谷川岳 幽ノ沢 左ルンゼ敗退

2000年8月26日
本郷、関、宮島(記)

完全に寝坊した。

時計はすでに8時をまわっている。

ダラダラと準備をしてとりあえず幽ノ沢へ向かうが、足取りもはかどらない。

二俣の大滝上にて大休止する。

時間的な問題によりルートを左方ルンゼ登攀~同ルート下降とする。

結局核心部のA1ラインが崩壊しておりTHE END。

アプザイレンを開始した。

だが今日の敗退の原因はルートの崩壊などではない。

予定通り出発したと思われるM山岳会のパーティは緊張したコールを連発させながらも我々の予定していたルートを登っていた。

又、左方ルンゼにはもう一つラインがあり、最初から予定していてルート図があれば完登できていたかもしれない。

つまり直接の原因は寝坊だと考えた。

確かに夕べの到着は少々遅かったが、明日の登攀にそなえてすぐ眠っていれば少々朝寝坊したとしてもこんなことにはならなかっただろう。

クラシックルートなどいつでも登れるくだらないものかもしれない。

ぼくの登山歴だって人に言えるようなたいしたものではない、自己満足の積み重ねだ。

しかし今日の自分の不快な姿には自己満足もできない。

情けなく、ただくやしい思いだけが残った。

思い返しても、ただただ自分自身に対して腹立たしく情けなくくやしい。

 

 

谷川岳 幽ノ沢 V字状岩壁右ルート

2000年8月6日
関、宮島(記)

久し振りの岩登り。

それも幽ノ沢。

昨年までシビアな沢に行っていた訳でもない。

ルートは入門ルートのV字右ルートだが、全ピッチ関君にリードしてもらう。

気分は新人、というより、トーシロといったところだ。

~アプローチ~

二俣手前で雪渓が出現するが、途中で終わっている。

ガチャをつけ始め何げなくアイスハンマーを雪渓に刺すと”ボコッ”という恐い音が、響きわたる。

壁に貼りつくように準備する。

先行はいやらしい草付きから展望台を目指しているが、我々は大滝を渡り左のカンテから二俣に至る。

~ルート~

所要時間2時間半

カールボーデンが急になった所でザイルをつける。

3ピッチで取り付きへ。

ルートはルンゼ状を登り、ラインは明瞭だ。

開放的なロケーションと適当なグレードで快適なクライミングを味わえた。

~下降~

堅炭尾根までは二人共初めての為スタッカットで登る。

芝倉沢の下りで足が笑い出した頃、目の前にズタズタの雪渓が広がっている。

上を行くか下を行くか協議するが、下を行くことにする。

ブッシュ支点でアプザイレンし、沢床へ降りる。

その後はスノーブリッジを3~4回くぐり抜け滝を下降する。

出合いについて、よかった、よかったと思った。

1時間後に、鉄砲水があったとのこと。

有名人にならなくて本当によかった。

 

谷川岳 一ノ倉沢 衝立岩中央稜

2000年4月2日
森広、三好(記)


一ノ倉尾根に行こうと秀峰メールを出したが、一緒に行く人が居ない。

がっくりきて、メールを持っていない森広さんに電話をかけると、日曜日だけならいいよとのことで、中央稜に向かうことになった。

立体駐車場で仮眠をとり、3:40に出発。

日帰りは、山に来たなぁという気分が今一つ盛りあがらない。

ただ単に、酒を飲んでうだうだ出来ないのが悲しいだけかもしれないけど。

一ノ倉出合に到着して、装備をつけ、テールリッジに向かったのは5:30頃。

すでに明るくなっている。

テールリッジの上部は雪が割れて落ちかけており、岩の上にうすく雪が乗っているだけの場所もあり、少しやらしいが、トレースを追ってゆく。

最後、1ピッチ分だけロープを出して、中央稜の取りつきに到着する。

烏帽子沢の雪はゴソッと落ち、上部に残っている雪もいつでも崩れてしまいそうだ。

他にテールリッジを登っていたのは1パーティだけで、南稜に向かおうとしていたが、雪が不安定なため、中央稜に取りつくと言って戻ってきた。

こちらものろのろと準備をして、先行パーティに続いて取りついたのが8:00くらい。

1p、三好。

技術的には難しいとトポに書いてあるが難しく感じない。

下部に雪がついているからか。

しかし、遅いのがなさけない。

途中でロープが重くて切ってしまう。

2p、森広。

次の支点に移動する。

3p、三好。

泥壁から右にトラバースした後でピッチを切る。

トラバースは少し怖い。

4p、森広。

フェース。

ロープの流れが悪くなり、すぐ切ってしまう。

5p、三好。

フェースの続き。

途中、先行パーティの人が懸垂で降りてきたが、話をする余裕はない。

一見、登りやすそうだったのに、足の置場がわからない。

フラットソールなら、フリクションで楽々なのに。

アイゼンは厳しいなぁ。

6p、森広。

途中疲れたので降りて、三好に交代。

チムニー状のところを登る。

ハーケンを打ち、アブミも使い、異常に時間が掛かった。

登りきったら、お助け紐っぽいのがちょうど見えない位置に隠れていた。

ここまでで14:00になっており、この後も実は結構悪いとの話なので、下降することにする。

テールリッジを何回か懸垂も交えながら降りる。18:30。

さすがに4月はまだ明るい。

今日は一日中、風もなく、天候的にも恵まれていた。

帰りは、行きに見られなかったデブリもたくさん見られて、シーズンの終わりを告げている。

立体駐車場に戻った時には、19:30。

もう暗くなっていた。

本当に、後発パーティが居なくてよかった。

もっと、アイゼン岩登りもロープワークもうまく、素早くなりたいと切実に思った。

そして、またチャレンジしよう!

 

谷川岳 一ノ倉沢 4ルンゼ

2000年3月23日
小谷(記)

立体駐車場1:05発。

センターに計画書を出しラッセルに励む。

雪は踝から脛で、所々膝上になったりトレースが出てきたりと相変わらずだが、積雪量は多い。

2:50一ノ倉沢出合い着。

し~んと静まりかえり、下弦の月があたりを照らす。

快晴無風、-5℃。

装備を付け、ここ数か月間溜め込んだものを一気に吐き出すように歩き始めた(3:15)。

衝立前沢からのデブリが歩き難いが、ここ以外デブリらしいデブリが無い。

雪は踝くらいまでもぐる。

月が沈み、ヘッデンをつける。

5時滝沢下部氷瀑近くに着く。

明るくなってきてしまった。

下方に2人パーティが登ってくる。

ヘッデンを外し、用足しをして出発するも本谷バンドのクレバスが大きく越えられない。

狭くなった所を右へ右へと探すがうまいところが無く南陵近くまで行くと、ヒドンクレパスが突然出てきて危うく落ちそうになる。

少し戻り、下がしっかりしていそうなところを勝負で乗越す。恐かった(5:25)。

後はひたすら雪壁を登るのみ。

2ルンゼを過ぎ、3ルンゼの氷瀑が綺麗だ。

滝沢スラブが真横から見える。

後続パーティは3スラに張り付いている。

3スラのF1近くには氷がびっしり張っている。

周りに見とれながら、4ルンゼの最狭部F4を7時過ぎに通過。

F4と言っても単なる雪面が続いているだけで、ダガーポジションでぐいぐい登れる。

これがやりたかった。

上部カール地帯に入るとあたりは開け、カチカチに凍った雪壁が延々と続いている。

アイゼンの前爪しか入らない雪面にダガーポジションでの登高は疲れる。踏み外すと一気に下まで飛んでいきそうだ。

早く右の尾根に乗りたいが、尾根上も岩が出ていて面倒そうなので、慎重に蹴り込んでは
疲れるとがに股に足を置き最後の詰めまで雪面を登る。

8:05頂上直下の一ノ倉尾根に抜けた。

雪煙を舞上げた風が心地よい。

疲れたのか、緊張が解けないのか、鼓動が収まらない。

快晴で遠くまで雪山が続いている。稜線上は風が強いが、厳冬の寒さは無く歩きやすい。

トマの耳手前でヘリコプターが頭上を何回も旋回してくる。何か連絡した方がいいのかと思いあわててトランシーバーを出すが、出したとたんに行ってしまった。

巻き上がる雪煙で西黒尾根の下降点に迷うが降りてしまえば難なく歩けた。

一ノ倉岳8:30発、肩の小屋9:38、登山センター11:10着。

4ルンゼは特に難しい箇所もなく、一ノ倉沢のど真ん中を一ノ倉岳頂上直下まで一気に上り詰められる気分の良いルートだった。

谷川岳 一ノ倉沢 αルンゼ

2000年1月8~9日
瀧島(記)、小谷、椛島

正月山行では穂高の継続クライミングを計画したが、屏風岩の取り付きまで行っただけで、壁には取り付かずに敗退となってしまった。

おかげで年末年始はコタツで紅白を見て、近くの神社に初詣に行って、まさに幸せなお正月を過ごしたのだった。

もちろん体重、体脂肪率ともに増加してだるま状態となった。

このままではミレニアムは良い年は望めないと思い、心を入れ替えて一ノ倉にリベンジに出掛けることと成りました。

はじめの計画では12月に衝立の北稜に行ったときに見つけたアルファールンゼの横の尾根だったけれど現場で急きょルートの変更をしました。

1月8日

快晴

ロープウェーの駐車場を5時ころ出発、積雪は少なく、しばらく降っていないようだ。

おかげで一ノ倉の出合には1時間くらいで着いた。

テールリッジの上部にヘッドランプの灯りが二つ動いている。

彼らはきっと、一ノ倉の中核をなすメジャーなルートへ向かうのだろう。

雪崩の危険は感じなかったのでコップスラブを直接略奪点目指して登って行った。

アルファー、ベーター中間リッジは登ったと言う話は聞いていないが、出合付近からも割と良く見える。

見栄えも捨てたものではありません。(少し誉め過ぎかも)

取り付きは略奪点のすぐ上、コップスラブの目印になるピナクルの近くまで末端が迫っている。

アルファールンゼ側に回り込んで取り付こうとした。

ところが目指すリッジの上はこのところの好天のおかげでブッシュがうるさそうだ。

それに引き換えアルファールンゼは雪も安定していて魅力的に感じられた。

悪く言えば優柔不断、良く言えば状況に応じた現場での適確なルート変更をして、アルファールンゼをつめることとした。

中間リッジにはもう少し雪がついて良い状態のときにまた来よう。

アルファールンゼの下部は今日の雪質ならば問題ない。

コップの広場と同じ位の高さでルンゼの幅は一気に狭まる。

雪質も不安定になりロープをつける。

1P目椛島トップで傾斜は緩いが不安定な雪質のルンゼをじりじりと進んで行く。

岩の上にうっすらと雪を付けているだけでピックは岩を叩いてしまって決まらない。

マサに嫌らしいピッチをノーピンで登って行った(50m)。

山を始めてまだ1年なんて思えない登りを見せてくれた。

今回はリッジルートなので岩と雪稜を想定したギヤを持ってきていたのでアイスハーケンなんか一本も持ってこなかった。

おまけにアイゼンはカジタの10本爪だ。

2P目小谷トップ。

今度は安定した氷からワンポイントのおっかないトラバース。

3P目瀧島トップ。

正面は発達の悪い氷曝。

おもわず右の急な草付にルートをとった。

途中ピックがきまらず、墜落寸前までいったが、ファイト一発なんとかクリアー。(50m)

このままリッジを登って行くと50mで一ノ倉尾根に飛び出した。(15時)

ここから眺める幽の沢も雪は少なく黒々としていた。

一応そのままロープをつけたままで50m進むとルンゼの入り口に着いた。

ここでロープをはずして後はひたすら上を目指す。

衝立尾根との合流したところでワンポイントロープを使った。

夕闇迫るころ一ノ倉岳に着いた。

頂上直下の雪壁に穴を掘って今夜の宿とした。

几帳面な小谷さんのおかげで超快適なねぐらが完成した.酒も食料も豊富にあり幸せな夜を過ごした。

1月9日

ガスのち快晴

西黒尾根経由で無事に下山。

今回、成り行きでルンゼルートを登ってしまった。

今までのセオリーだと積雪の多い山域のルンゼルートは雪の安定した3月にねらう事が多かったと思う。

しかしここ数年の冬の天候パターンと山の状態を考えると時期にとらわれずに積極的に谷を詰めてから取り付くルートやルンゼルートを計画しても良いのではないかと感じていた。

だから今回アルファールンゼを登れたことは自分の考えがある面では正しいことが判ったので満足している。

とはいえ、下部では雪崩の危険を感じずに登れた適度に締まった快適な状態の雪が、傾斜が変わる核心部の滝の手前では、いつ雪崩てもおかしくない不安定な状態に急変した。

締まった雪の上にチリ雪崩となり落ちてきたふかふか雪が重なったものと思われる。

ハンドテストをすると上層の雪はいとも簡単に動き出した。

雪質の見事なまでの急変を身をもって感じる事ができて良い経験ができたと思っている。

特に年末年始の積雪量はここ数年概して少ないように思える。

従来の常識にとらわれずに頭を柔らかくして柔軟に考えると今までにない面白い計画も考えられるだろう。

ただし突っ込むか戻るか、あるいは転進するかの現場での判断の重要性は今まで以上に大切になる。

 

谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁ディレッティシマルート

1999年11月7日
向畑(記)、倉田

この時季としてはとても暖かく、11月とは思えないほどの登攀日和だった。

他にクライマーは中央カンテに1パーティ、南稜に取り付こうとしていたのが1パーティだけ。

紅葉も盛りを過ぎたため、出合を占領していたカメラマンもぐっと少なくなっていた。

5時15分頃一ノ倉沢出合出発、ディレッティシマには7時頃に取り付いた。

本谷の水量もぐっと減っているので乾いていることを期待していたが、先週降った雨のせいか、烏帽子はいつもどおりの染み出しで、それなりに濡れていた。

1ピッチ目、変形チムニールート横の凹角を途中まで登ったが、どうみても右のリッジに出てしまった方が簡単そうだ。

という訳で最後までつめないでリッジに出たら、すぐ横に見たことがある変形チムニールートがあった。

これゃいかんと思って、そこからまた左に戻っていくという変なラインを登ってしまった。

下部2ピッチは、ルートファインディングの苦手な私にはとても分かりにくかった。

2ピッチ目、意識的に左よりを登った。

出だし2mほどでぐらぐら動くハーケンがあっただけで、途中かなり厳しいムーブが1ヵ所あったにもかかわらず支点はそれだけ。

フォローした倉田さんによると、土に埋まったハーケンがもう1本あったとのこと。

もしかしたら、ここもラインをはずしてしまったかも知れない。

このピッチで倉田さん1回目のフォール。

3ピッチ目、変形チムニー左側のフェース。

支点は少なく、しかもボルトは年季が入っているが、ラインが分かるので比較的快適。

フェースの上は草付きをたどり、右上してビレーポイントへ。

4ピッチ目、左上にある凹角。

抜け口が悪く、とてもⅣ級には思えないが凹角内には支点があり精神的には多少は楽。

凹角を抜け右にトラバースしたところにあるビレーポイントから、さらに右に行った小ハング下のビレーポイントへ。

5ピッチ目、小ハングを直上し、上部のボルトラダーへ。

途中ランナウトするが、ラダーもフリーで登れ、支点が少ないことを除くと快適なピッチ。

ラダー上のビレーポイントから、さらに右側のリッジを回り込んだところのビレーポイントへ。

6ピッチ目、トポによると出だしは「おおまかな岩場を直上(Ⅳ)」

とあるが、とてもⅣ級で登れそうなラインは見当たらない。

何よりも、支点がないのでどこを登っていいのかよく分からない。

仕方がないのでフレークとブッシュを使って真上のリッジ状を目指し直上、ルート中ここの数手が最も怖かった。

そのあともランナウトして登っていくと、このピッチも上部はボルトラダーになっている。

スラブに連打されたラダーはフリーではちょっと難しそうなので、最初からA0使いまくりで突破。

抜けたところに浅打ちハーケンが3本並んでいる。

さらに上部にもビレーポイントがあるような気がしたが、あと5mのコールがかかったので、ブッシュとつなげてビレーポイントをつくった。

このピッチで倉田さん2回目のフォール。

ビレーポイントが抜けないかと、一瞬ヒヤッとした。

7ピッチ目、やはりテラスを右側に回り込むと、5mくらいのところにビレーポイントがあった。

そこからフェースを直上、ルートは凹角状になっていくが、ここは割と支点があるので、これまでのピッチと比べるとぐっと楽になる。

8ピッチ目、最終ピッチは倉田さんリード。

草付きを少し登ると変形チムニールートに合流し、烏帽子岩基部へ。

13時頃終了。

下降は南稜から直接鎌形ハング下に降りようとしたが、南稜は長いこと降りたことがなかったので、途中で間違えて6ルンゼに降りてしまい、そのまま6ルンゼを本谷バンドまで下ってしまった。

でも、6ルンゼでリチウムのヘッドランプ(ペツル製)を拾った。

ヒョングリの下で水洗いして、はずれていた電球をセットしてみたらちゃんと電気が点いた。

自分が持っているゴムが伸びたやつよりも、かなり新しい。

出合に戻ったのは17時頃だった。

6ルンゼから本谷バンドへの最後の50m近い懸垂で、引きロープと反対側のロープが来なくなり、ロープを切って残置してしまいました。

私の場合、引きロープと反対側のロープが岩角やクラック、草付きなどに絡まり、回収できなくなることがとても多いのですが、どこか私のやり方に問題があるのでしょうか?気づいた点がありましたら教えていただけませんか。

 

 

谷川岳 一ノ倉沢 衝立岩正面壁雲稜第一

1999年10月24日(日)
向畑・倉田(記)

朝寝坊の向畑さんを何とか起こし、一番に取り付こうとしたが、ヒョングリの懸垂手前で足の遅い私のせいで、先行パーティーに抜かれ、(ヒョングリでは、暗くてクライムダウンに自信がない私が懸垂してと頼んだこともありどんどん遅くなり)、先に雲一に取り付かれてしまう。

しばらく中央稜の取り付き付近で待って、先行トップが2ピッチ目ビレーポイントにたどり着いたところで、アンゼイレンテラスに向かう。

雲一の取付き7:00。

奇数ピッチを倉田が担当。

1ピッチ目倉田リード、岩が堅くしかも良く乾いていて気持ち良く登れる。

ビレーポイントで、先行パーティーに追いつき、先行のトップがハングを越えるまで待つ。

先行のビレーヤーが以前登った(9/26)ダイレクトカンテでの先行パーティの一人で、思わず3人で話が弾んでしまう。

次の2ピッチ目は向畑さんリード。

最初フリーで、途中から人工。

3ピッチ目倉田リード。

フリーの混じる人工。

岩が脆いと言われる衝立だが良く登られているルートのせいか意外とそれほどでもなくなっているみたい。

でもビレー中、先行の方が足を置いた私の目の前の岩が(浮き石に見えなかったが)あっという間に落ちた。

直径50センチぐらい。

びっくり。

登ってくる向畑さんは大丈夫だったが、私の左足甲にバウンドして墜落。

ここから先、巻きこむたび痛む。

次、4ピッチ目向畑さんリード。

最後の出口のフリーが難しく感じる。

5ピッチ目倉田リード。

高度感がどんどん増してくるが、天気が良く風も微風で登っていると気持ちいい。

振り返ってみると紅葉がなんとも言えずきれい。

ボサテラスは広くて草が生い茂り大変居心地がいい。

6ピッチ目向畑さんリード。

凹角は草が生い茂っていて洞穴ハング下まで、草漕ぎ。

7ピッチ目倉田リード。

洞穴ハング越える所にぐらぐらのアングルピトンがあるが、それにアブミを掛けずにいくほうがスムーズに越えられた。

雲一の最後のトリ。

最終ピッチはコンテで、出だしのチムニーのところだけ慎重に登って、あとは草付となり、すたすた行ける。

終了点には、14:40につく。

北稜を下降するパーティがかなりいたので、中央稜を下降。

雲一の先行パーティも中央稜下降。

出合には19:00着。

運の強い私はいつも衝立では天気に恵まれ、今回も本当に気持ちのいい登攀が出来ました。

なんといってもクライミング日和なのに衝立にはたった2パーティだけで、人が全くいなかったのが良かった。

(中央稜はいっぱいだった。)

ちなみに私の反省としては、歩くのが遅かったり、暗い中でのクライムダウンに自信が持てなかったりして、どんどん行ってしまう向畑さんにいつも遅れをとってしまう点。

もっと体力つけなきゃと思いました。

 

 

谷川岳 一ノ倉沢 衝立岩ダイレクトカンテ

1999年9月26日(日)
向畑、倉田(記)

朝起きるとガスが掛かっている。

ノロノロとしていると天気が良くなってきたので出合を出発。

ダイレクトカンテ取付きには先行が既に2パーティー。

最初のパーティーがなかなか進まず、次のパーティから団子状態。

もっと早く出れば良かったなあと思う。

8時頃取付きから登り始める。

1ピッチ目向畑さんリード。

部分的に濡れていて嫌な感じ。

ビレーポイントにたどり着くと最初のパーティが抜けてない。

フォローが、はまってしまったらしくて、後を追う次のパーティ(岩峰登高会)のトップが変なところで待たされている。

私たちもここでかなり待つ。

左隣の雲2やその隣の雲1なんか特に大盛況で人がいっぱいいた。

ちなみに、残りのピッチ、登りたいでしょと向畑さんが言ってくれ(気持ちが顔に出たみたい)残る3ピッチを私がリードさせてもらう。

前の岩峰パーティのフォローが出るのに続いて登り始める。

2ピッチ目、ハングにそって左上する。

みずが染み出てくるのか時折雫が落ちてくる。

腐ったピンが結構あった。

ビレーポイントにつくとまだ最初のパーティが抜けてない。

後を追う岩峰パーティがまた変なところで待たされている。

向畑さんに登ってきてもらうが最初のパーティがなかなか進まず、また待つ。

天気はいいが、風が強くザイルが舞い上がるほど。

とっても寒い。

3ピッチ目A2らしいが始まりにペツルが打ってあるのでなんか変。

ピンはラダーで、難しくない。

途中3mmシュリが今にも切れそうで、最近太り気味の私が乗るとパサついていた。

このピッチは、ハングを完全に廻りこんで、5mほど右側の壁にトラバースしたところできる。

本当のビレーポイントはハング抜けたすぐのところらしい(雲2のすぐそば)。

4ピッチ目はフリー交じりですぐに北稜につく。

おそらく15:00頃。

結局待たされた時間が2時間以上あった気がする。

北稜下降は初めてだったので全て懸垂してたら時間掛かってしまい、結局出会いには18:30頃つく。

 

 

谷川岳 一ノ倉沢 衝立岩中央稜

1999年7月4日(日)
本郷、畠中、高津、三好(記)

天気予報では雨だったが、日曜日は時折雨がぱらつくものの、まずまずの天気。

これは行くしかないと、前夜のしゃぶしゃぶとお酒でずっしり重たくなった体と頭を抱えて、中央稜に向かう。

実は3年前に敗退、ビヴァークのおまけつきという恥ずかしくも懐かしい思い出があるので、ガスのかかった一ノ倉が近づくにつれてちょっと緊張してくる。

開山式に出たりしてたので、取りついたのは10:00前だったと思う。

1P、2Pめは本郷さんがリード。

時々岩を叩いて確かめるのが、パンパーンととてもいい感じに響く。

3Pめは私がリード。

少しだけトラバースした後は、ぐいぐい登れるので気持ちよい。

ただ、岩が所々ぬるぬるしてたり、グラグラするのはいやな感じだ。

4Pめもリードさせてもらう。

核心、右側のチムニーがぬれてたので左側フェイスをいったのだが、あやしい残置スリングをちょびっと掴んでしまった。

使わなくても登れそうな所だったので、反省。

4Pめが終わった頃には、ガスがやる気をみせつつ下ってきて、雨もぱらついてきたのでここで終了。

それにしても、3年前は高さに頭がクラクラ、足がガクガクで全然きちんと登れなかったのが、不思議なほど、すんなり登れてしまった。

色々自分なりにもたついてしまった場面、反省点のほうが印象に残っているくらい。

4P終了点からの懸垂では、ロープが引っかかってしまったので(以前も同じ場所でひっかかった)、公平にジャンケンして、畠中さんが華麗な登り返しを見せてくれることとなった。

それでも取付に戻ったのは14:00。

それからのテールリッジの下りが一番の核心だった。

お酒も飲めたし、登れたし、とても楽しい週末だった。

さて、次はどこに行こう。

 

 

谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁南稜

1999年5月29日(土)
本郷、井上、倉田(記)

5/28(金)

谷川に向け21時30分北坂戸駅を出発。

ポンコツ倉田車で、0時に一ノ倉沢出合に着く。

5/29(土)晴れのち曇り

5時に起床、5時40分出発。

私は恥ずかしながらこのルートを約6年前に敗退した経験があるので、絶対終了点まで行くんだと密かに思いながら、ヒョングリの埋まった雪渓をすたすたといく。

ちなみに底の薄い運動靴を取り付まで使用したところ、雪渓でも、テールリッジでも、とても歩きやすかった。

途中水を汲んだりして、7時頃南稜テラスに着く。

テラスで、かなりの順番待ちとなり、日向ぼっこしつつ待つ。

8時20分頃、はじめの1ピッチ目フェースを倉田がリード。

混んでいるので、前のパーティーを追い越しつつチムニーへ。

チムニー奥に入り込まず、右側を選んでのぼるがちょっと緊張した。

2ピッチ目フェースも続いて登るが記憶に残らないくらい。

草付を普通に歩いて、3ピッチ目フェース、又倉田がリード。

上に行くにつれて混雑がひどくなり、だんご状態。

追い越すことも出来ないので、しばらく先行が抜けるまで待つ。

ビレー点から最終ピッチのフェースが良く見え、先行パーティーがにっちもさっちも行かず、へばりついてるのが見えた。

4ピッチ目井上リード。

緊張感が欠け気味の私は、ダブルロープの片方を反対ビレーしそうになりあせる。

途中でカンテ手前でピッチを切る。

5ピッチ目井上リード。

カンテは横をへつろうとすると難しくカンテ上に思いきって出ると簡単だった。

最終6ピッチ目井上リード。

垂直なフェースで、高度感もあり、登って気持ちがいい。

真っ直ぐ登ると出口のところにガバがあるので、それをつかんでぐいっと登れる。

また右側に抜けると少し簡単だそうだ。

終了点にはおそらく11時半ぐらい。

そのまますぐ6ルンゼ側から懸垂下降する。

馬の背リッジで、ザイルが切れたことがあると聞いていたので、リッジには出ないように降りる。

途中の懸垂で、末端を遠くに投げなくてはいけないのに手前のほうに投げてしまい、岩に引っ掛かり、登ってくるYCCの人に取って頂く。

穴があったら入りたい気分だった。

今回の山行で、私は緊張感と判断力の欠如があり、もっと経験を積み、勉強しないとと新たに思う。