谷川岳ヒツゴー沢

2018年8月5日(日)
薄田(単独、記)

行程: 谷川温泉6:00 ~ ヒツゴー出合7:30 ~ チョックストーン滝8:30 ~ 稜線 10:45 ~ 谷川温泉15:00

「熊だー!」
世の中暑すぎるので沢に逃げようと計画したが山も暑かった。甘かった。
20年前に1回入っていたが連続する滝はほぼ直登でき、単独でも行ける事はわかっていたので計画。
8/4の夜埼玉を出発。谷川温泉には23:00に到着、涼しい。(国道の温度計は24℃だった。)
前回駐車できたスペースはチェーンでガードされて入れない。モ・・・何とか言う団体の私有地だった。仕方なく空いている僅かなスペースを探し駐車。
レガシーの窓を僅かに開けてすぐ寝る。
4:30にアラームセット。夜中20年前にはいなかったかに起こされたが我が家とは比べものにならない涼しさだったのでよく寝られた。
6時前に出発。途中の沢が崩れていたがセンターの管理人言われた程の荒れ形では無かった。但し、20年前に歩いた場所が崩れて沢身を行かなければならない所が大分増えたように思った。
二股手前で右手のヤブ中から「がさがさ」と音がすると思ったその瞬間、恐怖におののいた熊さんと目が合ってしまった。こっちもびっくりしたが熊さんも人間が怖いのか猛スピードで斜面を駆け上がっていった。
体長は1.2m位の若いヤツで母親がいたらとどきどきしたが単独だったので助かった。
逃げてくれてありがとう。長いこと山に入っているが生熊を見るのは初めてで良い経験(あまりしたくないが)だった。
出合に7:00前に到着。準備して入渓。程なくして逆くの字滝、朝一で体が動かないので前回と同じく1段目を上がって左から巻く。後は連続する滝を全て直登。流石、銘渓ヒツゴー沢であります。
1箇所残置ハーケンにΦ7シュリンゲがお助け紐状態で2m位垂れていて有り難くA0をさせて貰った。之は助かりました。大きい滝が終わる頃から谷も開けお日様がガッツリ夏の日差しで攻撃してきます。此処からは熱中症との戦いです。クエン酸入り塩タブレットを舐めながらふらふらしながら登っていくと足下がいい加減になり1回スリップダウン。おしりをしこたま岩にぶつけて痛かった。
稜線直下は熱中症寸前で頭が半制御不能状態。10:45に稜線着。新潟側からの涼しい風に助けられ命拾い。肩の小屋まで登り天神尾根を下るが登って来る人来る人が暑さで死にそうな顔(多分自分も)なのが印象的でした。

大菩薩連嶺・小金沢本谷

2018年8月4日~5日
中和(単独、記)

■はじめに
小金沢本谷で滝からフォールして負傷する事故を起こした。
幸い、自力下山できたので騒ぎにはならなかったが、事故を起こしたのは事実なので、簡単に経過を報告する。

■概要
・ルート:大菩薩連嶺・小金沢本谷 (沢登り)
・日程:2018/08/04~2018/08/05
・天候:両日ともに晴れ。水位も平水と思われる。
・事故場所:小金沢本谷F4
・事故内容:F4(6m)からの墜落。
・事故後の対応:自力下山

■主要装備
・沢靴(フェルト)
・ヘルメット
・軍手
・ハーネス
・8.5mm * 60m (未使用)
・フローティングロープ10m (未使用)
・ハーケン8枚 (未使用)
・アブミ (未使用)

■時系列
08/04(土)
13:00 小金沢本谷入渓
16:30 F4で墜落
17:00 F4上の河原でビバーク
08/05(日)
06:00 F4河原を出発
07:00 沢に並走する林道に復帰
09:30 小金沢公園着 (通報等は行わなかった)

■事故状況
静岡の某沢の遡行を予定していたが、沢靴を忘れたため敗退。家に戻った頃には9時過ぎだったため、近場の大菩薩の小金沢本谷に転進することにした。計画書作成などもあり、入渓は午後になったが、小金沢本谷は右岸を林道が並走しているため、いつでも撤退できるゲレンデ沢という安心感があった。

F1/F2はどちらも容易で特に問題にならない。F3(御茶ノ水の滝)は取り付いたものの、大水量に加えて上部がカブり気味で、かなり厳しい。おまけに落ちると釜に引きずり込まれそうで、突っ込む気にはなれず、戻って左岸を巻く。

事故を起こしたF4は、F3のすぐ上にある6m強の滝で、大きな倒木が引っかかっている。上部が悪そうであるがホールドが拾えれば直登可能と判断して取り付いた。まず、倒木に馬乗りになってズリ上がりで倒木の頂点に移動。そこに立ちあがってホールドを探った。水流によってツルツルに磨かれており、ハーケンを打てるリスが無い。2m程上にガバと思われるものが見えるが、そこまでが細かいので、悪いと感じる。水流の近くに細かいホールド・スタンスが拾えそうなので、スタンスが決まるか探っていたところ、水流が強まり右手・右足を剥がされフォール。登ってきた倒木と、釜の中の倒木に足を引っ掛けたり、ぶつけたりしながら釜に落ちる。釜は深く若干水流に揉まれたが、ザックの浮力も手伝って簡単に抜け出すことができた。
釜で全身を洗濯されたせいで軽い目眩がしたが、すぐ収まり、水から上がって大きな外傷は無いことを確認。左足が痛いが、辛うじて歩けたため、F4を左岸から巻いて、滝上の小さな河原で休む。まだ明るかったが、この足で日没までに車に戻れるか微妙だったので、水も薪もある、この河原で一晩過ごすことを決める。湿った薪で着火に苦労したが、どうにか安定した火になり濡れた体も乾かす事ができた。

翌朝になっても、歩くと痛みがひどく、渡渉は四つん這いにならないと不可能なくらいである。遡行を継続できる状況ではないので、撤退を決める。痛みの主原因である左足首にテーピングを厳重に施し、痛み止めを服用。ノコを使って杖を作り、F4河原を後にする。杖を使ったり、這いつくばったりして、斜面を上がると一時間弱で林道に復帰。あとは、2時間以上歩いて車を停めた場所に戻った。

■事故の結果
事故翌日に通院。骨折は無く、左足首・左膝の捻挫。
夏休みの山行はすべて流れ、約束してパートナーに迷惑をかけてしまった。

■事故の原因
ロープを出せない状況で、滑落の可能性がある滝に取り付いたこと。
F4は支点が取れない滝だったが「それ程高さが無く、下が釜なので落ちても大丈夫」と思い、安易に取り付いてしまった。
以下のようなケースでは墜落そのものが非常に危険なので、安易に取り付かず高巻くべきだった。
(a) サラシ場になっており、水中から浮上できない
(b) 大水量の沢で下流まで流される
(c) 倒木や岩などの障害物がある (今回のケース)

■所感
事故を起こしたのが、林道が平行している特殊な沢だったので、容易に下山できた。
山奥の沢だと無理は避けるが、丹沢、大菩薩、秩父といった近郊の沢は、可能な限り直登を試みる傾向があるので、登れるかどうかの判断には慎重さが必要だと思う。

F4登攀時にロープは出せなかったが、今回のような落ち方をした場合、墜落を止めると却って危険な状況に陥る場合もある。
水流に引き込まれて墜落した場合、ソロシステムではロックを解除できないと溺死する可能性があるためである。二人以上であれば、ビレイヤーに流してもらうことも出来るが、ソロシステムの場合、落ちた後に水流を浴びながらのロック解除または登り返し、はたまたロープを切断しての脱出という状況に陥る。支点の位置や滝の形状によっては、墜落を止める事が安全を担保することにはならない事は意識しておく必要があるだろう。

当たり前だが、単独遡行は、墜落しないのが大前提の遊びである。沢登りは水に近いラインの遡行が一番綺麗だと思うが、墜落しない安全マージンをかなり残した上で、高巻きの判断を行う必要があった。

 

錫杖岳 前衛フェース 黄道光、1ルンゼ

2018年7月14日、15日
野澤、河合(記)

海の日3連休は毎年天気よくないけど、今年は珍しく晴れるという予報。でも暑くなるらしいので、多少は標高の高い錫杖岳に野澤さんと行くことに。狙うは、2年前の宿題、黄道光5p 5.11c。前回は注文の多い料理店登って余った時間に1p目だけトライしてとても苦労したけど、今回はどうなることやら。

7/14
前夜入りして3時間睡眠。5時10分出発。同日程で錫杖入りする薄田さん川上さんパーティはまだ爆睡中。テン場は2番乗り、まったり支度して、8時35分、左方カンテ1p目登攀開始。一番乗り!

1p目(左方カンテ):Ⅲ級 35m(リード:河合)
前来た時より、豪雨の影響か明らかに荒れてる。正規終了点の手間5mの立木でピッチを切る。

2p目(黄道光1p目):5.11a 30m(リード:野澤)
側壁に微妙に遠い間隔でぺツルボルトが並んでる。野澤さんは出だしにカムを決めて壁に取り付いたところ、フットホールドがモゲた!少し下から取り付いてしまった模様。その後核心のコーナーレイバックを行きつ戻りつ、意を決して吠えながら突撃!残念ながらテンション。その後わかり辛いスラブをこなして終了点へ。1時間半位の粘りのクライミング。コーナークラックは湿気ていたとのことで、カムは出だしだけ。
セカンドの私はユマール。最初から空中ユマールでしんどく、普通にフォローした方が楽だったかも。

3p目(黄道光2p目):Ⅱ級 20m(リード:河合)
テラスへ向けて草付トラバース。

4p目(黄道光3p目):5.11c 55m(リード:河合)
本ルートの核心ピッチ。ガチャ大集結!♯0.3~3のカム2セット+♯0.2、1、2、ナッツを揃えて万全と思ったら、♯0.4を自宅に忘れて1個しかないことに気づく。
それにしても暑い!2p目のユマールで汗だく、20分位レストしてからスタート。

出だしはアツアツに温まったハングを越えるけどホールドわかり辛い。カムをセットする間に腕が吸われ、気合のデッドポイントからの癒しのクラック!と思ったら、「びちゃびちゃじゃね~かよ!」思わず叫んでしまう位には濡れ濡れクラック。思わずテンション!と叫びそうになったけど、2p目の野澤さんの魂のクライミングを思い出し、寸前のところで口を噤む。
その後、びちょ濡れのクラックをだましだまし登って、サンシャインクラック入口のハング下でレスト。この間、何回悪態ついたかわからない。憧れのルートがアツアツビチャビチャだなんて、愚痴りたくもなるもの。(当日、左方カンテを登っていた皆様におかれましては、汚い言葉の数々、すみませんでした。)
レスト後、第2核心となるハングに突っ込む。プロテクションの選択を誤り腕がパンプ、最後はサンシャインクラックに届いた左手フィストがすっぽ抜け、涙のフォール、やっちまった…しばし呆然。
その後、魂が抜けてしまい、ノロノロとアツアツのオフセットしたサンシャインクラックを適当にレイバックでこなし、またボルトに戻るとムーブ悪く余裕のテンション。ここが最大核心か~こりゃ条件良くてもオンサイト無理だ~。しかもガバホールドがヌルっとしたと思ったらツチガエルが飛び出したり。
40m地点付近には両手放せるテラス。でも正規の終了点はまだ10mちょっと登らないといけない模様。ろくにカムないんですけど・・・レッジトゥレッジという点でも、ここでピッチ切っていいんじゃね?という誘惑にかられるも、頑張ってちゃんとした終了点のある扇岩テラスへ。2時間近くかかってしまった。後続のパーティの方(1p目で撤退した模様)、すみませんでした。
野澤さんは最初フリーを試みるも、荷物の重さに耐えかね、ユマールに切り替え。55mの斜上クラッククリーニング、お疲れ様でした。

5p目(黄道光4p目):5.11c 40m(リード:野澤)
鉄人の体力を誇る野澤さんの調子が悪そうだ。軽い熱中症かな。扇岩テラスでじっくり休んで水飲んだ後でトライ。セカンドがユマールの場合は、ユマールからのリードはしんどいので、リード固定の方が良かったかも。
最初は8つのボルトが程々の間隔で並んでいて、その後クラックに入る所が悪そう。野澤さんはアメリカンエイドに切り替えてトップアウトに専念していた。後半のハング手前のコーナーも悪そう。ハング部はボルトが噂通りたくさん打ってあって、下の方とコンセプトが異なるように感じた。このピッチも2時間近くかかってしまった。

河合はユマール。1p目よりは傾斜ないから大分楽と思ったけど最後はやはり空中ユマール。終了点に着いたら17時と時間かかり過ぎ、丸一日使ってしまった。
まだ修行が足りないということですね。精進します。
下降は60mロープで懸垂3回。新品ロープがスパゲッティになったり、スタックしかかったりで大分時間かかってしまい、アプローチも迷いかけ、結局ヘッデン出して久々の残業になってしまった。テン場帰着は20時過ぎ。

7/15
当初は、2日目も個別ピッチのRPをかけて黄道光、または北沢フェース右ジェードル~上部錫思杖戯と思ったけど、黄道光の核心5.11cの2ピッチは条件的にRPは厳しいこと、上部錫思杖戯は昨日、遠目に濡れ具合が酷いことを確認していたので、昨日薄田さんと川上さんが登ったというLittle Wing 5.10cに行くことにした。
そもそも起床が6時とやる気なく、取り付きの1ルンゼでは当然の順番待ち、しかも先行パーティのリードが派手に10m位ぶっ飛んだりして(尻打っただけでどうやらほぼ無傷だった模様。よかった。)スタートしたら既に9時40分。

1p目(1ルンゼ)Ⅳ級、Ⅴ+ 50m(リード:河合)
終了点の位置を覚えていたので、トポの1p目と2p目をリンク。途中、手前でピッチ切った先行パーティが進むのを待っていたら、綺麗なランを見つけて癒された。

2p目(1ルンゼ)Ⅳ級 40m位(リード:河合)
野澤さんはⅤ字状岩壁のすぐ手前でピッチを切っていた。後でわかったことだけど、正規?のぺツル終了点は側壁側にあったらしいけど、Little Wing入るつもりだったので問題ない。

3p目(1ルンゼ)Ⅳ級、Ⅳ級(ライン違って多分Ⅴ級)45m位 (リード:河合)
またリンクして、Ⅴ字左のルンゼ~大テラス~ボロボロのフェース。ボロボロのフェースはプロテクション取り辛くて、岩も脆くてちょっと緊張。掴んだアンダーがもげかけた。ハーケンとスリングの残置のある小レッジでハンギングビレイ。

4p目(Little Wing 1p目) 5.10b (リード:野澤)のはずがトラバース15m
さて、Little Wing入口に着いたぞ~と見上げると、そこにはびちょ濡れの壁、滴る水・・・こいつはやべぇ、ということで早々に挫折、1ルンゼのラインに復帰を試みてトラバース。
(後で詳しく聞いたら、薄田さん、川上さんパーティも別のラインでエスケープしたとのこと)フォローの河合は濡れ手で滑って初めてカムを落とすも、幸い大テラスでストップ、先行パーティに下降時拾っていただきました。ありがとうございました。

4p目の続き(1ルンゼ復帰中、10m)(リード:野澤)
先行パーティが懸垂下降していたので待ってから、正規1ルンゼ5p目終了点のぺツルの終了点に復帰。

5p目(1ルンゼ)Ⅳ級30m位(リード:河合)
前回1ルンゼ登った時はLittle Wing 5.10bのラインを登ったので、正規ラインは今回が初めて。出だしのプロテクション取れない所にはぺツルが2つ打ってあった。後はルンゼと見せかけてカンテ登りを楽しんで、適当に終了点へ。ロープの流れが悪い。Ⅳ級よりは悪く感じた。

この時点で14時。順番待ちやら、ルート復帰やら、暑さでだるいやら、大分時間食ってしまった。アタックすればLittle Wing は登れるだろうけれど、本日帰京の野澤さんの明日の仕事がヤバイことになってしまう。ということで、モチベーションも上がらないこともあり(疲れてたんだと思う)、無理せずここで敗退することに。下降は懸垂4ピッチで、15時に取付、テン場で薄田さん、川上さんパーティと合流し、恒例の早足をこなし(ガチャ担いでテン場から登山口まで30分は、とばし過ぎてると思う)、汗だくへとへと下山。
帰京する野澤さん川上さんを見送り、薄田さん、河合は居残り。

7/16
薄田さんが西穂高岳にハイキングに行くというので、私も付き合ってまったりハイキング。標高高くても日差しがあるとやはり暑かった。

今回は念願の黄道光の完登をかけて頑張ってみましたが、結果的には中途半端になってしまいました。オンサイトを逃して悔しかったけれど、憧れのサンシャインクラックをフリーで(テンション交じりだったけど)こなせたのは嬉しかった。実力が足りなかったということで、また機会あれば練習してトライしようと思います。でも、もう真夏には行かないもんね・・・

南ア 光岳南面の沢

2018年7月13 ~ 16日 (3泊4日)
中和(単独、記)

大井川水系の最大支流・寸又川。
南アルプス深南部と呼ばれる山域を構成する一大渓谷であり、その支流には無数のゴルジュや大滝を秘めている。この流域の愛好家としては、源流にあたるリンチョウは、いつか遡行したい沢の一つであった。

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(1) 概要

・期間:7/13 ~ 7/16 (3泊4日)
・対象:信濃俣河内・中俣 (遡行)、寸又川・椹沢(下降)、寸又川・リンチョウ(遡行)

(2) コースタイム

D1: 畑薙ダム(05:18) → 西河内出合(08:03) → 三俣(10:22) → 百俣沢出合(14:15) → 幕営地(17:10)
D2: 幕営地(04:42) → 木積の滝(06:05) → 稜線(09:24) → 椹沢出合(16:16) → 幕営地(16:30)
D3: 幕営地(04:45) → リンチョウ出合(05:04) → ダルマ沢出合(08:33) → オニクビリ沢出合(13:29) → 稜線(15:48) → 幕営地(16:30)
D4: 幕営地(05:00) → 光岳(05:15) → 三俣(09:50) → 西河内出合(11:01) → 畑薙ダム(13:31)

(3) 山行記録

7/13(金) 晴れ

信濃俣林道入口に駐車し、自転車で林道終点まで移動。
吊橋横のガレをフィックスロープを利用して畑薙湖に降り立つ。
いきなりバックウォーターの泳ぎだが、足が付かないのは10m程度で、後は湖水の横を歩くことができた。

信濃俣河内は、三俣までは基本的に何もない沢で、河原歩きと渡渉に終止する。今回は竿を持ってきたので、西河内出合から釣り上がりながらの遡行。オカズの調達の成功したので、三俣で竿は仕舞う。

中俣は出合からゴルジュとなり、少し進むと1mにも満たない小滝。
なるべく水流沿いに遡行したいので、水流左横を狙うが、釜が洗濯機になっており、渦に体を引き込まれて、水から這い上がれない。
何度かやっても突破できず、左岸を巻いた所、この上にも大水量の5m滝と渦巻いた釜が見え、まとめて巻いた。両岸立った地形はさらに続くが、特に問題になる場所はない。

右岸から比較的水量の大きな沢を2本見送ると百俣沢出合。中俣と百俣沢が1つの釜に落ち込んでサラシ場を形成しており、水流沿いの遡行は不可能。左岸の枝沢から巻いて懸垂で滝上に降り立つ。
この滝上から始まるゴルジュが第二の核心で、5m以下の滝2本をヘツリ気味に抜けると、ハング気味の5mの滝。右岸の壁を空身で上って高巻き、荷揚げしたのち懸垂で落ち口に戻れば核心は終了。
この先も10m内外の滝が連続するが、難しいものはない。シャワーを交えて楽しく越えられる。標高1600mあたりで、左岸に台地を見つけたので、ここで幕とした。

7/14(土) 晴れ

幕営地を出てからも延々と5m前後の滝が続き、そのフィナーレが木積の滝。
どんな由来か不思議な名前だったが、一目見て納得。流木が積み木のように重なっており、実に即物的な名前である。

この滝を右から巻くと、イザルヶ岳からの沢と当量で分かれる。
左側に入ると、両岸が崩落地のようになり、やがて完全な崩落壁の様相を呈する。
滝は容易に登れるものが多いが、崩落地の中である故に岩が脆く、快適とは言い難い。最後の二俣直下の小滝を巻こうとしたところ、急なザレで下降が困難。
大高巻きに追い込まれたが、二俣左の沢に復帰し、水涸れまで詰めると稜線は至近。藪こぎも無く柴沢への分岐点の真横に出た。

ここからは椹沢を下降路にとるため、柴沢登山道を標高2150mあたりまで降りてから入渓。
この沢の上流部は、小滝が数本ある程度で、全く平凡な渓相である。
二俣を過ぎると断続的に小ゴルジュがあり、数回懸垂したが、遡行であれば、ほぼ全ての滝が水流横を登れるだろう。
ゴルジュ群を抜けると、開けた河原が暫く続いたのち、寸又川本流に合流する。

本流からは、竿を出しながらペタペタ歩いて行くと、大量の流木が打ち上げられた河原を発見。
細いものから太いモノまで何でもある上、全てカラカラに乾いている。こんな国宝級の薪が、数百本転がっているのだ。最高の宿泊地なので、釣り竿はほっぽりだして、キャンプファイアに励んだ。

7/15(日) 晴れ

宿泊した河原のすぐ後ろが林道なので、リンチョウ出合まで林道を移動。
すると突然、上からの激しい落石音と共に、若いメス鹿が10mくらい先に落ちてきた。鹿氏は、痙攣するのみで全く動けないようだが、私に出来ることは何もない。

リンチョウ下部は、広葉樹の中に穏やかな渓が続けた後、リンチョウ滝に出合う。正面から見ると難しそうだが、近づいてみると水流右が容易。空身で登って荷揚げした。
リンチョウ滝の上からは巨岩帯となるが、その上は明るく開けた河原となり二俣(ダルマ沢出合)。ダルマ沢を下降してきたと思しき2人パーティが見えたが、先に行ってしまった。

二俣を少し行くと、核心と思われる第一ゴルジュ。先行パーティが右岸を巻いているようで、落石や倒木がゴルジュ内に降り注いでいる・・・・
巻く方が早そうだが、主目的である沢の核心を安易に巻くのは考えられず、ゴルジュ突破を試みる。1本目の3m滝は容易で水流右を直登。2本目の5m滝は厄介で、右からの突破を試みたが、泳ぎもヘツリも何度やっても通用しない。やむを得ずロープを出して左側を攻める。左壁をアブミで2m程上がり、バンドをトラバースして何とか突破。3本目の6m滝は右側からフリーで超えた。

その先の第二ゴルジュは、5m滝をかけているだけの小規模なものだが、明らかに直登困難なので右岸の枝沢から巻く。
これで、この沢の核心は終わり。水量が多いオニクビリ沢を見送ると、滝も全く無くなり、2100m付近からルンゼ状となり左右に分かれる。
傾斜の緩い左側に入ると、2200mくらいで水流が無くなり、急なルンゼとなって白い岩峰に詰めあげている。これを直登するのは骨が折れそうなので、左側の藪尾根を少し登ったところ、加加森からの登山道に合流できた。
テカリ手前の適当な場所まで登ってビバーク。

7/16(月) 晴れ

出発して15分程でテカリの山頂。光小屋もテン場も賑わっており、それまでの静寂な世界が嘘のようだ。
人が多い登山道で畑薙まで行くのは嫌だったので、イザル尾根を下って三俣を目指す。軽量化のため水を殆ど捨てたので、暑さで気が遠くなったが、ヘロヘロになって三俣に辿り着く。地元の3人パーティが休んでおり暫し歓談。
後は来た道で畑薙に戻るだけ。

 

愛鷹連峰・高橋川

2018年7月8日
中和(単独、記)

寸又川支流の遡行を計画していたが、大井川上流部の週間雨量は軒並み400mmを超えており、お話にならない。転進先として、愛鷹連峰・高橋川に行くことにした。
地図を見て、水流によって侵食された地形にゴルジュを秘めているのではないか、と期待してのことである。

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コースタイム:
休場遺跡(06:10) – 二俣(07:40) – 左俣水涸れ(11:08) – 右俣10m滝(12:10) – 二俣(13:10) – 休場遺跡(14:15)

行動記録:
休場遺跡の辺り作業道を下って入渓。
流程が短い川なので水量は少ないと思っていたが、中々どうして水量豊富。足が付かない淵もあるが(※)、二俣手前まで基本的に平凡。忙しい人は右岸の作業道を使えば二俣までワープできる。

両岸の壁が立ってくると、名刺代わりの3条4m滝。これを越えると二俣に出合う。
右俣は樹木に覆われて陰鬱な雰囲気で、左俣はゴルジュの様相。計画通り左俣に入ると、川幅が1m程にまで圧縮されたゴルジュとなる。極度に狭まった水路内の2つの小滝を容易に超えると、川幅が少し広がり10m近い直瀑。右壁は登れる可能性があるが右岸を小さく巻く。本格的なゴルジュはここで終わり。

ゴルジュを抜けると、ほぼ等量で支流を分けるため、早くも水量が減少を始める。
6mの直瀑を左側バンドから直登すると、滝上からはゴーロとなり、伏流を繰り返すようになる。時々思い出したように水流が復活し、ナメやら小さな淵が出てくるが、基本的には歩くだけ。

標高900mくらいまで上がると、それまでの薄汚い茶色の凝灰岩から、火成岩の柱状節理となる。水量も本格的に復活し、玄武岩の綺麗なナメを構成するが、惜しい事にすぐに水流が無くなる。愛鷹山と馬場平のコルに至る沢は水流があるので、こちらを詰めて愛鷹山に登るのがスマートかと思う。

今回は右俣の渓相も見ておきたかったので、適当な所から尾根を乗り越して右俣に移行する。だが、期待に反して右俣は何もない。オーバーハング気味の観賞用の10m滝が1本ある他は、ナメとゴーロが続くだけの穏やかな渓相である。二俣まで下降した後、右岸の作業道に這い上がり休場遺跡に戻った。

※暑かったので泳いだ。両岸ともに歩けるので、理由が無ければ水に浸かる必要はない。

 

トップガン記録

記:河合

風邪引いて週末のトレーニングが潰れてしまった。そこでふと思い立って、最近登った1本のルートについて、記憶が風化する前に記録しておくことにした。山行記録でもなし、特に意味のあるものでもないけど、このルートをいつか登ろうと思っている人や、既に登った人の目に留まって、思いを共有できたなら嬉しい。

クライマーなら誰でも、自身にとって特別な1本があると思う。それは原点となったルートかもしれないし、苦労しても登れなかったルート、或いは登れた最高グレードのルートかもしれない。
私にも、そんな特別な1本がある。そのルートは、瑞牆山カサメリ沢の奥にひっそりと聳えている。名前は「トップガン」。グレードは5.13a。

このルートをどこで知ったか、実はよく覚えていない。どこかで「激しいランジのルートがある」と聞いたのかもしれない。ある日、ひょんなことから写真を目にし、心を奪われた。当時、手の届くルートではなかったので登る対象として見られなかったけれど、「いつかは登りたい」ルートとして意識するようになった。
トップガンを登るためには、当時、フリークライミングの力を大幅に向上させる必要があった。目標は遥か彼方だったけれども、時々本チャンに行きつつ、近場のゲレンデで登る日々が続いた。
その後年が経ち(と言ってもそんなに長くは経ってない?)、5.12も少し登り、遠いながらも視野にトップガンがちらついてきた2017年5月のこと。昼夜関係ないブラックな仕事で体が壊れてしまい、2ヶ月以上に渡り療養を余儀なくされた。
その後8月に仕事に復帰、遅れてクライミングも再開した。再開1本目はパートナー達に混ぜてもらいクレイジージャム5.10d。弱り切った体でワイドなんて登れるわけもなくテンションの山、己の無力さに溜息。でも、体力的に「フリーのゲレンデなら何とか登れる」ことがわかっただけでも収穫だった。
思い返せば、倒れてしまったこともあり、「俺はまだ登れる!」という、自分の中で確固たる証拠が欲しかったのかもしれない。クレイジージャムにコテンパンにされた翌週、無謀を承知で、トップガンにトライするためカサメリ沢に向かった。

以下はトライのメモ。ムーブの記載などあるので、オンサイト狙う人は見ないことをお勧め。

1日目(8/26):2便 アプローチは1撃。その後右薄カチはテンション後取れたが、以降ムーブできず、絶望感漂う。
2日目(9/3):3便 右薄カチ→足を棚に上げ→右ポッケ→足をガバに移動→左ポッケ取りはテンション後繋がる。下ランジもテンション後初めて止まるも、上ランジ止まらず。
3日目(9/10):4便 下ランジ発射まで繋がる×1。上ランジ初めて止まり2テン。
4日目(9/24):4便 下ランジ発射まで×2。上ランジの足位置上げたら成功率上昇。
5日目(9/26):3便 下ランジ発射まで×1。
6日目(9/27):3便 下ランジ発射まで×3。
7日目(9/30):3便 上ランジ発射まで繋がり1テン×1。
8日目(10/1):5便 上ランジ発射まで×3。
9日目(10/8):3便 雨後でヌメリ酷く何もできず。
10日目(10/9):3便 上ランジ発射まで×2。上ランジ止まりかけた。角度修正。
11日目(10/11):5便 上ランジ発射まで×3。前々日のヨレが残っていた。
12日目(11/3):2便 下ランジ発射まで×1。気温8℃で寒くて無理。シーズン終了。
13日目(4/21):2便 ガバは水溜りで雑巾絞り後RP。最後のランジはダブルダイノ。

ほとんどムーブの起こせなかった初日にめげず、可能性の光が見えた9月下旬から10月上旬にかけて、何かに憑かれたように打ち込んだけれども詰め切れず(無理言って付き合ってもらったパートナーにはほんと感謝)、その後は長雨でシーズンが終わってしまった。
その後5ヶ月半に渡り撮影した動画で反復するなど悶々とした日々を過ごした後、4月の季節外れの夏日に、ゲート閉まっているのに居てもたってもいられず出撃。8ヶ月(正味2ヶ月ちょっと)、13日42便(下ランジ54回、上ランジ68回)をかけて完登した。
正直、このトライの日々が楽しかったかと問われると、辛い記憶の方が多い。とにかく必死でトップガン以外ほとんど何も登らなかったし、初めは全くムーブが起こせず、テンションかければ簡単に止まるようになったランジが、繋げると全然止まらない。指皮も毎週のようにベロンチョしてロープは血染め。最後のランジに辿り着いてからも9回フォール。無理かもと、弱気になったこともあった。でも、取り付きから見上げたトップガンのかっこよさは筆舌に尽くしがたく、トライは止められなかった。


第1ランジ。ガバ右端を狙うと飛距離よりもカチを瞬間的に抑える力が問われる。

世の中には私なんかよりずっと、ずっと通い詰めて1つのルートを落とす猛者達がいて、この程度で音を上げるなんて全然甘いと思われるかもしれないが、冬で5ヶ月半空白が挟まったこともあり、私には結構堪えた。暫くこんなクライミングは勘弁願いたいけれども、また燃えるようなルートに出会えたら通う日が来るかもしれない。苦労した分、登れた嬉しさはひとしおだったし、何より、あんなかっこいいラインをフリーで登れる、こんな爽快なことはない。ルートを生み出した瑞牆の自然と、ラインを見出し開拓した内藤氏に感謝。そして、何度となくビレイしてもらい、一緒にトライもしてくれたKさん、(かなり無理やり)付き合ってもらった小渕さん、野澤さん、川上さん、川端さん、現地などでアドバイスや応援頂いた皆様、ありがとうございました。

[ルートの構成]
出だしはNDDと共通で、2ボルト目から右に分かれる。前半はガバの前傾壁を右上トラバースしながら5ボルト分進み、ガバのレストポイントに入る。ここまで5.10c程度のアプローチで易しいけれど傾斜があるので腕は張る。トップガンにトライする場合はアプローチでアップするのがお勧め。(私は近くのトレビの泉5.10aがいつもアップで混んでいるので、いつもトップガンでヌンチャクがけ兼アップしていた。)その後、体幹を酷使する3手(リーチあれば2手)をこなした後、棚ガバの頂点か右端に右手ランジ。頂点はかかり良いけど遠く、右端は近いけどかかり悪くてレストまで一手増える(私は後者)。この4手でボルダー2級程度。その後、棚ガバでレストした後、飛距離165cm、傾斜130°位のドランジで終了点の棚ガバを止める。このランジは左手が残れば3級程度(多分)、左手が残らないと振られて宙に投げ出されるので2/3級程度(私はリーチ足りず後者。なおムーブは後者の方がかっこいい)。その後棚ガバにマントルを返して終了。ランジ部分はボルトが連打されているので、ムーブできなくてもトップアウト可能。ボルトに全部クリップする必要はないかもしれない。(クリップ間引くと破断したらグラウンドフォールするかもしれないので自己責任で。)


第2ランジ。左手がガバに残らないと右手1本またはダブルダイノで振られに耐える。

私のリーチ(170cm)では5.10c+2級+2/3級、最終ランジに辿り着くまでで易し目の5.12b、トータル5.12dと体感。私が瞬発系なことを勘案すれば、他に5.13a登ってないので比べようがないけれども、5.13aで妥当なのかもしれないと感じた。(非常に癖のあるムーブ系のルートなので、人によって感じ方にかなり差があると思う。リーチも瞬発力もある人なら5.12c位に感じるかもしれないし、使えるホールドが限定されているので身長160cm未満の人には5.13aでは収まらないと思う。)
スカイラインに向かって走る1本のライン、最後に待ち受ける激しいランジ2連発、こんな見た目もムーブもかっこいいルート、中々ないのではと思います。コロッセオの前傾壁が倒壊する日はまだ来なそうなので、カサメリの緑の中、空を舞いたい人は是非トライしてみて下さい!

富士川水系 早川・雨畑川支流 御馬谷

2018年6月9日~10日
中和(単独、記)

南ア西面の沢に行きたかったが、梅雨入りして天候が不安定なので、多少増水しても何とかなりそうな御馬谷に転進した。
御馬谷は、雨畑川に注ぐ比較的大きな沢だが、釣りの記録ばかりで沢登りの記録は殆ど見られない。登山大系には「ゴルジュを有するが総じて平凡」という、やる気を削ぐ記述が載っているので、理由は何となくお察しではある。
ただ、流程8km程度の中規模渓谷であることに加え、「上流部に滝や本格的なゴルジュを有する」という登山大系の煽り文句に乗せられてしまい遡行することにした。

結論としては「本格的なゴルジュ」なるものは消滅したようで、通過容易なゴルジュと小滝のみの沢であった。
大滝やゴルジュを擁する沢が多い安倍奥において、敢えてこの沢を遡行する理由は無いように思われる。
ただ、魚影はぼちぼちあるので、釣りをしながら遡行するのには好適。

6/9(土)  林道(05:41) – 取水堰堤(06:10) – 20m滝 (10:55) – 宿泊地(14:02)  ※途中で入る沢を間違えて2時間程度ロス
6/10(日)  宿泊地(04:30) – 八紘嶺(05:43) – 五色の頭(06:27) – 取水堰堤(10:35) – 林道(11:04)

 

瑞牆山 十一面岩正面壁 ベルジュエール

2018年5月26日
河合(記)、他1名

最近ショートピッチのルートばかり登っていましたが、マルチピッチのスピードと体力を取り戻さないと、ということでリハビリ開始。
まずは現状の把握と力試しということで、行先はミーハーに瑞牆山十一面岩の大クラシック、ベルジュエール。初十一面岩。同行はいつもお世話になってるSさん(会員外)。

5/26
8時植樹祭駐車場出発。Sさんは3回目ということで、ろくにアプローチ調べもせず行ったところ、普通に道を間違えたけど、何とか9時に取付到着。
既に登っているパーティがいて、さらに先行1パーティいるとのこと。オンサイトトライしたかったので、間隔空けて9時40分スタート!

【以下、ムーブやプロテクションの記載あり。オンサイト狙う人はここでストップ!】

1p目(5.11b、30m位):河合リード
アップなしでいきなり核心ピッチ。1ピン目のハーケンまで高い。♯0.75カム決めようかと思ったけど、落ちる難しさではないのでノープロ。その上のぺツルボルトからが実質のスタート。出だしのハングを右から巻いて一息。でも、この後の悪いスラブ状フェースが本当の核心。直上は厳しく、右に左にルートを探ったところ、見えないところに穴を発見!しかし見つけた時、既に腕が終わりかけていて、気合でギリギリ突破。このピッチにリード&フォローで1時間以上使ってしまった。
狭いテラスで、終了点はぺツルボルト2本。2p目(5.10a:30m位):Sさんリード
ハング下のスラブを巻いて、コーナーを登ります。よく足を見ておかないと詰む感じで、Sさん痛恨のテンション。コーナー入ってからも意外と悪く、プロテクションは全部ハーケンで、落ちたくない感じ。マイクロカム極小なら効くかもしれないけど、そういう場所には大抵ハーケンがあって、う~ん。
終了点は立木。3p目(5.8位?:40m位):河合リード
変なフレークをノープロで登って、木登りした後泥コーナーを避けて右のフェースに移ってから左に復帰し、次の左壁の顕著なクラックの元まで。シングルロープだったのでロープが結構重い。カムないと結構ランナウトかも。(私は♯0.3と♯1を使用)
終了点はペツルボルト。4p目(5.9:15m位):Sさんリード
超快適な垂壁クラック。フィストに始まりシンハンドに終わり、適当に手足突っ込んでると次の終了点にあっという間に付く感じ。ちょっと短くて物足りないけど、これが地上にあったら人気出るだろうな~。
終了点は確かぺツルボルト。5p目(歩き:10m位):Sさんリード
大フレーク取付近くの写真撮りやすい所へ移動。
終了点はカムとスリング。

6p目(5.10a:20m位):河合リード
このルートのハイライトとなる、大フレークのピッチ。出だしは足のしっかり立てる簡単なオフウィズス。♯3以上ならところどころ決まる。最後のスタンスで♯4を2個固めて、いざレイバック!適度にスタンスもあって、ホールドはドガバなので、結構ランナウトするけど快適!!
終了点はぺツルボルト。7p目(歩き:10m位):Sさんリード
チムニーの真下まで。
終了点は♯4と細い立木。

8p目(5.8:25m位):Sさんリード
恐怖のチムニーピッチ。手持ちのプロテクションは一切受け付けず、途中のリングボルト1本で耐えるので絶対落ちられない。チムニー自体はう○こ座りズリズリからの右足スタックで問題なし。最後のチョックストーン下に♯2辺りが効くかもしれないけど、そこまで登れたらもう落ちない気も。ザック背負っては無理だったので、クラックの外側に垂らして登ったけど登り辛かった。
終了点は覚えてない。9p目(歩き:10m位):河合リード
次のチムニー入口まで。
終了点は立木。

10p目(5.8位?:20m位)河合リード
ノープロの簡単なチムニーをこなした後、逆イの字クラックまで緩傾斜のコーナークラック。ちょっとバランス悪いけど、問題ない。
終了点は♯0.3、♯0.75、リングボルト2つ。

11p目(5.10b:20m位)Sさんリード
Sさん宿題のピッチということで、Sさんリード。全く問題なく、するすると登っていた。核心は逆イの字の終わるところで、Sさんの真似して同じムーブで行ったところ、核心の一手が届かず、ハンドジャム連打でレストポイントに戻るはめに。リーチ20cm近く違うの忘れてた。仕切り直してハンドジャムの位置を移動させたら何とか届いた。危ない危ない。
確か終了点はぺツルボルト。12p目:(歩き:40m位):河合リード
岩稜歩き。最後のピッチの目印となる立木目指して、左に右に。
終了点は立木。

13p目:(5.8:20m位):河合リード
出だしのワンポイントクラックはトリッキーで迷った。その後のスラブは、足元に♯3が決まったが、リングボルトのリングは飛んでいた。誰か落ちたのかな。普通にカチが見つかったので、スリングをタイオフせずに終了点へ。
終了点はRCCとペツルだった気が。終了点には14時20分到着。4時間40分。久々のマルチ、やはり動きがぎくしゃくしてしまい、少し手間取ってしまいました。でも、半分フォローだったけど、落ちずに登るのは目標だったので嬉しかった。
人気ルートなので順番待ちかなと思ったけど、先行パーティが早くて(我々が遅かっただけか)視界にいなかったので、快適にオンサイトトライが楽しめました。シングルロープだったので流れ気にしてこまめに切ったら、本来10pらしいのですが、気が付いたら13pになってました。実質の登りは9p位でしたが。

下降は頂上から1回懸垂してから、歩き。ルンゼはフィックスべた張りで楽でした。時間が余ったので、周辺のルートや末端壁のルートや取付を一通り確認して下山。(ヨレてたし翌日もあったので末端壁ショートルートはぐっと我慢して登らず。)

ルートの感想としては、オンサイトトライは(このルートの中では)飛びぬけてグレードの高い1p目がほぼ全てで、1p目オンサイトできれば、後のピッチはクラック慣れしていて体力あれば大丈夫と思います。
フェース、スラブ、フレークのレイバック、チムニー、オフウィズス、フィスト、ハンド、シンハンド、岩稜歩きと多彩で(ないのはフィンガー以下、ハング、藪こぎ?)、純粋に面白いです。各ピッチの終了点もテラスも安定していて快適です。
ただ、相応のランナウトがあって落ちない技術が必要ですし、結構長いですし、決してマルチ入門ルートではないかなと思いました。

持参ギア:♯0~♯0.2×1、♯0.3~♯4×2、ヌンチャク×9位、60mシングル1本ほか。
(♯0.3、0.4は1つずつで良くて、♯0.2以下は不要だった)

コースタイム:
8:00植樹祭駐車場→9:00取付/9:40スタート→14:20終了/14:50下降開始→15:30取付/16:10下山開始→16:50植樹祭駐車場

おまけ
5/27
小川山 屋根岩2峰 ジェットストリーム

一応翌日もマルチ登ったので記録つけときます。
小川山に移動して、翌日はショートルートを楽しむつもりでしたが、屋根岩2峰周辺のアップルートは大体登ってしまった。ということで、グレード手頃ということで、Sさんと、ある意味有名なジェットストリーム2pでアップ。地獄が待っているとも知らずに・・・

1p目(5.10b:25m位)河合リード
えぇ、完全に舐めてました。「怖いだぁ? 10bっしょ?余裕余裕♪」と。「ごめんなさいもうそんなこと言わないから許してくださいアップなんかで二度と使いませんから・・・」
えぇ、朝一で冷えた体、流れ落ちる冷や汗、指から滴る血、渾身のニーバー、なぜかハンドジャム。3峰の視線も気にせず、「ウォー!」恥も外聞もなく、叫びましたよ。落ちてジャイアントスイング食らってたまるもんですかと。
足は全部スメアだし、手は意外とスローパーだし、ガバ遠いし、ボルト間隔あるしで、朝一で登る(トラバースする)ルートではありませんでした。深く反省してます。オンサイト。2p目(5.10a:30m位)Sさんリード
出だしから怒涛のランナウト。でも今度は手ではなくて足主体なので、じっくり考える余裕あって1p目に比べ大分楽でした。でも、ランナウトしたスラブでダウンクライム・・・えぇ、絶妙なライン取りでした。落ちずにフォロー。上で(若干誇張気味に)ボロクソに書いてますが、ロケーションといい、ライン取りといい、素晴らしいルートなのは間違いないです。人は選ぶけど。ボルトは一部錆びてるけど落ちても止まるだろうから、そんなに怖がらなくてもいいと思います。でも怖いよ。そして1p目5.10bは嘘でしょ?恐怖で腕に力入りまくったから?
なお、ハンドサイズのカムを持っていくと、救世主になるかも。後、登り返しできないと、落ちたら多分大変。間違っても10bギリの人は行かない方が身のためかと。

ロープもう1本担いでたので、懸垂2回で下降。少し斜懸垂して、Sさんはカブトムシ5.12aにヌンがけ。その後河合はPTA5.11bのスラブを詰め切れず(ムズいけど練習になる!)、エンドルフィン5.13aにボコされ(初段~二段のボルダー?)、スラブの逆襲5.11bを逆襲して(後で調べたら多くの人は左回り、私は右回りのプッシュムーブ。いいのかな。)終了。間違いなく初便が一番疲れた。

剱岳 八峰(敗退)

2018年5月4日~5日
赤井、谷水(記)

5月4-5日で剱岳八峰を目指し入山しました。入山前から天気は悪い予報でしたが、5日は晴れることを期待して。4日朝は扇沢でも雪だったため内蔵助平経由の入山は止め、室堂から剣沢に行きました。室堂にて「長次郎谷に巨大な雪ブロックが落ちているため危険」と張り紙があり、八峰は断念し源次郎尾根に行くことに。ホワイトアウトの中赤旗を目印に進み、別山乗越に到着。剣沢に降りるとがぜん風が強くなりました。既に3張のテントがトイレ回りにあり、自分達もそこに設営しました。雪はスキーするには気持ち良さそうなパウダースノーだったためブロックは切り出せず、なんとなく雪を積んで壁がわりにしました。設営中一瞬ですが剱岳が見えました。今回山頂まで見れたのはその時だけでした。テント内で風が弱まるのを期待しながら就寝しました。
翌5日2時、風が強すぎるため源次郎尾根も諦め再度就寝。結局風が弱まることなく日の出。剱登頂は断念し下山決定。夜のうちにトイレの入口は雪で埋まっていました。別山乗越を少し下ると太陽光が暖かく、風もほぼ吹いていない別世界がありました。そのあとは観光客で賑わう立山を扇沢まで引き返しました。
強風が痛かったですが、風は冷たくなく春山暖かさは感じる山行でした。

鹿島槍ヶ岳東尾根

2018年4月21日~4月22日
赤井、谷水(記)

2日間ともお天気良すぎて、まるで夏山のように暑い山行になりました。
1日目は7時出発。一ノ沢の頭まではブッシュが頻繁に出てきて非常に歩きづらかったです。ニノ沢の頭でテント設営。計5グループが集結し、テント村となりました。誰も第一岩峰基部まで行かず、気温が高すぎて雪が腐っている状況では危ないと判断。14時頃から赤井さんは持参のビールとウイスキーで、私はジュースで乾杯し1日目終了。特に危険箇所なしでした。
2日目は4時出発。最後から2番目となり、第一岩峰で1時間待ち。生ぬるい風が時折吹くくらいで、ちっとも寒くない。快適ですが、この後の雪が気になる。最後尾で雪は階段状になっていました。

第二岩峰で30分待ち。暑い!水がどんどん減っていくので、雪を水ボトルに入れて太陽光で溶かします。冷たくておいしい!赤井さんにリードしてもい、自分もチョックストーンをなんとか越えて、東尾根の山場は無事終了。

12時に鹿島槍南峰に到着、大休憩をとります。剱岳周辺はまだ白かったですが、南峰から雨池山荘までは夏道が露出しており、ノーアイゼンで下ります。赤岩尾根から下っていくも、西沢で早く下山したい誘惑に誘われ、沢下山。途中、爺ヶ岳東尾根側の沢から雪崩がありましたが無事下山終了。駐車場に戻ったのは16時30分でした。
暑かったですが、富士山まで見えて気持ちのいい山行でした。