南アルプス聖沢

2018年8月26日~30日(沢中2泊)
谷水(単独、記)

今年は会の先輩方に沢泊を教えてもらい、夏休みは北アの沢を遡行する予定でいたが、山行予定期間中の天気がよろしくない。急遽南アの沢に変更。一番に頭に浮かんだのは赤石沢だったが、即却下。日本登山大系を開くと「聖沢」の文字に目がとまった。そういえば聖岳は学生のころ縦走で行ったっきり。しかも奥聖に行かずにいたので、今回行ってみよう!

1日目:畑薙ダム→椹島ロッヂ(12:35)
2日目:椹島ロッヂ(6:15)→聖沢登山口(6:30)→聖沢吊橋(7:30)→入渓直後の5m滝(8:00)→聖沢吊橋(8:30)→二俣付近幕営地(11:30)
3日目:幕営地(6:00)→前聖ノ滝沢出会い(8:40)→下の大滝(11:40)→前聖岳(13:40)
→幕営地(15:30)
4日目:幕営地(6:00)→二俣→前聖岳(11:30)→二俣(13:00)→聖沢登山口(15:25)
→椹島(16:20)
5日目:椹島(6:15)→畑薙ダム

1日目(晴れ)
バスに1時間ゆられ椹島ロッヂに到着。下界と違って爽やかな気候。することもないので烏森山にハイキング。小屋のおじさんから今は水量多いから下部は気を付けてね、という言葉に緊張がはしる。

2日目(晴れ)
東海フォレストのバスに登山口まで乗せてもらい、吊橋から入渓。15分ほど歩くと5mの滝がある小さいゴルジュ。釜を歩いて・・へつって・・・泳いで・・・格闘すること約30分、滝にたどり着けない。悔しいが1人なので無理せず登山道を使って聖平小屋近くの二俣まで行くことにする。入渓時間わずかで脱渓することとなった。
二俣から10分位聖沢を下ったところに適地を見つけて、本日の行動終了。2日分の薪など集めたり、聖沢本谷ではない方(右俣)をつめて聖平小屋まで行ったり。赤石岳近辺だけあって赤い石が多い。しかもよく滑る。明日からの足場に緊張しつつ就寝。
3日目(曇り時々雨)
テン場から100m沢を下りたところで聖沢出会い。早く出会いに行くには登山道を登山口方面に少し行って沢を下ったほうがいいが、昨日さっぱり沢に入ってなかったので沢を下って出会いに行くことにした。小滝の釜にダイブして泳いだり、高まきして10m懸垂したり楽しい道中となった。
最初の5段30mの滝は2段登って残りはフリーで登るのは怖く、高まいた。ちょうど鹿(?)の通り道だったらしく比較的快適な高まきだった。降りたがすぐに30m滝がありまた巻く。その後も登ったり巻いたり、特に難しい部分もなく進んでいくと、左岸が草原のように開けてくる。晴れてたらさぞ綺麗な景色だろうと思うが、天気はあいにく曇り。しかも段々雲が昇ってきて霧っぽくなってきた。空も先の沢模様も分からない。それでも進んでいくと下の大滝40mについた。大迫力。滝しぶきなのか霧なのか分からないがいろいろ浴びてから右岸から高まき、落ち口で一本。ここでとうとう雨が降ってくる。縦走中なら不快に思っていたが、沢山行中なので濡れても気にならない。沢も終盤だから増水もすぐにはしないかな・・・と思いつつ急ぎ気味に歩くと5分しないうちに上の大滝に到着。左右から60mの滝が出会っていて、ここも大迫力。釜の沢の両門の滝を大きくした感じ。標高は2460m。ここからは特に滝もなく3000mの稜線までひたすら歩く。2800mで水は突然枯れた。空が見えないので稜線が見えない。いつのまにか雨は止んで風が出てきた。これは寒い。濡れた体にこたえる。前聖には着いたが、奥聖に行く気になれずとっととテン場まで下った。
焚火をめいっぱい焚いて、体を乾かせたので夜は快眠でした。
4日目(曇りのち晴)
本谷は二俣の左俣をつめる。うまくいけば前聖岳に直接つきあげることができる。最初は穏やかな渓相。しかし突然ゴルジュ!!に突入。本谷には2つゴルジュがある。1つ目のゴルジュはなんとか水線を行けた。しかし7~10m級がいくつもある、岩が滑るで神経がすりへる。もう滝はお腹いっぱい状態。2つ目のゴルジュに突入するもCS滝を超えられる気がせず高まきに入る。小さく高まくと奥にまた滝が見える。もうお腹いっぱいだったのでまとめてまく。ゴルジュを小さくまくことはできずかなり大きくまくことになった。沢筋におりた時には水は枯れる寸前になっていた。つめていると青空がみえてきた。先に見えるのは稜線か?ザレ場とハイ松をこえて風は強いが晴れている前聖岳に到着。ただ周囲は雲に隠れていて何も見ることはできなかった。今日も奥聖岳に行く気になれず下山する。その勢いのまま椹島まで下山した。お風呂に入ってリフレッシュ!!

本谷の遡行は中途半端になってしまったので、また次回挑戦したい。静かで飽きない道中となる沢であり特に前聖ノ滝沢はとてもいい沢だった。釣りができたら魚も楽しめたのかな、とも感じた。前聖ノ滝沢、本谷の二俣から先は薪がないか少ないので、テン場とするには寒いように思います。

※写真の日付は設定ミスで本当の撮影日とは異なります。