谷川岳天神尾根(雪上訓練)

2017年12月3日(日)
赤井(L)、小池(記)、高嶋、柳川、山崎、谷水、柏舘(合計324歳)

赤井さんが企画してくださり、本年も谷川岳天神尾根雪上訓練が実施されました。以下にご報告します。

前夜泊組の、赤井さん、柳川さん、高嶋さん、柏舘さん、小池の5名は22時頃に土合集合。他にもう一組がいるだけでスペースは充分にあり快適だ。
酒、つまみを持ち寄り、テントでなごやかに宴会中、ピンポン玉くらいの小ねずみの来訪があった。足もまだ遅いくせに警戒心がなく、テント周囲をしばらくウロウロしており愛らしかったが、食料の管理には要注意だろう。
翌朝、山崎さん、谷水さんとロープウェイ乗り場で合流。最終便に間に合わない場合があるため、片道だけの購入にするのが良いらしい。

9時過ぎ、天神平で降車すると雪不足の不安も一気に解消、一面の雪に迎えられ心が踊った。赤井さんを先頭に、若手陣が続いてハイペースで天神尾根を一気に登っていく。


無風、雲もない紺碧の晴天に汗をかきつつ振り返ると白い浅間山、富士山まで綺麗に冴え冴えと美しい。

10時半頃、天神ザンゲ岩にザックを置き、近くの斜面で雪上訓練。
1)滑落停止
2)3名づつ2班に分かれ、肩がらみ、腰がらみビレイ
12時半から13時頃まで昼休憩後
3)スタンディングアックスビレイ
4)雪上での支点構築(スノーバー、竹ペグ、土嚢、ブッシュ等)
訓練終了
15時撤収
15時45分ロープウェイ天神平駅着、下山後解散。

滑落停止。滑落はまず、しないことが一番。次にピッケルを刺し、型はどうあれとにかく初期段階で止めることが重要。


ビレイでは、バケツを掘り足場をつくって、上部に垂直よりやや角度をつけ打ち込んだスノーバー2本でセルフをとり、腰がらみ、肩がらみ等を立ったり、座ったり、重心や向きを変えて繰り返し練習して確認した。


掘り固めたバケツの足場がしっかりしているかどうかと、体重差や落ち役の落ち方の上手下手によっても、滑落を止める難度は大きく変わることを体感できた。山崎さんは不意落ちの動きもうまくてビレイヤーは引きずり落とされてしまうのに、私が懸命に転がり落ちても柳川さんは絶妙ソフトに止めてくれて微動だにしないのだった。斜度がないため、もっと勢いをつけ駆け下りる等、負荷を強くしなくては練習にはならなかったのではと思い申し訳なかった。
肩がらみのビレイではロープを流すことで衝撃を吸収すると教えていただきつつも、不意に墜落がくると、ガツンと止めてしまいがちであった。


対して、午後の訓練でのスタンディングアックスビレイでは、カラビナを介して間接的になるためか、より安定してロープを流すことができ、力のかかり方の比較もできたように思う。


ヤッケの肩はかなり擦れて熱くなり、雪訓なので2軍装備でとの指定に納得した。
立ち位置での肩がらみは、体を棒のようにまっすぐに、ロープを体前に保持して摩擦を大きくすること、手繰り時もすぐ制動できるよう手の位置に気をつけること、とのアドバイスを頂く。

のち、支点構築の練習にうつり、まずスノーバーを使って、打ち込み角度と向きを確認しながらアンカーを作った。柔らかい雪ではV字の開放部を谷側に、硬いときは逆に打つというが岳連の行った実験では保持力の差がなかったらしく、セットしやすい向きでよいらしい。雪が硬く埋めきれないときは、露出しているスノーバー上部でなく雪面でタイオフする。いずれにしても連結するスリングは溝を掘ってセットし、アンカーが脱落しにくい下部の方向へ加重がかかるように気をつける。などなど、支点をより抜けにくく、強くする方法を様々実践した。富山県警では摩擦を高めるため、スキーのシールも使っているとの話をうかがっていたら、柳川さんが自作の現物を持っておられ、見せていただく。バーの幅に合わせてカットしたシールを貼ったとのことで、かなり引き抜きへの抵抗が増すようだった。
竹ペグは十字に重ねスリングをかけ埋める角度を変えて強度の変化を確認した。加重に対し直角にしないと、上から踏んでいても抜けてしまうなど、セット次第でかなり脆弱になることもあると感じた。


竹ペグ支点の崩壊による滑落事故の実例もうかがい、支点強度の重要性を再認識する。会に新人が入り人数が増え、活気が出てくる、丁度今のような頃合いは危ないと経験値で感じる、とのお話もうかがった。長く第一線で山をやっておられる赤井さんならではの重みある言葉に、身が引き締まる思いがした。
続いて土嚢に雪をつめ、スリングで縛り、掘った雪穴に埋め、溝から出した先端へロープを通して懸垂下降を試した。竹と比較すると、こちらはかなり安定感を感じる。


このほか、ブッシュをスコップで掘り出し、笹の枝の根元近くを束ねたクレイムハイストでも良いアンカーが得られることを確認した。


最後に、スノーボラードの概念を教えていただき、訓練終了。美しい晴天の谷川で、新しい仲間との楽しい交流もでき、充実した1日であった。

赤井さんの長く深い経験に基づいた知識、技術を分けていただいた、今回の機会に感謝しています。これからも技術と知識を身につけ危機管理能力を高め、山に向き合っていきたいと感じました。ありがとうございます。

北ア 錫杖岳前衛壁 注文の多い料理店、左方カンテ、1ルンゼ左

2017年9月30日~10月1日
野澤、川上(記)

ずっと行きたいと思っていた錫杖岳。野澤さんも「注文」を狙っていたことを知り、休みを合わせてぜひ行こうということになった。金曜夜発で、午前1時半頃に道の駅。翌朝は4時半起床で、5時半頃に槍見温泉の駐車場を出発した。幕営地の錫杖沢出合には7時頃。少々冷えるが、天気はバッチリだ。

初日は、まず今回の大目的であるところの「注文」に向かう。8時半頃、1番乗りで取り付きに着いたが、すぐ後から続々と2パーティーほど集まってくる。9時頃登り始める。つるべで登ったので、奇数ピッチが野澤さん、偶数が川上。
1p目、Ⅳ
簡単なフェース、アップになる。

2p目、5.8
少しトラバースして、上のテラスへ。

3p目、5.8
このピッチが核心。ハングを乗り越すところで力を使う。ジャミングで行くのか、フェースムーブで行くのか、初見では、悩みどころだ。野澤さんはスパイダーマンみたいに壁を背にするすごいムーブで登っていた。乗り越してからも距離があり、リードするには、結構緊張するだろうが、野澤さんは、さくっと終わらせる。川上も「フォローで時間はかけられない」との思いで、フォロー特有の思いきりの良さをいかしたレイバック気味のムーブで乗り越した。

4p目、5.8
テラスから、快適なダブルクラックをフェース登りで。ブッシュがうるさい壁を越えて終了。上部はルートファインディングに少し悩む。

5p目、Ⅳ+
スラブ。左上にキラキラ光るハンガーボルトが一つ。野澤さん「あー、ハンガーがある」とポツリ。使っちゃうのかな、と思いきや、ボルト使わずに、10メートル近いランナウトで解決。さすがです。全ピッチ通してオールナチュプロで登れました。

6p目、Ⅲ
あまり記憶なし、簡単だったので。すぐに頂上に抜けた、はず。

前衛壁の頂上は、草むらになっていて、西穂から槍まで一望できて、景色も最高だった。ここで正午頃。握手を交わして、しばし休憩した。日が当たりポカポカ、なんか和む、気持ちいい。その後、懸垂で同ルート下降したが、下から続々とパーティーが登ってきて、4ピッチ目のテラスでかなり待った。結局下まで2時間くらいかかる。計6パーティーくらい取り付いていたのでは?注文の多い料理店は、やはり大人気のお店で、天気の良い週末は、激込みだったという話。

「左方カンテ Ⅴ+、6ピッチ」(注文との合流地点まで)
取り付きに戻ってきた時点で午後2時半前。私「まだどこか行けますかね」。野澤さん「行けるところまで左方カンテやりますか」と話し合う。今度は私がおいしいピッチをやらせてもらおうと思い、3p目のⅤに照準を合わせて、私が奇数、野澤さんが偶数ピッチをリード。でも、確かに3ピッチ目もおもしろかったが、このルートのハイライトは、6p目だった。最初のチムニーからフェースに移るところにムーブがあって多少充実する。ただ、全体的に「注文」より簡単で、3時間かからないくらいで抜けることができた。こちらも、いくつか残置はあったが、ビレイ点以外オールナチュプロで登った。「時間的に上まで抜けれないと思ってたけど、行けましたね」と野澤さん。私もうれしかった。午後5時過ぎ。そこから懸垂して降りた。

2日目
「1ルンゼ~little wing(5.10c、10ピッチ)」…転じて「1ルンゼ左(5.8、7ピッチ)」
1ルンゼを6ピッチ登って白壁に移り、little wing(5.10c)をやるつもりだった。が、途中からルートとトポが一致していないような気がしてきた。帰ってきてから気づいたが、取り付きから間違えて1ルンゼ左ルートを登っていたようだ。奇数ピッチが野澤さんリード。

1P目、Ⅳ+
凹角に沿って登る。Ⅳ(1ルンゼなら)にしては難しめだな、と思った。

2p目、5.8
左端のオフウィズスを登ったが、思ったより悪かったので、いったんクライムダウン。より簡単そうに見えた右端のコーナーを登って、ハング下の微妙なスラブをトラバースすることにしたが、ホールドが細かくて結構緊張した、しかも苔コケで、多分登られていない。やはり、オフウィズスを登るのが正解だったようだ。1ルンゼと間違えていたため、Ⅴ+と思って取り付いたが、登りきった後で、もっと難しいよな、と思った、でも、面白かった

3p目、5.8
1ルンゼなら「Ⅳ.簡単な凹角」のはずだが、結構奮闘的。野澤さん「簡単な凹角…ではなかったですね」、僕もそう思った。
以下、手元のトポにグレード表記ないので、私の体感

4p目、Ⅲくらい
明るいスラブに出て、簡単な岩稜を登る。ほとんどランナーは取らなかった。

5p目、Ⅳ+くらい
凹角っぽい所を登り、広いテラスへ。

6p目、Ⅴ+くらい
1ルンゼの6ピッチ目には、5.10bのバリエーションがあり、これをやるつもりだったが、ルートが良く分からない(実際は1ルンゼ左を登っていたので当然だが)。適当に難しそうなフェースから凹角に入った。全然登られていない感じで、嫌らしかった。カムも所々にしか決まらず緊張。それでもⅤ+~5.8位か。

7p目、Ⅲくらい
左にトラバースして、ブッシュを登ると、前衛壁の頂上と思われる所に出てしまう。Little wingに入るトラバースを見逃して頂上まで来てしまったようだ。ここで午後1時半頃。このルートは、残置は多かったが、大体ハーケンか、怪しいリングボルトだったため、残置数ヶ所使った以外、ナチュプロで登った。

懸垂2回して、広いテラスに戻る。多分、ここをトラバースでlittle wingだろうと目星をつけ、実際に野澤さんがトラバースしてみたが、もう時間は午後3時前。下らないとこの日のうちに帰れないため、後ろ髪を引かれる思いで、下山を始めた。幕営地でテントをしまう。午後6時半頃に駐車場に着いた。

今回、憧れの錫杖岳に行けて本当に楽しかった、野澤さんありがとうございました。もっと力をつけて、今後は深夜特急や黄道光といった高難度ルートにも挑戦したいと思った。新しい目標ができ、日々のフリークライミングにも力が入りそうだ。皆さん、今後ともよろしくお願いします。

 

早出川水系 仙見川(釣り)

2017年9月9日~10日
向畑、福原

”川内山塊は、越後に残された最後の秘境であり、登山者で賑わうこともなく、昔にもまして深い静寂の中に沈んでいる。(中略)
山蛭、蝮、虻、藪蚊、山壁蝨の群棲する川内の峰や谷、好奇心から一度は訪れる登山者はあっても、再び入山することはなく、欲得で入渓するイワナ釣りや盆栽盗りの姿をまれに見るだけである。(以下略)”

(白水社 日本登山大系 南会津・越後の山より抜粋)

スパッツの中まで入ってくるヒル。

焚き火の中までついてきたヒル。

太刀岡山 左岩稜

2017年8月26日(土)
野澤、川上、福原、川端(記)

氷も雪もなくなりフリー主体で活動しているので、たまにはマルチをやろうと休みが合ったメンバーで太刀岡山に行ってきました。駐車場に着くと我々の車以外ありません。マルチとフリーの装備を持ち小山ロックへ。
ガラ空きの小山ロック。ここにフリーの装備を残置し左岩稜の取付きへ行きます。

野澤、川上パーティと川端、福原パーティに分かれます。

川上パーティ先行でスタート。
1P目
9:15スタート
クラックの中は土で汚れていてジャミングの効きがイマイチでしたが難なく登れました。

2P目
凹角のクラックを登ります。出だしだけ少し悪い。登りきった木でピッチを切りました。

3P目
スクイズチムニーの中を背中と足でズリズリ登ります。写真中央のハンガーまで支点が取れません。

4P目
簡単なピッチでビレイ点は広い。この辺から景色が開けます。

5P目
右を回りこんでスラブも登れますが今回はクラックを選択。上部はカムがききません。

6P目
5.6くらいのピッチ。終了点は安定したところでカムを使うか、その少し先のリングボルトも使えます。

7P目
簡単なピッチですがナイフリッジには支点がありませんのでスリップしないように注意。

8P目
祠の広場をスルーしハサミ岩に繋げて登ったので8ピッチで終了。12:45
休憩を入れてハサミ岩の裏側から登山道に出て小山ロックに戻ります。

小山ロックのカリスマに蜂の巣が・・・。13:00

毎度のことですが、暗くなるまで登り最後にヘッデンを点けヌンチャク回収。
若者に混ざり充実の一日でした。

北ア 唐沢岳幕岩 畠山ルート

2017年8月13~14日
薄田(記)、野澤

成功時だけ報告を書くのは違うと思うので敗退報告(事故報告)も重要と考え、正月山行の計画も無い(立てられない)ので重い筆を執ることにしました。
長文に成りますの記録としての興味だけの方は読み飛ばし願います。

(PART1)「記録」
クラブのH/Pにもある言葉として「リスク」が有り、「クライミング」特に「アルパインクライミング」のそれは大きいものがあると思います。
まず、概要から報告します。
今年の7、8月(特に梅雨明け以降)は天気が悪く山には入るチャンスが少なく毎年のことだが暑いので体調もベストでは無かったがそこは病気なので致し方なく夏の山岩クライミングを計画した。
最初、屏風右岸壁の「ルンゼ状スラブルート」等を考えたが野澤君の希望を入れ(唐幕初めて)「畠山ルート」に決まった。
8月12日の夜行で道の駅安曇野にテントを張る。
翌13日、5:00出発で七倉を7時前に出発。
薄田は2001年以来の唐幕であり、相変わらず最初のトンネルの長さには閉口すると共に高瀬ダムまでのアプローチが長く感じたのは年のせい?
高瀬ダム直下から左の沢に入るのだが「何か違う」。野澤君は直近のNET記録からアプローチは沢靴がベターと連絡を受けたが過去の経験からそんなもの必要な所じゃないよと言葉を返した自分に反省。(野澤君ごめん)
16年前以前にはジョギングシューズで簡単に乾いた岩を飛び越えていたがこの2017年現在は両岸から木が枝を長く伸ばし水線通し近辺を進まざるを得ない状況に変わっていた。これも地球温暖化の影響であるでしょう。
さて、9:30位に岸壁下部に到着するが相変わらず空はどんより曇り、壁を見上げると汚い草付きから水が滴っている。

取り敢えず「大町の宿」に向かおうとするがB沢から「右稜」のコルに上がるガリーを草が邪魔して分かりづらくなっていた。何とか昔の記憶をたどり「宿」に到着。当然誰もいない。少なくとも16年以前にはこの夏場の時期に貸し切りはあり得なかった。
取り敢えずテントを張って様子を見ていたが、ガスが上がってくるだけで小雨も降ってきた。野澤君持参の缶ビールを回し飲みして今日はお仕舞い。
8月14日、5時前に起床。相変わらず曇っていたが取り敢えず装備を整え取り付きまで行って見ることにする。
現着してしげしげとルートを追ってみると16年前のそれと明らかに様子が違う(下部の核心くらいまでは見える)。草付きが極端に増え、記憶が正しければ核心のハング脇には木まで生えている。
昨日よりはましだが、相変わらず壁は濡れている。薄田はそのままギアをリバースに入れたかったが野澤君は取り敢えず1Pだけでも行きたいというので彼に行って貰う。

確か3級ない位なのでOKして行って貰うが濡れて岩が滑るのか時間がかかっていた。
「ビレー解除」のコールに薄田も登るが超不快適。ビレー点に着くと野澤君も納得で敗退決定。残地ボルト(?)1本しかないのでそこから「右稜」側にトラバースして藪中に生える信頼できそうな立木にロープ直巻してB沢まで懸垂下降。その後テント他を回収してGo Home。

(PART2)事故詳細
それは「金時の滝」巻道である右岸のルンゼで起きました。後5mも降りれば両手が離せる地点まで降りたときに落石の飛来音「ヒュー」と聞こえた瞬間、右手中指に衝撃が走った。バシー!
見れば黒い軍手は破けグチャグチャの中指が目に飛び込む。砕けて鋭利になった骨も見える、しかもぶらんと垂れ下がっている。「やってしまった!」
考えてる場合じゃ無いので何とか河原まで降りて気合いで軍手を抜き取り沢水でじゃぶじゃぶ洗う。不思議と痛みがあまり無い。(薬指側の太めの血管と神経を切断)急ぎ雨蓋内のウエットティッシュを数枚取り出しぐるぐる巻きにして左手で押さえた。利き手の右手が使えないのでここまで。
そうこうするうちに野澤君が降りてきたので簡単に説明し40mmテーピングテープで親指除く4本をぐるぐる巻きにしてもらう。
未だ両手を使わざる得ない状況なので軽量化のため、ロープ等重量物を野澤君に託す。
途中2ヵ所は野澤君にロープを張って貰って降りました。
高瀬ダム迄来ると登山者送迎のタクシーが上がってきたので事情を説明し帰りに乗せて貰った。(本来途中乗車はNG)
七倉のタクシー詰め所で病院を教えて貰い2件目の池田町に有る「あづみ病院」(14:30位)に行き受付、受診するも先客(ストレッチャーに乗った足を怪我した登山者)がいて手術は17:00からになるとのこと。もう移動不可なので野澤君には悪いが手術終了まで待って貰うことにした。
結局手術は16:30~20:00位までかかった。手術直後執刀医から第二関節は消滅し曲がらない等の説明を受ける。落石Hit直後は第二関節以上は無くなることも覚悟したので不自由になるけど仕方ないと納得して1週間の入院生活に入った。

(PART3)総括
1.「唐沢岳幕岩」
時代の流れ(自然の変化)は止められないが、それは夏のクライミングの快適性を奪い(冬期にはある意味良いかも)それは繁茂した草付きであったり、邪魔な低木であるが特に草付きは滑って危ないしホールドを隠してクライミングの邪魔になり結局危険性を高める。
約40年前に新潟の仲間と初めて登った唐幕の快適さが失われたのは純粋に悲しい。
2.「金時の滝巻道」(右岸ルンゼ)
ほぼ40年前と状態は変わっていないと思うが相変わらずグズグズボロボロの落石危険箇所。上りは致し方ないが下りは懸垂下降がベターでしょう。(クラブ代表のアドバイス)素手での下降より上方に注意を向けることが可能。
3.「クライミング全般の危険回避」
私の仕事(業界)は建設業であり、足場、鉄骨からの転落、墜落災害が大きい事故に上げられます。然るに作業前には当日作業に内包するで有ろう危険についてKY(危険予知)活動を実施し安全作業を進めます。
山の場合は危ない所に行かないことが最大の予防策でしょうが、我々は(特に私は)危ない所に行かないと楽しく無いというある種の「薬中患者」なので致し方有りません(?)
しかし社会生活を営む一社会人として最低のルール(人に迷惑を掛けない、関係各位を悲しませない等)が有ると思います。
私も先輩、仲間の多くを山で失って来ましたから年齢的なことも含めて卒業(アルパイン)の二文字をポケットに忍ばせもう少し活動を続けたいと思います。
最後にあづみ病院はじめ多くの医療関係者には大変御世話になりました。(勿論野澤君も)感謝申し上げます。
これは内緒ですが、こちらの病院の主治医と理学療法士さんにはもう危ないことはしないようにと暗に言われております。

剱岳 剱尾根 R4

2017年5月3日~5月4日
薄田(記)、野澤

GWなので前から行きたかった剣尾根R4に行ってきました。
4月の初め野澤君に電話したら5月6日が結婚式出席予定とのこと。当初、R4~剣尾根を継続と目論んでいましたが時間を短縮してR4のみとしました。

5月2日、22:00柳瀬川駅集合でレガシーにて出発、翌3日4:00に馬場島到着。
流石GWにして駐車場ほぼ満車状態。辛うじて1台の空きに賺さずレガシーを滑り込ませる。
但し、テントは面倒くさがって車のすぐ後に設営。眠くて「大岩」の後まで行って張る元気なし。
顔は見ないが6:30ころ誰か(オジサン)にテントの張場所を注意されてやむなく起床。「ごめんなさい」でした。
さりとて二人とも朝飯はカップ麺で有りますれば、ユックリお湯を沸かして『茶』飲んでカップ麺を食す。「更にごめんなさい」。
準備して、4年前の事故の件も有るので、目の前の警備隊に挨拶に伺う。
隊員から5月1日にそれなりの降雪が有り(馬場島も)、源治郎谷?で雪崩れ発生。1名が死亡とのこと。
更に諸注意を真摯に聞いて入山スタートです。
道は、早月尾根との分岐から雪が残る状況で大きめの「バックホー」が道の傍らに置いてありました。GW明けには取水口手前の橋くらいまでは除雪されるでしょう。
そうではありましたが、心配していた取水口上は取水口のすぐ上ががっつりデブリ・ブリッジとなっており、昨年みたいな冷たい徒渉は有りませんでした。「アリガタヤー」。
「鷹の座り」近辺は膨大なデブリが谷を埋め尽くし、デブリの上り下りで重荷が肩に食い込む(ちょっちオーバー)。池の谷に入りゴルジュ地帯は更にデブリのてんこ盛りで河床から何m有るのやら。時折落石の音が響くので気持ちが悪い。
気温も徐々に上がり、喘ぎながら12:00に二股に到着。
早速テントを張るが何もすることが無いので野澤君持参の350ml缶ビールを2人で飲んで昼寝する。
夕方、同じくR4計画者2名が 偵察から戻ったので状況を教えて貰う。聞くにどうも氷の付着が甘そうな様子。今から心配すると髪の毛が抜けるので予定どおり行くことにする。

5月4日、1:30起床。3:30出発。薄田今一調子上がらず、野澤君に遅れること5分。
取り付き5:30~スタート6:00~終了11:00。
取り付きには先行の男女ペアが準備中。見上げるルートは写真の通り氷は一応繋がっているのが解る程度だが先行も行く気満々だし行かない手は無い。

R4全景

1P目(野澤)写真の雪壁を右上し4級程度の岩登り2~3m直上後右にトラバース(25m)。キャメと残置ピンでビレー。
1P目取付にて先行のロープ

2P目(薄田)ここからはアックス&アイゼンの世界。傾斜がそこそこ有るが(高度感抜群)氷が柔らかいのでグリベルの2本の縦爪がバッチリ効く。
支点は手を抜いて(スピードアップ)先行の抜いたSC穴に13cmを2箇所入れてお終い(皆さんは真似しないように)。傾斜は有っても70°くらい。
すると雪混じりの氷となり、先行女性の待つ(待ってないか!)ビレーポイントへ向かう。
先行男性がリード中なのでセルフ無しで少し待つ。先行が落とす氷が時折唸りながら飛んでくるのでスリル満点(後で聞いたら野澤君は口に1発食らい口中を切ったとのこと)。ここもセルフは残置ピンとカム。ここも25m少しのロープスケール。
2P目野澤フォロー

2P目終了点から3P目を望む

3P目(野澤)出だし、雪壁から岩を右に回り込みルンゼに入る。ここから上が本ルート中で1、2番の傾斜が有る場所でしたが先述の通り軟弱氷なので難しくない。
3P目スタート

貴重なアックスが薄い氷を叩くと「カチン」と悲鳴を上げる。更に全ピッチを通して氷が薄いのでスクリューも「ガリッと」泣いて侵入を嫌がるので涙が溢れそうにそうになる。確か40m程度。
3P目登攀ライン

4P目(薄田)このピッチは下部から中間は殆ど氷が無く、薄く狭い。しかるに右手の岩に乗って通過(Ⅲ+程度)。抜け口4m手前から氷に移る。35m程。
4P目抜け口野澤フォロー

5P目(野澤)写真のとおり傾斜が落ちて氷も気温の上昇と共に水氷状態。本ピッチが氷のラストピッチとなる。40m程。
5p目取付(先行)

5P目中間

6P目(薄田)緩い雪壁50m。
6P目スタート

7P目(野澤)15mの岩場。Ⅲ+程度ですが氷混じりの為少し難しい。右上して這松帯に入ると実質終了。後は雪稜をロープスケールいっぱいでR4全ルートの終了となる。
8P目実質最後リード

懸垂が出てくる予定なのでハーネスは外さない。ルンゼ内はほぼ日陰状態で有ったが抜けたのでこれ以上無いほどお日様が我々に強い日射を浴びせる。
小窓の王、チンネが格好良い。
先行2名のトレースを追っていくと這松の中に綠のロープシュリンゲを発見。ロープ跡が見当たらないので先行はフリーで降りた模様。我々が遅いので姿は認めず。
傾斜は雪壁の傾斜は出だし60~70°程度。勿論後ろ向きになり靴底に付着する雪団子をまめに落としながらの下降となる。先行のトレースが有るので助かる。手を抜くとフットホールドを捉えられず気持ちよく(?)R2のルンゼに死へのジェットコースターがスタートする。シンギングロックのグリップ(アックス)が傷だらけになるが致し方ない。
この辺から若い(私も若いけど?)野澤君に間を空けられる。
天場へは13:00に到着。休憩後14:00出発、15:30頃馬場島着。

この冬はそこそこアイスクライミングに通ったので技術的な困難さは感じなかったが、そこは剣岳の直下。天気にも恵まれ気分は最高でした。
(最後1P程度誤差があるかも(^_^;))
お終い。

鹿島槍ヶ岳 天狗尾根

2017年5月3日~5月4日
赤井、川端(記)、小渕

当初は北壁主稜を計画しましたが山の状態などから天狗尾根に計画変更しました。
計画では1日目:天狗ノ鼻、2日目:北壁主稜→天狗ノ鼻で宴会、3日目:下山。のつもりでしたので無駄に多い酒類とつまみを持ったことを後悔しました。

5月3日(水)晴れ 微風
前夜に大谷原に着きましたが駐車場は満車ちかく埋まっていました。
6:00出発。晴れて気温が上がる予報。


取水堰堤を越えると何度か渡渉がありました。飛び石を失敗し右足水没。冬なら凍傷になるところでした。


出合から荒沢に少し入った右側(左岸)に赤布発見。そのあたりから適当に藪こぎで登り天狗尾根に上がります。このあたりはほとんど雪がありません。


しばらく登ってアイゼンを装着。雪が腐って歩きにくい。このあたりからペースが落ち足が前に出ない。


両サイドから雪崩のサウンドを聞きながら天狗ノ鼻を目指します。
ドデカい雪崩(写真の左より)も目撃し明日の行動はテントで話し合う事を決める。


雪の状態が悪かったのでロープを出したところもありました。


ヘロヘロで天狗ノ鼻に到着。私たち以外にテントが2張り。天気は最高。良すぎるから明日が心配。
明日の行動を話し合った結果、北壁は諦め天狗尾根を登り赤岩尾根下山を決める。


5月4日(木)快晴 微風
前日より雲が少なく日差しがキツそうな朝。3パーティー中、最後で6:00出発。


7時過ぎからあちこちで雪崩。当初の予定でカクネ里を行く予定でしたが上から状態を見て計画を変更し本当に良かったと感じた。


曇ることなく容赦ない日差しの中で昨日の疲労が堪える。
気温も昨日より高く感じた。
雪の状態が悪くステップを切るが崩れる。ロープをところどころで出すため渋滞もおきる。


この時期の鹿島槍は初めてで、いろいろな記録を拝見しましたが今回は雪が多いのではと感じた。


6時間以上かけ北峰。山頂標識は埋もれていました。


下山途中、冷池山荘でのもう一泊の誘惑を振り切り赤岩尾根を忠実に下りました。
西俣出合からヘッデンに。


あんなに連発する雪崩を目の当たりにし状況判断などなど勉強になりました。
北壁をいけば天狗尾根を下り天狗ノ鼻(BC)に戻るので、今回は下見ができたことからいい経験になったと感じました。

鹿島槍ヶ岳 ダイレクト尾根

2017年4月23日
薄田、川上(記)

薄田さんは1泊2日で会社がらみの出張(旅行?)。土曜夜に帰ってきてそのまま鹿島槍に向かうという強行軍(その姿勢、見習いたい)。午後9時半に埼玉を出発したものの、高速道路の工事渋滞で時間ロスし、大町に着いたのは、午前3時前だった。1時間半だけ寝て、大谷原へ出発。午前6時頃に歩き始めた。

薄田さんは2年前にダイレクト尾根に取り付こうとして、間違えて鎌尾根を登ってしまったことがあるそうで、「今度は間違えられない」と気合が入っていた。鹿島槍南峰をはるか上に望む北俣本谷の下の方は、すごいデブリの量だった。2人して地図と見比べて念入りにルートを確認。

念入りにルート確認

目の前の急なルンゼがダイレクト尾根の取り付きだと確信する。登っていくと、だんだん傾斜を増してくる。日が高くなり、雪が腐ってくると、足が沈み込んで歩きにくくなった。

北俣本谷の急なルンゼを登る

傾斜は、谷川岳の一ノ沢を詰める感じに近い。滝のかかった岩壁が目の前に見えてくると、左に巻いて岩混じりのルンゼ状を登ろうか、と話し合ったが、そのルンゼ状から、崩落したこぶし大の岩がごろごろと落ちてきたのが見えたので、右へトラバースし、尾根状になっている潅木混じりの雪壁を登ることにした。と、降りてくるスキーヤーが見える。よくこんな急斜面を下るもんだ、と感心した。

急斜面を下るスキーヤー

ここでアンザイレン。スノーバー2本突っ込んでセルフビレイ。
1P目、薄田さんリード
潅木などにランナーをとりながら、慎重に進んでいく。雪壁の高さは10メートルくらいか、雪稜に抜けて、60メートルロープいっぱいのところまでいく。

1p目核心に向かう薄田さん

私の番。さほど難しくないが、腐った雪壁の処理に手こずる。と、慎重に雪を踏み固めてフットホールドを作ったつもりが、下が空洞になっていて抜けた。微妙にテンションかかってしまったが1メートルくらい下に地面があり、立てたので、ロープなくても大丈夫だった、・・・と私は思うのだが、(薄田さんは「テンションかけたんだから、ロープのおかげ」と言っていた)ちょっと悔しい。

1p目雪稜に出る川上

実質、ここでロープいりそうな登りは終了したが、一応そのままスタカットで2ピッチ伸ばした。ロープをしまい、頂上直下の登りで午後3時。
山頂を踏むと遅くなりそうだったので、そのまま左に巻いて、赤岩尾根への下山路を目指す。稜線上の一般道に乗ったところで、握手を交わした。最高の景色。「これだから春山はやめられねえんだよな」と薄田さん。
さすがの強行軍で疲れがあるのか、薄田さんのペースが落ちる。冷乗越で休憩し、ダイレクト尾根を見やると、ものすごく急な斜面に見える。80度~85度位はありそうだ(多分そんなにないけど、そう見える)。

冷乗越で休憩
山頂に突き上げる中央の尾根と左のルンゼを登った

私「なかなかかっこいいですね」。
薄田さん「確かにね。でも見た目のカッコよさに比べて、ちょっと物足りなかったな。もう少し内容あると思っていたんだけどな」。確かに。その先、赤岩尾根序盤の滑ったらやばいトラバースは、薄田さんは、安定して素早く通り越していた。私もそのトレースに続くが、少し緊張。尾根は忠実に辿らず、途中で西沢に降りて、大谷原に午後7時半到着。疲れたが、やっぱり今回も楽しかった。

私としては、もっと雪が腐った春山の経験をたくさん積む必要があると実感した。また、よろしくお願いします。

富士山

2017年4月2日
薄田、川上(記)

薄田さんから富士山に行こうという提案があり、一度行ってみたかったので、喜んで夜行で出発。天気予報では、午後から崩れるとのこと。正午になったら、どこにいても引き上げようということになった。
この1週間でかなり雪が降ったようで、薄田さんの愛馬のレガシィは馬返しまで入ることができず、吉田口の中ノ茶屋を5時半発。馬返しを越えると、ひざ下くらいまでの積雪がある。でもトレースがあったので一安心。三合目には7時45分ごろ、五合目の佐藤小屋には9時半頃に着いた。雲は多少あるものの、青空が広がり、無風。本当に午後3時ごろから天気が崩れるのだろうかというくらいの好天だった。

五合目付近で休憩

「この調子なら8合目くらいまではいけるかな」と期待したのも束の間、佐藤小屋より上にトレースがなく、ひざ下~腰くらいまでのラッセルとなる。本格的なラッセルはあまり経験がなく、よい勉強になったが、とてもきつかった。でも、不思議なもので、途中から少しだけ楽しくなってきた。六合目に11時45分到着。
六合目に到着

すると、ほどなくして、下から2人の外国人(ドイツ人?)が上ってきた。「もうちょっと早くきてくれ」と心の声あり。薄田さんは「もう時間だから引き返すか」とのこと。もう少し上まで行ってみたかったが、後ろ髪を引かれるように下山を開始した。ドイツ人?たちは頂上を目指すらしい。天気予報のことと、われわれは引き返すむね、英語で伝えて、薄田さんと「be careful」と見送った。
六合目から上を見る

下山は楽チン。みるみるうちに高度を下げて午後3時に車に到着した。と、その瞬間、雪が舞いだす。「すごい、ぴったりだ」。きっと上の方はかなり荒れているだろう。さすが薄田さんの判断+さすがの天気予報。我々の車の後ろには、六合目で会った外国人のものと思われるベンツが置いてあった。近くの温泉につかって、東京へ帰った。都内では路面がぬれていなかったので、雨は降ってなかったようだ。
とてもよいトレーニングになった。また再び来て、今度は頂上まで行ってみたい。薄田さん、ありがとうございました。

唐沢岳幕岩 左方ルンゼ

2017年3月18日~19日
赤井、河合(記)

3連休は今シーズンのアイスクライミングの締めくくりに、唐幕左方ルンゼに行ってきました。
3月18日
初日は大町の宿までのアプローチだけなので、夜行せず朝発。葛温泉のゲート前から只管除雪された道を歩き(途中のトンネル出口には氷瀑8m(Ⅴ級程度))、高瀬ダム手前で唐沢へ。唐沢は雪崩がほぼ落ちきっており、沢が雪に埋まっていました。高瀬ダムの水の出口には15m氷瀑(Ⅴ級程度)ができていました。

デブリに埋まる唐沢

先行トレースは沢を右に左に。途中、堰堤をはしごで登る所あり。飛び石が沈められていました。金時の滝は左ルンゼから巻き。B沢出合の鷲ノ滝は一部露出し口を開けていました。幕岩には大凹角1パーティ+下見1パーティ。大町の宿は大凹角パーティが使用中だったので、横の尾根の雪を踏み固めてテン場にしました。大町の宿の真下にある水場はちゃんと出ていました。4時間位で着いたので、さっさと飯、酒、睡眠。
凍る幕岩

3月19日
朝4時に起きてみると、雪降っていて、どんどん積もっている。これはマズイかもしれない…雪が小降りになるまでスタートは見合わせ。埒が明かないので6時45分、とりあえず取付へ出発。
アプローチのB沢

B沢を詰めて35分で着きましたが、降り続く雪。新雪はくるぶしちょっと上位。昨日までの雪は落ち切っていたみたいなので、登ってみることに決定。時間は7時40分。ルート貸し切りです。
1ピッチ目(リード:赤井。体感Ⅱ。50m)
核心の直瀑手前まで。ロープなしで問題ない感じだったけれど、上がってからロープ出すのは面倒なので、取付でロープつなぐことにしました。50mいっぱいで、赤井さんスクリュービレイ。
2ピッチ目(リード:河合。体感Ⅴ~Ⅴ+。50m)
本ルートの核心F2。ばっちり発達。垂直部が10m強、全体で20mはあり。凹角の弱点ラインを選択。氷質は柔らかく登り易かったですが河合は調子悪く、手前のスクリューが2/3しかねじ込めなかったこともあり、垂直部終了2m手前で痛恨のアックステンション。落ちられないので早めに安全策を取りましたが、悔しい。難度、長さともに大谷不動本流二ノ滝1ピッチ目と同じような感じ。F2を越えた後のナメ部で、ロープほぼ一杯でスクリュービレイ。リード+フォローで1時間半位かかり、遊びすぎました。
F2

3ピッチ目(リード:河合。体感Ⅳ。50m)
赤井さんの順番ですが、F2でヨレたということで河合リード。F3は5m位の垂直部が見えてましたが、段ができており80°弱位で快適に乗越。その後F4のナメ滝を無理やり登り切り、ロープいっぱいでスクリュービレイ。途中左壁に懸垂用と思われる支点を発見。少し晴れ間が覗き、眼下に高瀬ダムが見えました。雪は降ったり止んだり。
F3

F4方面を振り返る

4ピッチ目(リード:赤井。体感Ⅲ+。50m)
F5は直登すれば70°程度ですが、左のスラブからなら60°位。赤井さんは快適そうにロープを伸ばしていました。またロープいっぱいで、左岸側の灌木でビレイ。
F5を登る赤井さん

5ピッチ目(リード:河合。体感Ⅳ。50m)
緩い雪壁を膝ラッセルで直登しF6へ。取付はシュルントが開いており、気合で乗越。氷は部分的に薄く、レーザースピードを気持ちよくねじ込んだところ、「ゴリッ」思わず叫んでしまいました。ちょうどよくピッチを切れる場所はなく、抜け口にスクリューねじ込みハンギングビレイ。またロープ一杯。
F6

F6下部をフォローする赤井さん

6ピッチ目(リード:赤井。体感Ⅲ+。50m)
傾斜の緩い雪壁をラッセルし、最後60°位の氷を登ると、左壁に残置の終了点。またほぼロープ一杯。13時到着で、取付から5時間20分とちょっと時間食ってしまいました。
F6上部雪壁

F6最後の氷と終了点に赤井さん

さて、下降どうしよう。とりあえずB沢右俣を目指し、雪壁を河合リードで50m伸ばしトップアウトして、小ルンゼを跨いで左の小尾根を越えてみましたが、次の小沢の前に立ちはだかる5~10mの岩壁。上から巻けそうでしたが、これはハマりそうということで諦め、懸垂1回を交え終了点に戻りました。
小沢と小岩壁

この探索で1時間半以上時間をロスし、下降開始は14時40分。赤井さんと交互にトップ交代しながら6回懸垂。懸垂は基本左壁側の立木を使用。(一回右側の灌木使用)途中左壁にある残置支点は使わず。木に残置はほぼなく、木にロープ直がけと捨縄×2。注意点は、登る時に立木の位置と距離をよく把握しておくことと、最後の懸垂(F2)は、面倒でも左壁側なるべく下にある立木を使うことでしょうか。(50mロープだと、上の立木で降りるとF2スカート上でロープが尽きる)
赤井さん下降中

F2横から

取付に戻ったら17時10分。降り続く雪は強くなってきて、積雪明らかに増えてる・・・このまま降り続くと、下山ヤバくない?ということで、もうひと踏ん張りしてこの日中に下山することに決定。18時45分。テントたたんで残業中の大凹角ヘッドライトを見送り、真っ暗な中下降開始。鷲ノ滝は懸垂。その後消えかけたトレースをたどり、金時の滝横のルンゼも念のため懸垂。途中、川上のトレースが陥没してはまりかけたり、なんか暗いなと思ったらサングラスかけっぱなしだったりしましたが特に迷うことなく唐沢脱出。でも、晴れてきたじゃないか・・・
車に戻ったら23時40分。暗いとトレースがわかりにくく、5時間もかかってしまいました。日付変わる前に降りられてよかった。17時間行動で河合も赤井さんも燃え尽き、空いてるコンビニ探して飯をかきこみ沈没。20日月曜の朝、まったり運転して帰りました。月曜が休日でよかった。

ルートはやはり出だしF2が核心、その後は簡単で快適なアイスクライミング(上手い人には物足りないかも)と雪壁で、長さ300m近くあり(トップアウトすれば350m強)、充実の1本でした。シチュエーションもよく、きっと晴れたら素晴らしい景色が広がるだろうなと思います。力不足で時間かかってしまいましたが、雪崩以外特に不安は感じませんでした。トップアウトすればわかりますが、ルート上のルンゼに雪が溜まっており、これが雪崩れるとヤバい。滝間の雪壁もそこそこ雪が溜まっており、アタックするタイミングはよく検討すべきと思いました。
ちなみに、この3連休の唐幕は、大凹角2パーティ(4人)、左方ルンゼ2パーティ?(月曜に入るパーティーと下山時会った)とガラガラでした。人気ないのかな。