天竜川水系 遠山川支流・諸河内左俣

2019/7/6(土)~2019/7/7(日)
中和(記)、谷水

コースタイム:
7/6(土) 芝沢ゲート(08:06) – 諸河内出合(08:46) – 二俣(10:46) – 第1ゴルジュ入口(11:11) – 第1ゴルジュ出口(18:23)
7/7(日) 第1ゴルジュ出口(05:41) – 三俣(06:52) – 第3ゴルジュ入口(09:01) – 主稜線(12:04) – 加加森山(13:01) – 矢筈山(16:15) – 諸河内出合(17:53) – 芝沢ゲート(18:45)

行動記録:
7/5(金) 雨
前日夜行。芝沢ゲートに着いたのは2時半。前夜祭せずに落ちる。

7/6(土) 曇りのち小雨
早起きに失敗して出発は8時過ぎ。芝沢ゲートから先の林道は崩落しているとのことだが、まぁ自転車なら何とかなるさ・・・と思っていたが、林道は路盤ごと消滅しており何ともならなかった。ゲートから1km足らずで自転車を残置して諸河内まで歩く。

林道下の遠山川はゴーゴーという音を立てながらミルクコーヒーのような液体を下流へと送り出しているが、幸いにも諸河内には濁りはない。二俣までは多少の小滝がある程度で遡行に障りは無いけれど、左俣に入るとすぐに第1ゴルジュとなる。

【第1ゴルジュ】
このゴルジュは側壁が立っており高巻きも悪い。挨拶代わりの3連瀑からゴルジュが始まり、これを巻いた先にも10m程度の滝が連続する。ここは2ピッチで小さく巻くように登った。

入口の3段滝 (高巻き)
12m滝 (フレーム外の右凹角を2ピッチで悪い高巻き)

適当にトラバースして懸垂1回でゴルジュ内に戻るが、すぐ上が7mの斜瀑で、その上は高い側壁が守る直瀑。これは歯が立たない。沢に戻って早々に再度高巻きモードに入るが、この巻きも悪い。藪リッジを2ピッチ、30分以上のトラバース、懸垂3回で沢に戻った時には18時を過ぎていた。ゴルジュを抜けるのに7時間以上かかった計算になる。降りた場所は、第1ゴルジュの出口のミニ河原で、ここに泊まった。

7m斜瀑 (ここから第1ゴルジュ出口まで大高巻き)

7/7(日) 晴れのち小雨

【第2ゴルジュ~】
小滝を適当に越え、右岸支流からの4段大滝を見送ると第2ゴルジュが始まる。滝が10個くらいあるが、ロープ無しで登れる癒し系ゴルジュ。

ゴルジュを抜けて三俣(1570あたり)を中央に入ると、すぐに沢が右に折れ曲がり3段30m滝。1段目は何てこと無く、2段目も高さはあるが簡単に見える。谷水さんがロープを無しで取り付くが、ワンポイント悪いようで降りてきた。高さがあるので確保してもらい2ピッチで抜ける。

3段30m大滝2段目(右壁を登る)

【第3ゴルジュ~】
大滝の上は、1つの大きな滝のように見える連瀑帯だが、構成する滝1つ1つは簡単。連瀑帯の上は、またもやゴルジュ(第3ゴルジュ)となり、入口の滝は登れずに右岸を高巻く。ゴルジュ内にダメ押しとばかりに20m超の滝まで掛けており、うかつに降りられない。しばらく尾根を高巻き続け、側壁が緩くなった隙を見て沢へと滑り込む。

沢に戻ると真っ赤なチャートの3段20m滝となり、これを越えると沢幅を狭めながら小滝が連続する。延々と続く滝にいい加減ウンザリしてくる。ゴルジュを抜けて最後に2段16m滝を登ればようやく滝が消滅。水流も急減して2150mあたりで水が枯れる。沢型が無くなったところで右側の尾根に逃げると、藪こぎもなく主稜線のコル。

第3ゴルジュ

下山路は、加加森山と矢筈山を経由して諸河内出合に戻ったが、加加森沢右岸の尾根は、途中まで踏み跡がわかりにくい。1900m付近からは明瞭な道が出てきて親切仕様になったなと思ったら、矢筈山手前のコルからはモノレールまで設置されている。ゆとり登山道。レールに沿って何も考えずに進めば諸河内出合(仏島)に降りられる。

遡行図:
チャートで構成された赤い渓谷は、固い岩質でヌメリも無く爽快。滝は大小40を超え、第1ゴルジュから源流まで延々と滝が続く。内包する3つのゴルジュの内、第2ゴルジュ以外は水線通過は難しい。

遡行図

ロープはダブル60mを1本だったが、2本あってもいい。使ったプロテクションは、ハーケン(薄刃/アングル)、マスターカム(#1、#2)、トライカム(#0.5~#2)。持ってきたプロテクションは、ほぼ全種類使った。残置や人工物(堰堤/ゴミ)は皆無で、想像以上に面白い沢だった。

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しょがっち。谷水さんも「シュワッチ」と呟いていたが、この名前は何なのか。南アでは「河内」は沢・川といった程度の意味なので、諸河内は諸沢と理解すれば良さそうだ。じゃあ「諸」が何かという話だが、アイヌ語で滝を意味する「ショ」に由来している(・・・と思う)。ショの沢 (所の沢/諸の沢/初の沢)という名前は東日本各地に見られ、南アだけでも4つ「ショ」の沢が存在する。 それらは、滝を多く掛けていることも、何となく同じ由来があるように思うのだが。