2017-2018シーズン 城ヶ崎トラッドルート

2017~2018シーズン
河合(記)

備忘録も兼ねて、今シーズン冬山サボって登った城ヶ崎のトラッドルートの紹介でもしようかと思います。

【浮山橋】
アプローチは駐車場から3分位と楽。しかしアプローチ道になぜか人のう〇こが時々あるので、足元要注意。

(1)トラベルチャンス5.10c PD(体感5.10b):フラッシュ
PD(Protection Difficult)となっていますが、スモールカム2セット、ナッツ1セットで取りついたところPDに感じませんでした。途中のボルトは無視できます。ムーブはフェース的で、ジャムはあまりしませんでした。友人が「全国に散らばるトラベルチャンス完登を集めるといいことあるらしい」と、ドラ〇ンボールみたいなことを話していましたので、誰か試してみてください。

(2)ストップ・ザ・トマホーク5.11a(体感5.11a):2便RP
上部は巨大チョックストーンとなっていて危ないので、ゲルニカに合流します。核心は出だしの5m。ハンド~フィストジャムのテクニックが試されます。ゲルニカと見た目は似ていますが、内容は異なる印象で、こちらの方がハードでした。せっかくなのでゲルニカとセットでどうぞ。

(3)ゲルニカ5.10d(体感5.10d):2便RP
ピカソのゲルニカには見えない気が。核心は出だしの5mで、トリッキーなジャムがポイントです。腕に覚えのある方は、是非オンサイトで!中間部は中だるみ気味で残念ですが、上部は豪快なガバハングが爽快です。終了点直下の岩は落ちそうなので、触れない方が良いと思います。

【シーサイド:サンセットエリア】
有名なボルトルートがたくさんある、冬のフリークライマーの定番ですが、ボルトルートの間にトラッドルートも結構あります。ただ、ボルトルートを登る人があまりに多いので、トラッドクライマーはちょっと肩身が狭い感じ。こんなこと書いている私も、シーサイド行けば大抵ボルトルート登っていますが。

(4)気分は最高5.10c(体感5.10c):オンサイト
スケールも結構あって見栄えのいいルートです。出だしのプロテクションはあまりよくなくて、グランドフォール者が結構出たらしく、ナッツのスロット下にボルト打ってあります。楽勝でオンサイトできる実力のない人は使った方が良いかと思います。その後も向きの悪いスモールカムなど、下部のプロテクションはいまいちで落ちたくないです。途中テラスがあって無限にたそがれることができますし、後半は傾斜も緩み、要所でしっかり休めるので、オンサイトし易いと思います。

【ファミリークラック】
5.10台の名クラックがたくさんあり、下地も良いですが人も多いです(シーサイドに比べれば少ないですが)。吊り橋から観光客に物落とされないか怖い。

(5)ファザークラック5.10c(5.10c):2便RP
城ヶ崎を代表するクラックとのことで、確かに綺麗です。上部クラックには飲み込まれたカムがいくつかありました。下部フィンガーは問題なく、核心は最上部のフェースムーブ。私は無念のオンサイト失敗。

(6)マザークラック5.10c(5.10c):フラッシュ
見た目結構いかついです。でも、胎内でノーハンドレストでき、核心手前もがっつり休めるので、上部のジャムと最後のホールドを見落とさなければ登り易い印象。

【かさごね】
何本かルートがあり、いずれも懸垂下降でテラスに降りてから登ります。ユマールなどあった方が便利。

(7)神風5.11b(体感5.11b):2便RP
山野井氏の作品。よくこんな所にルート見つけたなぁという場所にあります。上部は130°はあろうかという強傾斜にクラックが走っています。核心は短くムーブ強度大。ムーブはフェース的ですが、最後はやはりジャミング。また、登っている最中に物を落とすと海ボチャですので要注意(パートナーの眼鏡が海の藻屑と消えました)。取り付き辛い場所にある割には、先行パーティがいたり、上から覗き込んで来るパーティーいたりで、意外と人気ルート?降りたテラスには他にルートがなく、パートナー核心。

【あかねの浜】
よく日の当たる大きなエリアです。いつも混んでいます。抜け口付近に浮石が多いのでクライマーもビレイヤーも要注意です。また、大体のルートには途中にテラスがあり、上部でドカ落ちするとテラスに叩きつけられますので、これまた要注意。

(8)ゴミステーション5.11c(体感5.11c):4便RP
このルートだけ、あかねの浜のメインエリアから離れた、日の当たらない岩壁にぽつんとあります。名前はあんまりですが、シビアなフィンガージャムが数手あり、フィンガージャム技術の試される好ルートです。核心は左回りと右回りがあるようです。(私は右回り)。抜け口付近に浮きそうな大岩があるので要注意。

(9)カームフライデー5.10c(体感5.10c):オンサイト
出だしのチョックストーンはそのうち抜けないか心配。下部核心で途中無限レストでき、上部は快適。人気ルートでいつも誰か取りついています。

(10)ツワブキ5.10b(体感5.10b):オンサイト
下部はアプローチで、上部のフィンガーからのフィストが核心ですが、周囲にホールドあるので、ほとんどジャムしなくても登れます。上部のルンゼは落石を起こさないよう、細心の注意を払ってください。

(11)ホタテクラック5.10b/c(体感5.10c):2便RP
下部のクラックは結構悪く、私はここで頑張りすぎて肩痛めました。上部はちゃんとオブザベーションすれば難しくないですが、クラック限定で登れば面白そう。

(12) キョロちゃん5.10a(体感5.10c):フラッシュ
上部のクラックは幅が広くチョックストーンが詰まっていてワイルドな感じでした。ムーブもわかり辛く、かなり奮闘的になってしまったので、ホールド見落としていそうです。

(13)コモドドラゴン5.10d(体感5.10d):3便RP
途中に色の怪しいボルトが2つありますが、なくても登れそう。下部のコーナークラックは問題なく、抜け口のジャミング乗越が核心。しっかりプロテクション決めて突っ込みましょう。(テラスに叩きつけられて足捻挫した人を見ました)。

【おとじろう】
木々に囲まれた入江にある、落ち着いた静かなエリアです。下地は珍しく砂で快適ですが、あまり陽が当たらないので寒いです。

(14)おとじろうハング5.11a(体感5.11b):6便RP
おとじろうエリアを代表するルートで、上部3mは130°位の傾斜にフィンガークラックが走っています。下部は易しく、実質この3mにグレードがついていると思われます。核心は色々な登り方があるようですが、逃げずにクラック真っ向勝負をお勧めします。核心手前のレストホールドは尖っていて指が痛くなります。

【オーシャン】
多くのルートは懸垂下降しないと取り付けないですが、一部浜から取り付けます。

(15)ボクサー5.10b(体感5.10b):オンサイト
名前の通り、核心はフィストジャム連打で面白いですが、結構しょっぱかったです。

【日蓮崎】
3本、短いですが濃いクラックが走っています。杉野さんのHPにも書いてありましたが、これが3本繋がっていたら、素晴らしいルートになると思います。☆付きが並んでいるためか、冴えない見た目の割にいつも人がいます。

(16)インディアンドール5.10d(体感5.10d):3便RP
3本の中で一番長い(と言っても6m位?)前傾ハンド~シンハンドクラックです。トリッキーなジャムもあり、最初からエンジン全開で行かないといけないので結構大変。最後までブレずにジャミングを要求されます。

【門脇南の磯】
シーサイドに次いでボルトルートの多いエリアとのことですが、ボルトは錆びているものが多く、使う気になりません。クラックもそこそこ発達していますが、ガバホールドに乏しく、全般にあかねの浜より厳しい印象。

(17)July the ダディ5.11b(体感5.11b):3便RP
短いルーフチムニーで、ルーフから脱出した所で終了のようです。プロテクションは良いので思い切り突っ込めます。ムーブの解明にも思い切りが必要でした。短くてボルダー的でムーブは面白いです。私は傾斜が強いのでフォロー回収、終了点撤収後、上まで抜けるのが面倒だったので、隣のルートをクライムダウンしました。

(18)海が見える5.10a(体感5.10b/c):フラッシュ
波が高いとビレイヤーが波被るので取り付けません。中間部はバランシーでムーブわかり辛く、プロテクションのセットもしにくくてストレニュアス。最後はマスターカム1番を足下5mに微妙なボロ壁スラブムーブと、精神的要素も強くて、このグレードにしては難しく感じました。

【漁り火エリア】
(19)イサリビクラック・ライト5.10c(体感5.10c):オンサイト
短いですが見栄えの良いクラックで、内容も素直でお勧めです。フェース要素も結構あります。登った時は上部クラックの染み出しが酷くてとても保持れる状態ではなく、雑巾がけ、チョーク塗り込みムーブを駆使しました。