2002年5月26日
木下(日本山岳会青年部)、一ノ瀬、瀧島(記)
このスラブは土樽の毛渡沢橋付近から良く見える。
これがまた、けっこうでかいんだ。
なぜか惹かれる存在なので駄目元で行ってみることにした。
大滑沢出合に車を置いてタカマタギの懐にあるこのスラブに向かった。
駅前と言ってもアプローチには1時間位かかった。
大滑沢をつめるといきなり右岸に傾斜の緩いスラブが広がる。
雪渓の上を歩いてからスラブに移りフラットソールに履き替えた。
真ん中の藪尾根で右側と左側に別れている。
まずは右のスラブ。
緩傾斜なのでロープはどんどん延びる。
ロープがいっぱいになるとビレーャーも動いたので4ピッチで右スラブを終了とした。
振り返れば足拍子と荒沢山がゴーキョ手前あたりからのカンテガとタムセルクのように見えた。
ちょっと褒めすぎかな。
かたやクーンブに君臨する世界的な名山、かたや越後のチンケな迷山?そんなことはない。
俺にとってはやっぱり足拍子と荒沢山がいとおしい。
カンテガやタムセルクはでかすぎて、とんがりすぎて、難しすぎる。
中央の藪尾根を懸垂4回でスラブの中央付近まで戻った。
次は左スラブに向かう。
2ピッチ左にバンドを辿ってのトラバースをしてから4ピッチ直上した。
左スラブは傾斜が少し増して5級クラスのピッチも出てきたが、フリクションも効くので問題ない。
セカンドはわざと難しいラインにトライしたりした。
最後に泥壁を左上して尾根に出て終了。
尾根を少し下ってから白板スラブの裏側のスラブに下る。
スラブをクライムダウンして(途中懸垂1回)あとは沢を下って車に戻った。
沢からのアプローチ、思ったとおりのスラブ、藪漕ぎ、ルートファインディングと、いかにも上越という山を堪能できた。
車に戻って毛渡沢橋付近から登って下りたスラブを満ち足りた気持ちで眺めた。
駅からアプローチ1時間で平和なスラブ登り、たまにはこんな山登りも楽しいよ。