富士川水系 早川・雨畑川支流 御馬谷

2018年6月9日~10日
中和(単独、記)

南ア西面の沢に行きたかったが、梅雨入りして天候が不安定なので、多少増水しても何とかなりそうな御馬谷に転進した。
御馬谷は、雨畑川に注ぐ比較的大きな沢だが、釣りの記録ばかりで沢登りの記録は殆ど見られない。登山大系には「ゴルジュを有するが総じて平凡」という、やる気を削ぐ記述が載っているので、理由は何となくお察しではある。
ただ、流程8km程度の中規模渓谷であることに加え、「上流部に滝や本格的なゴルジュを有する」という登山大系の煽り文句に乗せられてしまい遡行することにした。

結論としては「本格的なゴルジュ」なるものは消滅したようで、通過容易なゴルジュと小滝のみの沢であった。
大滝やゴルジュを擁する沢が多い安倍奥において、敢えてこの沢を遡行する理由は無いように思われる。
ただ、魚影はぼちぼちあるので、釣りをしながら遡行するのには好適。

6/9(土)  林道(05:41) – 取水堰堤(06:10) – 20m滝 (10:55) – 宿泊地(14:02)  ※途中で入る沢を間違えて2時間程度ロス
6/10(日)  宿泊地(04:30) – 八紘嶺(05:43) – 五色の頭(06:27) – 取水堰堤(10:35) – 林道(11:04)

 

瑞牆山 十一面岩正面壁 ベルジュエール

2018年5月26日
河合(記)、他1名

最近ショートピッチのルートばかり登っていましたが、マルチピッチのスピードと体力を取り戻さないと、ということでリハビリ開始。
まずは現状の把握と力試しということで、行先はミーハーに瑞牆山十一面岩の大クラシック、ベルジュエール。初十一面岩。同行はいつもお世話になってるSさん(会員外)。

5/26
8時植樹祭駐車場出発。Sさんは3回目ということで、ろくにアプローチ調べもせず行ったところ、普通に道を間違えたけど、何とか9時に取付到着。
既に登っているパーティがいて、さらに先行1パーティいるとのこと。オンサイトトライしたかったので、間隔空けて9時40分スタート!

【以下、ムーブやプロテクションの記載あり。オンサイト狙う人はここでストップ!】

1p目(5.11b、30m位):河合リード
アップなしでいきなり核心ピッチ。1ピン目のハーケンまで高い。♯0.75カム決めようかと思ったけど、落ちる難しさではないのでノープロ。その上のぺツルボルトからが実質のスタート。出だしのハングを右から巻いて一息。でも、この後の悪いスラブ状フェースが本当の核心。直上は厳しく、右に左にルートを探ったところ、見えないところに穴を発見!しかし見つけた時、既に腕が終わりかけていて、気合でギリギリ突破。このピッチにリード&フォローで1時間以上使ってしまった。
狭いテラスで、終了点はぺツルボルト2本。2p目(5.10a:30m位):Sさんリード
ハング下のスラブを巻いて、コーナーを登ります。よく足を見ておかないと詰む感じで、Sさん痛恨のテンション。コーナー入ってからも意外と悪く、プロテクションは全部ハーケンで、落ちたくない感じ。マイクロカム極小なら効くかもしれないけど、そういう場所には大抵ハーケンがあって、う~ん。
終了点は立木。3p目(5.8位?:40m位):河合リード
変なフレークをノープロで登って、木登りした後泥コーナーを避けて右のフェースに移ってから左に復帰し、次の左壁の顕著なクラックの元まで。シングルロープだったのでロープが結構重い。カムないと結構ランナウトかも。(私は♯0.3と♯1を使用)
終了点はペツルボルト。4p目(5.9:15m位):Sさんリード
超快適な垂壁クラック。フィストに始まりシンハンドに終わり、適当に手足突っ込んでると次の終了点にあっという間に付く感じ。ちょっと短くて物足りないけど、これが地上にあったら人気出るだろうな~。
終了点は確かぺツルボルト。5p目(歩き:10m位):Sさんリード
大フレーク取付近くの写真撮りやすい所へ移動。
終了点はカムとスリング。

6p目(5.10a:20m位):河合リード
このルートのハイライトとなる、大フレークのピッチ。出だしは足のしっかり立てる簡単なオフウィズス。♯3以上ならところどころ決まる。最後のスタンスで♯4を2個固めて、いざレイバック!適度にスタンスもあって、ホールドはドガバなので、結構ランナウトするけど快適!!
終了点はぺツルボルト。7p目(歩き:10m位):Sさんリード
チムニーの真下まで。
終了点は♯4と細い立木。

8p目(5.8:25m位):Sさんリード
恐怖のチムニーピッチ。手持ちのプロテクションは一切受け付けず、途中のリングボルト1本で耐えるので絶対落ちられない。チムニー自体はう○こ座りズリズリからの右足スタックで問題なし。最後のチョックストーン下に♯2辺りが効くかもしれないけど、そこまで登れたらもう落ちない気も。ザック背負っては無理だったので、クラックの外側に垂らして登ったけど登り辛かった。
終了点は覚えてない。9p目(歩き:10m位):河合リード
次のチムニー入口まで。
終了点は立木。

10p目(5.8位?:20m位)河合リード
ノープロの簡単なチムニーをこなした後、逆イの字クラックまで緩傾斜のコーナークラック。ちょっとバランス悪いけど、問題ない。
終了点は♯0.3、♯0.75、リングボルト2つ。

11p目(5.10b:20m位)Sさんリード
Sさん宿題のピッチということで、Sさんリード。全く問題なく、するすると登っていた。核心は逆イの字の終わるところで、Sさんの真似して同じムーブで行ったところ、核心の一手が届かず、ハンドジャム連打でレストポイントに戻るはめに。リーチ20cm近く違うの忘れてた。仕切り直してハンドジャムの位置を移動させたら何とか届いた。危ない危ない。
確か終了点はぺツルボルト。12p目:(歩き:40m位):河合リード
岩稜歩き。最後のピッチの目印となる立木目指して、左に右に。
終了点は立木。

13p目:(5.8:20m位):河合リード
出だしのワンポイントクラックはトリッキーで迷った。その後のスラブは、足元に♯3が決まったが、リングボルトのリングは飛んでいた。誰か落ちたのかな。普通にカチが見つかったので、スリングをタイオフせずに終了点へ。
終了点はRCCとペツルだった気が。終了点には14時20分到着。4時間40分。久々のマルチ、やはり動きがぎくしゃくしてしまい、少し手間取ってしまいました。でも、半分フォローだったけど、落ちずに登るのは目標だったので嬉しかった。
人気ルートなので順番待ちかなと思ったけど、先行パーティが早くて(我々が遅かっただけか)視界にいなかったので、快適にオンサイトトライが楽しめました。シングルロープだったので流れ気にしてこまめに切ったら、本来10pらしいのですが、気が付いたら13pになってました。実質の登りは9p位でしたが。

下降は頂上から1回懸垂してから、歩き。ルンゼはフィックスべた張りで楽でした。時間が余ったので、周辺のルートや末端壁のルートや取付を一通り確認して下山。(ヨレてたし翌日もあったので末端壁ショートルートはぐっと我慢して登らず。)

ルートの感想としては、オンサイトトライは(このルートの中では)飛びぬけてグレードの高い1p目がほぼ全てで、1p目オンサイトできれば、後のピッチはクラック慣れしていて体力あれば大丈夫と思います。
フェース、スラブ、フレークのレイバック、チムニー、オフウィズス、フィスト、ハンド、シンハンド、岩稜歩きと多彩で(ないのはフィンガー以下、ハング、藪こぎ?)、純粋に面白いです。各ピッチの終了点もテラスも安定していて快適です。
ただ、相応のランナウトがあって落ちない技術が必要ですし、結構長いですし、決してマルチ入門ルートではないかなと思いました。

持参ギア:♯0~♯0.2×1、♯0.3~♯4×2、ヌンチャク×9位、60mシングル1本ほか。
(♯0.3、0.4は1つずつで良くて、♯0.2以下は不要だった)

コースタイム:
8:00植樹祭駐車場→9:00取付/9:40スタート→14:20終了/14:50下降開始→15:30取付/16:10下山開始→16:50植樹祭駐車場

おまけ
5/27
小川山 屋根岩2峰 ジェットストリーム

一応翌日もマルチ登ったので記録つけときます。
小川山に移動して、翌日はショートルートを楽しむつもりでしたが、屋根岩2峰周辺のアップルートは大体登ってしまった。ということで、グレード手頃ということで、Sさんと、ある意味有名なジェットストリーム2pでアップ。地獄が待っているとも知らずに・・・

1p目(5.10b:25m位)河合リード
えぇ、完全に舐めてました。「怖いだぁ? 10bっしょ?余裕余裕♪」と。「ごめんなさいもうそんなこと言わないから許してくださいアップなんかで二度と使いませんから・・・」
えぇ、朝一で冷えた体、流れ落ちる冷や汗、指から滴る血、渾身のニーバー、なぜかハンドジャム。3峰の視線も気にせず、「ウォー!」恥も外聞もなく、叫びましたよ。落ちてジャイアントスイング食らってたまるもんですかと。
足は全部スメアだし、手は意外とスローパーだし、ガバ遠いし、ボルト間隔あるしで、朝一で登る(トラバースする)ルートではありませんでした。深く反省してます。オンサイト。2p目(5.10a:30m位)Sさんリード
出だしから怒涛のランナウト。でも今度は手ではなくて足主体なので、じっくり考える余裕あって1p目に比べ大分楽でした。でも、ランナウトしたスラブでダウンクライム・・・えぇ、絶妙なライン取りでした。落ちずにフォロー。上で(若干誇張気味に)ボロクソに書いてますが、ロケーションといい、ライン取りといい、素晴らしいルートなのは間違いないです。人は選ぶけど。ボルトは一部錆びてるけど落ちても止まるだろうから、そんなに怖がらなくてもいいと思います。でも怖いよ。そして1p目5.10bは嘘でしょ?恐怖で腕に力入りまくったから?
なお、ハンドサイズのカムを持っていくと、救世主になるかも。後、登り返しできないと、落ちたら多分大変。間違っても10bギリの人は行かない方が身のためかと。

ロープもう1本担いでたので、懸垂2回で下降。少し斜懸垂して、Sさんはカブトムシ5.12aにヌンがけ。その後河合はPTA5.11bのスラブを詰め切れず(ムズいけど練習になる!)、エンドルフィン5.13aにボコされ(初段~二段のボルダー?)、スラブの逆襲5.11bを逆襲して(後で調べたら多くの人は左回り、私は右回りのプッシュムーブ。いいのかな。)終了。間違いなく初便が一番疲れた。

剱岳 八峰(敗退)

2018年5月4日~5日
赤井、谷水(記)

5月4-5日で剱岳八峰を目指し入山しました。入山前から天気は悪い予報でしたが、5日は晴れることを期待して。4日朝は扇沢でも雪だったため内蔵助平経由の入山は止め、室堂から剣沢に行きました。室堂にて「長次郎谷に巨大な雪ブロックが落ちているため危険」と張り紙があり、八峰は断念し源次郎尾根に行くことに。ホワイトアウトの中赤旗を目印に進み、別山乗越に到着。剣沢に降りるとがぜん風が強くなりました。既に3張のテントがトイレ回りにあり、自分達もそこに設営しました。雪はスキーするには気持ち良さそうなパウダースノーだったためブロックは切り出せず、なんとなく雪を積んで壁がわりにしました。設営中一瞬ですが剱岳が見えました。今回山頂まで見れたのはその時だけでした。テント内で風が弱まるのを期待しながら就寝しました。
翌5日2時、風が強すぎるため源次郎尾根も諦め再度就寝。結局風が弱まることなく日の出。剱登頂は断念し下山決定。夜のうちにトイレの入口は雪で埋まっていました。別山乗越を少し下ると太陽光が暖かく、風もほぼ吹いていない別世界がありました。そのあとは観光客で賑わう立山を扇沢まで引き返しました。
強風が痛かったですが、風は冷たくなく春山暖かさは感じる山行でした。

鹿島槍ヶ岳東尾根

2018年4月21日~4月22日
赤井、谷水(記)

2日間ともお天気良すぎて、まるで夏山のように暑い山行になりました。
1日目は7時出発。一ノ沢の頭まではブッシュが頻繁に出てきて非常に歩きづらかったです。ニノ沢の頭でテント設営。計5グループが集結し、テント村となりました。誰も第一岩峰基部まで行かず、気温が高すぎて雪が腐っている状況では危ないと判断。14時頃から赤井さんは持参のビールとウイスキーで、私はジュースで乾杯し1日目終了。特に危険箇所なしでした。
2日目は4時出発。最後から2番目となり、第一岩峰で1時間待ち。生ぬるい風が時折吹くくらいで、ちっとも寒くない。快適ですが、この後の雪が気になる。最後尾で雪は階段状になっていました。

第二岩峰で30分待ち。暑い!水がどんどん減っていくので、雪を水ボトルに入れて太陽光で溶かします。冷たくておいしい!赤井さんにリードしてもい、自分もチョックストーンをなんとか越えて、東尾根の山場は無事終了。

12時に鹿島槍南峰に到着、大休憩をとります。剱岳周辺はまだ白かったですが、南峰から雨池山荘までは夏道が露出しており、ノーアイゼンで下ります。赤岩尾根から下っていくも、西沢で早く下山したい誘惑に誘われ、沢下山。途中、爺ヶ岳東尾根側の沢から雪崩がありましたが無事下山終了。駐車場に戻ったのは16時30分でした。
暑かったですが、富士山まで見えて気持ちのいい山行でした。

2017-2018シーズン 城ヶ崎トラッドルート

2017~2018シーズン
河合(記)

備忘録も兼ねて、今シーズン冬山サボって登った城ヶ崎のトラッドルートの紹介でもしようかと思います。

【浮山橋】
アプローチは駐車場から3分位と楽。しかしアプローチ道になぜか人のう〇こが時々あるので、足元要注意。

(1)トラベルチャンス5.10c PD(体感5.10b):フラッシュ
PD(Protection Difficult)となっていますが、スモールカム2セット、ナッツ1セットで取りついたところPDに感じませんでした。途中のボルトは無視できます。ムーブはフェース的で、ジャムはあまりしませんでした。友人が「全国に散らばるトラベルチャンス完登を集めるといいことあるらしい」と、ドラ〇ンボールみたいなことを話していましたので、誰か試してみてください。

(2)ストップ・ザ・トマホーク5.11a(体感5.11a):2便RP
上部は巨大チョックストーンとなっていて危ないので、ゲルニカに合流します。核心は出だしの5m。ハンド~フィストジャムのテクニックが試されます。ゲルニカと見た目は似ていますが、内容は異なる印象で、こちらの方がハードでした。せっかくなのでゲルニカとセットでどうぞ。

(3)ゲルニカ5.10d(体感5.10d):2便RP
ピカソのゲルニカには見えない気が。核心は出だしの5mで、トリッキーなジャムがポイントです。腕に覚えのある方は、是非オンサイトで!中間部は中だるみ気味で残念ですが、上部は豪快なガバハングが爽快です。終了点直下の岩は落ちそうなので、触れない方が良いと思います。

【シーサイド:サンセットエリア】
有名なボルトルートがたくさんある、冬のフリークライマーの定番ですが、ボルトルートの間にトラッドルートも結構あります。ただ、ボルトルートを登る人があまりに多いので、トラッドクライマーはちょっと肩身が狭い感じ。こんなこと書いている私も、シーサイド行けば大抵ボルトルート登っていますが。

(4)気分は最高5.10c(体感5.10c):オンサイト
スケールも結構あって見栄えのいいルートです。出だしのプロテクションはあまりよくなくて、グランドフォール者が結構出たらしく、ナッツのスロット下にボルト打ってあります。楽勝でオンサイトできる実力のない人は使った方が良いかと思います。その後も向きの悪いスモールカムなど、下部のプロテクションはいまいちで落ちたくないです。途中テラスがあって無限にたそがれることができますし、後半は傾斜も緩み、要所でしっかり休めるので、オンサイトし易いと思います。

【ファミリークラック】
5.10台の名クラックがたくさんあり、下地も良いですが人も多いです(シーサイドに比べれば少ないですが)。吊り橋から観光客に物落とされないか怖い。

(5)ファザークラック5.10c(5.10c):2便RP
城ヶ崎を代表するクラックとのことで、確かに綺麗です。上部クラックには飲み込まれたカムがいくつかありました。下部フィンガーは問題なく、核心は最上部のフェースムーブ。私は無念のオンサイト失敗。

(6)マザークラック5.10c(5.10c):フラッシュ
見た目結構いかついです。でも、胎内でノーハンドレストでき、核心手前もがっつり休めるので、上部のジャムと最後のホールドを見落とさなければ登り易い印象。

【かさごね】
何本かルートがあり、いずれも懸垂下降でテラスに降りてから登ります。ユマールなどあった方が便利。

(7)神風5.11b(体感5.11b):2便RP
山野井氏の作品。よくこんな所にルート見つけたなぁという場所にあります。上部は130°はあろうかという強傾斜にクラックが走っています。核心は短くムーブ強度大。ムーブはフェース的ですが、最後はやはりジャミング。また、登っている最中に物を落とすと海ボチャですので要注意(パートナーの眼鏡が海の藻屑と消えました)。取り付き辛い場所にある割には、先行パーティがいたり、上から覗き込んで来るパーティーいたりで、意外と人気ルート?降りたテラスには他にルートがなく、パートナー核心。

【あかねの浜】
よく日の当たる大きなエリアです。いつも混んでいます。抜け口付近に浮石が多いのでクライマーもビレイヤーも要注意です。また、大体のルートには途中にテラスがあり、上部でドカ落ちするとテラスに叩きつけられますので、これまた要注意。

(8)ゴミステーション5.11c(体感5.11c):4便RP
このルートだけ、あかねの浜のメインエリアから離れた、日の当たらない岩壁にぽつんとあります。名前はあんまりですが、シビアなフィンガージャムが数手あり、フィンガージャム技術の試される好ルートです。核心は左回りと右回りがあるようです。(私は右回り)。抜け口付近に浮きそうな大岩があるので要注意。

(9)カームフライデー5.10c(体感5.10c):オンサイト
出だしのチョックストーンはそのうち抜けないか心配。下部核心で途中無限レストでき、上部は快適。人気ルートでいつも誰か取りついています。

(10)ツワブキ5.10b(体感5.10b):オンサイト
下部はアプローチで、上部のフィンガーからのフィストが核心ですが、周囲にホールドあるので、ほとんどジャムしなくても登れます。上部のルンゼは落石を起こさないよう、細心の注意を払ってください。

(11)ホタテクラック5.10b/c(体感5.10c):2便RP
下部のクラックは結構悪く、私はここで頑張りすぎて肩痛めました。上部はちゃんとオブザベーションすれば難しくないですが、クラック限定で登れば面白そう。

(12) キョロちゃん5.10a(体感5.10c):フラッシュ
上部のクラックは幅が広くチョックストーンが詰まっていてワイルドな感じでした。ムーブもわかり辛く、かなり奮闘的になってしまったので、ホールド見落としていそうです。

(13)コモドドラゴン5.10d(体感5.10d):3便RP
途中に色の怪しいボルトが2つありますが、なくても登れそう。下部のコーナークラックは問題なく、抜け口のジャミング乗越が核心。しっかりプロテクション決めて突っ込みましょう。(テラスに叩きつけられて足捻挫した人を見ました)。

【おとじろう】
木々に囲まれた入江にある、落ち着いた静かなエリアです。下地は珍しく砂で快適ですが、あまり陽が当たらないので寒いです。

(14)おとじろうハング5.11a(体感5.11b):6便RP
おとじろうエリアを代表するルートで、上部3mは130°位の傾斜にフィンガークラックが走っています。下部は易しく、実質この3mにグレードがついていると思われます。核心は色々な登り方があるようですが、逃げずにクラック真っ向勝負をお勧めします。核心手前のレストホールドは尖っていて指が痛くなります。

【オーシャン】
多くのルートは懸垂下降しないと取り付けないですが、一部浜から取り付けます。

(15)ボクサー5.10b(体感5.10b):オンサイト
名前の通り、核心はフィストジャム連打で面白いですが、結構しょっぱかったです。

【日蓮崎】
3本、短いですが濃いクラックが走っています。杉野さんのHPにも書いてありましたが、これが3本繋がっていたら、素晴らしいルートになると思います。☆付きが並んでいるためか、冴えない見た目の割にいつも人がいます。

(16)インディアンドール5.10d(体感5.10d):3便RP
3本の中で一番長い(と言っても6m位?)前傾ハンド~シンハンドクラックです。トリッキーなジャムもあり、最初からエンジン全開で行かないといけないので結構大変。最後までブレずにジャミングを要求されます。

【門脇南の磯】
シーサイドに次いでボルトルートの多いエリアとのことですが、ボルトは錆びているものが多く、使う気になりません。クラックもそこそこ発達していますが、ガバホールドに乏しく、全般にあかねの浜より厳しい印象。

(17)July the ダディ5.11b(体感5.11b):3便RP
短いルーフチムニーで、ルーフから脱出した所で終了のようです。プロテクションは良いので思い切り突っ込めます。ムーブの解明にも思い切りが必要でした。短くてボルダー的でムーブは面白いです。私は傾斜が強いのでフォロー回収、終了点撤収後、上まで抜けるのが面倒だったので、隣のルートをクライムダウンしました。

(18)海が見える5.10a(体感5.10b/c):フラッシュ
波が高いとビレイヤーが波被るので取り付けません。中間部はバランシーでムーブわかり辛く、プロテクションのセットもしにくくてストレニュアス。最後はマスターカム1番を足下5mに微妙なボロ壁スラブムーブと、精神的要素も強くて、このグレードにしては難しく感じました。

【漁り火エリア】
(19)イサリビクラック・ライト5.10c(体感5.10c):オンサイト
短いですが見栄えの良いクラックで、内容も素直でお勧めです。フェース要素も結構あります。登った時は上部クラックの染み出しが酷くてとても保持れる状態ではなく、雑巾がけ、チョーク塗り込みムーブを駆使しました。

大源太山コブ岩尾根

2018年4月1日(日)
薄田(記)、野澤

行程: 清水 4:00 ~丸の沢出合 6:30~ Ⅱ峰8:50~ 大畠ノ沢 10:00~ 清水12:30

「ヤブ、ヤブ、ヤブ----」 薮には参りました。
谷川も終わったこの時期に夜行日帰りで行けそうなところを検討した結果この大源太山コブ岩尾根になりました。
当クラブの古い記録もあり、ネットでも3月末から4月中旬の記録も散見してたので行ってみたが・・・・・
清水部落を過ぎてすぐのところが除雪前なので車の最高到達地点。夜の11:00を過ぎていたが既に2台駐車。(結局登山者では無かったと思う。)
レガシーの後にテントを張り3時まで寝る。
丸ノ沢が出会いまでは登川右岸にある国道上を進むが途中3本くらい大きな沢を越える。
「アズマヤ沢」だと思うが沢身を渡る直前で薄田、空洞化した雪面を踏み抜き左足の靴が岩にスタック。これがクラック状になった所にジャミングがバッチリ決まりウンともスントも動かない。10分くらい格闘の末やっと脱出。その大きな岩は浮いておりそのような状態になってしまった。
過去の記録を見るとアプローチにスキーを使用しているパターンが多く、行ってみて納得。兎に角アプローチが平坦で長い。今回は雪解けが進み歩きのほうがベターだった。
丸の沢に入るとルートの全貌が見えて来たが・・・雪が無い。黒すぎる。一抹の不安が脳裏を過ぎるがビンゴになってしまった。
大畠の沢に入り本流に滝が見えたのでそこから尾根に取り付く。暫くは雪面を歩けたが1峰前くらいから猛烈な薮になり閉口する。アイゼンを付けるのが早すぎた。アイゼン、スノーバー、ストックと次々に薮に引っかかりイヤになった。
1峰手前は左手が小岩場になっており多少楽になるが2峰手前も又しても猛烈な「ヤブ」。
鶏冠状に特徴の有る2峰は3年前の某クラブの記録と比較するとエライ違い。丸裸状態で有る。
結局これ以上行っても同じようにヤブに痛めつけられるだけと判断。これにて敗退決定。
年によって違いがあると思うがまあ写真の通り天気だけは良かったので久しぶりに越後のディープなヤブに触れられて良しとしよう
下降は残置のシュリンゲを使い20mの懸垂下降とヤブのクライムダウンで大畠の沢4ルンゼに降り立ち長いアプローチを汗だくで清水へと戻った。

谷川岳 一ノ倉沢一ノ沢 左方ルンゼ

2018年3月4日
薄田(記)、野澤

コースタイム:
一ノ倉出合 5:00
F5 8:40
一ノ倉出合 12:00

「ヤバいよヤバいよ」
F5上の雪田から降ってくる雪崩でF5入り口にてビレーするデカ目のヤツにやられ、飛ばされたがアンカーに助けられ事なきを得た。
この時薄田はテンションを貰って雪壁を下降中。ハーケン抜けてたら一ノ沢の出合まで死へのダイブがスタートするところでした。
前日の予報は水上での最高気温が17℃を告げていたがいつもどおり出合まで行くだけ行って判断しようと某駐車場を出発。先々日の雪は締まったようで普通に歩きやすかった。
出合に到着しても雪面は締まっており早く1・2の中間リッジ早く抜けられたら何とかなりそう。結局何とかならなかったが・・・
先輩から教わった出合で足のすね以上埋まったら引き返すという敗退基準はクリアーしていたが気温基準がそれを越えていた。
コップ側からデカイヤツが来ていて出合から30mも行かないくらいで高さ6、7m位のデブリが斜めに走り雪崩のすさまじさを再認識。
一ノ沢の本流に入り傾斜が増す頃から雪崩れ通過後の樋状滑り台が断続的に続く。
F1、F2は簡単なので各自フリーで登る。F3からロープを出し野澤先行でスタート。
氷が柔らかいのか快調にロープを伸ばす。但し、先行1パーティーが落とす時折大きい氷が弾丸となって普通に飛んでくるので上を見ていないとヤバい。

薄田、一度拳1/3程度がバウンドを読み切れず左胸にHIT、痛かった。
ビレー解除の声に薄田スタート。簡単なるも50mいっぱい伸びていたので脹ら脛のレストの為若干休憩を入れながら登る。
F4リードを薄田に交代。出だしF3より急だが4mも登るとバンド伝い、左右に逃げられるので見た目ほど難しくは無い。
氷部は25m程で抜けて更に5m雪面を左に上がり立木(残置シュリンゲ有り)でビレー。

続く雪壁も50mいっぱいで左手の立木でビレー、そこから核心のF5チョックストーンが見える。更に50m弱で手前の右壁下部にハーケンを2枚打つが1枚は半分しか入らない。
さて、この頃から強めの日射のもと気温も上がり塵雪崩が落ちてくる。
核心は野澤君の番だが既にゆるゆるの雪と申し訳なさ程度に付着した氷のためか難しそう。
そうこうする内に上部雪田からの塵雪崩落下間隔が狭まり大きさも増してきた。

薄田にリードを交代するもチョックストーンの左手には微かな氷しか無く傾斜も強いので逡巡。右手手前に目を移すが氷は付着するも気温の上昇でグズグズの状態、草付き状だが傾斜も有り支点取れないのでこちらもヤバイ。
そうこうする内に上部雪田から間欠的に重めの雪崩が降ってくる。
「もう駄目だ!」降りると決断。
薄田、そのままテンション入れながら50m下降。途中、野澤君がビレー中大きめの1発を食らいセルフにぶら下がる。ハーケン、効いてて良かった。
何とか立木まで降りてそこから懸垂開始。50m2回ではF3取り付きに届かず薄田7m程クライムダウン。後はテンションとクライムダウンで一ノ沢本流に到着。
助かった。

反省点はなんと言っても気温上昇。こんな日に入っちゃ行けない。しかし先行1パーティーはしっかり抜けて我々がセンター到着前に降りて来ていた。もう一点はもう1時間早くスタートが必要だった。

日光雲竜渓谷雲竜瀑

2018年2月25日(日)
薄田、野澤、川上、山崎(記)

今日の目的地は、時期的に氷結状態が心配されましたが、日光雲竜渓谷雲竜瀑です。東北道、日光宇都宮道路を通り、日光インターで降り、国道119号神橋の信号を右折。すぐの稲荷川に掛かる橋の手前を左折して川沿いに奥へと入っていくとゲートが現れ、そこに駐車するのだが、すでに満車状態。少し下った路肩に駐車。午前8時30分頃に行動開始。道は直進と左手の二手に分かれており、どちらにもゲートが降りているが直進する。しばらく道なりに進み、途中堰堤上を渡河、左岸を上流へと向かう。大きな堰を巻くと広々とした河原に出て右岸に向け歩き、林道に合流し雲竜渓谷へと向かう。林道は、九十九折れに標高を上げていくので随分余計に歩かされる。

午前10時20分頃、雲竜渓谷に到着。河岸両側に見事な氷柱が立ち並んでいた。

その中を奥へと進むと、ついに雲竜瀑が現れた。遠目に見るとなんだかほっそりしている。

雲竜瀑に至る入り口のF1からは、巻道を上がっていくが、凍っていて悪いのでアイゼン装着。雲竜瀑直下には午前10時40分頃に到着する。
天候は晴れ。無風。寒くなく、先行1パーティーが登攀中であった。近くで見る滝の状況は、立派に氷結しているが、本などで見るのと比べると、少し迫力に欠ける感じでした。下部は発達していました。正面、右側は出だしが、氷のせり出しでハングしていた。先行パーティは左側から登っている。時々落ちてくる落氷もさることながら、右岸側の脆そうな絶壁からも小さな落石があった。
我々は、野沢、川上組と薄田、山崎組に分かれて登攀開始、登路は左側から登る。氷のせり出しの陰になっているため、やや硬くて脆い。氷のチムニーみたいなところ抜け、左上し、少し進んだところ、下から26~7メートル進んだところの氷のテラス状のところでピッチを切る。ここからはほぼ垂直部分を直上していくが、足もあるし、このあたりになると日が当たるため、氷も柔らかくアックスも刺さりがよくて登りやすい。

ところが、垂直部を抜け、傾斜が緩くなったあたりに差し掛かると、これまでも氷の中からしていた水流の音がより大きくザーザーと。一部氷がとても薄く水が流れているのが透けて見える。踏み抜かないように場所を選んでそーっと進む。左岸岩壁がすぐ横だが残置支点などない。その代わり残置スクリューとアバラコフに掛かった残置スリングがあり、そこで野沢、川上組がピッチを切る。ここまで25メートルくらいか。滝自体はさらに上に続いているが、氷結状態が良くなく、穴も空いているとのことで、ここでして残置物を利用して降下することになった。ここから一番下まで50メートルぎりぎりで届いて降下終了。
雲竜瀑登攀後、渓谷右岸に掛かる氷柱を登る。

名前もグレードも不明だが、約25mくらいあるバーチカル。野沢、川上組は左側を、薄田さんは中央をリード。その薄田さん曰く、6級はるとのこと。私もフォローで登りましたが、雲竜瀑より面白かった。
そこで楽しんだ後、現場を午後5時過ぎに後にして、車に戻ったのが暗くなった午後6時半頃でした。路面が凍結しているところがあるので、明るいうちの下山がいいです。
結局、本日クライマーは、1組しか見ませんでした、朝、満車状態だったのは、滝見物のハイカーだったのかもしれません。渓谷の両岸に掛かる氷柱は、もう少し楽しめそうですが、日がよく当たる雲竜瀑は、まもなく終了かなと感じました。

西上州 狭岩峡不動の滝

2018年2月12日(火)
薄田、谷水(記)

薄田さんにお誘いいただき、急遽群馬県にアイスクライミングしてきました。
当初は相沢の大滝に行く予定でした。自分が朝寝坊して到着が遅れ(本当にすみません…。)、先行パーティも複数いましたがとりあえず行ってみることに。。そこに、なんと偶然向畑さんと福原さんにお会いし、相沢に来たが別の場所に移動されると聞き、自分達も転戦することに。結果たどり着いたのが群馬県○村の大滝。アプローチは車道から1分!しかし滝は30m位あって登りごたえ満点でした。アイス2回目だったのでフォローで。蹴り込みが甘く1回テンション、悔しい(>~<)\

2回登ったあとに、蹴り込みとトラバース、スクリューセットのご指導いただき、終了となりました。スクリューが思っていたよりも入っていきづらく、難しいことが分かってまた楽しさを感じたアイスになりました。

西上州 相沢大氷柱

2018年2月3日
薄田(記)、山崎

危ないオジサン2名で相沢大氷柱に行ってきました。
前週も入ったのですがそれは当初計画の「犬殺し」(成犬)のコンディションが悪かったためでした。色々検討した結果相沢に移動となりました。山を登り返して(オジサンにはキツい)到着するも河合君の慎重リードで時間いっぱい。(おじさん2名はフォローのみ)
そんなわけで再トライを目的に飽きもせず出かけてきました。薄田は右手中指の骨折もあり、リハビリトレーニングの意味も有るのでまあイッカて感じ。

1本目薄田リード、フォロー山埼。2本目山埼リード&薄田フォローの形態で登りました。

先行1パーティー居ましたが1時間くらいで移動してくれたので助かりました。
コンディションは17年シーズンよりはショボイもののまあまあの状態でした。(一部3m程スプラッシュ状態)