2001年12月30日~2002年1月1日
森広、櫻井、大滝(記)
12月29日
深夜、奈良田第一発電所に着く。
車5~6台あり。
テントが張りにくいので、少し戻って奈良田橋の袂に張った。
12月30日
7:50発 小雪ちらつく。
林道や登山道に雪10センチ程あり。
小尾根を巻く辺りでスパッツ着用。
大門沢小屋手前5分位の右から入り込んだ沢に、氷瀑があった。
つららの集合体だが、段々になっているので登れそうだ。
1ピッチ分ありそうだ。
小屋を覗くとテントが1張りあった。
窓が大きく明るい小屋だ。
水も流れている。
しばらく山腹を巻いて行くと広い河原に出る。
そこからラッセルが始まった。
膝下、膝上、樹林帯に入ると、急斜面になるので腰くらいまである。
一気にぺースは落ち、労多く時間だけが過ぎていく。
なかなかテントスペースが見つからないが、4時、2200mと言う看板の所が、かろうじて3人用テントが張れた。
ここ以下にもここ以上にもいい所は無かった。
一晩中吹雪いていた。
大変なラッセルと、今後の悪天候予報とで、我々の意気は消沈した。
翌日進んでも、滝ノ沢まで辿り着かないかも知れない。
着いたとしても、谷に入ってから雪になるかも知れない。
そうしたら、雪崩が怖い。
降雪が無くても、氷の部分が終わってからのラッセルでどれだけ時間がかかるか知れない。
風雪のテントの中で各人、心境悶々とした。
結論は、稜線まで、行ければ農鳥岳まで行こう、と言うことになった。
朝まで吹雪いていたので、ゆっくりと起きて準備をしていたら、若い男性二人が上がってきて、そのままラッセルに突入して行った。
8:40発 僕達も直ぐ後を追ったが、追いつけない。
ラッセルしている人に追いつけない。
凄いパワーだ。
空はどんどん晴れて快晴になった。
富士山や、駿河湾、伊豆半島も見える。
・・田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ・・
猛烈なラッセルを抜きつ抜かれつして、12時頃稜線に着いた。
半端じゃない強風だ。
塩見岳、荒川岳が良く見える。
大井川方面を遠望し、相談の結果、下山することにした。
大門沢小屋には15時に着いた。
小屋の上の方で45センチ位の積雪があった。
小屋の中から富士山が見える。
2002年1月1日
謹賀新年 8:30発。
晴れ。
午後から曇り。
例の氷に向かう。
近づくと左にもあった。
右が25m、左が15m。
全体的に氷は薄い。
段の所でランナーを採って行けば大丈夫だろう。
右の滝をスクリュウ4本25mで抜け、左の潅木でビレー。
Ⅳ級?潅木で懸垂。
左の滝は15m位だが良く凍っている。
ここも段々になっている。
抜ける所が難しく、右アックスのブレードを氷と岩の間に噛ませて、左足を高い位置の氷から飛び出している岩に苦労して持ち上げ、左のアックスを薄氷にコチンとあてがい、乗り越した。
Ⅳ級?
スクリュウ3本 右の潅木で懸垂。
12時頃止めて下山。
14:20駐車場に着いた。