる。(後で考えると完全に「熱中症」状態だった)
8P(河合)5.8
9P(薄田)5.8 このピッチも河合君遅れ気味。そのままのペースだと薄田もギブアップしそうな暑さで河合君とネゴ。それは中央バンドから左岩稜に逃げて敗退を決めるか、その後のリードを薄田のみとし先に進むかの厳しい選択。結果後者に決定。
10P(河合)中央バンド横断のみなので河合君に行って貰う。確かここで水分補給。もう少し早く水分補給をすべきだった。(反省)
11、12P(薄田)Ⅳ級から5.7 ランぺの右上からカンテ。ここも快適。薄田初めての時はラインが判然とせずかなり厳しいムーブとなったところでカシンの軟鉄ハーケンを打って越えたが勝手にグレード上げただけのことでした。
明星フリースピリット_4

13P(河合)有名なパノラマトラバース。このピッチは本ルートのハイライトで真下の小滝川まで遮るものがないナイスロケーション。初めての人には感動もの。
明星フリースピリット_5

14P(薄田)5.8 このピッチも薄田初めての時はA0が入ったが今回は快適に越えて実質終了。(暑かった)
ここで小休憩して水分補給。
後は2Pのスタカット(パーティによってはコンテも有り)で左岩稜に向かう。
写真の場所でロープを仕舞う。
明星フリースピリット_6

後は目印の松の木(?)目指して急なガレ場を下降。松の木からは下に向かって右へ右へとフィックスロープと赤布を頼りにトラバース気味に下降。
約40分で展望台前の駐車場に戻った。(15:20)

明星山P6南壁

2002年10月12日から3日間
井上、柴田(記)


明星には2年前の2000年11月に来て以来。その時は3日間の日程だったが

初日:小滝川が増水して渡れず(森広さんは危うく流されそうになった)
2日目:クイーンズウェイに取り付くが2P目の核心がヌレヌレで登れず左フェースに転進
最終日:フリースピリッツ4P目でルートをミスり下降

とさえないもので、ヒスイ峡キャンプ場を根城にするドラネコくんにレーションを取られたりテントをかじられたりしてた。

懐かしくもほろ苦い思い出だ。

昨年は訪れたいと思っていたものの機会がなく、2年ぶりに2度目の明星に今回ようやく来る事が出来た。

今回のパートナーは井上さんでお互いに車を持たないので夜行列車とローカル線を乗り継ぎ朝6時前に小滝駅に降り立った。

10月12日

天気はいい。

郵便局の前を通り2年前と同じく犬に吼えられてヒスイ峡への道を分け歩く事約1時間でドーンとP6南壁が姿を現し、ここで突然ヘルメットを夜行列車の中に忘れてきた事に気づく。

とりあえずキャンプ場まで進み居合わせたクライマーに「まさかヘルメットを余分に持っていませんよねー。」と聞くが予想通り持っていないとの返事。

最悪初日を犠牲にしても糸魚川まで買いに行こうと思い、事情を話して車を貸していただけないかとお願いし快諾を得た。

借りた車を一目散に小滝駅方面に車を走らせるが、考えてみるとまだ朝の7時30分であり運良くヘルメットを売っている店があったにしても開いているわけがない。

とりあえず通りがかった民家で「このあたりでヘルメットが手に入るところはありませんか」と間抜けな質問をしたところ対応してくれたおじさんは「ヘルメット?うーん、ちょっと待てよ」といいながらあたりをがさごそ捜し、「ほら」と緑色の工事用ヘルメットを貸してくれた。人の情けが身に沁みる。

平身低頭お礼を述べて3日間お借りする事にした。

ダッシュで車でヒスイ峡に戻ると井上さんはシュラフで寝かけたところであまりに早いカムバックに驚いていた。

約1時間ほど遅れたが予定通り初日の直上ルートに向かう。

<直上ルート(4級/ 5.9 グレードは新版日本の岩場のもの)>

1P  Ⅴ(柴田)
出だしの土斜面で掴んだブッシュが抜けて体勢を崩しシューズの裏が泥まみれに。フェースに走るクラック沿いに登るが小カンテの右を登るところで途中まで左を登ってしまいクライムダウンし登り直し。正規ルートのフェースにはピンが充分打ってある。30mで安定したレッジへ。

2P Ⅴ(柴田)
レッジから左のかぶり気味のバンドに上がり左上。15m程度と短い。

3P 5.9 (井上)
ややかぶり気味のフェースを右足のヒールフックを使い次いで右にトラバースする。ハングの出口には真新しいピンが打ってあり安心。これがないと恐いだろうなー。

4P Ⅳ+(柴田)
傾斜が落ち容易なフェース。

5P~8P目Ⅲ~Ⅳ(ツルベ)
上部はブッシュ交じりの容易な凹角やフェースなど。

左岩稜に出たところでコンテに切り替え容易な凹角を登り左にトラバースすると下降路に合流する。1時間足らずで小滝川に出て渡渉することなく飛び石で渡ることが出来た。

展望台の横から翌日のフリースピリッツをじっくり観察してキャンプ場に戻る。

8時前に就寝するもこの夜のキャンプ場は大賑わいで酔っ払いクライマーの雄叫びや車の音に何度か目が覚める。

10月13日

<フリースピリッツ(5級下/5.9)>

朝5時30分ころキャンプ場を出発。

先行する2パーティは共にマニフェストとのことでフリースピリッツには運良く1番で取付く事が出来た。

すぐ後ろにタッチの差で3人パーティが後続。

1P Ⅲ (柴田)
ブッシュ交じりを左にトラバース。ランナーはブッシュで。

2P Ⅳ (井上)
レッジの上のフェースを登り更に左上。割と短い。

3P Ⅵ- (柴田)
フェースからクラックを登る。左右にラインがあり割と細かいが上部に入るとピンも多くなり落ち着いて登れば楽しいピッチ。
ビレーポイントに着くと2年前にミスったルートが目の前にあり懐かしかった。
あの時はここを左の大き目のクラック沿いに登ってしまったのでした。

4P Ⅴ (井上)
ビレーポイントから白いフェースを一旦右下にくだり(パイパントラバース)その後ランペを右上する。一段下る所は濡れていると滑りそう。

5P Ⅵ-  (柴田)
ハングの下をハングに沿って左上する。写真などでよく出てくるピッチで「ああ、ここかぁ」と思う。
左上後被ったクラックを腕力で越えて右下へトラバース。ホールドはガバが続くので紹介されているほど難しくはない。
あそこをなんでうめぼし岩と呼ぶのかなぁ。

6P Ⅴ+ (井上)
ビレーポイントの上に続く凹角を直上後カンテを右に越えるが右に移る部分は結構細かい。
左に行くとハングにぶつかるよ。

7P Ⅳ+ (柴田)
やや傾斜が落ち易しくなるがその分もろくなったフェースを登る。上部が開け中央バンドが近くに見える。右手のフェースにあるビレーポイントで切ったがマニフェストを登っているパーティ(昨日車を貸してくれた人)から「フリースピリッツはもっと左だよ」と教えられ、井上さんには左側下で切ってもらう。

8P Ⅴ+ (柴田)
順番が前後してしまったが井上さんのビレーポイントを通過しそのまま柴田が登り続ける。かぶり気味のクラックが2本走るハングの更に左の凹角をクラックを使い登る。

9P Ⅱ (井上)
中央バンドをまたぎ、一段上のレッジまで。登る前に上部岩壁のルートを観察するがいまひとつ良く分からん。

10P Ⅲ (柴田)
ほんとにこれで良いのかなーと思いながらビレーポイントから容易なフェースを右上。ピンがほとんどないのでエイリアンやブッシュで所々取る。
40m以上ロープを出してはっきりとしたビレーポイントに着くが鷹ノ巣ハングの下でかなり右に登ってしまったように思えた。フィックスロープが垂れていた。

11P Ⅴ (井上)
頭上の凹角からクラック。その後左右にあるビレーポイントは下から指示し左側を選ぶ。
アップルジャムクラックがあるはずのピッチだが判然とせず。
このあたり一部オリジナルラインを外していたかもしれない。

12P Ⅳ (柴田)
更に左側にルートを求めカンテを越えるとボルトが2本離れて打ってありバンドが走っている。
一段降りてバンドにハンドホールドを求めると比較的安心。
でも残置ピンはピッチを通して少ない。
15mほどでビレーポイントが現れその上に写真で見覚えのある凹角状フェースが広がり正しくパノラマトラバースを辿っていた事が分かる。
下を見ると後続の3人パーティは中央バンドの手前あたりを登っている。

13P Ⅵ- (井上)
上部岩壁の核心だがピンは多い。2本目のピンにランナーをとった後の数mが細かいがフリーのゲレンデで登ればやはり5.9くらいかなと思う。
その後は右手のクラックに移り直上。

14P Ⅳ (柴田)
傾斜が落ちたフェースを登る。

15P ~18P Ⅲ~Ⅳ+(ツルベ)
ブッシュ混じりのフェース、凹角など。残置支点少なく所々エイリアンを使う。
井上さんには黙っていたが横から簡単にパスできるのにわざわざ難しいクラックを不安定なエイリアンを1つ取っただけで正面から登ったところは実は結構恐い思いをしながら登ったのでした。

最後は判然としない左岩稜の踏み跡らしきに出て終了。二人ともここからの下り道がはじめてでよくわからず苦労する。

P6の頭まで行けば西面に直接降りるトレールがあるかなと思い柴田が登るが結局そんなものはなく、左岩稜からやや右をブッシュに掴まりながら下ったりトラバースしたりするうちにようやく昨日の踏み跡に合流するが途中で井上さんとバラバラになってしまう。

途中コールを掛け合って所在を確認していたのでまあ大丈夫だろうと思い、先に降りて下の水場横で井上さんを待つ。

暗くなりヘッデンを点け大分経ってから下りてきた井上さんは柴田が差し出した0.9Lのペットボトルの水を一気飲み。喉が渇いていたんだねー。

前日通り小滝川を飛び石で越える。

テントに戻り夕食中漆黒の中に佇む南壁に目をやるとヘッデンの灯かりが肩の少し下の所でチラチラしていた。

10月14日

夜中に雨が降り出し、起床時間の4時になっても止まず。

7時前になりようやく止んだが壁は濡れていると思われ石灰岩ということもあり予定のクイーンズウェイを諦めて下山する事にした。

途中ヘルメットを貸してくれた民家に返しに行ったが留守だったので番犬の頭をなでてそっとヘルメットを置いてきた。

今度こそ車で来たいもんだなー、と思いつつ小滝の集落を通り抜けて駅まで約1時間歩く。

北陸線から信越線に乗り継ぎ長野新幹線で帰京。

せっかくの高速バスの予約が無駄になってしまった。

井上さんお疲れ様。

また行きましょう。

 

明星山 P6南壁左岩稜

2002年4月29日
宮川、中嶋(記)


5ピッチ(9:00-13:00)

今回に関しては一番の核心は取り付くことでした。

まずは正面壁の前からいつものようにテンショントラヴァースで渡渉して対岸にわたり、そのあと左岩稜取り付きのあるルンゼまでへつって行こうと試みるがやはり流れが強くて敗退。

仕方がないので正面壁側から高巻きのように左上して登り始め、そのまま左岩稜に合流することにした。

途中の潅木でビレーポイントを作り、宮川さんに先行してもらい、ようやく正規の1ピッチ目の途中に出た。

1ピッチ目(5.8) 中嶋

過去に2回登っているせいもあり、トポをまったく見ていなかったため攻撃的なラインで登ってしまった。

2ピッチ目(5.9位)宮川

前傾壁をフリーのラインで登るために、ビレーポイントを少し先まで延ばしてもらったが、ランペに乗りあがるところが少し難しかった。そこを除けば4級程度。

3ピッチ目(5.12a)中嶋

ここを登るためにわざわざ宮川さんに付き合ってもらったようなもので、12aのオンサイトは厳しいと思いつつあわよくばという思いもあった。

実際にはすばらしい高度感と、埃っぽいホールドやガバにたまった砂利のおかげでテンションかけまくりで抜けるのがやっとだった。宮川さんありがとう。

セカンドザックの一番底にしまってあったアブミは出さずにすみました。

実際に難しいムーブは10手に満たないのでRPで落としやすいだろうとは思ったけど、こんなところでそういうチンケな行為をする気にはまったくならなかったのでもっと上手になってからまた来ることにする。

4ピッチ目(5.9)宮川

個人的には明星全体でも一番好きなピッチのひとつ。

丈夫そうなフレークがずっと続いて楽しめる。

5ピッチ目(3級)中嶋

たいして内容の無いピッチだが、一応の目標となっている松ノ木テラスめざしてぐいぐい登る。

この日は最終日のためここまでで終了として下降にはいる。

松ノ木テラスからは2回の懸垂下降で取り付きまで。

3ピッチ目の終了点から取り付きまでの下降はすばらしい空中懸垂になるのだけど、50mロープだとほんのちょっと足りなかった。

帰りの渡渉は上流側の岩越えの新ラインに挑戦して、見事にきわどい股下程度でわたることができた。このラインだと8級程度のボルダリングも楽しめる。

テントに戻る途中で対岸の林道から登ってきたラインを振り返ると、すごい傾斜で堅そうな岩稜が張り出していて、手足だけで登ったのだと思うと結構な満足感にひたることができました。

あんな高いところで厳しいムーブに没頭できるなんて思い出しても興奮もの。

次に来るときはこのルートだけでもいいです。

 

明星山 P6南壁・フリースピリッツ

2002年4月27日
倉田、宮川(記)


フリー・スピリッツ---------自由精神? かっこいいな~と初めてこのルートとを知ったとき思ったと思う。

このルートを知ったのは、アルパインクライミングを志すようになって間もない頃だったように思う。

そして、フリークライミングっておもしろいな~といつも思っているので、これは登らなきゃ嘘だともいつも思っていた。

で今回登れてうれしいです。

と書き始めて、記録といったほどのことも記憶してないので感想です。

岳人5月号に詳しい解説が載ってるのでルートの内容については、そちらの方をどうぞ。

そして岳人にも載っちゃったし、明星は混んでるのかなあと心配していた。

また、知り合いからも落石がひどいとか、落石で骨折した人がいるとか、残置はボロボロだとか、嫌なことばかり聞かされていたので、どうなるのかと不安もあったが、まあ、そうは言っても石灰岩。腐っても石灰岩、と勝手に岩手のフリーエリアである岩泉ひょうたんケイブを想像して、やっぱり基本はポジティブシンキングだな~と思ったりしていた。

実際は、当日朝対岸の林道からオブザベーション。

秀峰の4人の他にクライマーらしき人は見あたらない。

だいたい概要をつかみ、さらに細かく双眼鏡で見ていくと、ビレイポイントがわかる。

コンペのように1手1手のムーブまではもちろんわからない。

当たり前だけど。

林道から小滝川へ降りていく。

第1の核心小滝川の渡渉。

中嶋さんが2回ほど場所を変えてトライするが、渡れずに戻ってくる。

次に瀧島さんのチャレンジ。

川の上流から確保し、下流でながされた場合のロープを引いて、深みへと進んでいく。

と水量が腰あたりまできたとき、体が持ち上がり流される。

が、半泳ぎ状態でじりじり対岸へ近づいていき10数メーター流されて渡渉成功。

これが漢(漢と書いて男と読む)だ、と心の中で感動する。

残りのメンバーは、瀧島さんが対岸にカムでフィックスしてくれたロープにテンションしながら渡渉。

水量は腰。

フリースピリッツのルート自体は、状態もよく快適に楽しめた。

残置は、しょぼいピトンなどだが、エイリアンが結構使える。

5Pめを倉田さんがリードするが、梅干し岩から右下にトラバースするところが、一番印象に残っている。

スラブをフリクションで足を開いて下がり気味にトラバースするところで、緊張した。

自分的には核心だった。

ルート全体の印象としては、困難なクライミングではなく、純粋にクライミング自体を楽しめるいいルートだと思った。

やっぱり他のクライマーがいなくて貸し切り状態で、天気も良かったら。

左岩稜でクイーンズ・ウェイチームと合流してトラバース道を下降。

目印の松の木まで出ると赤テープがしっかりついている。

キャンプ場に戻り、翌日のルートをオブザベーションして、街へ食事と買い出しに。

五洋水産の隣の食堂で赤ムツ唐揚げ定食を食べ、マックスバリューで買い物してテントに戻る。

アルパインクライミングしつつこんな生活ができるのも明星のよいところでしょう。

タイム
キャンプ場08:30–09:30取付10:00–15:30終了–17:00キャンプ場

 

明星山 P6南壁直上ルート(敗退)

2002年4月29日
瀧島、倉田(記)


先日までで結構疲れてしまった私は(本来行く予定だった)5月ルートまでの渡渉やナチュプロオンリーで行く自信が無く、瀧島さんと相談して直上に変更することになった。

渡渉を瀧島さんが毎朝先頭に立って渡り切ってくれる。

テンショントラバースで対岸に渡って、準備をし始めるとなんとフラットソールを車に忘れてきてしまった。

どうも駄目な気分になってくる。

仕方ないので再度渡渉をして車に取りに行こうとしたものの、数回試して2回ほど流され、対岸に行けない。

川の流れが少し蛇行しているようで逆からのアプローチは厳しかった(単に渡渉が下手なんですが)。

とても優しい瀧島さんは(あきれられて?)おれのフラットソールを使っていいよと言ってくださった。

気を取りなおして、最初のピッチを登ることになった。

2ピッチ目のビレイ点が右と左に2つ見えるどっちだろうかと悩んだ挙句、左だろうと決める。

それに向かって登って行くが、途中からナチュプロしかランニングが取れないのでなんか違うなあと思いつつ怖い思いをしてビレイ点に着く。

瀧島さんにフォローで来てもらったけど、違うようだと。

確認のため、瀧島さんに次のピッチを少し登って頂いて確認してもらう。

結局、違うと断定。

こんな時はさっさと敗退しようと河原まで降りた。

河原から、よくルートを観察してみると右のビレー点が正解だった。

今回、(いろんな意味で)駄目な私のせいで瀧島さんに迷惑を掛けてしまって本当に申し訳有りませんでした。

しばらく、ひなたぼっこして、渡渉の練習をして帰りました。

反省。

 

明星山 P6南壁クイーンズウエイとクワトロ

2002年4月27日から2日間
中嶋、宮川、瀧島(記)


春の明星山 P6南壁クイーンズウエイとクワトロ

今年は2月以降がかなりの暖冬だったために、桜も記録的な早い時期での開花してしまい全国的に春は足早でやってきた。

雪の少ない春の雪山より新たな刺激を乾いた岩に求めることにした。

メンバーが4人の集まり、1日づつ相手を変えて、3日間でひとり3本登る計画を立てた。

春の明星山では毎朝の小滝川の沐浴から始まる。

秋ならば飛び石伝いに簡単に渡れる小滝川も雪解けで増水すると渡れないこともあるそうだ。

ルートの事ばかり考えていたので渡渉の事はあまり考えていなかった。

初めに中島が渡渉にトライしたがビビッて戻ってきた。

川を渡れなければ南壁は見るだけだ。

気合が入って、ロープを引張って激流を流されながらのクロールで対岸にたどり着くことができた。

後続は上流の木を支点にしたテンショントラバースで無事に渡れた。

P6南壁の場合、林道から登るルートを観察することができる。何回か南壁を訪れていても多くのルートが入り乱れているし、トラバースが多いルートが多いので下見は重要だ。いきなり取り付いてルート図首っ引きで登るよりも下見で目的物を確認しておいてから取り付かないと「俺は今どこにいるの?」こんな状況に陥りかねない。

今回も事前に壁の観察を入念にしておいた。

 

4月27日

快晴 クイーンズウエイ 中島、瀧島

スタート10時15分終了15時30分頃

このルートは87年の10月にも登っている。

その時は石灰岩の岩場の面白さと難しさを思い知った。

今回は15年ぶりだ。

前回はルート図首っ引きで大きな南壁の中を右往左往し、3ポイントA0した。

さて今回はと言えば2ピッチ目の核心部Ⅵ-でノックアウト。

情けない。

対岸の林道からの入念な下見のおかげでその後は順調にロープを延ばす。

中央バンドで大休止。

フリースピリッツを登っている倉田、宮川パーティーもほぼ同時に中央バンドへ着いた。

春の連休だと言うのにこの壁は貸し切りだ。

林道の観光客には見上げてくれる気分は悪くない。

ところで今日のパートナーの中島とは久しぶりにロープを結び合うがしばらくの間ボルダーで鍛えて以前に増してパワーアップしているので心配はない。

彼は当然オールフリーで登りきった。

さてクイーンズウエイは下部よりも上部がおもしろいように思う。

中央バンドからの3ピッチは目標物が少ないフェースにロープを延ばすが、弱点を見出すクライミングセンスが必要だ。

上部のⅥ-はなんとかフリーでこなせた。

全11ピッチ、結果はともあれ楽しめた。

久しぶりの明星、久しぶりのロングルート、乾いた岩、小さな幸せを感じた。

今度はオールフリーで登りたい。

フリースピリッツのパーティーと一緒に下る。

大岩の上の松ノ木からの下降路は以前に比べて安定したように思えた。

 

4月28日

快晴 クワトロ 宮川、瀧島

スタート9時15分終了16時30分

トップは空身、セカンドが二人分の水、食料、靴など最小限の荷物を背負う。今回はすべてこのスタイルで登った。

初日にクイーンズウエイを登って後、クワトロを観察しておいた。前日にはオールフリーに失敗しているので今日こそはと、気合を入れて取り付いた。

1P目宮川、フリースピリッツの1P目と同じで左上する草付バンドを35m見た目より難しい。Ⅲ+40m。

2P目瀧島、テラス右のフレーク状からフェース。エイリアン、キャメロットが気持ちよく効く。Ⅴ-25m。

3P目宮川、スラブの中のバンド状を左へ。ぎりぎりのバランスでさらに左のクラックを掴む。直上後ハング下を右にトラバース。絶妙のラインだ。Ⅴ+30m

4P目瀧島、頭上のハングを左から回り込みバンドをつなげて下り気味のトラバースでクイーンズウエイのビレー点へ。Ⅴ35m。

2ピッチ目から4ピッチ目まではスラブ帯の中にフレーク、クラック、バンドと見事に継ぎはぎした抜群のセンス。

5P目宮川、枯れ木テラス目指して快適に。20mⅣ+すぐ隣ではマニュフェスを登る薫嬢が悪戦苦闘していた。

6P目瀧島、左が被った凹角を登る。Ⅴ-20m。

7P目宮川、スラブを直上。Ⅲ20m。

8P目瀧島、ハング右のスラブⅣ+からガラガラの中央バンドを左上。8、9ピッチを一緒に登る。50m。

ここで大休止。水飲んで、パン食って気持ちを落ち着かせる。

5Pから8Pまではクイーンズウエイと同じラインだ。

9P目宮川、右のピナクル目指してバンドをトラバース後、凹角を登る。ⅡからⅢ50m

10P目瀧島、右下のルンゼ状へⅡ10m。

11P目宮川、ガラガラのルンゼを進みハングを左から、バンド状を右に移りクラック。Ⅴ30m。このあたりから岩がトゲトゲしてきて手が痛い。

12P目瀧島、バンドを右に回り込んでハング上のテラスへ。Ⅲ20m。

13P目宮川、ハングの間の凹角を目指してフェースを登り、その凹角を豪快に越す。さらにフェースを右上気味に登り、リッジを右に回り込んでスタンスへ。50mⅤ。コールは全く聞こえない。

14P目瀧島、いよいよ核心部。目の前のハングを右上に超えていく。ハング下でランナーを厳重に取ってから、ホールドをまさぐると意外とでかい。これなら大丈夫、気持ちを落ち着かせて確実にムーブをこなす。ハング上の安心な太さの木でビレー。すばらしい高度感の5.10b20m。

15P目宮川、傾斜は落ちるが弱点を突いてロープを延ばす。Ⅲ+45m。

16P目瀧島、易しいリッジⅢ50m

前日のクライミングで自分の体は自然の岩にも高度感にも慣れてきたようだ。前日はⅥ-を登れなかったが、今日はⅥ+をきれいに登れて大満足。ロングフリーを満喫できた。

下部のスラブ帯でのライン取りは絶品だ。すでに数本のルートが絡み合うこの壁でこんな素敵なライン残されていたなんて。ルートの内容だけならばフリーでの初登ルートのフリースピリッツ以上に感じてしまった。それほどすばらしルートだ。

残置支点は比較的少ないのでカム、ナッツ類を有効に使えて、岩は思った以上に堅い。今回は事前に林道から下見をしてから取り付いたけれど、やっぱりルート図と首っ引きだった。それでもこれだけの満足感。ちなみにルート図は岩と雪のビックウオールコメンタリーのものが使えた。みんな持っている日本の岩場のルート図はイマイチかも。

ところでアルパインルートの場合、これでもかと思うほどのモロガバのホールドは剥がれそうな気がして安心して掴むことはできません。石灰岩の明星はこの手のモロガバのホールドの宝庫です。みんなに聞いてみると、怪しそうなモロガバのホールドは避けているようです。細々とクライミングを続けてきて、自分のモロガバホールドに対する認識がきわめて正常であった事がわかりました。

 

明星山 P6南壁マニフェスト

2002年4月28日
倉田、中嶋(記)


マニュフェスト 12ピッチ(9:15-17:00) 中嶋 倉田

今回の目標のひとつ、長いこと憧れていたルートでもある。

前日に双眼鏡を使って対岸からラインとビレーポイントを予習しておいたので、全体的なライン取りについては問題なかった。

ただ、偵察のときは懸垂下降用の支点が目立つので、残置スリングの無いビレーポイントについては見過ごしてしまい早めに切ってしまうことがあった(3ピッチ目の終了点)。

快適なフリーのルートという先入観があったが、ペツルなんかは全く見かけず、支点が不安な中そこそこのムーブをこなしていくのはなかなか刺激的であった。

ナチプロは有効だけど、石灰岩は表面がイレギュラーなのですわりが悪いことが多く、これもまた少し怖い。

以下ピッチ毎の概要(グレードは体感のもの)。

1ピッチ目(3級)中嶋
取り付きは新しいリングボルトが2本打ってあるところよりも、一段右上のテラスからスタートしたほうがいい。ほとんどピンが無く、またシーズン始めということもあり砂利がたまっているので慎重に行く。

2ピッチ目(5.8位)倉田
クイーンズウェイから分かれて右にトラバースする一手(一足)がちょっと難しい。

3ピッチ目(5.10b)中嶋
傾斜は強いけどホールドは堅く非常に楽しめる。トポによっては2つのピッチに分けているがラインもまっすぐなので1ピッチ分でまったく問題ない。ただ、終了点を最後のハングのすぐ上の懸垂下降用の支点で切ってしまわず、さらに8m程伸ばしたところで切らないと次のピッチがしんどくなってしまう。次ピッチで倉田さんにはつらい思いをさせてしまった。

4ピッチ目(5.10+?)倉田
途中からライン取りが分かりづらくなり、フォローした感じではこのピッチが最難に感じた。本当は左に出る部分ボルトラダーをはずれてもうさらにトラバースするのではないかと思いつつフォローしたが、正直いって判りづらかった。倉田さんの苦労がしのばれる攻撃的なラインではあり楽しめたが。

5ピッチ目(5.8位)中嶋
下部城塞を越える部分が少しもろく感じたが問題は無い。スラブの部分もロープを伸ばす。

6ピッチ目(5.7位)倉田
クイーンズウェイやクワトロとも重なる正面壁の交差点のようなピッチ。壁はわれわれ2パーティの貸し切りだったのにここでわざわざ渋滞してしまった。いいピッチだと思う。

7ピッチ目(5.10a)中嶋
上部城塞、傾斜が強い割には岩がもろくて、グレードにかかわらず最も厳しく感じたピッチだった。この辺だけ岩の質が違うようで、割れ方がチャートのようでピンもほとんど当てにならない。

8ピッチ目(4級)倉田
ピナクルを目差して右上してからまた左上していく。

9ピッチ目(4級)中嶋
トポにあるフリースピリッツと共有するビレーポイントが見つからないので、三日月ハング下の安定したビレーポイントで切る。鷹ノ巣ハングの真下になり、次のピッチのビレーにもそれほど問題ない。

10ピッチ目(5.10d)中嶋
はたしてラインがあっていたのかどうかちょっと自信がないのだけど、フリーで行けたのでいいのでしょう。洞穴に直下の垂壁にボルトラダーが右端と左端に2本あり、どちらをたどればいいのかわからず迷った挙句、ランペ右上後左にトラバースして左のボルトラダーから越える。迷った分時間をかけてしまったが、ここまできて全オンサイトを逃すのも悔しいので頑張ってしまった。倉田さんありがとう。洞穴は屋根がでかい。軒下から下を覗くと小滝川が小さく見える。

11ピッチ目(5.9位)倉田
トポでは5級たすになっているけど、迫力やプロテクション等考えてももう少し難しい気がする。迫力の天井軒下トラバースも怖いが、実はその先がもっと怖い。そろそろ気力的に疲れてくる中よくリードしてくれたなあという感じ。

12ピッチ目(4級位)中嶋
トポでは前のピッチまでしか記述が無くて、すっかり気を抜いてしまっていた分悪く感じた。なにしろ特長が無くてライン取りがまったくわからない。50mいっぱい伸ばして木のあるところまで行って終了。

このあと下降路の松ノ木まで行くのにもシーズンはじめのせいか踏み後もはっきりせず楽ではなかった(先行パーティがはまっていた)。

目標どおり全ピッチノーテンションで抜けることができたので、もう一回登る可能性は低いだろうなあ。もろい部分がおっかないし。

でも、この手のロングフリーが好きな人にはおすすめの逸品です。

 

明星山 P6南壁

2000年11月23日から3日間
森広、柴田(記)


季節的に若干遅すぎるかという気もしたが、最近は冬の訪れが遅いのできっと大丈夫ではないかとの期待でもって勤労感謝の日を使った3日間で明星山を目指した。

明星に関しては森広さんは遠い娘時代に一度行った事が有るだけ、私は初めてである。

11月23日

減水待ち

急行アルプス号で信濃大町・南小谷と乗り継いで小滝駅に降り立つと目の前に真っ白な明星山が現われ二人とも呆気に取られる。

履き物はボロスニーカーとニュートンだけなので転進も考えたがP6は大丈夫かもと僅かに期待しながらヒスイ峡に向かい歩き始めるとP5、P6が黒々とした姿を現し「なーんだ、これなら登れるジャン」と二人して急に明るい気分になる。

ヒスイ峡キャンプ場にBCを設営し、「今日は手始めに左フェースでも行きましょう」

と小滝川に降り立つ。

しかし流れが急で渡れない。

左ルンゼの押し出しあたりを目標に何とか徒渉のラインを目測し中州まで渡る。

森広さんも腰上迄浸かりながら続くがあやうく流されかける。

中州から対岸を見るとまだまだヤバそうな所があるので泣く泣く本日の登攀を諦め引き返す事にした。

帰路は柴田もフリースの胸まで浸かり森広さんはロープで確保されて何とか帰還。

二人ともビショビショである。

仕方ないので日当たりの良い駐車場で濡れたものを乾かしつつ日向ぼっこで一日中過ごす。

この辺りを縄張りにするドラネコに柴田は行動食のパンを1つ盗まれたが、このドラネコ、森広さんの昼食の入った袋はなぜか一跨ぎで去ってしまうのでした。

11月24日

クイーンズウェイ2Pの後左フェースへ

朝8時過ぎにBCを出て小滝川に再度降り立つ。

今日はクイーンズウェイを登るつもり。

前日と比べると大分水量は減って透明度も増している。

膝くらいまででなんなく渡りきり、身繕いをしてクイーンズウェイに取付く。

1P目(柴)草付交じりのフェースを左上。

残置少ない。

2P目(森)クラックを直上する5.9のピッチだが、ヌレヌレで足が壁に置けず登れない。

柴田に交代してトライしてみるもフリーでは登れず。

この程度でマゴついているようでは明るいうちに終わらないかも、とあっさり左フェースへ転進する事に決める。

乾いていれば楽しそうなルート。

フリーで登れるコンディションの良い時にまた来よう、と森広さんと話す。

左フェース(11:00 ~ 16:10)

1P目(柴)バルジを上のガバを頼りに越えるとあとは容易なリッジ。

バルジのすぐ上に新しいピンが打ってあり15mでビレーポイントに出る。

2P目(森)上部のフェースではなく右のカンテを越えて右上。

3P目(柴)フェースを右にトラバースし5mほどブッシュを掴んでクライムダウンし更に右へ右へとトラバースし狭いフェースを直上すると大きなテラスに出る。

50mいっぱいで潅木とピトンでビレー。

4P目(森)草まじりの階段状のフェースをやや右上に登る。

途中森広さんは袖からトポを出して何度もラインを確認している。

なーるほど、袖にトポを入れるのはなかなかうまいアイデアと感心。

5P目(柴)カンテを越えてしばらく右に進んだが判然としないので結局元に戻り直上。

残置はピン1つしか無くあるいは正規ルートを外したかもしれない。

松の大木でビレー。

6P目(森)ブッシュ帯を左上。

ルートファインディングが難しいのか悩みつつ抜けている。

このあたりでだいぶ日が陰ってきた。

残り時間が少ない。

7P目(柴)左に10mほどブッシュ交じりを登ると左岩稜の明瞭なリッジに出てピッチを切る。

8P目(森)Ⅱ~Ⅲ級の容易なリッジ。

9P目(柴)傾斜のゆるい凹角を登る。

10P目(森)左に10m弱トラバースして大木に黄色のテープが巻かれた終了点に達する。

踏み跡を右へ右へ下るが途中でヘッデンモードになる。

小滝川は土管用の橋を渡り、土管に馬乗りになってぬれることなく対岸に帰還成功。

キャンプ場でローソクを灯して夕飯。

ドラネコがメンバー面してテーブルに現れたが「シッシッ」と追い払う。

11月25日

フリースピリッツ(4P目まで)

本日は午後3時頃のJRで帰る必要があるのでBC撤収を午後1時30分として、昼頃までしか登れない。

森廣さんと相談のうえフリースピリッツを登れる所まで登り時間が来たらそこから引き返す事とし8時前にBCを出発。

1P目(森)ブッシュ混じりバンドを左上。

ランニングはブッシュで。

2P目(柴)バンドの上の小垂壁を登り更に左のビレーポイントまで。

3P目(森)大まかな階段状から凹角、ついでクラックを登る。

登っていて気持ちの良いナイスなピッチ。

4P目(柴)頭上にはボルトラダーが見えるが左のテラスにビレーポイントが見え、それに吸い寄せられるようにスラブを左にトラバースしてジェードル状を登りテラスに辿り着いてランニングを取る。

ルートは左のハングの下端に沿って右上するように思えたのでブッシュを利用しながらその通り登るが残置が全く無く、キャメロット#0.75でランニングを取った後さらに進もうとかぶったフレークを使い一歩上がった所で手にしたレンガ大のフレークが壁から剥離、森広さんにコールした上で下に落とす。

時計を見ると既に11時30分近いので森広さんに了解を求めた上でここまでとし、テラスまで慎重にクライムダウン。

(帰宅後「日本のクラシックルート」を見たら4P目はボルトラダーのラインの右を登るとあり、ここでルートファインディングをミスっていたのかも知れない。)

3P目終了点から懸垂2回で小滝川の河床に降り立つ。

まあクイーンズウェイもフリースピリッツもとても面白そうな事が分かったのでまた来年コンディションの良い時にきっと来ようと明るい気分で南壁に別れを告げる。

BC撤収中にドラネコが例によってもの欲しそうな顔をして現れたのでパンの残りを分けてあげる。

小滝駅は何時の電車かなと時刻表のコピーで確認したら1時間後である事がわかりスタコラと駅までの道を戻り、発車の10分ほど前に辿り着いた。

● 天気は3日とも良かったのですが、壁はしみ出しがあるのか、濡れている部分も有りました。

石灰岩なので濡れているととても滑りやすい。

● それを除けば壁の状態は良く、また他のパーティは全くいませんでしたので落石への懸念も無しで、明星を登るには結構良い時期かもしれないと思いました。

● ただし日は短く5時にはヘッデンが必要になるのでスピーディに壁を抜ける事が必要なようです。

 

明星山 P6南壁 左岩稜

2000年11月11日から2日間
三好、他(記)


今週末は大学山岳部の人達と明星へと思っていたら、土曜は日本海側が雨。

違う場所に行こうかと、S氏に電話をかけると、「本ちゃんじゃないと意味がない(1年生が本ちゃんをまだやっていないそうなので)。現役は三つ峠や小川山は何回も行っているから(実は行っていなかった)。」と言う。

でも、「土曜は確実に登れる場所にして、それから移動しても・・・」と言っても、金曜の夜から明星に行くのだと人の話に耳を貸さない。

なんて頑固なの奴なのだ。

11月10日(金)

八王子10時集合。

ここまでが核心であった。

眠い、とにかく眠い。

S氏に運転を変わって、がーが-眠る。

長野までは晴れていたが、白馬まで来ると、ざんざん降りの雨。

H君に運転がいつのまにか変わっており、車の後ろをガードレールにぶつけたショックで目が覚めた。

それほどひどくはない。

よかった。

H君、出世払いでよろしく。

とにかく雨が強いので、とても絶望的な気分になって、S氏に喧嘩をふっかけるが、私の戯言には耳も貸さない。

また、腹が立つ。

キャンプ場にはさすがに誰もいないので、売店脇にテントを張り、ビールを飲んで寝る。

11月11日(土)

朝から雨。

糸魚川に移動し、日本海を見てこようということになる。

糸魚川の観光案内所で、魚がうまい食事処を紹介してもらい、昼飯。

雨が止んだとしても、川が増水して渡れなかったらいやだし、これから移動しようかといった話になる。

S氏の「俺は明星に残る。」

という発言に、皆、疑心暗鬼になりながらも、折れる。

焼山温泉に移動し、温泉に入り、卓球をして、ソファで仮眠する。

懐かしい感じのする温泉であった。

夜はキャンプ場に戻り、和田君が持参したモツ鍋を囲み、ビール。

11月12日(日)

一応雨は降っていない。

昨日までの濁流がうって変わって、水が引いていて、徒渉も楽そうだ。

先週は腰までの徒渉になったというので、背の低い私じゃ、胸くらいまでになって徒渉できないかもしれないと不安だったが、よかったよかった。

まだ乾かないだろうということでのんびり出発。

いつのまにか先行パーティが取り付いている。

飛び石伝いに取り付きまで行き、準備する。

とりあえず、他は岩が久しぶりな人達と本ちゃん初めての人達なので、私が1、2ピッチをリード。

ザイルをつけて登り始めようとすると、ビレイの準備をなかなかしてくれない。

私はいつも一番とろくて、急かされる立場なので、なんだかのんびりしている山岳部の人達を見ると不思議に思う。

1ピッチ目はV-というがそんな感じはしない。

リッジに出てすぐのビレイ点できる。

2ピッチ目。

右にトラバースして、左に戻るといったルートをたどる。

なんだかもろそうなので注意して登るが、途中、残置ハーケンにプロテクションを取ろうと思うと、チビな私には今ひとつ手の届かない場所がある。

届かん、届かんと頑張ってたら、スタンス全体が大きく崩れてがらがら落ちてゆく。

怖かった。

それからはビビリが入って、さらに慎重に進む。

3ピッチ目は現主将のH君にリードさせたいとのことなので交代する。

ザックを代わりに背負ったら、何が入ってるのかわからないが重い。

3ピッチ目の終了点は狭くて3人居られないと言って、ずっと待たされる。

さっき登り始めた人達はすばやくてあっと言う間に追い付いてきた。

後ろのパーティも4人パーティなので入れ替わるのも難しい。

すいません、すいませんと言いながら、世間話を楽しんでしまった。

白馬から来たというとても気さくな人達でよかった。

そのうち日が当たって、岩も乾き始める。

暖かくていい天気になった。

やっと登っていいよと声がかかる。

リズミカルとはいい難い人工で登る。

後発パーティの人が、以前このピッチをリードした時、ボルトが抜けてかなり落ちたことがあって、それ以来トラウマなんですよね、なんてことを言っていたので、ちょっとビビったがさすがにフォローは気が楽だ。

4ピッチ目、フリーで行けるかと試すが、駄目。

荷物が重いせいにして、素直に人工。

もう、後発パーティも待っているので、人工ばしばしで登った。

あとは、岩を落とさないように登って、上に到着したのが14:30くらいで、テープに従って、下りたのが15:30くらい。

雨に濡れていたりしたら、嫌だろうなぁと思うような下降路だった。

とりあえず、登れたので嬉しかった。

何がなんでもというS氏をたまには誉めてあげよう。

さすが、若い(?)頃、この人について行くと殺されると言われただけの頑固さ(無謀さ)だけあった。

 

 

明星山P6南壁 フリースピリッツ、左・右岩稜

1995年10月28日~10月29日
瀧島、大橋(さ)、中嶋、板橋

10月28日

晴れ

フリースピリッツ(板橋、中嶋)

取り付き9:30頃~終了14:30

西面下降路を下りBC着16:30

5P:クライムダウンのピッチ、支点が少し不安定で緊張する。

6P:下部核心となっているが岩は堅く面白い。

10P:この辺はルートがわかりずらく、少しルートをはずした

11P:すごい高度感のあるトラバース

12P:全ルート中の核心。岩は堅く支点も多い。

快適。実質ここで終了

右岩稜(瀧島、大橋)3P目でセカンドがスリップ。そのまま下降。

10月29日

晴れのち雨

左岩稜(全員) 4P:5.8~5.9がかなり面白い。松ノ木テラスまでで実質終了。同ルート下降。

今年は6月の集中豪雨のせいか西面下降路があまり安定していなかった。これからいっぱい踏まれていけばよくなるだろう。目印の赤テープは色あせてわかり難いので、ヘッデン下降はかなり難しいと思う。